ハイスクールD×D神と転生者によって崩壊した世界   作:和寺

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話の内容を考えてたらこんなにも遅くなってしまいました。すいません。


テレサの願い

《城内》

 

 

「テレサの為にも、リークの為にも・・・・デュレイ、お前を倒す!」

 

顔を殴られてついカッとなってしまった。

彼とはもう、戦う予定じゃなかったというのに。

だがこれは好機か、恐らく今の状態が彼の全力だろう。今なら全力の彼と戦う事が出来る。

 

戦うか?

 

それとも・・・・

 

「ーーー来ないのか?」

 

「っ!考えてただけさ、君をどうやって倒すのか・・・・」

 

逃がしてはくれないな。

まあ彼が来たのは僕を倒す為だし当然か。

 

それにしても凄まじいプレッシャーだ。

あの龍の力は脅威だ・・・いや、本当の脅威は・・・・・

 

原作主人公<イッセー>か。

 

 

僕は手に《約束された勝利の剣<エクスカリバー》を出し、構えた。まともに僕の神力を纏っても壊れない、数少ない神器だ。

 

《アイツ》が行動を起こすまでの時間は三分といったところかな。

 

「それじゃあ、いくよ!」

 

三分以内にこの戦いを終わらせる!

 

 

 

*************************************

 

 

 

「それじゃあ、いくよ!」

 

ーーーその言葉がデュレイの口から出た時にはデュレイの姿は無くなっていた。

 

〔後ろだ!〕

 

キインッ

 

俺は籠手でデュレイが降り下ろした剣を防いだ。

なんて速さだ!ガルディールに言われなかったら防げなかったな。

 

恐らく反応出来なかった。

 

[小僧、もう一度あの空間を創れ。あの剣には何か特殊な力が纏ってある、今度籠手で受けたら腕ごと持ってかれるぞ。]

 

特殊な力・・・・確かにデュレイの剣を受けた籠手の一部に亀裂が入っている。何度も受けるのは得策ではなさそうだ。

魔力でも、聖なる力でもない力か。

俺の知らない力って事だな。

 

[それにヤツは反射能力も持っているんだ、攻撃するにはそれしかない。]

 

「分かった。」

 

俺は再び、あの空間を創る。

辺りが暗闇に包まれていく。

 

今度は俺の意識もしっかりしている。

これなら俺も、まともに攻撃出来そうだ。

 

[小僧、一応言っておく。お前がこの空間の中で行動出来る時間は数分が限界だ。]

 

大丈夫だガルディール。

 

「いくぞデュレイ、今度はこっちの番だ!」

 

それまでに終わらせる。

 

俺は拳を握りしめ、デュレイに向かって駆け出した。

 

 

*************************************

 

 

 

「そうだ・・・・俺は・・・・・」

 

立つことがやっとの身体だったが、精神力が回復してきたのか、だんだんと身体の痛みが無くなってきた。

歩くペースも速くなり、もう少しでテレサの部屋に着くだろう。

 

「ヤツに・・・・・」

 

何だこの感覚は?

ゆっくりと、しかし確実に自分の意識が薄れていくのが分かる。

 

あの男にやられた直後なら分かるが・・・・

 

〔お前は自分を痛めつけたアイツが憎いんじゃろ?〕

 

何だ、何だこの声は!?

耳から聞こえるのではなく、俺の頭の中に直接響いてくるような感じだ。

 

〔そしてお前はその娘を使って・・・・〕

 

「俺は・・・・テレサを・・・」

 

〔そうじゃ、殺してしまえ。〕

 

 

殺してしまえ。

その言葉だけが俺の頭の中で何度も繰り返し聞こえる。

 

「俺は・・・・俺は!」

 

 

 

***

 

 

 

「そうじゃ、お前の心に少しでも憎しみがあれば、儂はお前の身体を乗っ取れる。」

 

この言葉を発するのはライザー・フェニックス。

 

「儂の肉体は消滅したが魂までは消滅せんわい。」

 

まるで人が代わったかのように喋りだす。

 

「デュレイのヤツが原作の通りに世界の流れを作ろうとするだろうと思って原作キャラの精神に侵入しておいたのが正解だったわい。」

 

ライザーの身体が炎で包まれる。

そして、身体にあった傷が信じられないような速度で再生していく。

 

「儂はライザー・フェニックスの精神の中で貴様に負けた時の事だけを考えていた。イッセー、儂にこんな屈辱を与えたさせたことを後悔させてやる。」

 

そう言うライザーの顔は、憎しみに満ちた凶悪な顔だった。

 

 

 

*************************************

 

 

 

「どうしたんだい、動きが鈍くなってきてるよっ!」

 

俺の顔に向かってきた、デュレイの拳を籠手で掴み受け止める。

 

「誰が・・・誰の動きが鈍くなってきたって?」

 

〔まさか小僧と格闘で互角とはな。〕

 

俺が能力無効の空間を創った直後、デュレイは黄金の剣を捨て、身体能力だけを使った格闘戦になった。

 

