ラブライブ!サンシャイン!!アンソロジー『夏――ついに来た』   作:鍵のすけ

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おはこんばんちは、作者の専務です。謎です。伏字多めです。よろしくお願いします。


俺と津島の跳躍世界物語

津島善…ヨハネの月曜の朝は早い。

4時半に起床。眠い目を擦りながら朝の支度をする。

もちろん月曜日は学校である。朝食は後で済ませるため、先に学校用の身支度をする

顔を洗い、寝癖を直し、歯を磨き、制服を着ると、彼女は足早に家を出た。向かう先は…コンビニである。

鼻歌交じりに彼女は一冊の雑誌を取った。立ち読みか…と思われたが、彼女はそれを意気揚々とカゴに入れ、いつも飲んでるお気に入りの午〇の紅茶のストレートを手に取りレジへ向かうのだった。」

 

「私の1日に勝手なナレーション入れるのやめてくれる?」

 

「仕方ないだろ…月曜の朝は行動一緒なんだから。」

 

俺と津島は幼馴染みだ。住んでる場所が近いので、寄るコンビニも自然と同じになる。

 

「…お前、女子高生にもなってまだそれ買ってんのかよ。」

 

「いいの!私の中の週刊ネクロノミコンと言っても過言では無いわ。」

 

そんな冒涜的な書物が毎週発行されてたまるかと思いつつ、朝からこのテンションなのかと思いつつ。

俺達は、二人揃ってジャ〇プを買った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ジャ〇プってやっぱりこう…私達の心に眠る何かをついてくるわよね。」

 

朝5時を少し過ぎた頃、俺と津島は津島の家でジャ〇プを読んでいる。俺もこいつもジャ〇プは月曜に読むものだと思っているので土曜日に買うことはしない。毎週の早起きを楽しみのひとつにしている。

 

「最近はこう、王道的なファンタジーは薄れてきたよなぁ。」

 

「それでも燃えさせてくれるのが少年誌のいい所よ。」

 

「んーわかる。」

 

話もよそにジャ〇プを読み進める。うむ、今週も面白いなぁ。

週刊少年誌の良いところは人間の心の隅に必ずある憧れを毎週具現化してくれるとこにあると思う。月刊誌と違い話の流れがスムーズであるところもプラスだろう。最も、月刊誌が500円〜であるが週刊誌は300円程度である故、月でかかる費用は週刊誌の方が多い。だが、それを感じさせない作家陣の織り成す物語には感服せざるを得ない。コンビニの雑誌棚にジャ〇プの字があるだけで心が踊る、そんな魔力があると思う。

そんなことを考えながら、俺と津島は黙々と読み進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ひとしきり読み終えた時には時刻は6時半になろうとしていた。ふと、津島が口を開ける。

 

「さっきの話だけど…本当にファンタジー減ったわね。少年誌に限らず、漫画や小説に置いても。」

 

「そうだな…例えファンタジー世界であっても、なんとなく科学的な裏付けがしてあったり、夢に思い描いた世界とは少し違ったものになってるわな。」

 

「はぁー、ジャ〇プにも増えないかしらね。」

 

ため息と共に雑誌を閉じる。脳内世界が膨れ上がってる津島にとっては確かに、最近の漫画は物足りなく映るかもしれない。

 

「かといって、面白くないわけじゃないんだけどな。」

 

「そうなのよねー、なんとも歯がゆいわね。」

 

「でも最近また新連載始まったじゃん。たく〇んとバツの日常〇魔帳とか。」

 

略してたくバツ。地獄と人間界、鬼と人間が主なテーマのファンタジーものだ。主人公は鬼に取り憑かれているものの、コントロールできるためその力で奮闘する…的な。

 

「たくバツねー、この手のものは面白いんだけど…やっぱり今の連載陣には劣ってしまうわよね。連載してきた地力が違うもの。仕方ないことだけどね。」

 

