自分は某101匹動画で知りました。
劉備軍と曹操軍が共闘して数日が経った。
あれから劉備軍の人を募ったり、此方の物資などを渡し補充を済ませた後、冀州へと向かう。
何でも冀州に黄巾党の本隊が居るらしい。
正直、州をまたぐ大きな遠征になるとは思わなかったので疲れます。
……お城に戻って何か料理作りたい。
……今回は面倒ですね。
「そうですね……時間との勝負ですしね」
やっぱり奇襲ですかね。
「はい、それがいいと思います」
自分が口を出せば、それに金髪の子――諸葛孔明が頷いてくれる。
最初こそ、はわわ、はわわ、だった子だが、千里の家族と分かってからは少し態度が柔らかくなった。
それにしても千里の文に諸葛亮の事が書かれてなかったら驚いて声を出していただろう。
それほどまでに自分の持つ諸葛亮のイメージとかけ離れた姿をしていた。
「囮は私達の方が?」
いえ、囮……正面からぶつかるのは私達がやります。
「ふむ……」
曹操軍は派手に動いてますからね。
下手に軍の数を減らすと奇襲を怪しまれますので。
「奇襲を匂わせないようにですか……」
はい、場所としてはこの辺りを想定しています。
今回の戦は、本隊と戦うといっても激しい物ではない。
黄巾党の主力部隊が現在離れており、手薄になっている。
幾ら此方の兵士の方が錬度が高いとはいえ、多勢に無勢。
相手の主力が離れている間に蓄積されている兵糧を狙い打ち、相手の食料を絶つ。
それが今回の趣旨だ。
地図で戦いになると思われる場所を示し、更に近くの山を示す。
それを編成が済んだのか戻って来た龐統と共に難しい顔で見ていく。
こんななりだが、やはり軍師。
二人は、あーでもない、こーでもないと二人で言葉を交わし今回の策を絞っていった。
……。
「何よ、
何でもないです。
そんな二人を見つつ、後ろに居る自分の上司を見る。
見れば、すぐさま不機嫌そうな言葉が飛んできた。
華琳様の真名を預かってからずっと機嫌が下がっている。
あれやこれやと傍にいて治そうとしてるのだが、どうも上手くいかない。
今も此方をジト目で見てきては頬を軽く膨らませ、むすっとしている。
「
そちらは自分達のほうで特殊部隊を編成してます。
「なら前と横に気を取らせてですか……」
義勇軍の皆さんは此方の山で待機してください。
本隊が此方に気付いた直後に号令をかけます。
号令をかけましたら、此方が弓を放つのでその後に横から突っ込んで下さい。
「……あわわ、それでは私達が先陣になってしまいます」
少しの間でいいのです。
援護もしますし、此方も直ぐに駆けつけますので……。
「でも……」
何より、義勇軍を思っての事でもあります。
「え?」
これから先、あなた達が羽ばたくには名声が必要な筈です。
敵本隊に先陣を切り、今回の作戦を成功させた第一人者……大きな手柄になると思いません?
二人にそう言えば、腕を組み考え込む。
正直悪い話ではないはずだ。
此方は兵力を無駄にせずにある程度の名声を得られ、黄巾党に大打撃を与えられる。
義勇軍は、少し耐え抜けば大きな名声と手柄を得るのだ。
「……どれほど耐え抜けば?」
そうですね……これぐらいが目安と思っていただければ。
「……援護はしてくれるんですね?」
はい、確実に。
「分かり……ました。受けます」
ありがとうございます。
「はわわ!?」
「あわわ!?」
必要な時間を計算し見せれば頷いてくれた。
これで頷かれなかったら、また策の練り直しなので正直助かった。
その事に感謝し礼を尽くせばなにやら驚かれる。
……そこまで礼儀のない人に見えていたのだろうか?
驚く二人に首を傾げつつ、ある程度作戦を纏め互いの陣地へと戻っていった。
……ふぅ、あんな感じでよかったですか?
