《テレサ達の家》
この地に来てからもう十年か・・・・
私はカレンダーを眺め、今まであった色々なことを思い出していた。
「リイン、御茶です。」
オリヴィエから、茶をもらい一口飲む。
「まあまあだな・・・・」
「お世辞でも上手いと言って欲しかったですよ・・・・」
「そろそろかな、二人が来るのは。」
私は茶をもう一口飲みながら呟く。
「ちょっと、無視しないで下さいよ!」
私はもう一度カレンダーを見る。
《あの日》から何年経ったのだろう・・・
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千五百年前
《神の宮殿》
「此所は・・・・・何処だ?」
気が付くと私は、見たことのない部屋にいた。
頭が痛くて何でこんな場所に居るのか思い出せない・・・・・
「やっと目覚めましたかリイン。」
「オリヴィエ・・・・それに皆も。」
私が周囲を見渡すと、皆がいた。
オリヴィエ以外眠っているようだ。
あれ・・・・テレサがいない?
「テレサはっ!?」
「ーーーーーーー彼女ならこの部屋に居ません。」
いきなり、赤い衣を着た女が現れた。
誰だ?
私はこの女の事を見たことがない。
「知らなくて当然です、私達は合ったことすら無いのですから。」
「テレサを何処にやった!」
「御安心下さい、彼女に危害などは加えていません。我々は治療しているだけです。」
治療だと・・・・
一体なぜだ?
「神と戦い怪我をしたからです。」
「神・・・だと?」
まだ頭が痛い。
それに、違和感がある。
何か大事なことを忘れている様な・・・
「これを御覧下さい。」
私が悩んでいると女は、大きな鏡を出した。
そして、その鏡の中には黒い衣を着た老人が映っていた。
黒い衣を着た老人・・・・・そうだっ。
確かあいつは、私達の島に居る奴で殺さなければならない奴が居ると言っていた!
私はあいつの杖で動けなくなって・・・・
あいつが殺さなければならないと言っていたのは・・・・まさかテレサかっ!?
「いいえ、違います。」
そう言うと女は、まだ目を覚まさしていないイッセーとヴァーリの方を向く。
「その子ども達です。」
「そんなっ!?」
どうしてイッセーとヴァーリが・・・・
「残念ながら私にも分かりません。」
「一体何故・・・・」
「神様、彼女の治療が終わりました。」
声のする方を見ると、今度は白い衣を着た女が現れた。
「どこまで治療出来ましたか?」
「身体は無事治療出来ましたが、《あれ》は最低限しか・・・・」
治療・・・テレサの事か!
「おい、テレサはどうなんだ!?」
そう白い衣を着た女に聞くと、女は申し訳なさそうに、
「身体は無事ですが、彼女は・・・・」
「ーーーーーーそこからは私が説明します。」
白い衣を着た女の言葉を遮り、赤い衣を着た女が話し出した。
「幾つもの世界があるのは、御存知ですよね。」
「ああ。」
私も別の世界から来たしな。
「幾つもの世界を管理する神という存在がいます。」
「それで?」
女は続ける。
「今回、我々により監視されていた神が、我々の監視を掻い潜り、あなた達の居る世界に侵入し、今回の事件を引き起こしました。」
「事前に止められなかったのか!」
「申し訳ございません。あの神の持っていた杖、そして自身の力を抑えた状態で、世界の中に侵入したので我々も発見出来なかったのです。」
女はまた、鏡を見せる。
そこには、見覚えのある槍が映っていた。
「彼女は、子どもの盾になってあの神の持っていた槍で貫かれました。」
あの槍で貫かれたのか!?
「槍で貫かれたことは、そんなに問題では有りません。」
槍で貫かれたことが問題ではないだと・・・・
「なら何が問題なんだ!」
「あの槍には、特殊な能力が有ります。傷をあたえた者の《何か》をランダムに破壊するという能力です。」
何か・・・・
「一体何を破壊されたというのだーーーーーー」
「ーーーーーー落ち着けリイン」
そう言ったのは、イングヴァルトだ。
目覚めたらしい。
「でも、落ち着いてだなんて・・・・」
「いいか、こういう時こそ落ち着いて話を聞け。大事なことを聞き逃すぞ。」
「・・・・そうだな。」
私達の会話が終わると、女は決心したかの様に表情を変え、言った。
「彼女は記憶を破壊されています。」
その瞬間、私の思考は停止した。
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《テレサ達の家》
あの女に言われた、テレサの記憶を戻す方法、それはある人物なら出来ると言われた。
未来を見る能力で、その人物を見つけたんだそうだ。
その人物は、《リアス・グレモリー》という悪魔が駒王学園に入学して1年後に同じ学園に入学してくるらしい。
私達は、その人物に頼んでテレサの記憶を治してもらう。
その為に《リアス・グレモリー》が産まれたことを知ってから、駒王学園の近くのアパートを買い取ったのだ。(土地ごと)
アパートにしたのには理由がある。
駒王学園に行く、
イッセー
ヴァーリ
オリヴィエ
イングヴァルト
達が全員で同じ家に住んでいるとなると、
この地域を管理しているグレモリーやシトリーに怪しまれるからな。
アパートの内部の壁は、通れるように開けてあるので、全員の出入り口が違うだけであとは家みたいなものだ。
ん?