「悪くないとは思うんだけどなぁ。」

 

「たくバツ…鬼といえば鬼〇の刃もあるわね。」

 

舞台は大正日本。家族を鬼に皆殺しにされた主人公は、唯一生き残ったが凶暴な鬼になってしまった妹を元に戻す為、 また家族を殺した鬼を倒す為に旅立つ、といった話

 

「妖怪ものがふたつあるのはなー。両方とも打ち切りの匂いするし…。」

 

「確かにするけど、両方とも今は面白いわ。それでいいじゃない。」

 

漫画…商業誌で連載する以上つきまとう打ち切りの闇。かつて、様々な作家陣がこの闇と共に伝説を作ってきたと言っても過言ではない。また、特にジャ〇プは有名所が大きすぎるため、新規参入が難しいのが現状だ。最も、それでも売れる作品は売れるのだから、ある意味本物の才能を発掘するには適した場とも言える。

 

「私的にはやっぱりブラック〇ローバーを推してるわ。」

 

主人公は孤児院で育った魔力皆無の人間。反対に幼馴染みは天才的な魔力の持ち主のため、一流の魔法軍団に入る。一番下の魔法軍団に入った主人公だが、魔法を無効化する能力と鍛え続けた筋力で奮闘していく…というものだ。

 

「あれはなんというか……設定がありふれてないか?」

 

「だからこそ、素直に楽しめるというか……入れるというか。」

 

「そんなもんかね。」

 

「そんなもんよ。」

 

津島と話しているとこういうジャ〇プ談義は尽きない。毎週新しい情報が更新されるからこそ、毎週新しい話題が生まれる。コミュニケーションツールとしても優秀だから非の打ちどころが見当たらない。

 

「やっぱ…最近で俺が好きなのは左〇くんはサモナーかな。」

 

ギャグ枠である。カス虫呼ばわりされることもある主人公が悪魔を召喚し、ヒロインや周りの人がその悪魔に翻弄されつつ生み出すギャグ漫画だ。パロディネタも多く、ネットでも話題性が高い。パロディに冠しては賛否両論あるようだが、俺は好きだ。

 

「あなた斉〇楠雄も好きだものね。」

 

「ギャグ漫画を週刊で生み出すのは並々ならぬセンスや努力が必要だからな。」

 

「最近の連載陣もいいけど、やっぱり古株や中堅の内容も輝いてるわよね。」

 

「俺は古株ならBLE〇CH、中堅ならそれこそ斉〇楠雄かなぁ。」

 

「私はワー〇ドトリガーとかヒ〇アカが好きね。」

 

ジャ〇プという誌面において、この古参の面々…ジャ〇プという雑誌を今の地位まで上げた立役者とも言えるだろう。

そして中堅の方々。雑誌や漫画が売れなくなっている印刷物の危機的状況な現代において、ジャ〇プを支えているのはこの中堅の影響は大きいだろう。

かといって新規参入者が嫌煙される訳では無い。面白ければ、読まれる限りは誌面に乗り続けるのだ。個人のスキルだけが誌面を飾る唯一のものとも言える。それさえあれば、誰しもが栄光を手にすることができるのだ。

 

「友情、努力、勝利。ね…」

 

「なに神妙な顔して。また難しい事考えてんの?」

 

「いや、そういうわけじゃないんだけどさ…。」

 

過去に、このジャ〇プを舞台にした漫画があった。所謂漫画マンガである。ふとそのことを思い出した。作家は仕事として書き続けなければならない。だがそれ以前に、自分の中の、脳内物語をその手で漫画として生み出しているのだ。その過程は、仕事だからで続けられるものじゃない。夢やロマンが溢れているんじゃないか…そう思える。

 

「友情・努力・勝利ってのは、人間に須らく与えられてるんだろうな。」

 

「どういう事?」

 

