ということで始まりました。ラブライブ活動、ラブカツ。
アイカツはアイカツスターズが、ラブライブはラブライブサンシャインが始まりましたが、この小説では、前の世代の子たちが登場します。
サンシャインの子たちがまだ一話目でよくわからないということもありますが、アイカツもラブライブも、前の方が思い入れもあって好きなのでそうしました。
現役で活躍するアイドルと、学生が自主的に行うスクールアイドル。異なる二つのアイドルがどのようなアイドル活動を行っていくのか、お楽しみください。
とはいっても、今回はプロローグですが……。
どうぞ‼
「穏やかじゃない、穏やかじゃない、穏やかじゃない!!」
「そうだ。大変なんだ」
日本有数のアイドル学校、スターライト学園高等部の食堂。
現在トップアイドルとして日々アイドル活動に勤しむ少女、星宮いちごは、食堂名物であるデラックスイチゴパフェ特盛りに舌鼓を打っていた。日々のアイドル活動で疲れたからだに冷たくて甘いアイスやクリームが染み込むのを堪能して声にならない満足感に身悶えしていたのだが、そこへ親友の霧矢あおいと紫吹蘭が大慌てで走ってきたのだ。
穏やかじゃないと言うのは、あおいの口癖。彼女の使う「穏やかじゃない」は、怒って出てくるものではない。とびきり楽しいことだったり、驚くことだったり、心が大きく動かされたときに出てくる感動の言葉なのだ。
口癖と言うだけあって、あおいの「穏やかじゃない」は比較的頻繁に使われる。もはやスターライト学園だけでなく世間一般にも彼女の代名詞として認識されているほどだ。
慌てていたのがあおいだけなら、まだ落ち着いていられる案件である可能性は高かった。しかし、続く蘭まで慌てているとなると話は別だ。
蘭は、いつも冷静で大人っぽい。そんな彼女につけられたあだ名は「美しき刃」。そんな彼女が慌てて取り乱しているところなんて滅多に見られない。
そんな彼女たちの慌て具合から、どうやら、あおいが口にしたように穏やかではない様子。
いちごは、二口目を掬おうとしていたスプーンを置いて、あおいたちの話に耳を傾けた。
「二人ともそんなに慌ててどうしたの?」
「説明している時間はないの。それよりもこれを見て。その方が早いから」
有無を言わさぬ勢いで端末を差し出され、いちごはひとまず端末に流れる映像を確認することにする。
映像は見る限り記者会見のようだ。しかも、情報などを表示するバックスクリーンには、スターライトの文字。どうやら、いちごたちの学校であるスターライト学園から、何か重大発表があるようだ。
しかし、そこでいちごは記憶を探るように首を傾げた。
「あれ? でも、昨日の全校集会でも何か発表があるなんて言ってなかったよね?」
「うん。でもだからこそ穏やかじゃない。だって、生徒にも秘密にしておきたいくらいのビックニュース
だってことだもん」
「そうだな。今までも何度か似たようなことがあったけど、そんなときは決まってみんながあっと驚くものだったろ?」
「それもそうだね。何かな? 新しいライブイベントかな?」
いちごは、どんなことが発表されるのか、期待に胸を高鳴らせた。
記者会見と言えばスターアニスから始まるユニット、学校の壁を越えたユニットの結成など、様々な重大発表が行われてきた。当のいちごも、記者会見で、自身のユニットであるソレイユのツアーや、大スター宮いちご祭りなどのイベントを発表してきた一人。そのため、記者会見と言えば何か楽しいことがあるという風にいちごの中では方程式ができあがっていた。
何があるのかわくわくしながら待っていると、さんざん登場をじらしていたスターライトの学園長、織姫が姿を現した。
堂々とした佇まい記者とテレビカメラの前に進み出た織姫学園長は、たくさんのマイクが立ち並んだ机に前に立った。
『皆さん、お待たせいたしました。この度お集まりいただいたのは、我々スターライト学園が、いままで行ってこなかった新たな試みについて、皆様に報告するためです』
今まで行ったことのない新しい試み。それを聞いただけで十分に興味をそそられてしまう。何しろ。アイドル学校として今までもファンが驚くような様々なことを行ってきているのだ。現にファンを楽しませる立場であるはずのいちごたちですら、ドキドキを抑えられずに画面を凝視していた。それがファンであったなら、どれほど興奮してしまうだろう。
そんなみんなの期待を煽る絶妙な間をもって、織姫学園長は再び言葉を紡ぐ。、
『近年のアイドルブームによって、様々な形のアイドルが生まれています。その中で一つとしてスクールアイドルというものが存在します』
