ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

8 / 60
第八話

「ぐっ……ば、バカな……!」

 

「ごほっ、ごほっ! どういう、ことなの……? あの光の玉はさっき、地面に激突して無くなった筈なのに……!」

 

 繰光連弾を直撃したゼノヴィアは片膝を地面に付けていた。加えて片手で持ってる聖剣を地面に突き刺し、もう片方の手は腹部に手を当てている。

 

 加えてイリナはダメージが大きかったのか、『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』を手放して、両膝を地面に付き、両手で腹部を手に当てていた。

 

 因みに繰光連弾は二人に命中した時点で消えている。アレはもう目的を果たしたから、俺の意思で消した。

 

「阿呆。それは君達が勝手にそう判断しただけだ。俺は消えただなんて一言も言ってない」

 

 繰光連弾が地面に激突して無くなったと大半は思うだろうが、アレはそのまま消えずに地面の中に待機していた。繰光連弾は遠隔操作出来る技だから、消さずに維持するのは造作もない。尤も、維持するだけで地味にオーラを消費してしまうが。

 

「そんな事より、どうやら思っていた以上にダメージが大きいようだな。ひょっとして当たり所が悪かったか?」

 

 例えて言うなら、サッカーボールサイズの鉄球が凄まじい速度で二人の腹部に当てたようなもんだ。俺が放った繰光連弾はそれなりの硬度もある。

 

「もし続けられないなら止めても良いが、どうする?」

 

「ふざ、けるな! 私たちは、この程度でまだ終わらん……!」

 

「たった一回当てただけで……ううっ!」

 

 ゼノヴィアはまだやれるようだが、イリナの方は思っていた以上に効いてるようだ。さっきからずっと脇腹を手に当てている。恐らく肋骨が何本か折れてるだろうな。

 

「イリナ、そんな状態で強がるのは止めておけ。こんな意味の無い決闘を続ける必要なんて無いんだからな」

 

「……意味は、あるわ。この戦いを乗り越える事で、私の主に対する信仰が更に高まるもの……!」

 

 いや、聖書の神(わたし)としては止めて欲しいんだが。怪我してまで戦っても、聖書の神(わたし)は君の評価を高めようだなんて思わないから。

 

「……あっそ。だったら」

 

「っ!」

 

 俺は超スピードであっと言う間にイリナの背後を取り――

 

 

 トンッ!

 

 

「あっ……」

 

 首筋に手刀で当てて気絶させた。

 

 先ずは一人。

 

「イリナッ! 貴様、よくもイリナを!!」

 

 イリナが気絶した事に聖剣を両手に持ち構えながら激昂するゼノヴィア。

 

「落ち着け。単に気絶させただけだ。さて、後は君だけだが、どうする? 俺としては降参して欲しいんだが」

 

「くっ、舐めるなっ!!」

 

 そう言ってゼノヴィアは『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』を振り翳しながら突進してくる。

 

「はあああっ!!」

 

「まだやるか。だったら――」

 

 自分の頭上から振り下ろす聖剣の刀身を――

 

 

 ガシイッ!!

 

 

「……な、なん、だと……?」

 

「ちっ。少しばかり手が痺れたか」

 

 俺が左手で受け止めてそのまま掴んだ事により、ゼノヴィアは信じられないように驚愕している。

 

 これにはゼノヴィアだけじゃなく、少し離れているイッセーを除くリアス達も驚いていた。

 

「き、貴様は、一体何者なんだ……?」

 

「呆然としてるところを悪いが、戦闘中だって事を忘れるなっと」

 

 そう言いながら俺は空いてる片手で呆然としてるゼノヴィアの額に――

 

 

 バチィィンッッ!

