二組の男女が歩いていた。
背格好を見る限りは、姉と弟みたいな所だろう。
その周辺には数軒の飲食店がある。遅い時間だったのか、歩いている人はその一組以外の人間は見当たらない。
「ねぇ、神様こんな所に魔法使いがいるとは思えない」
「どんな事はないわよ。案外ばったり出くわしたりするかもしれないわ」
「僕はあなたに着いていくだけだから、行き先について文句は言わないけどさ」
「えぇ~~。見るからに異論あります見たいな顔をして言われても、ちっとも信じられないんだけど……」
「確かに異論はある。こんな発展してる街では、わざわざ魔法を使う必要がないと思う。だから魔法使いがいるわけないってのが僕の考えだ」
「まぁ、そんな気難しく考えなくてもいいよ。魔法使いがいないなら、それはそれで結構。単純に楽しめばいいわ。美味しそうな料理を出してくれそうなお店がいっぱだし、適当にご飯でも食べようか?」
店先まで移動して提供されているメニューを確認して、また次の店先に移動して同じ行動を取った。
何回か繰り返し結局最初にメニューを確認した店に入る。
「何で食事する所を選ぶのにこんなに時間使うの神様?」
「さっきは私に着いていくだけ言ってたじゃんか」
「それはそれ。食事なんて何を食べても一緒」
「何でよ?どうせなら一番美味しそうなのを食べたいじゃない」
そんなやり取りをしていると、一体のロボットが二人の目の前に表れた。
「いらっしゃいませ。どうぞお好きな席におかけください」
そう発したのは、全体が白色で塗装されていて、頭部は丸型で胴体は四角形。そして、浮遊し移動していた。
「見てノーゼル浮いてるわ。これは魔法使いが裏で操作してるはずよ」
「じゃあ、直接聞いてみればいいじゃんか」
そう言った後に彼はロボットに問いかけた。
「キミは魔法で動いてるのかい?」
そう聞かれて、しばらく沈黙してから答える。
「それは、発達した科学技術は魔法と変わらない。的な意味で聞いたのでしょうか?それなら違うと答えます。私の型式はこの文明の中では高度ではなく、むしろ単純なAIプログラムと実行可能な行動は極端に少ないのです」
「なーーんだ。残念ちゃんだね」
神様と呼ばれていた女性は、ロボットからの返答を聞くと、一瞬でつまらなそうな表情に変わった。
「ここって後払い?」
そう言って、勝手に四人用のテーブル席の椅子に座った。
「はい。後日清算になります」
「ラッキー。持ち合わせなかっんだ」
「必ず払うようなシステムになってますので、本日はお好きなだけ食べても大丈夫です。それでは注文が決まりましたら、こちらのパネルを押して注文を確定して下さい」
それだけ伝えると店の奥に移動して、姿と気配を完全に消してしまった。
店内には他のお客は居ない。
「」