「スクールアイドル? なんだろそれ。知ってる、あおい?」
「えぇ、知らないの?」
いちごが首を傾げているのを見て、あおいは目を丸くした。
「スクールアイドルって言ったら、ここ数年の間に生まれたアイドルの一つの形。主に高校生の子たちが、部活として自主的に活動するアイドルのことだよ。学校が教材として衣装などの費用を出してくれている私たちとは違って、スクールアイドルはすべてが自主的。歌詞や曲を自分たちで作るのはもちろん、費用削減のためにライブは学校の講堂などでやるのがほとんど。衣装だってほとんどのスクールアイドルが自作しているし、バイトをしながら活動している子たちだっているの」
「へぇ~。すごく大変そう」
「そうね。でも、すごいのそこだけじゃないの。自主的にやっているからこそ向上心も高い。有名なスクールアイドルになると、もはや私たちみたいな仕事でアイドルをしている人に匹敵するほどの実力を持っているの。わたしも、もしスターライトに受からなかったら、スクールアイドルを目指そうと思っていたの。つまり、それほどスクールアイドルはアイドルとして技術が高いの」
あおいは、説明し終わると真剣な表情で記者会見の視線を戻した。これからの話を一言一句漏らさず聞こうとしているようだった。あおいが、これだけ注目しているところを見ると、それだけでスクールアイドルの実力が相当のものであることが容易に想像できた。
いちごは、スクールアイドルがどんなパフォーマンスを行うのか想像するとともに、まだ見ぬ実力者に臆することなくむしろ一緒にライブをしたいななどと心を躍らせていた。
「我々、スターライト学園の生徒とスクールアイドル。多くの部分が異なっていますが、双方とも同じ学生です。すべてを自分たちだけで活動するスクールアイドルと学生でありながら芸能界で数々の経験を培っているスターライトのアイドル。互いに互いを知ることは、双方にとってさらなる飛躍のための糧になると考えています。そこで、我々スターライトは、今冬に開催されるラブライブに出場を決定しました」
「・・・・・・」
織姫学園長の宣言で会場内にどよめきが走る。
それは、画面を隔てたあおいたちも同じだった。
「ん? ラブラドール? 犬がどうしたの?」
沈黙を破ったのはいちご。
「もしかしてラブラドールレトリーバー? ……そうじゃなくて、ラブライブだよ、ラブライブ‼」
今やおなじみの聞き間違いに、あおいはやっと口を開いた。
「ラブライブって言うのは、スクールアイドルにとって高校野球で言う甲子園ってところかな。この大会は、全国のスクールアイドルたちが一堂に会すほどの大きな大会でね、今じゃ全国に生中継されるほどの人気なの。この大会で決勝戦にまで残るスクールアイドルの実力は、私たちみたいなアイドル学校のアイドルと並び立つほど。現に、優勝チームやその他優秀なユニットには、芸能界へスカウトされる例が多々あって、いまも現役で活躍している子たちがたくさんいるの」
「つまり、まさにあおいが言うところの穏やかじゃない規模の合同ライブだってことだな」
「じゃあ、そんな大きなライブに私たち出られるってことなんだね。たのしみだな。どうやってエントリーするんだろう?」
「まあまあそう焦るな。きっと、そこに関してこれから説明されるだろう」
「うん、そうだね。スクールアイドルって、どんな子が居るんだろうね」
「いちご。その言葉を待ってました。私、霧矢あおい。アイドル博士としてスクールアイドルについても抜かりはないわ」
「スクールアイドルについても知ってるの? さすがはアイドル博士!」
「これから競い合うことになるかもしれないってひそかに思ってたんだもの。近くの学校の子はもちろん地方の子たちの情報もばっちり集めてあるよ。そうねぇ、まず最初は前回ラブライブ優勝ユニットであるA-RISEから・・・・・・」
「あおい、説明も良いけど、重要なところ聞き逃しても知らないからな。競う前に出場できないなってなったらたまらないからな」
まだ見ぬスクールアイドルとの邂逅に期待を膨らませるいちご。スクールアイドルについて説明する口が止まらないあおい。自慢の知識を披露するあおいに呆れつつも、静かにまだ見ぬライバルに闘志を燃やす蘭。
突然の決まった大型ライブイベント。しかし、誰かに言われたわけでも話し合ったわけでもないのに、彼女たちの中にはすでに、ラブライブ出場が前提としてあった。
三人が自然にラブライブ出場を決めたころ、音ノ木坂学院では、もう一つの嵐が巻き起こっていた。