 

 

「~~~~~~!!」

 

 少し力を込めたデコピンを当てた。これにはかなり効いたのか、ゼノヴィアが持ってる聖剣を手放し、両手で顔を覆っている。 

 

 因みにゼノヴィアがデコピンを受けた瞬間、小猫が自分も受けたかのように片手を額に当てていた。多分、山での修行で俺にデコピンを当てられた痛みを思い出しているんだろう。

 

 そう思いながらも俺は左手で受け止めている聖剣の刀身を、すぐに柄の方へと持ちかえる。

 

「ん?」

 

 突然走った痛みに、俺は思わず手にしてる聖剣を見る。

 

 見ると、『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』は拒否反応を示すように、柄からバチバチッと電気みたいな光のオーラを放出する。

 

 全く。ちょっと見ない内に随分と偉くなったもんだ、この聖剣は。

 

 ――聖剣エクスカリバー、いや、破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)よ。聖書の神(わたし)に対して無礼ではないか?――

 

 俺がそう念じながらオーラを流し込むと、さっきまで拒否反応を示していた聖剣が急に大人しくなった。

 

『っ!?』

 

 この光景に気絶してるイリナと見物してるイッセーを除き、誰もが驚愕した。

 

 だが俺は気にせず左手に持ってる聖剣を高く持ち上げながら、くるっと持ち替えるように刀身を地面へと向ける。

 

「ゼノヴィア、コイツの本当の威力を見ておくんだな」

 

「っ! 何故貴様が聖剣を……!?」

 

 俺が平然と聖剣を手にしてる事に驚いてるゼノヴィアは問う。

 

「今の君にそれを知る必要は……ないっ!」

 

「お、おい待て兄貴! そんな事したら!」

 

 イッセーの言葉を無視するように俺は聖剣を地面に突き刺すと――

 

 

 ドォォォォォオオオオオオオオオンッッ!!!!

 

 

『きゃあっ!!』

 

 ゼノヴィアがやった時とは比べ物にならないほどの爆発と地響きが発生した。これにより女性陣からの悲鳴が上がる。

 

 そして爆発によって発生した煙が晴れると、俺の周囲は巨大なクレーターが出来ていた。

 

「………少しやり過ぎたか」

 

 よく見ると、さっきの爆発と爆風によって吹っとばされたゼノヴィアはうつ伏せになって気絶している。あとさっきから気絶してるイリナもゼノヴィアと同様に吹っ飛ばされて仰向けとなっていた。

 

「これのどこが少しだ!! こっちまで被害が来たぞバカ兄貴!!」

 

「え? …………あ」

 

 声がした方を見てみると、少し離れた上空には悪魔の翼を展開してるリアス、朱乃、小猫が浮遊していた。そして闘気(オーラ)を解放して浮遊しながらもアーシアと祐斗を抱えているイッセーもいる。

 

 アイツ等にまで被害が及んでしまった事に、俺はすぐに気まずそうに謝ろうとする。

 

「悪い悪い。ちょっと加減を誤った」

 

「ちょっとどころじゃねぇ! ってかどうすんだよそのクレーターは!? ちゃんと兄貴が直すんだろうな!?」

 

「勿論だ。自分で壊した物くらい自分で直すさ。と言う訳でリアス、聖剣使いのコイツ等は気絶してるから勝負は付いたってことで」

 

「………ええ、もう続ける意味は無いわ。私としては聖剣を使うあなたに問い質したい所だけど、取り敢えずちゃんと戻しておくように」

 

「了解、っと」

 

 複雑そうな顔をしながら指示してくるリアスに、俺は先ず気絶してるゼノヴィアとイリナを(+擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)も)背負って場所を変えようとした。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「さてお二人さん。俺に負けた以上、約束通り俺の要求に従ってもらうよ」

 

「くっ……。好きにするが良い。それで、貴様の要求とやらは一体何だ?」

 

「ああ主よ、申し訳ありません」

 

 クレーターによって悲惨な場所となった練習場を元に戻し、気絶してるゼノヴィアとイリナに部室で治療と介抱をした後、俺は目覚めた二人にある要求をしようとする。

 

 因みに二人には治療と介抱をしたついで、俺の術で少々記憶を変えた。俺が聖剣を使った事をもし教会に知られたら後々面倒な事になるので、二人は純粋に俺との勝負に負けたと言う事にしている。当然、リアス達には決して二人に記憶を変えた事を言わないようにと釘を刺している。アーシアはちょっと複雑そうな顔をしていたけど。

 

 それと何で二人に要求するのかと言うと、決闘をする前に俺が『負けたら一つだけ何でも言う事を聞く』って言う一種の罰ゲームを提案したからだ。

 

