雪のように白く、美しく ~like snow~   作:海童(ワダツミ)

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こんばんは、海童です!

えー、タグ見ました?ついに『ヒロインなし』タグが消えました。これが何を意味するかは……ねぇ。いや、ヒロインができたわけでなく、『ヒロインなし』タグは不適切なんじゃ、と思って。

あと、あと何話かは共通ルートです、ごめんなさい!


そして物語は/
#52


「断ります。」

 

開口一番、刀魔が放った言葉はそれだった。病院の一室、二人の男が対峙している。

 

一方は刀魔。すでに刀魔の腕に刺さっていた点滴はすべてなくなっていて、巻かれていた包帯もすべて取り払われている。……正直、人間をやめたのかと思わせるほどの回復速度である。

 

そしてもう一方の男性は………

 

「まあ、そう頭ごなしに拒否せずとも。悪い話ではないですよ。」

 

刀魔の前に学園のパンフレットを広げ、さらには編入届けの用紙までもを見せつけてくるこの初老の男性。

 

「私としてはぜひともあなたに入っていただきたいのですよ。」

 

「少なくとも、ISを破壊して回った人間が、つい最近までISを使って、ISを学んで、ISと生きてきた人間と同じ学園で学び育つなんて皮肉にもほどがあるでしょ。」

 

刀魔はパンフレットの一枚を片手にとる。

 

「そもそも、おかしくないですか? 男女共学を最終目標とするため、まずは試験として男性を巻紙 一夏含む10名を抽選で入学させる。――――これ、実際は応募していただいた人の中からじゃなくて、あんたが選んでんだろ。しかも、男女共学にしたいなら次の新入生の代から割合を半々にしたらいいじゃないですか。」

 

「随分と警戒しているね。」

 

「警戒するなって方が無茶だ。」

 

「君にデメリットなんてないはずだけれども。」

 

「メリットもないな。――――あんたにはメリットでもあるんじゃないか?」

 

その言葉を聞いたその男性は、笑みを浮かべる。

 

「勘を効かせるのはいいが、あまり疑い深いのは人生を損するよ。この書類はおいていくから、いい返事を期待しているよ。」

 

それだけいってその男――――轡木 十蔵は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「喰えないジジイだ…………俺をIS学園に? どんな趣味してんだよ。」

 

「随分と怖い顔してるね、何かあった?」

 

「――――とりあえず、普通に扉から入ってきたらどうだ、束。窓からはいるのは泥棒だけで十分だ。」

 

はいはいっ、と軽く返事をして部屋にはいる。身のこなしはもはや忍者のようだが、実際していることは限りなくグレーゾーンである。

 

「あっ、IS学園……じゃないIS学園のパンフレットじゃん。もしかして通うの?」

 

「誘われただけだ。行くつもりなんて……」

 

「えーっ、いってもいいんじゃない? というか、いってきてよ。箒ちゃんやいっくんのこと気になるし。」

 

「それは自分で見てきたらいい話じゃないか。」

 

「――――そうしたいのは、山々なんだけど、ね………」

 

束は暗い表情を見せる。

 

「はぁ………仕方ない、任務として行くよ。」

 

「ほんと!? ありがとう! 大好き! あっ、でも別に異性として好きなんてあり得ないから、人間としてだから。」

 

「(それでも十分な進歩と思うがな……)そこまで否定されるとあれだが、まあ礼は受けとる。」

 

こうして、刀魔はIS学園に編入することを決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

IS学園の方でも変化は訪れていた。

 

「部屋替え、ですか?」

 

「はい。四月からの新体制に備えて、この段階から変えておこうという意向です。それで、織斑――あ、いや、巻紙くんの部屋なんですけど、男子が入ってきます。」

 

やはり、と一夏は思った。来年から男子も何人か入ってくると小耳に挟んで、大体そうなるんじゃないか、とは予想していた。

 

「それで、部屋の位置は変わらないので問題ないのですけど、荷物の搬入で人が出入りするので、それだけ伝えに来ました。」

 

「ありがとうございます、山田先生。」

 

そして、一夏は一息つこうとしたのだが、しかしそう簡単には休めなかった。

 

部屋の扉が開く。早速誰か来たのかな、と入ってきた人を見ると、あり得ない姿が見えた。いや、あり得なくはないが、まさか入ってくるとは思わなかった人が入ってきた。(この段階では、一夏ははっきりとわかってない。)

 

「(誰だろう、ずいぶんきれいな人だな……)」

 

入ってきたのは、茶髪サイドテールのきれいな女性だった。随分と大人びて、惹かれるものがある。でも、

 

「(なんだろう、どこかで見たような…………)」

 

「いっくん。久し振り~」

 

「えっ」

 

一夏は久々に呼ばれたその名で、誰かが一瞬でわかった。

 

「もしかして、束さん!? えっ、大分雰囲気変わってません!?」

 

「えへへ、ちょっとした変装だよ。」

 

「え、じゃあこの部屋って誰が入ってくるんですか?」

 

「ん? とーくんだよ。」

 

「とーくん?」

 

「うん、刀魔。」

 

 

 

 

えええええええええ!?

 

一夏は、腹のそこから大きな声を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そういえば、小説情報みてたらこの作品、評価バー光っててビックリしました。これも評価していただいた方々のお陰です。ありがとうございます! これからも頑張ります!
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