ニュースで記者会見をみた少女が、大慌てで学園内を走っていた。なんども転びそうになりながらも何と
かたどり着いたのは、部室等の教室の一室、アイドル研究部の部室だった。
「たいへんたいへんたいへん!!」
「うるさいわね、はなよ。記者会見が聞こえないじゃない」
「にこちゃん。そんなこと言ったってこれは落ち着いていられないよ」
部室に飛び込むように入ったはなよだったが、先に部室にいたにこに怒鳴られてしまった。しかし、はなよが慌てていたのも、部室内形態の画面を見ていたにこが気が立っていたのも理由は同じ。記者会見の内容にあった。
「まさか、現役のアイドルがラブライブに参戦してくるなんてね。どうするのよこれ!!」
「私もわからないよぅ。だれかたすけてぇ~」
にこは頭を抱え、はなよは、処理が限界に達し悲鳴を上げた。
それもそのはず、彼女たちはラブライブの本来の出場者、スクールアイドルなのだ。
前回のラブライブでは、とある事情により優勝することはできなかったが、その実力は、すでに優勝候補と他に認められるほど。
そのため、今回のラブライブこそは必ず優勝すると意気込んでいたのだ。
そんな矢先に宣言された現役アイドルのラブライブ参戦は、彼女たちにとって絶叫するほどの衝撃だった。
「はなよ。まず、冷静に状況を整理しましょう」
「そんなこと言ったってぇ~」
「そんな叫んで立って仕方ないでしょ。まず、今も現役で活躍するアイドルたちが、ラブライブに参戦することになった」
「ああぁ。現役アイドルなんて、どうしようぅ~」
「だから、一回落ち着きなさいって・・・・・・」
今回参戦するという現役アイドル、そのアイドルを排出しているアイドル養成学校スターライト学園の学園長が話す内容をにこは努めて冷静を装いながら聞いていた。隣ではなよが少々オーバーなくらい取り乱してくれているおかげで、にこは何とか冷静になることができた。
スターライト学園は、アイカツカードと呼ばれる衣装をデータ化したカードを用いてアイカツシステムを駆使して人々を魅了する新世代のアイドルを育成する専門学校。
アイドル養成学校というだけあって、ほとんどの教科がアイドルに必要な、歌やダンスをはじめとする様々な内容となっており、そんな様々なアイドル技術を習得するための機材設備を完備している。まさにアイドルを育てるためだけに存在する学校だ。
とはいえ、ここまでならいくつかアイドル学校が存在する現在では、そこまで珍しくはない。スターライト学園が、アイドル学校として他を置いて有名に理由は人脈、特に学園長である光石織姫の様々なジャンルの業界人とのつながりが大きい。何を隠そう織姫学園長は、芸能界の伝説となったアイドル、マスカレードの片翼なのだ。人気絶頂期に突然引退して学園長になってからもそれまでのアイドル活動で培った知識と経験を活かし、生徒たちに適した仕事を的確に紹介するなどアイドル活動を行うための最高の環境を準備するとともに画期的な企画を考えて大々的に宣伝することでアイドル達、そしてスターライト各園自体の知名度を上げていったのだ。今では、テレビをつければスターライトのアイドルを見ない日はなく、知らない人がいないほどスターライトの名は有名になっていた。
この学校のモットーは、セルフプロデュース。つまり、自分のことは衣装もステージも自分で考えるってこと。さっき織姫学園長は、スクールアイドルが何でも自主的に活動していて、そこを学ばせたいなどと言っていた。でも、スターライトのアイドルは、少なからず自分自身で考えて自主的に活動を行っているのだ。自分で考え行動する積極性を持ちながら最高の設備も整っている。スクールアイドルとスターライトのアイドルでは、周りの環境だけでも相当の差が感じられてしまう。
でも、冷静になったにこは、そこだけでは決して勝敗は決しないと理解していた。
なぜなら、スクールアイドルとスターライトでは、行っているアイドル活動が全く違うからだ。スクールアイドルは、主に学校の敷地などでライブを行っている。もちろん、ダンスや歌も自分たちで考え、あまり機材のそろっていない中で、身一つでパフォーマンスを行う。しかしだからこそ、たとえ機材が何もなかったとしても身一つでライブを行うことができる。一方スターライトのアイドルは、主にアイカツシステムと呼ばれる演出機材を用いてステージを行う。そのステージは、華やかかつ大胆。アイドルのカラー、イメージを視覚化したオーラ。さらに注目すべきは、スペシャルアピールと呼ばれる特殊演出。ステージを見ているファンの興奮度が最高潮に達したときに使用できるそれは、宙を舞い自由自在に行うことの出来き、まさにアイカツならではの演出だ。
