ハイスクールD×D神と転生者によって崩壊した世界   作:和寺

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今回同じ場面が二つありますが仕様です。


イッセーの・・・・

《???》

 

黒い衣を着た老人の足下で倒れているのは血まみれになったテレサだった。

幼い身体には無数の刀傷が刻まれており、かなりの重傷だということが分かる。

老人が握っている刀についた血から、老人がやったのだろう。

 

「ガハハハッ、幼い身体になっていたのは間違いだったな!」

 

老人は上機嫌といった様子で笑い、血のついた刀を止めの一撃と言わんばかりにテレサに刺した。

 

「テレサッ!?」

 

「テレサちゃんっ!?」

 

イッセーとアーシアが叫び声を上げるが、老人は気にした様子も無く、テレサの身体を持ち上げアーシアのいる所に投げ捨てた。

 

「その娘も思い知ったじゃろう、神の邪魔をするとどうなるのかをのうっ。」

 

老人はまた笑いだす。

 

「テレサちゃんっ、テレサちゃんっ!?」

 

テレサに駆け寄ったアーシアが必死にテレサに声を掛けるが、テレサからは返事がない。

 

「待ってて下さい、今治してあげますからっ!」

 

そう言いアーシアは自身の神器でテレサの身体を治そうとするが、テレサの身体の刀傷から吹き出る血が止まる様子はない。

 

傷が多すぎて治癒が間に合わないのだろう。

 

「あーしあ・・・ちゃ・・ん・・・」

 

普通なら意識を失っていてもおかしくないのだが、テレサが声を出した。

テレサが悪魔の血を引いていることが、テレサの意識を保たせているのかもしれない。

テレサはアーシアの名前を呼ぶが、その声に力はない。

 

「テレサちゃんっ、喋らないで下さいっ!」

 

「どう・・・して・・ないて・・・いる・・の?」

 

「それはテレサちゃんが・・・・」

 

死んでしまう。

そんなことはアーシアには言えなかった。

言ってしまったら、テレサの死を認めてしまうことになるからだ。

 

「・・・・」

 

アーシアは助かるはずの無いテレサの刀傷を治療するしかなかった。

 

認めたくない、ただそれだけがアーシアをに神器を使わせていた。

 

「待ってて下さい、今傷を治してあげますから・・・痛いのは無くなりますからっ・・」

 

アーシアはテレサにそう言いながら治療を続ける。

この言葉はアーシアが自分に言い聞かせていただけなのかもしれない。

 

自分がテレサの刀傷を治せば、テレサは助かるのだと・・・

 

「わたしは・・いた・・・く・・ないよ・・だから・・・あーしあ・・・・」

 

テレサは残された最後の力をふりしぼって声を出す。

 

「なかないで・・・」

 

そう言いテレサは瞳を閉じる。

 

「どうしてですか・・・」

 

アーシアはまだテレサに神器を使っている。

 

「どうしてテレサちゃんがっ!」

 

神器を使っているアーシアは既に、テレサが死んでいることは分かっていた。

 

「私の・・・私のっ・・・・」

 

アーシアにとってテレサは大切な友達であり、家族のような存在だった。

 

「あの時、私の力は凄い力だって言ってくれたのに・・・」

 

かつてアーシアは人々から聖女と呼ばれていた。

 

「なにが聖女ですか・・・私だけ助けてもらったのに・・・助けてくれたテレサちゃんを助けられないなんてっ!」

 

既にテレサは死んでいた、しかしそれでもアーシアはまだ神器を使い続けた。

 

「また・・・・守れなかった。」

 

イッセーはその場に立ち尽くす事しか出来なかった。

 

 

*********************************************

 

 

 

《イッセーの部屋》

 

 

「なんだよ、なんだよあれはっ!」

 

まだ息が荒い・・・・

 

俺が今布団にいるってことは、さっき見たのは夢だったのか?

 

夢にしてはリアルだった。

 

あの夢の中で、テレサは死んでいた。

俺の手が届かなかったからだ・・・・

 

「俺のせいで!」

 

俺じゃあ駄目なのか・・・

禁手を使いこなせていない俺じゃあ駄目だってのか!

