訓練の一幕
伊豆基地は相当のダメージを負って、先行してきたATXチームの三機《アルトアイゼン・リーゼ》《ラインヴァイスリッター》《グルンガスト参式》の到着を前に敵は撤退していった。
何もしらないカズマは、それほどの力を持っているのかと首を捻っていると後ろからメルアが「戦争で活躍した人たちです」と教えてくれた。
トーヤとカティア、メルアとフェステニアと相談して軍に残り戦うと決めてギリアムに報告する。
すると、通達は意外にも早かった。
鋼龍戦隊への参加が認められ、今も戦艦・ハガネの食堂でどうしたもんかと頭をフル稼働させている。
何でか?
「俺はヒューゴ・メディオ、階級は少尉だ。ヒューゴで良い」
「私はアクア・ケントルム、ヒューゴのパートナーって所ね。アクアで良いわよ」
「はぁ、どうも。」
自己紹介をする二人に曖昧な返答を返すカズマ。
正直、誰かと話しているより戦闘前に感じた違和感の答えを知りたい。
「それで、キミの機体は二人乗りなんだろ?」
ヒューゴがそう言うと話しているカティア達を指差した。
本人達は気がついていないが、てかトーヤは何があったのだろうか?突っ伏している。
「ええ、そうですね。彼女達の力を借りないとまともに
「まぁ、そう卑屈になる事は無いと思うわ。だって、一緒に乗った子は貴方を信じたか
らあんな機動についていったんでしょう?」
「そんなつもりは・・・・やっぱ無茶でした?あれ」
「ああ、アクアならピーチクパーチク騒いでいたな。絶対」
「ヒューゴだって、私の意見無視してたことあったでしょう!?」
何処かで見たことある光景だなとカズマは思う。
何処だったかは思い出せないが、きっとこうして口論する友達がいたのかも知れない。
「どうしてこうなった」
シュミレーションルームでそう呟くカズマ。
《グランティード》と《ヴォルレント》を想定したシュミレーションマシンのメ
インシートに座り、盛大なため息をついた。
『そうため息をつくな。戦いに参加する以上死なれては困るからな』
「カイ少佐、死ぬ気は無いですよ。てか、トーヤのほうは訓練プログラムみたいですけど・・・」
カズマの目の前には、《量産型ヒュッケバインMkⅡ》が着地した所である。
『全力できてくれ!白髪の兄ちゃんっ!』
スピーカーからはアラドが響く。
「ぐはっ!」
「あのカズマさん?大丈夫です、綺麗だと思いますよ。その髪!」
シュミレーションマシンは複座式も存在する。目下、二人乗りのパイロットがパートナーと連携を取る訓練で使用される物だ。
トーヤの後ろにはカティアが、カズマの後ろにはメルアが乗っている。
「・・・・気を使わなくて良いよ、メルア。」
うん、どうしてだろうか?物凄く堪える。
アレか、実年齢と見た目のギャップってやつか?老けてるって言われて落ち込むとかそんな物かもしれないが、うん。
何で白髪になってんですかねぇ!?今更ながら。
「全力で良いんですよね!?」
『あ、ああ。アラドはあれでも優秀なパイロットだからな。頑張れ』
カイがそう言うとモニターの中の《ヴォルレント》と《量産型ヒュッケバインMkⅡ》が動き出した。
「すごい、熟練したパイロットとそう大差ない動きですね。」
驚くブリット、モニターの中で争う二機には明確な違いが出てきた。
アサルトライフルを撃ち抜かれ、起爆する前に放り投げる《量産型ヒュッケバインMKⅡ》に対して、オルゴンガンを連射しつつ、シールドの先端から短剣を出力した《ヴォルレント》が追いすがる。
「あの動きについていく彼女も凄いわよ。」
「ああ、でも話してみて分かった。アイツは」
『うわ!ちょ、直撃!?』
『出力低下!カズマさん、次はオルゴンエクストラクター、停止しちゃいます!』
『マジか!?』
