雪のように白く、美しく ~like snow~ 作:海童(ワダツミ)
今回、新機体見参です!
刀魔の処刑予定日よりも早い22日、IS学園の入り口。門番………と言うほどではないが、監査をしている新野 次郎はあくびをひとつする。この時期は特に誰も出入りが少なく、よっぽどのことでもない限り入ってくる人もいない。
いってしまえばあまりこの仕事は必要ないものではある。彼自身もそれを自覚している。しかし、ISが開発されてから職場がなくなってしまい、偶然にもつくことができた職である。
この幸運(激運)を無駄にしないためにも、この仕事は譲ることはできないのだ。
――――――ともかく、そんな何もない日々も終わろうとしている夕暮れ、入り口に人影が見えた。次郎は目を凝らしてその人をみる。
「お久しぶりです。――――覚えてますか?」
「まさか……一夏君かい!?」
「大きな声では言わないでください、ばれると色々めんどくさいので。」
「あ、ああ……、そうか、君が来たということは、刀魔君のことかい?」
「はい。――――これが、今の俺がするべきことなんです。」
その言葉を聞いた次郎は穏やかな笑みを浮かべる。
「男らしい目をしてるじゃないか……行ってきな、少年。」
牢屋の中、刀魔は一人目を閉じていた。
「(………! 誰か来た……。)」
そして、聞こえた足音の持ち主が姿を表したとき、刀魔は笑ってしまった。
「ははっ………はははっ、よくバレずに来たもんだな………。なぁ、一夏?」
「別に、俺はお前を助けに来た訳じゃない。ただ、ここで死なれたらどうしようもないだけだ。」
一夏は白式:雪月を展開し、檻を壊す。そして刀魔の目の前に立った。
「せめて聞かせてくれ……なんで、なんでISを壊して回るんだ!」
一夏はまるでつかみかかるような勢いで刀魔に迫る。
「ISコアの中には白騎士事件で死んだ人たちの意思が入ってるんだ! 刀魔はそいつらを殺してるのも同じなんだぞ!?」
この言葉で刀魔は理解した。この目の前の少年はすべてを知ることができた、と。
「だったら逆に聞こう。白騎士事件で死んだ………ISによって引き起こされた事件で殺されて、その上自らが死んだ元凶に取り込まれて、あまつさえ自分が人間を殺しかねない兵器として使われて! そんなことをそいつらが望んだと思うか!?」
その事を言われて、一夏はもう何も言えなくなる。
「だから俺はISを壊す! ISを壊してそいつらを解放するんだ!」
「刀魔………」
一夏は雪月の腕部ガトリングをかざし、発射、刀魔を捕らえていた杭、台すべてを破壊した。そして、四肢に杭でつけられた傷………穴を雪月の治癒効力で直した。
さらに、刀魔の前にカードを一枚投げ捨てる。
「預かりものだ。たぶん新機体だと思う。――――――俺が手伝えるのは、この場所までだ。後は手伝うことはできない。……俺は、ISとして生かされることで、大切な人に出会えた。きっと、壊すだけが正しいことじゃないと思うんだ。」
「そうか………」
刀魔はカードを手に取り、展開させる。そして、纏う。
その機体は、見た目としてはあまり奇抜ではなかった。どちらかと言えば、ガーベラに近いものを感じる。しかし、出ているオーラは全くもって別物である。左腕すべては青色の装甲が白い装甲の上に二重で守られ、背中には謎の鉄の板がついている。恐らく武器であろう。腰部分にはスラスター、それ以外は何も特徴はない。
「この機体、凄い………、今までよりも、軽い!」
『刀魔、このメッセージが聞こえるか?』
突然、機体から声が聞こえる。二人とも驚くが、刀魔にとっては聞いたことのある声だ。
「この声、父さんの!」
『お前がこの機体を使っているということは、もう少しで戦いが終わるんだな。この機体について説明しておく。まず、こいつはレイズコアではなく、ベースコアを使っている。そして、このコアはレイズコア………つまりガーベラ、ジェナミス、Fの稼働データすべてを吸収して動く。だから刀魔にとって一番扱いやすいものになっている。』
『装備は腰に内蔵されたコンバットナイフ2本、対物ライフル、そして背中についてあるデモリッシヨン・ナイフだ。』
刀魔は声に導かれるようにデモリッシヨン・ナイフを展開する。背中についてあった板状の物が開き、機体と同じぐらいの刃渡りの刀になる。
『そいつの名は、アスタロト。刀魔、アスタロトで、世界を変えてくれ――――――』
音声データは、そこで途切れた。
はい。新機体モチーフはガンダムアスタロトです。たぶん知らない人もいるかもしれませんが、『オルフェンズ アスタロト』で調べたらたぶん出ます。
あぁ………刀魔×一夏、尊い(錯乱)