 

俺は拳で壁を叩いた。

 

たいした意味は無い、ただ何かにあたりたかっただけだ。

 

「どうして俺は-――」

 

「―――いっせー、なにしてるの?」

 

俺の部屋の入り口にはテレサがいた。

テレサの身体には傷が無い。

 

やっぱり夢だったんだ。

そう確信したら、身体から力が抜けていく。

 

「いっせーのおへやから、どんっ!てきこえたからきたんだけど・・・」

 

「いや、何でもないよ。」

 

「そんなことないで―――」

 

俺は身体を起こして、テレサのいる所に行き頭を撫でる。

幼いテレサはこうすれば誤魔化せるしな。

 

テレサは撫でられると、目を細めて静かになっている。

さて・・・顔でも洗ってくるか。

 

 

 

***

 

 

 

《商店街》

 

 

今日は、俺と兄ちゃんとテレサとアーシアで商店街に来ていた。

商店街に来た理由は、家に食材が無かったからリインが買いに行こうとしていたので、いつもリインだと大変だということで代わりに俺達が行くことにしたのだ。

 

リインから貰ったメモには、必要な食材がビッシリと書いてある。

こんな量を一人で買っていたの?なんて聞いたら、私のは少ない方だぞ?なんて言われた。

商店街に来る主婦の方が多いんだとか。

 

凄いな・・・

 

 

さて最初は何から買った方がいいのかな?

 

「イッセーさん、あそこにお肉屋さんがありますよ。」

 

どうやらアーシアが、肉屋を見つけたようだ。

 

「イッセーそこからでいいんじゃないか?」

 

「分かった。」

 

肉屋からにしよう。

俺達は肉屋へと向かった。

 

 

***

 

 

「豚肉と鶏肉と・・・・」

 

家では牛肉があまり出ない、高いからだそうだ。

高いといっても金ならかなりあると思うんだけどなぁ。

 

「やっぱり牛肉も―――」

 

「―――ダメですよイッセーさん、メモには牛肉って書いて無いんですから。」

 

「そーだ、そーだ!」

 

うっ、そう言われると買いにくくなる。

 

仕方ないか・・・

 

俺は牛肉を諦めた。

牛肉とはあんまり関係の無い話だが今アーシアは俺達の家に住んでいる。

理由はアーシアの勤めていた教会が何故だか無くなったからだ。

無くなった教会の周辺には何故か堕天使が住み着いて危険なので、アーシアに俺達の家に来ないかと誘ったのだ。

 

「次は・・・」

 

どこに買いに行くかな。

 

「いっせー、あれは?」

 

テレサが指を差していたのは魚屋だった。

そこでいっか。

俺達は魚屋へと向かった。

 

 

***

 

 

《商店街周辺》

 

 

「たくさん買ったな。」

 

食材を入れた袋を持った兄ちゃんが呟く。

確かにこんなに量があるなんて・・・

メモを見るだけじゃあよく分かんなかったな。

 

「リインさんは凄いですね。こんな量を一人で買ってきてるなんて。」

 

「たまに、オリヴィエとイングヴァルトが手伝ってくれてるらしいけどね。」

 

俺はアーシアに二人も手伝っていることを教える。まあ二人共《たまに》なんだけどね。

 

「てれさもてつだうっていってるのに、あんまりてつだわせてくれないんだ・・・」

 

テレサが少し悲しそうに言う。

たしか、リインは心配だから何人かいる時に連れていくって言ってたような・・・

 

「そんなことは無いですよテレサちゃん。」

 

「あー・・しあ。」

 

テレサは少し泣きそうだ。

テレサが幼くなってから泣いてることを見るのは多くある。

俺達が小さかった頃はそんなに泣いてなかった気がする。

テレサは小さい時、よく泣いてたのかな?

 

「きっと皆さん、テレサちゃんの事が心配なんですよ。」

 

アーシアがテレサをなぐさめる。

 

「う・・うう。」

 

「よしよし。」

 

アーシアがテレサを抱っこして頭を撫でている。

これも最近ではよく見ることだな。

そういえばテレサとアーシア、どこか似ているような気がするな。

どこが似ているのかと言われると、これといった所が無いのだが、なんとなく似ている気がする。

黒髪のテレサがアーシアと同じ金髪にしたら親子の様に見えると思う。

今度試してみよう。

 

さて、やることも終わったし帰るかな。

俺が帰ろうとすると。

 

『イッセー感じたか?』

 

兄ちゃんから念話がくる。

何のことを言ってるんだ?

 

『どうしたの兄ちゃん?』

 

兄ちゃんから念話が来たので俺も念話で返す。

 

『気配を探れ・・・この気配感じた事がないか?』

 

気配か・・・

俺も気配を探ってみる。

あまり上手ではないので時間がかかる。

 

ん?何か感じるな・・・

 

この気配は―――

 

『―――テレサを刺したじじいだ!』

 

兄ちゃんがその言葉を言った瞬間、辺りが結界で包まれる。

 

「結界!?」

 

俺はテレサとアーシアのいた場所を見る。

 

いないっ!?

