雪のように白く、美しく ~like snow~ 作:海童(ワダツミ)
俺が今まで唐変木だったのは、たぶん雪月以外の女性を愛さないように自分から記憶改竄のさいにリミッターのようなものをかけたんだと思う。
だから雪月のことを思い出し始めたとき、それとワールドパージの時に少しずつ恋愛感情が還ってきたんだ、と思う。
それでも、それでも俺は思う。
俺は、もう一度雪月を好きになる資格なんて、あるのか?
忘れていた恋心とはいうが、実際は生ぬるい問題ではなかった。いくら改竄をされていたからとはいって、好きな気持ちを忘れ、あまつさえ不特定多数の女の子と関わりをもって(いや、別に不健全なことはしてな………いと思う。………大丈夫だよな? だめか?)、そのくせ記憶が戻ったからもう一回雪月を好きでいたいだなんて、そんな虫のいいはなしなんて。
あの頃の好きはloveかlikeかどうかなんてわかるはずもない。でも、ずっと一緒にいたいっていう気持ちは変わらないはずだ。
そして、そんな大事なことを忘れていたことも事実であり、誤魔化すこともできない現実なんだ――――――――
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「また、この夢か――――」
一夏は一人呟く。もう何度も見ている景色か、あまり驚く様子が見えない。
「えへへっ、いーちか。」
一夏の背中に誰かが抱きつく。もっとも、この世界で一夏以外に存在する人は一人しかいないのだが。
「雪月……」
振り向きながらその姿を確認する。しばらく二人は何も話さず、じっとそのままでいる。
数分後、雪月は離れ、一夏の前に立つ。
「それにしたって、あんまりじゃないかなー? マドカちゃんだっけ? あんなあっさり布団にいれて馬乗りにさせてその上さぁ?」
頬を膨らませながらやや一夏が加害者っぽくなるように事実を並べていく。さすがに一夏もこれにはたまったものではない。
「ちょ、さすがにその言い方はやめてくれ、ってか俺は被害者だって!」
「うふふっ、わかってるよ。ちょっとだけ妬いただけだから………」
笑いながらも少しだけ寂しそうな顔をする雪月。しかし、一夏にはその一瞬の表情は見えなかった。
「そういえば、雪月………もしかして、ずっとその姿だったり?」
雪月の今の姿はどう見ても小学1年………つまり、あの日の姿のままである。
「ん? 一夏と同じぐらいになれるよ? 何歳ぐらいの姿であろうと自由になれるし。ほいっ!」
その場で一回転。すると、今までの姿とはうってかわって、背丈は一夏より少し小さいぐらいの少女になった。白いワンピースは変わらず、しかし大人っぽい雰囲気が出ている。銀髪もよりいっそう艶かしく大人っぽさが増している。顔立ちも整っていて、絶世の美少女と紹介されてもおかしくはない。
「………」
「一夏? さすがに何か反応してくれないと、困るっていうかなんというか……」
「あ、あぁ、ごめん。すごく綺麗だよ。」
「ふーん? 今まで何人の女の子にそんなことをいったのかなぁ? ………でも、ありがと。」
本人は隠しているつもりなのだろうが、想い人に綺麗と言われて喜びを隠せていない雪月であった。
(でも、すでに死んだ私なんかが一夏のことを好きになっても――――――――)
(俺なんかが、雪月のことを好きになる資格なんてないのに――――――――)
こんばんは、そして帰ってきた!
海童です。
ほんとリアルでのゴタゴタで……休日が嬉しい。
そして、こんな話になってしまいました。1週間も間開けると話もわからないですから、仕方ない。