「ーーー君のことに決まっているだろっ!」

 

デュレイの蹴りが俺の腹部に向かってくる。

俺はデュレイの拳を掴んでいた手を離し、デュレイから距離をとる。

 

〔デュレイ、ヤツの戦いは能力に頼った戦いかと思っていたが格闘戦で小僧と互角。ヤバいんじゃないか?〕

 

ああ、確かにヤバいな。

 

「イッセー君、格闘戦において相手から距離をとるというのは、自分が格闘術で負けている事を隠す為の行為だと思うんだが君はどう思う?」

 

「言ってろ。」

 

だから・・・・

 

「ガルディール、お前の力をもっと使わせてもらう。」

 

〔ああ。〕

 

ガルディールの力は相手の能力を奪ったり、無効化させたりするだけではない。

純粋な龍としての力もある。

 

これから俺が使うのは眼。

龍の眼の多くは、速い動きでも対応出来る。

悔しいが今の俺じゃあデュレイの動きに、まともに対応出来ない。デュレイの拳を避けながら攻撃をするのは無理だ。

 

「デュレイ、今度はこっちの番だ。」

 

 

 

*************************************

 

 

 

何故だ?

 

「くらぇ!」

 

さっきまで彼は防戦一方だったというのに、今では僕が・・・・

 

「ーーーっ、まだだっ!」

 

何故彼は・・・・僕とここまで戦えるんだ!?

今僕が放っている拳は大抵の神ならかわすことが出来ないような速さで放たれている。

それなのに彼は、僕の拳を受け流したかと思えば、僕の身体に攻撃を入れてくる。

神である僕が放つ拳が見えているとでもいうのか?

 

「あり得ない・・・・・」

 

既に彼は原作の流れから外れ、主人公では無くなっている。だから彼には主人公補正など無い。

それに何だ?彼に攻撃される度に僕の持つ神器が消えていく。

そもそも本来は僕に攻撃することすら出来ないのに・・・・

 

「ーーー何があり得ないんだ?」

 

「・・・・何故君はそんなに戦えるんだ?」

 

「そんなのーーー」

 

「ーーーあの娘の為か?」

 

黒に包まれた空間の外から聞こえる声、

確かこの声は・・・・

 

「ライザー・フェニックス。」

 

そうだ、この声はライザー・フェニックスの声だ。でもどうして・・・・

 

黒に包まれた空間が消えていく。

きっと彼も確認したくて消したんだろう。

それに僕の反射能力のある神器も消えているから、空間を出しておく必要もない。

 

空間の消滅と共に、僕と彼の視線はライザー・フェニックスに向けられる。

 

「テレサッ!?」

 

彼・・・イッセー君が叫んだ。

ライザー・フェニックスの足下には、イッセー君が助けようとした女性、テレサがいたからだ。

どうやら床に横たわる彼女には、意識がないようだ。指一本動かさない。

 

今の僕には幻術を操る能力はない。テレサに掛かっていた幻術は解除されている筈だ。

僕達が戦っていた間に何かあったのか?

 

「ーーーおい、ライザー・フェニックス!」

 

と、僕は冷静に思考を巡らすがイッセー君はそうでもないようだ。

彼女の為に神である僕に立ち向かってきたんだ当然のことではある。

 

イッセー君はライザー・フェニックスに攻撃を仕掛けようとするが・・・・

 

「ーーー動くなぁっ!」

 

部屋にライザー・フェニックスの怒声が響き渡る。

イッセー君ならその怒声を聞いても動けただろう、しかし動けない理由があった。

 

「動けば儂の槍がこの娘を貫くぞ!」

 

ライザー・フェニックスの持つ槍がテレサに向けられていたのだ。

 

それに・・・・あの槍は!

 

「その槍は既に他の神によって没収された筈だ!」

 

この世界に持ち込むことなんて・・・・

 

「デュレイ、誰があの槍だと言った?」

 

ライザー・フェニックス、いや駄神がそう言うが、駄神が持つ槍から放たれている禍々しいオーラは・・・・

 

「理解出来ないといった顔だな。」

 

駄神はいかにも上機嫌といった様子で・・・

 

「この小娘から貰った。」

 

とんでもない事を言った。

 

彼女の持つ《神の能力》は、自身のイメージするモノを創る能力だった筈だ。

それを・・・・貰っただと!?

 

・・・・いや、昔聞いたことがある。神が他の神に能力を渡す事が出来ると。だが能力を渡した神は三日三晩地獄のような苦しみを受け続けるとも・・・・

 

彼女は能力を渡している間にも痛みが襲ってきていた筈だ、能力を渡したら自分がただでは済まない事だって分かった筈なのに・・・・

 

「ーーーこの小娘の夫というのは便利だのぉ。」

 

「っ!?・・・・・まさか・・・・・」

 

まさか・・・・まさかっ!

 

おそらくその時彼女には幻術が掛かっていたっ!