 

「兄ちゃん、テレサとアーシアが!」

 

「落ち着けイッセー、神器を使って確めろ!」

 

そうかっ、そうすればいいんだ!

俺は奪った力の、神器がどこにあり誰が持っているのかを調べる能力を使う。

 

「近くにいる・・・だと。 」

 

「どういうことだイッセー!?」

 

そう、俺は能力を使ったがテレサとアーシアは近くにいるとなっているのだ。

 

「この周辺に・・・」

 

俺が反応の有った場所に近づくと・・・

 

ガンッ

 

「うっ、何だこれは?」

 

見えない壁の様なものに当たった。

 

「見えない壁・・・結界かっ!」

 

兄ちゃんが何か分かった様だ。

 

「イッセーこれは結界だ、結界の中にもう一つ結界が張られている!」

 

「なるほど、そういうことか!」

 

なら結界を破壊するだけだ!

俺は結界を破壊しようとするが・・・

 

「―――イッセー結界から離れろ!」

 

結界の中から光線が放たれてきた。

兄ちゃんが言わなかったら当たってたかも・・・

 

結界の中から何かが出てきた。

 

「龍・・・・か。」

 

兄ちゃんの言うように結界から出てきたのは龍だった。白い体に青い目をしており、かなりの大きさがあるようだ。

 

「イッセー、僕が龍を相手するからその間にお前は結界の中に入れ。」

 

「結界の破壊じゃなくてか?」

 

「破壊は時間がかかる、だったら一部に穴を開けて入った方が早い。」

 

「分かった。」

 

俺は兄ちゃんに剣を渡す。

今創った剣だ。

この剣は龍に大きなダメージを与えるドラゴンキラーを元に創った剣なので、役にたつだろう。

そして俺は結界に向かって飛んだ。

 

グオオオオォ

 

龍が俺に攻撃をしようとするが、兄ちゃんによって阻まれる。

 

「お前の相手は僕だろ?」

 

どうやら兄ちゃんがさっき渡した剣で龍を斬ったようだ。

龍が苦しんでいる。

 

俺は結界に近づくが・・・

 

グオオオオォ

 

再び結界の中から光線が放たれる。

 

どういうことだっ!

また光線だと・・・まさかっ!

 

考えられるのは一つだけ。

 

二匹目だ。

 

結界の中から二匹目の龍が出てくる。

一匹目と同じヤツだ!

結界の中はどうなってるんだ!?

テレサとアーシアがいるってのに。

 

『イッセー、そのまま行けぇ!』

 

龍と戦っている兄ちゃんからの念話がくる。あまり時間を掛けられない、兄ちゃんを信じて突っ込むか!

 

俺は結界に向かって再び飛ぶ。

 

グオオオオォ

 

龍が再び俺に光線を放とうとする・・・が。

 

「禁手化<バランス・ブレイク>」

 

龍から光線は放たれなかった。

兄ちゃんが龍との距離を詰めて禁手を使って封印したようだ。

 

禁手をするほどの相手だったのか!

 

「行けぇ!」

 

俺は結界の中に入っていった。

 

テレサ、アーシア、無事でいてくれ。

 

 

 

*********************************************

 

 

 

《結界の中》

 

 

私がテレサちゃんを抱っこしていたら、いきなり周囲の光景が変わり、目の前に黒い衣を着たおじいさんが現れました。

 

おじいさんの後ろには《三匹》の大きな生き物がいる。

あれはたしか龍。

昔本で読んだ事があります。

 

とっても怖いです。

でも私が怖がる訳にはいきません。

私が怖がったらテレサちゃんが怖がってしまいます。私は勇気を振り絞って、なんとかその場に留まります。

 

「いらん者まで結界に入れてしまったか・・・まあいい。」

 

おじいさんはゆっくりと私に近づいてくる。

 

「やっと、やっとじゃ。」

 

本能が逃げろと言っている。

おじいさんはどこからか、刃物の様な物を出した。

 

「そ、それで何をするつもりですか?」

 

私は怖いのを我慢しておじいさんに聞く。

 

「簡単じゃよ、この刀でなぁ。」

 

おじいさんは笑顔で言った。

 

「その娘を殺すんじゃよ。」

 

「あ・・・ああ・・・・」

 

 

怖い

 

 

その言葉しか浮かばない。

 

私はあまりの恐怖で逃げる事すら出来なかった。

 

「さて、その娘には死んでもらうかの。」

 

動けない、動かない。

まるで金縛りにでもあったかのように私の身体は動かない。

 

―――その時私の手が震えた。

 

これはテレサちゃん!?

