雪のように白く、美しく ~like snow~ 作:海童(ワダツミ)
久々にモンスター娘のいる日常を見てなんか鋭気を養い、ガンプラ作って心を落ち着かせ、夜になって小説を書いて半狂乱になりかけてます。
それから、束は少しだけ準備してくると言い残し、部屋を出ていった。
「さて………刀魔にここの案内をしたいところなんだけど、さすがに注目されるよな……」
学校が始まればいずれ起こることではあるが、まさかIS学園を間接的に廃校にした犯人が同じ学校にかよう、なんてことになれば問題である。
あの世界への宣告の時に顔を出していたのが裏目に出ている。
「――――あぁ、それなら大丈夫だ。」
刀魔は胸ポケットから謎の小瓶を取り出した。茶色の容器で、中に何が入っているかは全然わからない。そして、洗面所の方に入っていった。
数分後、出てきたのはかなり様子の変わった刀魔だった。といっても、髪を真っ赤に染め、一部分だけ黒を残した形にしただけだが。
「これでいいだろ。――――手際がよすぎないかって? このぐらいの準備はするさ。」
その準備をするのならもっと身の回りの準備をしろよ、と心の中でツッコむ一夏である。
「それ、持っていくんだな。」
一夏は刀魔がF(待機状態)をポケットに入れるのを見て話す。
「一応な。アスタロトはここにあるけど、他のやつはないし。………後で束に聞いておくか。」
アスタロト(待機状態)をちらつかせながらそんなことを言う。
「そんな学園に危険なんて……………ないから。」
断言できない自分がいる、そんな自分が嫌になる一夏だった。
「それにしたっても、随分と広いんだな。大分歩いたけど、まだ全部回ってないよな。」
「うん。後はそうだな………食堂と、校舎はまだ準備中だから、やっぱ食堂でラストだな。ついでに時間もちょうどいいし飯でも食おう。」
二人は食堂に入る。そして、刀魔は戦慄した。まさか入っただけで一斉に視線が向くとは思っていなかったから。
「えっ、織斑君の隣にいるのって誰!?」
「すごいかっこいいんだけど!?」
「もしかして転校生!? よかった、残って!」
この圧倒的な圧、圧、圧。かつてどこかの誰かが動物園のパンダの気持ちがわかるとか言ったが、動物園のパンダの比ではない。何にも例えることのできない状況である。
「――――、一夏。帰」
「諦めろ。何食う?」
「なんでもいい……………」
「どこにしようか………」
「できることなら離れたところで「織斑くーん、よかったらこっち空いてるよー」」
「じゃ、あそこで。」
一夏は、刀魔を(無理矢理)連れて呼ばれたところに席を下ろす。どうやら彼らを呼んだ女の子達はすでに食べ終えているように見えるが、席をのくつもりはなさそうだ。
「ありがと、みんなはもう食べちゃったの?」
「うん。でも、もうちょっとだけいようかなぁ~って。」
「そ~そ~、久しぶりにおりむーと話したいし~。」
「そうだよ、織斑君いっとき全然見かけないなと思ったら、一身上の都合で学園から離れます――――何て、心配したんだから!」
「ははは……心配かけてごめん。それと、織斑じゃなくて、巻紙な。」
そして、一夏はこれまでのことと名字のこと、そして鈴のことも話した。
「そっか……織斑、じゃなくて巻紙君も苦労してたんだね……」
「んー、じゃあおりむーじゃなくてマッキー?」
「その名前はガチで色々ヤバイからやめて!」
「じゃあいっちーで!」
「でも、それよりも嬉しいのは……」
「「「(ライバルが一人減った!)」」」
水面下で女同士の戦いが行われていることを知らない男二人である。もっとも、刀魔は先程から我関せずと言わんばかりに定食を食べ続けている。
「ところで、その子って、誰!? 巻紙君の友達?」
「ああ、こいつは刀魔だよ。」
「「「えっ」」」
「え、刀魔って、あの刀魔?」
「それにしては髪が赤いような………」
「んー、でも似てるよねー。」
「………確かに俺は刀魔だが、あの刀魔とは違う。俺は刀魔・R・シルヴィエだ。よ、よろしく………」
なんだかんだであまり人と関わってなかったっていうのもあって少したどたどしい挨拶をする刀魔。(案外束のことをバカにできないのでは)
「よろしくねー、シルヴィエ君!」
「んー、シルヴィエかー……シルヴィ? それとも……んー……シルヴィでいいや。」
「雑ぅ………ま、まあよろしく…………えっと、」
「本音だよ―。」
「わ、私は鷹月 静寐です。」
「相川 清香! よろしくね、シルヴィエ君!」
ライバル減ってないんだよなぁ………むしろ最強の壁として存在してんだよなぁ………