雪のように白く、美しく ~like snow~   作:海童(ワダツミ)

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こんばんは。海童です。

さて。今回は少しだけ長いです。ほんの少しだけです。(人はそれを変わらないという)
今回もちょっとあれな表現あるかな……


#39

「おい、起きろ。」

 

「はっ、随分と偉そうに………グアアアッ!」

 

IS学園地下特別区画。やはり刀魔は動けない状態だった。

 

「束が話をしたいそうだ。」

 

千冬のとなりには、違和感しか感じない服装をした天災が立っていた。

 

「ねぇねぇ、そこの日本人。今束さんはスッゴくイライラしてるから、正直に答えてね? ――――君の機体は誰から貰った? 稼働データは何処? なんでISを壊して回ってくれちゃってんの?」

 

「質問は一回ずつって小学校で習わなかったのか? ……グアアアッ!」

 

よく見れば束の手にもスイッチが握られている。

 

「とっとと君みたいな存在価値の欠片もないやつはいうことに答えてりゃいいんだよ!」

 

「………稼働データについては完全に知らねぇなぁ。」

 

「誰から貰った?」

 

「………はっ、いうわけないだガァァッ!」

 

「とっとと答えろっていってんだろ! 聞き分けのない生物だね!」

 

束は乱暴に檻を開ける。そして刀魔の口元に手を運び、無理矢理『ナニカ』を飲み込ませる。

 

「ガッ………何を飲ませた!」

 

「効き目は五分程度だけどね。効果は絶大だよ。――――もう一度聞く。誰から貰った?」

 

「――――父さんから。(!? ……くそっ、自白剤か!)」

 

「その人の名前は?」

 

「………凛道 片刃。」

 

刀魔がその言葉をいった瞬間、束は手に持っていたスイッチを床に落とした。

 

「嘘……嘘だ! なんで、なんで凛道さんが!」

 

束が膝から崩れ落ちる。すでにその目は虚ろで、焦点が定まっていない。

 

「だから、あのときも、今回も………! 、なんで、私のISを壊すの!」

 

「そんなことお前自身が一番わかってんだろ? なぁ、救世主気取りの殺人鬼さん? グッ、ガァァッ!」

 

「黙れ! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!」

 

 

 

 

その後、刀魔を残して、二人は去っていった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

私がはじめて宇宙に興味を持ったのは、小学六年生の時だった。こっそり一人で宇宙開発展示会を見に行ったとき。はじめて宇宙スーツを見たとき、凄く体がピリピリした。

 

ちょうどこの展示会でスーツを作った人のお話が終わり、質問コーナーに入ったときに私はその人にたくさんの質問をした。スーツを作った時の気持ち、だけじゃなくて、コストパフォーマンスだとか、材質の調達方だとか。今にして思えば小学生がするような質問じゃなかったなって。

 

で、その人は全部の質問に答えてくれた。嫌な顔ひとつせずに、いや、むしろ嬉しそうに。そして、最後に私にこういった。

 

「どうだい。僕と一緒に新しいスーツを作ってみないかい?」

 

私は二つ返事で了解した。両親は道場を続けていて、私は正直興味なんてなかった。むしろ、剣道なんてしたくないって思ってた。親だって私のことを見てくれなかった。そりゃそうだよね。自分達のいうこと聞かないんだもん。

 

だから、私は、この人についていくことにした。

 

 

 

 

中学二年の頃、本格的にスーツを作り始めた。目標としてはほとんど生身の状態で宇宙を見ることのできるスーツ。誰もが手軽に使える、携帯型。隕石群にも対応できる装備。

 

作業をしたのはほんとに私とその人二人だけだった。

 

私はその人に凄く感動していた。なんでこんな技術が使いこなせるんだろう。なんでこんなに頭がいいんだろう。――――――なんでこんなに、私を夢中にさせるんだろう。

 

 

 

事件はその次の年に起こった。それは、ほとんどこのスーツが完成するってときだ。

 

私が足りないパーツを買い出しにいってたときのこと。偶然にもお父さんにであってしまった。私は慌ててその場から離れたけど、それを見逃してはくれず、父さんは私を強引に連れ出し、車のなかに積み込んだ。

 

私も必死に抵抗した。けど、ロープで縛られ、口をガムテープで塞がれて、私はなにもできなかった。そして、私は捨てられた。夜の路地裏に。

 

そこから先は思い出したくもなかった。――――大体みんな結末なんてわかるでしょ? 人通りの少ない路地に、無抵抗な女。

 

 

 

 

 

私がラボに帰ってこられたのは、次の日の昼だった。

ラボの戸をあけると、誰もいなかった。あの人も。

 

私はこっそりパソコンを起動してプログラムの画面を開いた。そして、プログラムを書き換えた。男性を拒否するプログラム。

 

「(――――――男なんて、嫌いだ!)」

 

バックアップの方も上書きした。そのときの私は、どれ程醜い笑顔だったんだろう。

 

 

 

 

「束……何をしているんだ!」

 

気づけばあの人が帰ってきてた。凄いね、ほんの少しプログラムを見ただけで内容がわかるんだもの。

 

「なんで! なんでこんな!」

 

「………もう、男なんて信用ならないんだ。どうせ男なんて女のことを単なる性欲の捌け口としか思ってないんだ。」

 

「そんなことないだろ! そんなのは一部の人だけだ!」

 

「うるさい! もう、私だけで十分だ!」

 

私は、ある程度完成していたスーツを着る。凄い、ここまで一体になれるんだ。こんなの男に使わせるなんて、もっての他だよ。

 

「出ていって。確かに貴方は悪くない。――――――悪いのは、この世界だ。」

 

「束……………、分かった。出ていくよ。でも、いつか君を止めて見せるからな。」

 

その人は、荷物を簡単にまとめて出ていってしまった。

 

 

 

 

 

「――――――、ありがとう、凛道さん。」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

ミッドウェー諸島付近のある島の上空。すでに亡国機業の面々――――スコール、マドカ、オータム、ナターシャが待機していた。残りの人は全員アメリカで待機中である。

 

「全員、準備はいいわね?」

 

「もちろん。」

 

「OKだ。」

 

 

 

 

 

一夏は大きく息を吸い込み、

 

「――――――大丈夫です。」

 

 

 

 

 

「それならいいわね。――――突撃するわ!」

 

 




今回はがっつり束さんにスポット当てました。

一夏たちも準備してますねー。次回は一夏の方です。

まだだいじょうぶなんですけど、最終話付近でアンケートとりたいなと、思ったんですが、知っての通り透明投稿なんで、活動報告出せないんです……。ま、どうにかします。
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