 

私が抱っこしているテレサちゃんは震えていた。

そうだ、テレサちゃんだって怖いんだ。

 

私が怖がっていたら、テレサちゃんはもっと怖がってしまう。

 

私はなんとか身体を動かす。

 

「逃げるな、儂が殺せなくなるじゃろ。」

 

「そんなことさせませんっ!」

 

私はテレサちゃんを抱っこしまま、おじいさんから逃げ出す。

 

しかし、

 

「まあ逃げても無駄なんじゃがの。」

 

おじいさんは一瞬で私の前に現れ・・・

 

ズバアッ

 

手に持つ刃物をテレサちゃんに刺した。

 

「テレサちゃん!?」

 

おじいさんは刃物をテレサちゃんの身体から抜き、もう一度刺そうとすが・・・・

 

バキバキッ

 

おじいさんは吹き飛ばされる。

 

私が抱っこしていたテレサちゃんは、立っていた。

重症のはずなのに!?

 

「テレサちゃん早く治療を!」

 

テレサちゃんは虚ろな目で、吹き飛ばされたおじいさんを見ている。

 

「そうだったなぁ、お主は重症を負っても動けるんだったなぁ。」

 

おじいさんが立ち上がりながら言う。

 

テレサちゃんがゆっくりとおじいさんに向かって動いていく。

 

「テレサちゃん、待ってください!」

 

私が止めようとしてもテレサちゃんは止まらない。

 

「テレサちゃん!」

 

 

 

*********************************************

 

 

兄ちゃんの援護で結界の中に入れたけど、また龍が現れて前に進めない。

 

「どけぇっ!」

 

グオオオオォ

 

テレサとアーシアがどうなっているのか分からないってのに!

 

ドゴオオオオン

 

この音は・・・・

 

俺でもなければ龍でもない、何だこの音は?

 

バキバキバキッ

 

また音はがした。

今度はまた別の音だ。

 

この音は過去にも聞いた事がある。

 

テレサッ!?

 

そうだこの音はテレサの・・・・

だったら尚更時間がないっ、さっさとこの龍を片付ける!

 

俺は兄ちゃんに渡した剣と同じ剣を創り、龍に向かって突っ込んだ。

 

 

***

 

 

「なんて強い龍だよ・・・・」

 

なんとか倒す事が出来たが俺の身体はもうボロボロだ。

時間を掛ければもっと身体の傷は少なかっただろう。

 

この辺りにテレサとアーシアがいるはずなんだけど・・・

 

ドゴオオオオン

 

辺りに轟音が鳴り響く。

 

そこかっ!

 

俺は轟音のした場所に向かった・・・・

 

 

 

*********************************************

 

 

 

黒い衣を着た老人の足下で倒れているのは血まみれになったテレサだった。

幼い身体には無数の刀傷が刻まれており、かなりの重傷だということが分かる。

老人が握っている刀についた血から、老人がやったのだろう。

 

「ガハハハッ、幼い身体になっていたのは間違いだったな!」

 

老人は上機嫌といった様子で笑い、血のついた刀を止めの一撃と言わんばかりにテレサに刺した。

 

「テレサッ!?」

 

「テレサちゃんっ!?」

 

イッセーとアーシアが叫び声を上げるが、老人は気にした様子も無く、テレサの身体を持ち上げアーシアのいる所に投げ捨てた。

 

「その娘も思い知ったじゃろう、神の邪魔をするとどうなるのかをのうっ。」

 

老人はまた笑いだす。

 

「テレサちゃんっ、テレサちゃんっ!?」

 

テレサに駆け寄ったアーシアが必死にテレサに声を掛けるが、テレサからは返事がない。

 

「待ってて下さい、今治してあげますからっ!」

 

そう言いアーシアは自身の神器でテレサの身体を治そうとするが、テレサの身体の刀傷から吹き出る血が止まる様子はない。

 

傷が多すぎて治癒が間に合わないのだろう。

 

「あーしあ・・・ちゃ・・ん・・・」

 

普通なら意識を失っていてもおかしくないのだが、テレサが声を出した。

テレサが悪魔の血を引いていることが、テレサの意識を保たせているのかもしれない。

テレサはアーシアの名前を呼ぶが、その声に力はない。

 

「テレサちゃんっ、喋らないで下さいっ!」

 

「どう・・・して・・ないて・・・いる・・の?」

 

「それはテレサちゃんが・・・・」

 

死んでしまう。

そんなことはアーシアには言えなかった。

言ってしまったら、テレサの死を認めてしまうことになるからだ。

 

「・・・・」

 

アーシアは助かるはずの無いテレサの刀傷を治療するしかなかった。

 

