拝啓、妹が出来ました   作:biwanosin

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一時間半前。寝起きの頭のままランキングをみたら週間九位になってました。で、『これはあれか!?オリジナル少ないこのハーメルンならば、頻繁に投稿すればゴミでも一位になれるのか!?』と謎のテンションになって一話書き上げました。


第十一話 友人

「ふぅ、これで一日終了!」

「ははは、お疲れさまだミー。今日は色々と大変だったね」

「そう思うんならもっと早い段階で止めてくれてもよかったんじゃねえか?」

「そう意地悪言わないでほしいね。私だって気になっていたんだから」

 

はぁ……もういいや。正直疲れたし、これ以上聞かれることもないだろうし。

 

「それで、幹也は今日はどうするんだ?」

「あー、部活は参加しない。冷蔵庫の中身事情により、ヴィキと一緒にスーパーに寄り道だな」

「ほうほう、兄妹で仲良く寄り道か。羨ましいね、まったく」

「実際楽しいぞ」

 

と、そう言いながら荷物をまとめ終えて立ち上がる。どこまでついてくるつもりなのかは分からないが、幹也と永遠の二人も一緒に来た。別についてこられて困ることもないので気にしないことに。

 

「おや?昇降口に向かっているのかい?」

「そらそうだろ。学校から出るのに靴に履き替えないわけないし」

「そこはほら、お兄ちゃんとして妹を教室まで迎えに行くべきではないのか?」

「何そのお兄ちゃん過保護すぎ……」

 

まあもし仮にヴィキが日本語そこまでしゃべれないとか極度の方向音痴とかだったら迎えに行くかもしれないけど、そうでもないなら行く必要はないと思う。ってか、より一層火種を放りこむことになるでしょうに。

と、そんな感じで下らない雑談をしながら昇降口。靴に履き替えて外に出ると、若干の人だかりが。うん、間違いなくあそこだよな。

 

「ほら、突入してこなくていいのか?」

「やっぱそれしかないんだよなぁ……や、他にも手があるか」

 

と、俺は気付いていないフリをすることにした。具体的に何をするかと言うと、スマホで無料通話アプリを起動した。

 

「今昇降口出たけど、どこですかー、と」

「「うわコイツヘタレやがった」」

 

仕方ないじゃん、あの人をかき分けて突入とか難易度高すぎ。と、すぐに既読が付いてこっちに向かってくるそうです。うん、助かった。で、少し待てば連絡の通りこちら側へ。モーセかな?人が割れてその中からヴィキ……と、女子二名が出てきた。クラスメイトかな?

 

「悪いな、ヴィキ。こっちまで来てもらっちゃって」

「ナイン、問題ありません。あの人たちをかき分けるのが大変だろうな、とは思いますので」

 

あらら、完璧にばれてたよ。そしてあれだけの人に囲まれても気にしてない辺り、流石ヴィキだなぁ。

 

「そして、そちらの方々は兄さんのお知り合いですか?」

「あー、クラスメイトだな」

「鈴木弘樹だ。鈴木被りはめんどくさいから弘樹でお願いしたい」

「鈴屋永遠、ヒーが名前呼びで私が名字とかだとこれに負けが気がするから、私のこともぜひ名前で」

「あ、これはどうもご丁寧に。兄……が、いつもお世話になっております。ヴィクトリアです」

 

今の沈黙はおそらく、『まだ兄じゃないけどどうしよう……まあいっか』的な沈黙だろう。ちょっとだけわかるようになってきた。

 

「そしてこちらが私のクラスメイトの」

「あ、君野葵です。よろしくお願いします!」

「浅間美鈴。……ども」

 

なんだろう、とっても対照的なこの二人は。

 

「対照的で面白くないですか、兄さん」

「確かに面白いとは思うが、そうはっきりと言うかね」

「あ、いいんです!自覚ありますし、私たちの方からヴィキちゃんにいったことですから」

 

うーむ……まあ、ならいいのか。本人が気にしていないなら、こっちが気にすることでもないし。

 

「明日二人には町を案内していただくことになりまして。今日もよければ途中までと思い、誘わせていただきました」

「あ、そう言うことか。ありがとね、君野さんに浅間さん」

「いえ!ヴィキちゃん話してて楽しかったですし、部活がなくて放課後暇なのが私たちだっただけですから」

 

と、君野さん。浅間さんの方を見てみると、何も言わないが小さく二回頷いていた。だとしても、案内をしてくれるというのならありがたいしちょっとうれしい。

 

「ふむ、昼休みは見ているだけで終わってしまったからね。さすがに明日の案内にお邪魔することはできないが、今こうして話すくらいは大丈夫かな?」

「確かに、幹也の妹になるかもしれないと聞くと気になってしまうな」

「ヤー、もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」

 

と、同級生二人はヴィキと話している。うーむ……

 

「なんか悪いな、こっちの連れが。ヴィキと話したかっただろうに」

「あ、いえ。大丈夫です」

「……むしろ目的は貴方」

「…………え、俺?」

 

うーむ、目的とか言われるとあんまりいい予感しないんだけど……

 

「と言うと、どういう感じで?」

「あー、えっと。それは、ですね……」

「ヴィキが結構高評価していたお兄さんが気になったのと、後」

 

と、若干饒舌になった浅間さんはヴィキを指さす。

 

「それで、えっと。ヴィクトリア、でいいのか?苗字の方いってなかったみたいだけど」

「ヤー。苗字は近々変わる可能性がありますので。それと、長いですから気軽にヴィキ、と」

「ふむ、確かに名字が変わる可能性があるのなら道理だ。ではヴィッキー、質問なのだがね」

 

