雪のように白く、美しく ~like snow~ 作:海童(ワダツミ)
ありとあらゆる懸念を無視して、一夏(刀魔)のターン! いずれ補足しますので今は新章へと続くこの回をお楽しみに!
束のラボから帰ってきてすぐに、一夏は支度をし始めた。
「一夏くん、何をして――――まさか、IS学園に!? ダメよ、危なすぎる!」
「全部を知ってしまった今、俺は動かなくちゃならない。――――いや、俺がいかないとダメなんだ。」
そんなことをいいながらも、すでに雪月も纏い直している。すぐにでも行くつもりだ。
「ダメだ、俺からも止めておく。まだ行く時期じゃない。」
「一夏! いっちゃダメ!」
満場一致で一夏に賛成してくれる人はいなかった。
「だめよ、もし今から行くのなら、私たちが全力をもって止めるわ……!」
しかし、スコールがその言葉をいってすぐに、一夏は光の矢を全員に当てた。誰一人として血が出てないことから、恐らく殺傷能力ははなからない武器なのだろう。
「一夏!」
「ごめんなさい。……ごめんなさい。でも、俺がいかなくて誰が今行くんですか! それに、いくら処刑日がまだといって、予定通りにする保証なんてないんです! ここでいかなきゃ、絶対に後悔する………」
一夏は自らの拳を強く握りしめる。手から血が出てしまうんじゃないか、というほど強く。
観念したのか、スコールが口を開く。
「もう、私からは止めはしないわ。でも、絶対に生きて帰ってきてね。」
イーリスも諦めた表情で語りかける。
「織斑一夏、そこまで言うのなら止めはしねぇ。それに、今の状態じゃ、止めることもできないしな。――――――そこにある机の引き出しを開けてみな。お前らが出払ってるときに変なやつから受け取ったものだ。」
一夏は引き出しを開ける。そこには、一枚の金属でできたカードが入っていた。絵柄も特にはない、表裏を白黒で色づけただけのカードだ。
「なんでも、ボロボロの服着たやつがここに来てな。一般人がこんなとこ来るわけないと思って話してみたんだが、そいついわく『もしよかったら、こいつを刀魔ってやつのところに届けてくれ』だとさ。」
「ここに来たことは気にしないとしても、何でそいつは刀魔の名前を知ってるの……」
「そう思って聞いてみたんだが、そいつはどうやらあの未確認機の開発をしていたらしいんだ。そいつ、こっちがわの人間だったわ。とにかく、IS学園に行くのなら、そいつを届けてきな。」
一夏はカードを拡張領域に収納する。雪月に進化してからは拡張領域も使えるようになったらしい。まぁ、考えてみれば今までの白式が拡張領域を使えない理由は雪片があるからだったから、至極当然の結果でもある。
「一夏ぁ…………」
「マドカ…………ごめん、いってくるな。」
「一夏ぁ………、絶対、絶対帰ってきて………そうじゃないと、許さないんだから………」
今にも泣き出しそうな目で一夏を見つめるマドカ。それにたいして一夏はマドカのそばに行き、頭を優しく撫でる。
「絶対、帰ってくるからな。大丈夫。俺は、死なない!」
それだけいって、一夏は飛び立った。恐らく最後の戦いとなる、戦地へと――――――――
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「はっ、かれこれ何日たったんだ………? ったく、ほんとに何もない部屋なんだから話し相手になるやつぐらい連れてこいよ………ま、こんなとこに俺と話したがるやつなんていないか。」
地下の牢屋、刀魔はじっと時を待っていた。
「どうやって、ここからでようか。せめてジェナミスとかの場所さえわかればいいんだが。」
定期的に水分だけはとらされるため、処刑の日までは生かされるようになっているが、実際はかなりきつい。
しかし、刀魔の目にはまだ光が垣間見える。何が彼を生かすのかはわからない。ただわかるのは、刀魔が今こうしていること――――こうして静かに戦っていることは、単なる強がりではないことだ。
「俺は――――――死なない………」
よし、ようやくファイナルバトルはいるかな?いつかは箒視点で前回、前々回の補足回を入れたいです。