その瞬間、穴の近くのほうからドゴォ!!という音とともにシュラが吹っ飛んできた。
体を守るような態勢は取れていたものの、シュラの体は近くの木に激突する。
「「⁉」」
「くそ、馬鹿力め…」
そんなことをブツブツ言いながらこちらの存在に気づく。
「ぐ…おい、雪男!燐!ここで変な奴見てねーだろうな!!」
いきなり吹っ飛んできたかと思えばそんなことを言った。
「シュラさん、大丈夫ですか⁉というかどうしたんですか!」
「こんぐらい、平気だ。ち、話は後だ。それより、この森で人を…」
そういいながら、こちらに歩いてくる。
燐と雪男顔を見合わせ、介抱中の人を見る。
森であった人といえば何故か倒れていた、この人だけ。
そのとき雪男はふと、今回のことを思う。
この黒い穴が現れて一週間近くがたつ。
まだ何か事件が起こったり危険なことがあったわけでもないが、念のためということで数日前から立ち入り禁止になっている。
数日前から、立ち入り禁止。
じゃぁ倒れているこの人は…?
「シュラ、倒れている人ならここにいるぞ。雪男が手当してる」
途端、シュラの目が大きく開かれた。
「雪男、燐!そいつから離れろ‼」
「ーーーーは?」
「シュラさん、何を言って、」
そのとき。
介抱中の人が、今まで苦しそうだった人が、バッと立ち上がり、殴りかかってきた。
「ッ‼」
燐と雪男は素早く避け、そのまま続けて殴りかかってきたところを燐が木刀で受け止める。
クロは瞬時に巨大化し、噛みかかる。
それを避け、その人は、大きく笑った。
「ハハ、わざわざ介抱してくれてありがとうよ‼」
そして次の瞬間ーー自分の足元に、黒い穴を出現させ、その穴に呑まれていった。
その黒い穴も、その人が呑んだ瞬間に消えていった。
「な、オイ⁉」
燐があとを追おうとして、次の問題が出てきた。
「お前ら‼あそこの黒い穴まで走れ‼」
シュラが叫んだ。
シュラの後ろに見えたのはアマイモン。
「なんでこんなところにアマイモンが…⁉」
「んなことは後回しだ。今はこんな状況じゃ戦えねぇ、それにさっきのあいつを探し出していくほうが先決だ。何かしら今回のことに関係があるはずだからな」
走りながらシュラは言う。
目の前に、最初にみた黒い穴。
「飛び込むぞ‼」
「え、ちょっ…⁉」
シュラは燐と雪男の首元を掴むと、先に穴に落とした。