と、なんかまた質問攻め大会が開催されそうな気配がしている。うん、ヴィキが疲れてきてそうだったら止めないといけないな。

と、そんなことを考えつつ再び視線を浅間さんに戻す。

 

「あんな可愛すぎる妹が唐突にできた兄の心境がすっごく気になって」

「あははー、なるほどそう来たか。浅間さん意外と好奇心旺盛だね」

「スイマセン……ヴィキちゃんにもお兄さんのことでかなり聞いていました……」

 

なるほど、意外なところにボスがいたわけだ。これは本当に想定外。ってか口調からしてもそう言うキャラじゃないと思ったんだけども。

 

「ちなみに、葵は実はもっと気にしている。ムッツリだから」

「美鈴!」

 

ムッツリ認定されてしまっている。今のはさすがに怒って当然だな、うん。ってか、もしかしてそう言う方向なのか?だとしたらさすがに恥ずかしくて答えられないんだけど。

 

「はぁ……まあ、このままここに固まっててもあれだし、歩きながらにしないか?そっちの三人も」

『はーい』

 

何とも仲のよろしいことで。

 

 

 

 ♢

 

 

 

「ふむふむ、なるほど……なんだか普通すぎてつまんないです。何かないんですか、こう、『辛抱たまらん!』みたいなの」

「ないよ……ってか、もしそんなことがあったら間違いなく今ヴィキと一緒にいられないから」

「ヤー。さすがにそんなことになっていたら再婚に全力で反対しています」

 

当然の反応である。

 

「しかし、ヴィッキーも中々に面白いことをしていると思うけれどね。ラノベや漫画の兄妹を参考に、となれば結構なものもあったんじゃないのかい?」

「確かにありましたけど、さすがに私が恥ずかしいものはやっていません」

「あ、そうなの。俺はてっきり何でもやってるものだとばかり」

「これでも私、女子ですから」

 

これでも、って言うけどパッと見て性別を間違われることはないでしょ、ヴィキ。間違われるのは永遠の方だ。

 

「って、そういやヴィッキーって?」

「ん?ああ、ヴィクトリアのニックネームだよ」

「ヴィキ、じゃなくてか?」

「両方とも、ですね。ヴィキがドイツ語圏でのヴィクトリアのニックネームであり、ヴィッキーは英語圏のものです」

 

へー、そんな基準があるんだ。ちょっと面白い。

 

「で、ドイツ出身に対して英語圏のニックネームで呼ぶ。面白くないかい?」

「あー、なるほど。俺のミーと一緒で変にツボってしまったわけか」

「さすが幹也、よくわかってるじゃないか。もちろん、嫌だというのなら変えるけれどね」

「ナイン、気にしません。パパの仕事関連の知り合いの中には英語圏の方もいらっしゃいましたので、そちらで呼ばれることもありました」

 

英語圏……まあ、それくらいならいるだろう。母さんもたまに多種多様なお国柄っぽい人たちと一緒にいたし。

 

「ふむ……ではあえて、俺はヴィクトリアと呼ぶことにしよう」

「……はぁ、なんか聞き待ちっぽい顔をしてるから特別に聞いてやる。その心は?」

「幹也とも鈴とも被らない。これがベストだろう」

 

なんか妙な対抗意識見せてるし。何なんだ、コイツ。

 

「はぁ……悪いな、三人とも。俺の連れ、ちょっとおかしいんだ」

「「失礼な」」

「ナイン、問題ありません。面白いですから」

 

ヴィキはやっぱり大物である。

 

「私も大丈夫です!こういってはあれですけど、美鈴も結構おかしいですかアイタッ」

「葵、うるさい」

 

あ、ポニーテール引っ張られてる。ちょっと面白い。

 

「あー、お兄さん笑わないで下さいよ!」

「や、ゴメン。でも笑ってるの俺だけじゃないから」

 

実際問題として、二人以外が全員ちょっと笑ってるかヴィキのように耐えているかだ。

 

「あ、それとお兄さんはやめてくれ。なんかむずがゆい」

「……ヴィキに兄さんって呼ばせるくらいだから、こういうのが好きなんだと思ってた」

「おいヴィキ―。説明不足のせいで兄ちゃん妹好きみたいになってるぞー」

「スイマセン、時間不足でした」

 

説明の方じゃなくて時間の方なのね。一体どれだけ話すことになったんだ、ヴィキは。

 

「はぁ……そう言うんじゃないから。ヴィキが持ってきた呼び方リストの中にあったまともなの、ってだけだから」

「あー、なるほど理解。じゃあ何て呼べば?」

「普通に名前でいいよ。苗字……は、後々被る可能性があるのか」

 

となれば、結局選択肢は一つになってしまうわけで。

 

「幹也、でいいよ。よっぽどおかしくなければあだ名を付けてくれてもいい」

「では幹也、今後ともどうぞよろしく。面白いネタ待ってます」

「み、美鈴。さすがに呼び捨てはマズいって!」

「ヴィキもそっちの先輩方を呼び捨てにしている。ここで臆病風は吹かせられない」

「何を張り合ってるの!?」

 

いやー、うん。不思議な組み合わせだなぁ……見てて楽しい。ヴィキの方を見てみると、でしょう?って感じのアイコンタクトが帰ってきた。

 

「いいよ、気にしないし。年上って言っても一つだけだし」

「さすがヴィキのお兄さん、分かってる」

「もう、美鈴!スイマセン……幹也先輩」

 

先輩は先輩でなんだかくすぐったいなぁ……気にしなくていいのに、ホント。

 




というわけで、後輩登場。約二名。個人的には美鈴の方が好きなキャラです。
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