ふと窓の外を見ると雪が降っていた。
テレサと会ったのもこんな雪の降る日だったな。
私に何かある時は、大抵雪が降っている気がする。
私は本来消滅していたはずだった。
消滅するはずだった私を助けてくれたのは・・・・テレサだった。
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千五百五十年前
《テレサの家》
気が付くと、私はベッドで寝ていた。
私は消滅したはず・・・・・
そのはずなのに、何故か身体があり意識もしっかりしている。
一体どうして・・・・・
誰かが歩いてくる足音が聞こえる。
そして、私の居る部屋のドアがゆっくりと開けられ、黒髪の少女が入ってきた。
「起きたんだね・・・・」
「此処は?」
「・・・・私の家。」
この少女が此処につれてきたのだろうか?
「身体はどう?」
そう言われると、何かおかしい気がする。
・・・・いつもと違う?
「違和感がある気がする。」
私がそう言うと、
「ごめんなさいっ!」
突然、彼女は謝りだした。
それも泣きながら。
***
「もういいって。」
「でも、でも私はあなたを!」
あれからしばらくの間、彼女は泣きながら私に謝り続けた。
どうやら私は悪魔というものになってしまったそうだ。
元々消滅していたはずの身体だったのだから私は気にしていないと言っているんだが、彼女はそうではないようだ。
「私はお前に救われた。」
「でも・・・・・」
彼女が口ごもったので、私は話題を変えてこの状況をどうにかすることにした。
「名前は何て言うんだ?」
「・・・テレサ。」
彼女は泣いていたが答えてくれた。
「テレサか、いい名前だな私の名前はリインフォースだ」
・・・・・・・・話が続かない。
何か話題を見つけなければ!
「お腹がへったんだが・・・」
「・・・・分かった」
彼女は泣きながら答え部屋を出ていった。
・・・しまった、これじゃあ悪者みたいだ。
***
今私はテレサの作ったサンドイッチを食べていた。
ようやくテレサは、泣き止んでくれた。
「ごめんなさい、これしか作れなくて。」
「いや、美味しいと思うぞ。」
「・・・」
急にテレサは無言になる。
何かマズイことでも言ってしまったか?
「・・・外は雪が降っているから、此処に泊まっていって。」
「しかし・・・・」
「・・・やっぱり嫌だよね、私と一緒じゃあ。」
今にも泣き出しそうなテレサの顔を見ると嫌だとはいえなくなってしまった。
結局私は、泣き出しそうなテレサをなぐさめ、テレサの家に泊まることになった。
***
私は風呂に入った後ベッドで横になっていた。
あの後、私はテレサに私の身体のことを教えてもらった。
どうやら私は《悪魔の駒》という道具で悪魔になってしまったようだ。
テレサは、最近両親を亡くして孤独になってしまい、たった一人の孤独が辛くて、外で偶然見つけた、消滅しそうだった私を自分の眷属にした。
テレサは、私を悪魔にしたことをとても後悔しているようで、また何度も謝ってきた。
元々消滅していたはずの身体だった私を救ってくれたのに何故謝るんだ・・・・
ーーーーーーーー何だこの声は?
私は声がする方に歩いて行った。
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現在
《テレサ達の家》
あの時テレサは部屋で泣いていた。
亡くなった自分の両親のことに、
私を悪魔にしたことに、
孤独な自分に、
私は悪魔になったことを恨んはいない。
悪魔になったことで、皆に会えた。
悲しんでいたテレサを笑顔にすることができた。
私にとって、テレサとの思い出は大切なものだ。
しかし今、テレサは記憶を無くしてしまった。
テレサにとって悲しい過去は、忘れた方がいいものなのかもしれない。
でも私は、
いや違うな。
《私達は》テレサに思い出してほしい。
私達のことを、
大切な思い出を、
笑顔だったあの頃を、
記憶が戻ったら、悲しい記憶を思い出させた私達はテレサに嫌われてしまうかもしれない。
それでも私達は思い出してほしい。
私達の勝手かもしれない。
それでも・・・・
「ーーーーーーリイン、皆揃いましたよ。」
「今行く。」
オリヴィエに呼ばれ、私は皆のいる部屋に向かう。
テレサ、私達は破壊されたテレサの記憶を治す。
だから、後少しだけ待ってて。
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《神の宮殿》
「流石に疲れましたね、人類の歴史が進む速度を違和感が無いように速くするのは。」
赤い衣を着た女性が呟いた。
「宜しかったのですか?」
白い衣を着た女性が、赤い衣を着た女性に問いかける。
「何がですか?」
「あの時彼女達に、神が子ども達を襲った理由を説明しなかったことです。」
「・・・・」
「他にも、どうして別の世界の住人がこの世界にいるのかや、転生者についてなども説明しませんでしたよね。」
「・・・決まりですから仕方ありません。」
赤い衣を着た女性は答えた。
「・・・そうですか。」
白い衣を着た女性は、それ以上聞くことはなかった。
次回
原作に入るか、イッセーとヴァーリの過去かどっちがいいかなぁ