ラブライブ!サンシャイン!!アンソロジー『夏――ついに来た』 作:鍵のすけ
それでは、どうぞ
「千歌ちゃんのパンツが欲しい!」
高海家の旅館の一室。そこで4人でお茶をしていた時、梨子は高々と叫んだ。目の前のアホ(レズ)の発言に果南はゴミを見るかのような目で見下し、花丸は衝撃を受け、善子の茶柱だけが立ってなかった。
「いきなりどうしたの梨…」
「どうしたもこうしたも無いよ!?千歌ちゃんのパンツですよ!!?今、千歌ちゃんはルビィちゃんと一緒にお風呂に入っている…。この千載一遇のチャンス、求めるのが当然ですよね!!!??」
鼻息を荒く立てながら果南に熱弁する梨子。正直全力で理解不能な果南。また衝撃を受ける花丸。そして2枚入りのせんべいが何故か1枚しか入ってなかった善子。
「花丸ちゃんだってそうでしょ!?ルビィちゃんのパンツ、欲しいでしょ!?」
「ッ!?」
花丸に
「梨子さん…?」
「花丸ちゃん、恐れることはないわ。好きな人のパンツが欲しい……それは当然思うことなのだから」
「当然のこと…?マル、変じゃない?」
いや、当然じゃねぇよ。と心の中でツッコミを入れた果南。そして正座をしていた善子の足が痺れた。
梨子は花丸の肩に手を置き、衝撃の一言を言い放った…!
「男の子は男の子同士、女の子は女の子同士で恋愛するべきなのよ!!!!!」
その言葉は花丸に最大級の衝撃を与えた。そうか……女の子を好きになっても良いんだ…。自分は間違ってなかったんだと。友の…梨子の熱い言葉は彼女に新たなる一方を踏み出させた。
いや、お前らがやろうとしていることはそもそも恋愛じゃねぇだろ、と思う果南。突如乱入して来た猫に痺れた足を猫パンチされ続けている善子。
固い握手をした後、梨子と花丸は胸を張って歩き出した。目指すは脱衣所……パンツを求め、2人の熱い友情の旅(ここから脱衣所までの約9メートル間限定)が始まる!
果南は今までのことを見なかったことにし、善子は(いろいろあって)泣いた。
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脱衣所を目指す2人。その顔は迷いを振り切っており、一直線に目的の場所にへと堂々と歩いている。これからやろうとしていることは犯罪行為だが気にしちゃいけない。
だが、そんな2人の前に立ち塞がる2つの影があった。
「曜ちゃん…ダイヤさん……」
それは曜とダイヤの2人。何故かテニスラケットを持った2人はそのラケットを梨子と花丸の2人に向けた。
「
「悪けど、そんなことはさせないよ」
なんかルビを振られている単語が聞き捨てならない物のような気もするが、今はそんなことよりも目の前の2人をなんとかしなくては先には進めない。相手はラケットを持っている……ならば、梨子と花丸がやることは1つしかない…。
「始めましょうか……テニスを!」
「いくずら…!」
これまた亜空間からテニスラケットを取り出した2人。因みに彼女達がいる廊下の横幅は人3人が並らんで通れる程度の広さ。こんなとこでテニスなんかやったら危険なことは間違いない。そもそも室内でテニスなんてダメ、絶対。だが、4人はお構いなしに何処からかテニスボールを取り出して握り臨戦態勢に入った。全員がボール持っていることから、コイツら絶対にルールを理解していない。
「オーケー!審判はこのマリーにお任せYo!」
これまた何処からか湧いて出てきた鞠莉。いきなりネットの代わりとか言って容赦なく廊下に鉄板をぶっ刺した。もう完全にテニスじゃない。
「始めますわよ……
高々と宣言したダイヤ。そして開戦したテニスっぽい何か。先ずは曜が梨子の顔面目掛けて迷わず訳のわからない破壊力を込めたパワーショットをぶっ放した。
「千歌ちゃんのパンツは曜ちゃんのものだああああああああああああッ!!!!!」
「そうはいきません!!!!」
自分に向かって来たボールに左手で持っていたボールを当てて受け止める梨子。ラケット使えよ、完全に反則だろ、どんか筋力だよ、などといろいろ言いたいことがあるがツッコミ不在のこの場ではそんな言葉はなく、鞠莉が「ファンタスティック!」と言って興奮するだけである。
「花丸ちゃん!」
「任せるずらああああッ!!!!」
花丸がダイヤ目掛けてボールを打つ。不規則な軌道を描きながらボールはダイヤにへと向かっていた!
「甘いですわ…!」
だが、ダイヤは自分が持っていたボールを打って花丸のボールに見事ぶつけてしまった!押し合うテニスボール……そして花丸のボールが弾かれ、ダイヤのボールが彼女にへと襲いかかる!