「……まぁまぁね」
戻りがてら先ほどの策や進め方を聞いてみると、そんな返事が返って来た。
今回の共闘は、自分が軍師として事を進めるように華琳様から言われている。
進めるといっても荀彧様も後ろで控えており、駄目な時は口出しするといった感じだ。
北郷君を探るといった意味合いも含め、やっているのだが……中々に大変だ。
「それで……あの精液男はどうなのよ」
……精液男って。
なんと言うか、荀彧様の北郷君の評価が酷い。
時折、会うことがあるのだがその時も一言も喋らないのだ。
喋ってもこれなので喧嘩になるよりはましなのだが。
少なくとも自分よりは覚えてますね。
「……面倒ね」
あっ……現在に偽名を名乗っています。
楊徳祖……『鶏肋』こと
流石に九十九のままでは、北郷君に気付かれると判断し偽名にしました。
お陰で九十九を真名だといい具合に勘違いしてくれています。
本来の真名を聞かれたら怪しまれますからね。
あと、この名前を出した際に、名前の由来を聞かれたので曹操の部分だけをはぐらかし伝えてるのですが……華琳様は微妙な顔をしてました。
鶏肋と言う呟きから軍の撤退を結び付けて勝手に勘違いして自滅した人ですからね、微妙な顔になりますよね。
ちなみに由来を話したせいで機嫌悪い荀彧様からは鶏肋と呼ばれるように……鶏肋、今度作ろうかな。
『太平要術の書』の件を覚えてるから、彼が読んだのは演義ですね。
「……ふむ」
あと
「げえむ……ってあんたが言ってた様々な物事を体験できる道具のこと?」
はい、この世界の一人となって人生を擬似的に体験出来る物もあります。
「なら、軍師とかもいけると?」
それは……分かりかねます。
体験できるといっても簡易なもの……実際やってみろと言われてもできないでしょう。
「……それって役に立つのかしら?」
娯楽でしたから……なんとも。
兎に角、北郷君は油断できないかと。
荀彧様の微妙な表情に苦笑で返す。
自分もやったことはあるが、あれで実際に出来るかといわれたら出来ないだろう。
ただ、軽くなら軍も動かせるので策を考えるにあたっては有用かも知れない。
現状彼等は、全てが足りないみたいですし……大きく動くのはまだまだ先ですけどね。
「……ここで潰した方が楽なんだけど」
華琳様がお許しにならないかと。
「そうよねー……はぁ」
ここで適当な理由をつけて潰した方が後々楽である。
しかし、それを華琳様が許してくれない。
あの人は、どこか好敵手を求めている傾向がある。
華琳様は昔から才能溢れた有能な人物だと聞く。
そんな彼女だからこそ、競える相手が居らず寂しいのだろう。
自分と同じような王を、英雄を……。
故に危険と分かっていても成長させ、相対してみたいと願っているのだと感じる。
「取り合えず、この作戦を成功させないと」
全力で挑みます。
「……少し余裕を持ちなさい。いざって時、焦って何も出来なくなるわよ」
はい。
「あと、これ……それじゃね」
おやすみなさいませ。
荀彧様の寝泊りしている幕舎の前まで来たのでそこで別れる。
その際に何か竹簡を渡された。
なんだろ……これ、駄目だしとかそういうのだろうか?
何かと見てみれば、其処には先ほどの作戦の説明が簡略に分かりやすく書かれていた。
もう一つの竹簡には部隊編成についても載っており、準備が整っている。
この後やろうとしたことが全て終わっており、今日はゆっくりと休めそうだ。
荀彧様に感謝しつつ幕舎へと意気揚々と戻った。
……。
「お帰り」
……ただいま?
というか何で居るの。
休めそうと思ってたのだが、前言撤回。
幕舎に戻れば、何やら人の寝床に寝転ぶ人を発見した。
袴の着物に靴はブーツ、銀色の髪が綺麗な人物……千里だ。
「華琳様との話し合いが済んでね。この戦が終われば晴れて僕も曹操軍さ」
……まじか。
「本当だ」
あまりにあまりな言葉に呆けてしまう。
というか、もう真名を交換したんだ……早いね。
劉備さんの所はいいの?
「元々直ぐに抜けると言ってたしね。朱里や雛里が気になるけど、何時までもお世話してるわけにもいかないだろう?」
そうだけど……千里が抜けてあの軍は大丈夫なのかね?
「や……僕が抜けたぐらいで揺らぐなら、この先なんてやっていけないよ」
確かに。
千里の言葉に納得し、竹簡などを机に置き自分もまた寝床に寝転ぶ。
色々とあって本当に疲れた。
明日は初めて指揮をする、その緊張もあり精神的に辛い。
「よいしょと」
あー……癒される。
「ふふっ……存分に癒されるといいよ」
でも異性の幕舎に居るってどうなのよ?