僕が掛けた幻術は《自分はライザー・フェニックスの妻》だということを認識させることだ。

 

彼女は・・・・・

 

テレサは・・・・・

 

 

自分の夫の為、苦痛と引き換えに自らの神の能力を差し出したんだ。

 

「なんて事を・・・・・」

 

僕は彼女のとった行動に思わず絶句してしまった。

 

僕は元々、僕達と同じ神の力を持っているが、彼女の存在は日の光を見ることのない、小さな存在だと思っていた、それが偶然過去に飛ばされた原作キャラと出会っただけだと思っていた。

 

彼女を消そうが、原作キャラさえ無事ならば別にいいと思っていた。

 

大切な人の為に自分の身を犠牲にする・・・・

 

これじゃあまるで・・・・ヒロインじゃないか。

 

「ーーーまあ儂の新しいこの力を試したいし、この娘は返してやろう。どうせ時間が経てば死ぬからのぉ。」

 

駄神が彼女の身体を放り投げる。

イッセー君は彼女の身体を優しく受け止めた。

 

「テレサ、おいテレサ!?」

 

イッセー君は必死に彼女の目を覚まそうと声を掛ける。

 

「・・・・・イッ・・セー?」

 

「テレサッ!?」

 

彼女は苦しそうな顔をしながら声を出す。

 

「・・・・私・・・何やって・・・るんだろ。」

 

「テレサ・・・・」

 

「全然・・・・知らない人と結婚して、力も渡しちゃって・・・・残ったのは・・・・痛みだけ・・・・」

 

「それは幻術がーーー」

 

「ーーー私って本当に馬鹿だなぁ。」

 

っ!?

 

僕が彼女を・・・・・

 

「ーーーさてクソガキ、別れの言葉はすんだか?」

 

「てめえ・・・」

 

イッセー君は彼女を優しく床に寝かせた。

 

「テレサ・・・少しだけ待ってて。」

 

イッセー君の姿が消える。

 

ーーードゴオオオン

 

「ーーー再生の能力の前には貴様の攻撃など無駄だぁっ!」

 

戦いの場所を外に移したようだ・・・・

 

「僕はどうすればいい・・・・」

 

ふと、何処からか声が聞こえた。

 

この声は・・・・

 

「誰か・・・・誰でもいい・・・・・」

 

彼女・・・・テレサか。

 

「私はどうなっても構わない・・・・あの相手と戦ったら・・・・イッセーが死んじゃう・・・・・」

 

それはあまりにも弱々しい声だった。

 

「だから・・・・イッセーを助けてあげて下さい・・・・」

 

でもその声は僕の心の中にまで響いた。

 

「・・・・私のせいだ、私が能力を渡したから・・・・・」

 

「・・・・」

 

彼女の瞳からは何粒もの涙がこぼれ落ちていた・・・・

 

「どうか・・・・・」

 

まだ苦痛が続いているのだろう、彼女は再び意識を失った。

 

 

「彼女は、彼女は・・・・」

 

僕は分からなくなった、

 

原作の通りに物語が進むのが正しい事なのか。

 

原作が全てなのか。

 

どの存在が重要なのか。

 

 

・・・・・もしかしたら

 

「もうそんな事どうでもいいのかもしれないな。」

 

イッセー君は守りたい者の為に神を相手に戦った。

 

もう主人公でもないのに・・・・・

 

異なった時代。

 

異なった出会い。

 

異なった家族。

 

「それもまた、いいのかもしれない。」

 

僕は何をしたい・・・・・

 

そうだ・・・・・僕は・・・・・

 

「この異なった物語を最後まで観てみたくなったんだ。」

 

幻術を掛けてすまなかった。

・・・・彼を助けてくるよ。

 

「君が尽くすなら、あの駄神じゃない。イッセー君だ!」

 

そして僕は飛び立った。

 

 

 

*************************************

 

 

 

「その程度かぁっ!」

 

「クソッ。」

 

もうガルディールの力も限界だ。段々と力が無くなっていくのが分かる。

でも、俺は!

 

「何度攻撃しても儂は再生するっ!」

 

「グハァッ。」

 

俺は地面に叩きつけられた。

もう・・・・身体が・・・・・

 

「ガハハハッ、たった一人で何が出来ると言うんだ?」

 

「ーーー彼は一人じゃない。」

 

この声は・・・・

 

「デュレイ!」

 

「イッセー君、もう終わりかい?さっき僕と戦っていた時はもっとタフだったと思うんだが・・・・・」

 

バカにしやがって。

俺は地面に手を付きながらも立ち上がった。

 

「まだ、終わってねえよ。」

 

「協力してヤツを倒そう。」

 

「ーーー嫌だ、お前はテレサに幻術を掛けたんだぞ!」

 

「彼女の願いだ・・・・・」

 

テレサの、願い・・・・

 

「どうするイッセー君?」

 

正直俺はこいつの事は嫌いだ。

でもこいつのが嘘をつかないことは今までの事で分かった。

俺一人の力じゃあ勝てないんだ。

 

俺は・・・・

 

「デュレイ、足を引っ張るなよっ!」

 

「フッ、君こそなっ!」

 

デュレイと一緒にヤツを倒す!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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