「人の数だけ物語がある。人生は連載漫画と同じだ。毎日違う出来事が起きて、主人公である自分が物語を紡いでいく。」

 

「…そうね。」

 

「こうして雑誌を手に取って読んでいる今の俺らにも、これを作る編集者も、書いてる作家にも、友情・努力・勝利の人生があるんだよな。そう思うと、感慨深いよなぁって。」

 

「…なるほど。私にも、あなたにもそれはあるのね。」

 

「そういうこと。」

 

「…私の友情・努力・勝利ねぇ。」

 

「お前はまさに、だよな。」

 

「どういう事?」

 

なんだ、気づいてないというか、まぁこんなことはこうして話してみないとわからないのが現実っちゃ現実か。

 

「Aqoursの面々と過ごしてる今のお前には、今までとは比にならない友情が芽生えたはず。」

 

同じ1年の国木田さんとか黒澤さんを始め、上級生とも仲良くなってる津島の輪は、俺からしたら羨ましいものだ。

 

「今は努力して、ラブライブで頑張ろうって、最近家でも踊りの練習してんだろ?おばさんから聞いたよ。」

 

決して広い門ではないのがラブライブだ。μ'sのように結成してまもない間で優勝するのはそう簡単なことではない。Aqoursの力になる為に、津島は日々努力している。それを俺も、おばさんも、皆知ってる。

 

「お前の物語の局面は、ラブライブにおける勝利なんだろう?それだけじゃない。それから先は、さらに多くの戦いがあるかもしれない。その時にきっと、今の経験が勝利の後押しになる。」

 

バレーは6人で強い方が強いとジャ〇プの漫画にもあった。ラブライブもきっと、みんなで強い方が強いのだろう。であれば、あれほどの個性をひとつにしたAqoursは、きっと勝利を掴み取ることだろう。

 

「お前の跳躍物語(ジャ〇プストーリー)は、まだまだこれから…なんじゃない?」

 

キョトンときた顔で津島は聞いていたが、やがて少し笑って言った。

 

「フフッ…そんな、打ち切り漫画のアオリみたいに言わないで欲しいわね。ヨハネの伝説は…終わらないわ。」

 

「それでこそ津島だな。」

 

「ヨハネ!」

 

「はいはい…っと、もう時間だ。津島、準備しろよ!」

 

「うそ、そんなに!?」

 

時計を見ると時刻は7時過ぎ。準備も含めるとなかなかの時間だ。

 

「じゃ、いつもの時間にバス停で!」

 

「あぁ、うん。」

 

言うやいなや飛び出す。朝飯食ったらすぐ出ないとなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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飛び出していったのを見て、なんとなくボーッとしてしまう。さっき言われたこともそうだが、バーっと言ってバーっと消えていく嵐のような人だ。

 

「跳躍物語か…。」

 

友情・努力・勝利。今私はその最中にいる。ラブライブ、Aqours。私の物語は、ここに来てから途端に盛り上がりを見せた。

私の物語…当然のように言うけど、案外難しいかもしれない。普通に生きて、普通に終えるなら、ありふれた物語に埋まってしまう。

今の私は、輝けるチャンスがある。センターカラーのチャンスだ。ものにしなければならない。

 

「…なんて、漫画の読みすぎかな?」

 

雑誌を机に置く。床に彼が置いていったもうひとつの雑誌があった。彼は慌てた時は周りが見えなくなる。よく知っている。幼馴染みだから。

 

「…っと、急がなきゃ。」

 

慌てて私もカバンを持ってリビングに降りる。朝ごはんを食べねば1日のテンションが持たない。Aqoursとしても、スタミナをつけるために朝ごはんは欠かせない。

 

「私の物語は、まだまだこれからだ!」

 

「何言ってんの善子、ご飯食べちゃいなさい。」

 

「はーい!」

 

今日も私の物語は、続く。




お読みいただきありがとうございます。私の好きな作品はTo L〇VEるです。
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