雪のように白く、美しく ~like snow~ 作:海童(ワダツミ)
よし、話すこともないのでどうぞ。
大晦日。それは、多くの人々が急に慌ただしくなりながらもこの日ばかりはうざったらしい小姑のように隅々まで掃除をし、あるいは掃除中にアルバムを見つけて気がつけば数時間時が飛んだような感覚を覚える日である。
しかし、彼らにだけはあまり当てはまらないようであった。
「97……98……99……100! よし、腕立て終了!」
上半身裸で腕立て伏せをする一夏、そして
「…………」
無言でかれこれ一時間ほど逆立ちでスクワットを続ける刀魔。
……というのも、つい最近部屋に入ってきてそこまで散らかる要素のない人と普段からマメに掃除をしている人、今日に限ってわざわざ大掃除をするまでもないのである。
「ぶーぶー、私にもかまってよー。」
「………かまってとか言いながら何を作ってんだ、束。」
「ん? 媚薬。」
「………しれっというようなものではないのはわかるな? 第一どこで使うんだよそんなもん。」
「いや、この寮にこればらまいたら楽しいことになりそうかなって」
「「やめてくださいお願いします」」
――――掃除するどころかさらに変なことをして散らかそうとしている人もいるが。
「それにしても、セシリアにラウラ元気にしてるかな……」
あいにく二人はすでに本国に帰ってしまっている。やはり国を率いる立場にあるものと軍の隊長を担っているものにとっては心配なものである。
「………そういえば、国家代表やその候補生の立場ってどうなったんだ? 俺がISを壊してから立場的には必要ないんじゃ。」
「それが、どうにかなってるらしいよ? なんか国家代表や代表候補生って、前からモデルとか女優とかそんな感じの仕事もあったらしくて、そっちもあるから特に問題はなかったらしいぜ。」
「あ、そう。」
「それにしても、刀魔がそんな心配するなんて、なんていうか違和感しかないな。」
「うるせぇ。」
そんな他愛もない話をしていると、突然部屋の扉が蹴破られた。
「一夏ぁ! 何よけいなこと言ってくれちゃってんのよぉ!」
鈴だった。しかし、様子がおかしい。何か怒っているような………
「なんでアタシと一夏が兄妹だっていってくれたの!? おかげさまでみんなから哀れな目で見られるんですけど!」
「ええっ、いや別にいいんじゃ……ってか言ってなかったのか!?」
なんと言うか、レベルが高いのか低いのかわからない兄妹ゲンカが始まりかけている。
「言うわけないじゃない! そんなのいったら圧倒的に不利になるでしょうが!」
「何が不利になるんだよ……」
「な、何ってそれは………ゴニョゴニョ………あーもう! 罰として今日は私とずっといなさい!」
そういって一夏に抱きつく鈴。――――と、そこでようやく刀魔がいることに気づいた。
「あれ、あんたいつの間にここにいたの?」
「うるさい、別にいいだろうが。この春からこっちに編入するんだよ。」
「あぁ、そう。ま、よろしくね。アタシのことは鈴でいいよ。」
わりとあっさりと会話をする二人。刀魔も一度面識があったため、そこまで緊張することもなく会話している。
「そういえば、なんか寮にいる人全員でなんか忘年会ってもんじゃないけどパーティーするらしいんだけど、みんなも来る?」
「俺と束はいいや。一夏、お前はいってこい。」
「言われなくても行くさ。………いや、待てよ………やっぱり、刀魔お前も来い。束さんも来てください。」
一夏は、普段ならしそうにもない何かをたくらんでいる笑みを浮かべた。
この時期にこの話を書いているって、なんかシュール。ちょうど半年のラグですか? 最近涼しくなってきたとはいえ、こんな冬のはなし投稿するって、ほんとワロス。