「別に家族だし変じゃないだろう?」
そっか。
そんな事を思っていれば、何時の間にか千里に膝枕をされる。
体を鍛えているであろうに千里の太股は柔らかく寝心地が良い。
そんな膝枕に初めての軍師体験に疲れた精神と体が癒されていく。
何だかんだ気遣ってくれた荀彧様と千里に感謝しつつ目を瞑ればすぐに眠気がやってきた。
今日はよく眠れそうだ。
落ちる意識と共にそう思い微笑んだ。
~なぜなに三国志! トキドキ間違いもあるよ!~
【姓:徐 名:庶 字:元直 真名:千里】
《人物紹介》
十八歳の少女。
性格は、竹を割ったような性格。
裏表なくズバっと言い切るため清々しい人物とも言える。
『家族の幸せ』を心情として動いてる為、桃香の夢などには興味を惹かれていない。
家族が幸せになれれば、誰が国を治めようと構わないのだ。
曹操軍では、影として動いている。
草を育て、情報収集に力をつぎ込む。
《抱擁》
ちなみに好きなことは『抱擁』。
朝の挨拶に抱きつき、昼の挨拶に抱きつき、夜のおやすみに抱きつく。
※気に入った人のみ
現在は、朱里、雛里、九十九の三名のみ。
《戦い方》
撃剣の使い手で暗殺向けである。
力はそれほどなく、技術で戦い抜くスタイル。
《生い立ち》
十四歳の時に母親が連れて来た九十九と一緒に住む事となった。
九十九の第一印象は『迷子になった子鹿』。
村に受けいられようとビクビクしながらも作り笑いをして、一生懸命働く九十九を見てそう思った。
父親を早くに亡くしており、ここまで苦労しながらも育ててくれた母親には感謝しかない。
そんな母親を幸せにする為に武の腕前でなく知恵を磨き文官を目指す。
元々頭がよかった為、十五の時に水鏡の私塾へと入る事となった。
その際の去り際に九十九に母親と真名を託す。
九十九と一緒に居た期間は案外短く、時折帰郷してた期間を含めても二年程度。
それでも九十九を気に入り、本当の家族(弟)として扱っている。
《姿》
身長は百五十程度。
髪は銀髪で少し長めのショートカット、片方の横髪に小さな三つ編みをしている。
服装は、袴の着物+ブーツ+水鏡私塾のベスト(朱里達が羽織ってる物)+セーラー帽子。
着物とブーツは九十九が砂糖を売った時に余ったお金で贈った物。
《趣味》
趣味はお菓子作り。
九十九が砂糖を作ったり色々としていたので作れるようになる。
腕前は華琳も気に入るほどの物。
《真名》
九十九に真名を渡した際に九十九からも受取っている。
但し、人前では九十九呼びで二人の時のみ『重成』呼び。
《桂花》
重成が幸せなら別に構わない
【姓:楊 名:修 字:徳祖】
《人物紹介》
《史実》
中国後漢末期の政治家。
名門の子弟として生まれ、曹操に仕えその才能を愛されたが、曹氏の後継者争いで曹植に味方したため、
その才能を警戒され殺害されたお人。
《鶏肋-演義-》
曹操が漢中に遠征するも劉備との戦いは持久戦にもつれ込む。
この時に曹操が『鶏肋』と呟いた言葉を、
『鶏肋(鶏のあばら骨)は捨てるには惜しいが、食べても腹の足しになるほど肉がついてない』
即ち、
『漢中は惜しいが今が撤退の潮時』
という意味で読み解き、撤退の準備をしてしまう。
勝手に軍を動かし撤退した楊修に曹操は怒り殺してしまう。
優秀な事が裏目に出てしまった人である。
ちなみに披露気味の兵で劉備に適う筈もなく惨敗している。
曹操自身も矢で前歯を折られ命からがら逃げ返る。
この時に『楊 修の言うとおりに軍を引いていれば』と嘆き悲しんだ。
そのため、曹操は楊修の遺体を手厚く葬るように指示している。
《九十九》
何故この名前にしたかというと食べ物に関した人であるため。
後は優秀だった人なのであやかりたいという気持ちもあった。
《楊 修の時の真名》
既に九十九という名を聞かれている為、改めて一刀達に紹介する時に、
『姓は楊 、名は修、字は徳祖です』と名乗っている。
故に一刀たちに「九十九」を真名だと思わせている。
《笑顔動画での101匹阿○ちゃん》
上の動画で初めて知った人。
いろいろと不遇ながらも最後まで阿斗を支えていた。
名立たる人達相手に策略を披露した所は名シーンである。