「え、ずらぁ!?」
「花丸ちゃん…きゃあぁ!?」
ラケットで受け止めようとしたが、その力に勝てず背後に飛んでしまった花丸。それに気を取られた梨子も曜のボールに押し負けて転んでしまった。
「ふぅ…その程度ですか?」
「そんなんじゃ、千歌ちゃん達のパンツを手に入れる資格なんてないよ」
「「あの2人のパンツは私達が手に入れる(ますわ)!!!!」」
ラケットを突き付けてそう言い放つ曜&ダイヤ。とどのつまりこの2人も変態なのだ。
「や、やっぱりオラには無理なのかなぁ…?」
ルビィのパンツを手に入れようなんて自分には無謀だった……そう思い自己嫌悪に陥る花丸。もうダメだと諦めそうになった、その時だった……。
「そんなことないッ!!!」
「梨子さん…?」
「思い出して!今まで私達が、この日の為にしてきた努力を!」
「えっ?」
いや、そんなことしてませんけど?と思う花丸だが梨子は構わずに語り始めた。
「雨の日も風の日も、雪の日、日照りの日も決してラケットを振ることを止めず!!断崖絶壁を登り、荒れ狂う海を泳ぎ、立ち塞がる何匹もの猛獣達をこのラケットとボールで打ち倒してきた!!!!その努力を忘れたの!?」
してません。一切記憶にございませんと目で訴えるが梨子には届かず。
「私達なら、必ずパンツを手に入れられる!!!だから、諦めちゃダメ!!!!」
努力どうこうは置いといて、まぁ何とかなりそうな気はしてきた。梨子の叱咤とかよりそろそろ尺的にいけそう。2人は立ち上がりダイヤと曜にラケットを向けた。
「曜ちゃん、悪いけど私が勝つよ。尺的に!!!」
「ダイヤさん、マルは進ませて貰うずら。展開的に!!!」
え、コイツら何言ってるの?と言いたげな顔になるダイヤと曜。だが、一応今回の物語の主人公である2人には主人公補正が付いてしまうのは事実。梨子はボールを上に投げ、曜に向かって「チェストォォォォッ!!!!」と叫びながら思いっきりスマッシュした。
「このくらい…!?」
曜はボールをラケットで受け止めようとする……が、そのパワーは凄まじく、彼女は次第に押されていく。
「曜さんッ!?くっ…!?」
「余所見は命取りずらああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!」
ダイヤが曜達の方に気を取られた隙に、花丸が彼女に向かってボールを打つ。ボールは謎原理によって巨大化していきダイヤの身体を吹き飛ばした!
「何ですと…!?きゃあッ!?」
「ダイヤさ……うわぁッ!?」
集中力が途切れてしまった曜も飛ばされてしまいダイヤの元にへと転がる。それを見た梨子と花丸は互いに見合って頷き横に並ぶ。
「ダイヤさん、曜ちゃん。私達は勝つ……勝ってパンツを手に入れる!!!!」
「テニスは最後まで立っていた者が勝者……これで決めるずらッ!!!!」
同時に高く(40センチくらい)跳んだ2人はラケットを思いっきり振るった。そして放たれたのは圧縮された空気弾。原理など知らん。それはダイヤ、曜にへと襲い掛かり彼女達をぶっ飛ばすついでに廊下を破壊した。
「一本!Winner!梨子&マルよぉーッ!!」
「やった…!やったずらぁ!!」
「うん…うん!やったね、マルちゃん!!」
審判っぽく居た鞠莉の宣言により、梨子&花丸ペアの勝利が決まってしまった。2人は抱き合って喜び、涙を流していた。
「ふふっ…負けましたわ」
「そうだね、完敗だね…」
敗北し倒れているダイヤ&曜ペア。しかしその胸の内はなんだか清々しい。全力で向かっていったのだから後悔などないのだろう。彼女達にはパンツを手に入れる資格がある……そう感じた2人は全てをあの2人に託すことに決めたのだ。
パンツを巡る戦いは最後まで諦めず、仲間との友情と自分達の努力を信じた者達の勝利によって幕を閉じた。
「な、何これ……?」
「さぁ…?」
そしてその現場に鉢合わせてしまったお風呂上がりの千歌とルビィ。廊下は割れてるは抉れているは鉄板刺さっているは、ダイヤと曜はムカつくくらい清々しい顔で寝転がっているは梨子と花丸は泣きながら抱き合っているは鞠莉は踊っているは、最早意味がわからない。驚異的頭痛が千歌とルビィを襲う。
その後、梨子、花丸、ダイヤ、曜、鞠莉は旅館の支配人からこっ酷く怒られ、結局パンツは手に入れられなかったとさ。めでたしめでたし。
「「めでたくない(ずら)!!!!」」
トリに決まった時は本当に驚きましたね。「え、これがラストっていろいろ大丈夫なん?」と←
それでもこのスタイルを意地でも通していくのが私の良いところで悪いところ。
楽しんで頂けたでしょうか?
今回も様々な素晴らしい作品があったこの企画。参加させてもらい本当にありがとうございます。TVアニメも遂にスタートしますます盛り上がっていく〈ラブライブ!サンシャイン!!〉。これからが更に楽しみですね。
それではこの辺りで…
企画者の鍵のすけ様、並びに企画に参加した皆様、お疲れ様でした!