認めたくない、ただそれだけがアーシアをに神器を使わせていた。

 

「待ってて下さい、今傷を治してあげますから・・・痛いのは無くなりますからっ・・」

 

アーシアはテレサにそう言いながら治療を続ける。

この言葉はアーシアが自分に言い聞かせていただけなのかもしれない。

 

自分がテレサの刀傷を治せば、テレサは助かるのだと・・・

 

「わたしは・・いた・・・く・・ないよ・・だから・・・あーしあ・・・・」

 

テレサは残された最後の力をふりしぼって声を出す。

 

「なかないで・・・」

 

そう言いテレサは瞳を閉じる。

 

「どうしてですか・・・」

 

アーシアはまだテレサに神器を使っている。

 

「どうしてテレサちゃんがっ!」

 

神器を使っているアーシアは既に、テレサが死んでいることは分かっていた。

 

「私の・・・私のっ・・・・」

 

アーシアにとってテレサは大切な友達であり、家族のような存在だった。

 

「あの時、私の力は凄い力だって言ってくれたのに・・・」

 

かつてアーシアは人々から聖女と呼ばれていた。

 

「なにが聖女ですか・・・私だけ助けてもらったのに・・・助けてくれたテレサちゃんを助けられないなんてっ!」

 

既にテレサは死んでいた、しかしそれでもアーシアはまだ神器を使い続けた。

 

「また・・・・守れなかった。」

 

イッセーはその場に立ち尽くす事しか出来なかった。

 

 

 

*********************************************

 

 

また・・・・テレサを・・・・

あの夢と一緒じゃないか。

もう二度と、テレサを見ることが出来なくなった・・・・

 

「ついでじゃ、お主も殺しておいてやる。」

 

じいさんが俺に近づいてくる。

 

「テレ・・サ」

 

「安心しろ直ぐにお前もあの娘と同じ所に逝ける。」

 

確かにその方がいいのかもしれない。

もう・・・俺は・・・・

 

「そうだっ、絶望を味わったまま死んでいけっ!」

 

じいさんの刀が俺に降り下ろされる。

 

―――その時、辺り一面が光に包まれた。

 

「なんだっ、なんだこの光はっ!?」

 

じいさんの動きが止まる。

光が発生したのは・・・テレサとアーシアのいた所か。

 

俺はふとその場所を見る。

 

 

あれ?テレサがいない・・・・

 

 

「ふんっ、まあいいっ。」

 

じいさんが再び俺に刀を降り下ろす。

 

今、テレサの声が聞こえたような・・・

 

―――その刀は俺の身体を切り裂くことは無かった。

 

「まったく・・・・」

 

俺が移動したからだ。

いや、俺が移動したじゃなくて・・・・

 

「私の家族に何をするつもりだったの?」

 

移動させられたんだ。

 

「テレ・・・・サ?」

 

俺の前には見覚えのある女性が立っていた。

 

「どうしたのイッセー?」

 

でもこの人はっ・・・もう・・・・

 

「本当にテレサ・・・なのか?」

 

「おかしなことを言わないでよ、私はテレサだよ忘れたの?」

 

「でもさっき・・・」

 

「アーシアが治してくれた。私の身体も私の記憶も・・・・」

 

アーシアが?

 

「――さて、おじいさん決着をつけよっか?」

 

「ぐぬぬ、まさか瀕死の状態から復活するとはっ!」

 

テレサがじいさんの方を向く。

 

「待っててね、イッセー直ぐに終わるから・・・」

 

また戦うのか?

テレサが・・・・・

 

あの時も見ているしか出来なかったのに・・・

また俺は見ているだけなのか・・・・

 

 

嫌だ!俺はテレサを守ると決めたんだ!

俺が守られてどうする!

 

「テレサ・・・」

 

「ん?どうし―――」

 

テレサが倒れそうになったので俺が支えた。

俺が意識を《奪った》ので当然か・・・

 

「アーシア、テレサを頼んだ。」

 

「はいっ。」

 

アーシアが駆け寄ってくる。

テレサ意識は後で返す。

 

後で何と言われても構わない。

 

でも俺は、

 

「禁手化<バランス・ブレイク>」

 

このじじいをぶっ飛ばす!

 

「ふんっ、お主が戦うのか?」

 

じいさんが俺を見て言う。

表情から余裕だということがよく分かる。

 

だけどな・・・

 

「じじい、借りは100倍返しだ!」

 

そんな余裕直ぐに壊してやるよ!

 

 

 

 





ここが終わったらライザー編に入ります。
もう少しで終わります。

レイナーレはありません。
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