 当然これは相手の了承も必要となるが、ゼノヴィアとイリナは願ってもない条件だとすぐに受け入れた。二人が俺に要求する事は『聖書の神(わたし)と教会を侮辱した事に対する謝罪』だそうだ。それを聞いた俺は一瞬、聖書の神(わたし)聖書の神(わたし)に謝るって何ともおかしな光景だって思ってしまったよ。

 

 まぁそれはそれとして、俺は俺で『俺が二人に勝ったら教える』と言った。それにより今その要求内容を二人に告げるって訳だ。言っておくが俺はイッセーと違って性的な要求とかはしないからな……って、俺は一体誰に言ってるんだろうか。

 

 そして背後に控えているリアス達はハラハラした感じで見守っている。因みに祐斗はもう動ける状態で、いつ俺やゼノヴィアたちに襲い掛かってもおかしくない状態だ。まぁ仮にそうなっても俺やイッセーが力付くで阻止するけど。

 

「俺からの要求は……俺がエクスカリバーを破壊しても一切干渉しない事だ」

 

「何だと?」

 

「りゅ、リューセーくん、それはどういうことなの?」

 

 俺の要求と聞いたゼノヴィアとイリナが不可解な顔をした。

 

 当然その反応は予想済みだから、俺はすぐに理由を話そうとする。

 

「簡単な事だ。もし俺達が偶然(・・)堕天使達と遭遇して襲われたら戦わざるを得ない。向こうが悪魔(こちら)側に一切手を出さないって保証なんか無いからな。だからせめてコチラが堕天使に対する防衛措置として、君達は一切口出しをしないこと。無論エクスカリバーを破壊する事も含めてな」

 

「………それはつまり、貴様らは我々の問題に介入すると言う事か」

 

「いいや、君達のやる事に口出しはしないよ。俺はあくまで偶然(・・)向こうが襲い掛かってきた場合に対する許可を貰おうとしてるだけに過ぎない。俺が弟のイッセーや後輩と一緒に深夜の散歩をしてる時、もしエクスカリバーを盗んだコカビエル達と遭遇したら堪ったもんじゃない」

 

「っ!」

 

 俺の説明に祐斗が食いつくようにジッとコッチを見る。どうやら俺の思惑に気付いたようだな。

 

「それに君達にとっては悪くない話だと思うぞ? 異端者の俺や仇敵の悪魔達が堕天使と勝手に潰し合いをするだけじゃなく、もしかしたらエクスカリバーも破壊してくれるかもしれない。その隙に君達がエクスカリバーを奪還する成功率も上がるかもしれない。どうだ? 俺の要求は君達に何の損をする事は無いし、却って得をする一方だ。敢えて損をすると言えば、エクスカリバーが破壊される事ぐらいだが」

 

「「…………………」」

 

 一通りの説明を聞いたゼノヴィアとイリナは納得しつつも訝っていた。

 

 確かに話の内容を聞く限り、教会側は得をしても悪魔側の俺達は殆ど損をする一方だ。悪魔の陣営がデメリットだらけなのに、自分達が得をする事に何か裏があるんじゃないかと二人は勘繰っているんだろう。

 

 対して祐斗は反対する様子を見せないどころか、エクスカリバーを破壊出来る機会を得た事に薄い笑みを浮かべていた。

 

 今回俺が出した要求は、祐斗が勝手な行動をさせない為の鎖でもある。今のコイツはエクスカリバーを破壊する事しか頭にないから、このまま放っておいたらリアスの命令を無視して独断行動を取り、最悪『はぐれ悪魔』になってしまう恐れがあった。

 

 そうさせない為、祐斗にエクスカリバーを破壊出来る機会をちらつかせて何とか踏み止まらせた。けど、だからと言ってまだ気は抜けれないが。

 

 ゼノヴィアとイリナはどうしようかと二人で話し合うも、結局のところ、俺に敗北した事もあって首を縦に振る事となった。そして二人が帰ると、すぐさまリアスが俺に問い詰めようとする。

 

「ちょっとリューセー! あなた何を勝手にあんなことを……!」

 

「安心しろ。何か遭ったとしてもお前に被害が及ぶような事にはさせないから。あと悪いが夜の散歩の時に祐斗を同行させてもらう」

 

「そういう問題じゃ……って、祐斗を同行させるですって?」

 

 祐斗を連れて行こうとする事に激昂気味だったリアスが急に落ち着いた。




何かまたダラダラ感が出てるような気が……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。