もはや物理法則を無視したような演出は、他のアイドルにはまねできるものではない彼女たちだけの武器だ。しかし、いやだからこそ付け入るスキがある。最新の演出機器を使ったステージを得意とする彼女たちは、アイカツシステムを使いこなすための特訓を行っているがゆえに、アイカツシステムのないステージを経験したことはないだろう。
ラブライブに、アイカツシステムなんて機材は使われてない。つまり、彼女たちにとっては、不慣れなステージでのパフォーマンスということになる。
そこまで考えたにこは、いつもの自信満々な笑顔とお決まりのポーズで笑った。
「大丈夫にこ。いくら現役のアイドルだって言っても、このにこがいる限り、だれにも負けないにこ」
『スクールアイドル、スターライトのアイドル、双方をよく知り、互いを高めあうことを目指し、我々は、設備その他の必要経費を援助します。そして、我々のアイカツをより知ってもらうため、今回のラブライブにはアイカツシステムを導入します』
「・・・・・・、はぁ!?」
が、すぐに表情が変わってしまう。
『・・・・・・、織姫学園長。それでは、アイカツシステムを使ったことにないスクールアイドルが圧倒的不利になると考えられますが、その辺についてどうお考えですか?』
「そ、そうよ。そんな横暴、許されるわけないじゃない‼」
アイカツシステムの導入。それが宣言されたとき、誰しも疑問に思うだろう質問が飛び出した。
それにたいし、織姫学園長は落ち着き払った態度で返す。
『はい、それはもっともな疑問だと思います。もちろんアイカツシステムの導入は、アイカツについて知っていただくための手法の一つであり、スターライトを有利にするためのものではありません。しかし、アイカツシステムは、いきなり使えるものではありません。そこで、スクールアイドルの方々に一部スターライトの設備を解放したいと考えています。もちろんその中には、アイカツシステムも含まれています。さらに、アイカツシステムの使用方法やその他必要な事柄に対し、スターライトの教師が全面協力します。特に、ダンスに関しては私とミヤのマスカレードや神崎美月の振り付けを担当していたジョニー別府の特別レッスンを開催する予定です。このように、アイカツシステムを実際に使っていただき、またスターライトでの授業を体験していただくことで、アイカツについて知っていただきたいと考えています』
「……な、なんですって」
織姫学園長の言葉に納得したのか、質問した記者は引き下がってしまった。
にこの考えていた好きというのがなくなったどころか、にこ達にとって不利な条件になんてしまったと言える。
そんな時だった。絶望感漂う部室内。途方に暮れる二人の耳に、ドアが開かれる音が響いた。
「ふたりとも、もう来ていたのね」
「絵里。く、来るの遅いわよ」
「ごめん。それよりも、みんなも集めましょう。すぐに作戦会議よ」
絵里の掛け声とともに、スマホを取り出す。かける相手はもちろん、彼女たちの仲間。μ's《ミューズ》のメンバー。
かくして、いちごたちアイカツアイドルと、スクールアイドルのラブライブが始まった。
プロローグでした。プロローグでしたね。
プロローグだから、キャラもそんな出せなかったんです。
プロローグだから、全然話が進まなかったんです。
そんな言い訳は置いておきましょう
そもそも、なんでこれを書こうかと思ったかといえば、友達がラブライブ好きで私がアイカツ好きであるということがきっかけでした。
ラブライブを勧められ、見てみるとこれまたどうして面白い。劇場に映画を見にも行きました。
これは実に興味深いと思いました。
同じアイドルでありながら、話の展開や見せ方が全然違う。
そして、それと同時にこの異なる二つが交わったときどうなるのか、見たくなりました。
が、なかなかアイカツとラブライブのクロスオーバーは見つかりませんでした。
見たい、見たい、ないなら自分で書けばいいじゃない。
そんな結論に達し、書き始めた次第です。
あくまで、私というフィルターを通したアイカツとラブライブなので、「これは違うだろ」「おかしいだろ」というところがあるかもしれませんが、どうぞ温かい目でお付き合いください。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございます
今後ともよろしくお願いします