例えば、だ。君の前に妖精が現れたとしよう。少女の姿で幻想的な羽根を広げている妖精。そんな妖精が、自分の目の前に現れたんだ。もし、もしそうなったら君はどうする?
こんな変なたとえ話をしたんだ。きっともう分かってるだろうけど、つまりこれはそういうお話だ。お話といっても実体験でしかないから、君たちの期待する様なものじゃないかもしれないけど、それでも耳を傾けてくれるのなら僕は嬉しい。
それじゃ、お話と言ったからにはお決まりの言葉から始めるとしよう。
それはある日のことでした、ってね。
そう、それは本当に普通の日だった。季節は冬で一年を通して全国平均の気温であるこの地域にも、ようやく雪が降り始めていた、そんな日のこと。
何時も通りに朝起きて、朝ご飯を食べて、テレビを見ながら惰眠を貪るそんな休日。傍に人がいれば何をやっているんだと、なまけに対するお叱りの一つや二つ受けたかもしれないが、生憎と僕は一人暮らしだった。誰にも止められることなく、ダラダラと時間を無駄にしていたのだ。
もう最後に人と一緒に暮らしたのが、何年前かも分からない。常に訪れる新たな今日に、何も感じることなく時間だけを使う毎日。ただ、生きているだけの、否むしろ生きている振りをしている人形と言った方が良いかもしれない。この時の僕はまさにそんな状態だったのだ。
けど、そんな僕のことなんて知ったことかと、そんなの自分には関係ないと、そう言わんばかりに彼女は現れたんだ。けどそれは僕という存在に大きな影響を与えた。例え彼女にその気は無くても、例え彼女が僕のことなんて気にも留めていなかったとしても、確かに彼女いう存在は僕を根底から変えたんだ。
ふと 窓を見れば 雪がちらほらと降っている
別に 初めて見たわけじゃないけれど 妙にその雪に 目が引き寄せられる
それは まるで 見たことが無いものを観察するような 好奇心の様で
そして その好奇心は いつの間にか欲求へと変わり
正体を暴かんと 足までもが自然と動いていた
身体の言う通りにしていると僕の身体は、外へと移動しており、その視線は振り落ちてくる雪に向けられていた。裸足なのにも気付かず、寝巻なのにも気付かず、自分が笑顔を浮かべていたことすら気付かなかった。
風が吹く
その場に落ち葉があったならば こがらしができていただろう 螺旋状の風
その風は 落ち葉ではなく雪を巻き込む
それは段々と質量を増していき
ポンッと、あたかも嘘であるかの様な可愛らしい音を立てた。
そしてそこには居たんだ。
「あれ?あたい何してたんだっけ?というか此処どこ?」
頭にクエスチョンマークを浮かべている小さな小さな少女が、そこには居たのだ。
その姿はとても幻想的で、とっても浮世離れしていた。考えてもみてよ、彼女は空色の髪の色をしていて、まるで全知全能の神が全力をかけて作ったんじゃないかと思わせる程の純粋な美しさなんだ。
そして極めつけなのがこの二つ。彼女は宙に浮いていて、背中には3対の氷の結晶らしき羽根があった。そんな彼女の姿を見た僕はただひたすら目を奪われていた。その美しさに、可愛らしさに、何よりもその無垢の美というべきその真っ白さ、それが僕を惹きつけて止まなかった。
何にも染まっていない白。それは筆を入れる前のキャンパスの様な白さ、純粋というものを極限にまでこの世に現したかの様な純粋なる白、何にも縛られることなく唯々自由でいるそんな自由の白。見ているだけにも関わらず、彼女のその姿は僕にここまで多くを感じさせたんだ。
人間ってものはどうも好奇心の塊の様で、ついつい見たものに手を伸ばし触れたくなるらしい。はっと我に返った僕は彼女と、この少女と話しをしたい、そんな思いがうまれる。
辺りをキョロキョロ見渡している彼女の側に行き、僕は言った。
「妖精さん、こんにちは。」ってね。
その声に気付いたのか彼女は僕の方を向き、先程までの表情を一変させて言ったんだ。
「あ!人間じゃないの!そこのお前、さいきょーのあたいの質問に答えなさい!」
えっへんと言わんばかりの虚栄振りで、けどそれは不快どころかとても可愛らしかった。
これはそんな妖精さんと僕が過ごした日々を描いた物語。そう、それだけの、それだけのお話なんだ。
駄文ですね。もう少し上手い書き方が出来ないものでしょうか(´・_・`)