フォトンライフルをまともに受けてどう対応したらいいかと論議する《ヴォルレント》サイドの二人の声が響き渡る。
「・・・・・・要訓練だな。」
壁にもたれてみていたキョウスケが言った。
「確かに、訓練は必要だが二人共十分戦えるレベルと言うのが恐ろしい所だな。それに」
カイがそう言うとモニターの中の《量産型ヒュッケバインMkⅡ》がロシュセイバーを振り下ろす。
対して《ヴォルレント》はオルゴンキャノンの砲身で受け止め、そのまま肩まで斬り進む。
『だとしてもっ!』
そこから、無理やりスラスターを吹かして《ヴォルレント》が殴りこんだ。
『嘘だろぉ!?』
オルゴンステークが、《量産型ヒュッケバインMkⅡ》のコックピットハッチに突き刺さ
り、アラドの声が響く。
「面白い奴だ・・・・」
「何だ?キョウスケがそう言うのは珍しいな」
キョウスケの呟きにカイはそう言った。
「「し、しんどい・・・」」
食堂に戻って、机に突っ伏す影は増えた。
結局あの後、トーヤとカズマ・・・三人娘もだが《グランティード》と《ヴォルレント》の調整で格納庫に行き、長々とメカニック陣営から話を聞いていた。
「だらしないわね、たかが二時間程度でしょう?」
「いや、一般人からしたら書面と二時間睨めっこ・分からん専門用語連発の二時間とか拷問かって話ですから!」
通りかかったカルヴィナが、フェステニアから事情を聞いて呆れて言うとカズマは間髪いれずに反撃に出る。
「おお、険悪じゃない!」
「だから言ったでしょ、テニア。カズマさんだって根に持つタイプには見えないって」
「少し突撃思考ですけどね」
因みに上からフェステニア、カティア、メルアである。
「それにしても凄いよ、祠堂さんは。」
「そうでも無いだろ?俺なんか駄目駄目さ。メルアの助けがなきゃ何も出来ない。」
「嘘だろ、ソレ」
「そう言えば、カズマさんは何をされていたんですか?」
トーヤの言葉を開き直って答えたカズマにメルアは純粋な興味から尋ねた。
「んまぁ、何も?何かしていたかも知れないけど思い出せなくてね」
「それにしては明るいじゃん、気にならないの?」
今度はフェステニアがそう尋ねた。
「たまに知らないはずの言葉が浮かぶけどね、ソレは気になるが・・・だから何だって話だ。答えが出てくるわけでも無いからな」
「へぇ~カイ少佐の話は本当だったのか」
「おう、楽観的と笑ってくれて構わないぞ。生来こんな性格なのが幸いして他人の心配をする余裕があったからな」
シュミレーションの時のスピーカーの先にいたであろう少年にカズマはそう言った。
カイ少佐という言葉が出た辺り、彼もまた教導隊のメンバーか鋼龍戦隊のメンバーだ。
「いや、あんたとは気が合いそうだ!俺はアラド・バランガ。さっきは驚いたよ、あんな土壇場で反撃して来るんだからなぁ」
「あのタイミングで負けないためにはアレしか思いつかなくてさ。実戦じゃアウト、それに話してたらメルアから全力で反対されたと思う」
とアラドと話を咲かせる。
因みにソレを聞いたメルアは「あ、自覚はあったんですね?」と笑っている。
一応言おう、笑っているが目は笑っていない。
「あの操縦は辞めたほうが良いな、相方のことを気にしていないような事は特に」
とヒューゴが言う。
いつの間にかカズマ達の周りには数人が集まっていた。
・ヒューゴとアクア
この二人はよく絡ませます。
作者のスパロボ本格プレイがMXからだったので非常に記憶に残っているキャラです。
・キョウスケの興味
これについても書き直す前と変わりません。
カズマはATXチームメンバーが中心になって鍛えられます。なお、クスハのアレも次回辺りに。
・アラド相打ち
何か油断してやられるパターン、ゲシュ・ハーケンの「撃墜され王」と言う台詞がこの展開を思い起こさせました。
ま、普通ありえないと思うのですが。