拝啓、妹が出来ました   作:biwanosin

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どうもお久しぶりです。愛知の妹好きです。……今更ながらこの名前匿名にしてもどうなんでしょうね。ツイッター趣味垢の名前をそのまま持ってきたんですけど。あ、基本放置してるのでそっちで関わってこられてもたぶん反応ないですごめんなさい・・・

あと、もういっこ匿名でやってるやつばっかり投稿してました・・・思い付きで行動する人間って駄目ですね。ホント。

そしてサブタイトルが本当に思いつかなくなってきました。一瞬『弁当』って書いて「あ、これもう使った」ってなったので今回もなしです。


第十五話 報復

「ふぁ……眠い、けど起きないと……」

 

ヴィキの疑問にそろって頭を悩ませながら勉強をして、帰ってきた母さんに寝なさいといわれるまで勉強し続けたせいか、酷く眠い。とはいえ弁当準備するって息巻いたわけだし、起きないわけにはいかない。朝食の準備まで済ませてしまいたいのだ、何とか起きなければ。

そんなことを考えながらどうにか自分の体を起こし、一つ伸びをしながら掛け布団を蹴る。このまま被ってたら間違いなくもう一回ねるし。

 

「さて、と。何にしようかな……」

 

おかずについては、昨日作っておいたものをテキトーに詰めていきながらデザートにと果物を切っていれる。なので今悩んでいるのはご飯だ。や、元々は何もするつもりはなかった。フツーにご飯を残りのスペースに詰めて終わりぐらいのつもりだったのだ。が、昨日ヴィキに言われた時に少し気が変わった。何か面白いアイデア浮かばないかなー、と思って少し考えてみる。何も浮かばなければまあ予定通りになんだけど、なにかないものか……

 

「そういや、ばあちゃんからあれが送られてたっけ」

 

それを思い出して、方針が決まった。あれなら驚きもあるし、ちゃんと食べられるものだ。ゲテモノみたいな危ない方向のものでもない。うん、我ながら面白味はあると思う。

 

「となれば、おにぎりだな」

 

どれくらいの数がちょうどいいんだろうか……とりあえず、三つくらい。爆弾は一つにしておこう。俺は問題なく食べれるから爆弾二つにして、おにぎりの数も四つくらいに増やして、と。

 

「まあ、こんなところかな」

 

それを一緒に包んで、弁当の完成。うん、手が込んでいるわけではないけど、抜きすぎてもいない、我ながら中途半端でいい塩梅だと思う。こんな感じのゆるりとしたくらいがいいよね。

さて、となれば次は朝食だ。食パンにチーズでも乗せて、ベーコンでも焼いて、さっきの果物のあまりも付けて、冷蔵庫の中のテキトーな野菜も生で乗せて……

 

「……何このカオス」

 

うん、どれくらいやればいいのかのバランスがつかめない。そんなことを考えながらもついでに、と目玉焼きを作っている自分がいるわけだ。半熟を目指そう。

 

「ふぁ……あ、おはようございます、兄さん」

 

部屋に入るなり大きな欠伸をしてしまい、恥ずかしかったのか少し顔を赤くしている。やっぱり気にするものなんだろうか?

 

「おはよう、ヴィキ。時間はあるし、もう少し寝ててもよかったんだぞ?」

「癖でこの時間に起きてしまいました。……豪華な朝食ですね?」

「あー、うん。ちょっとどれくらいなのか、って言うバランスがつかめなくなってた。食いきれなかったら母さんの方に回すから、気にしなくていいぞ?」

「ナイン、問題ありません。これくらいであれば食べられます」

 

そう言うことなら、気にせず作ったものを出すことにしよう。そう決めて今出来上がった目玉焼きも合わせた朝食を準備して、テーブルの上に並べる。母さんの朝食についても同じようなものを冷蔵庫に入れて、オレンジジュースを注いでから俺もテーブルについた。

 

「では」

「はい」

「「いただきます」」

 

 

 

 ♢

 

 

 

「ふいー、眠い……」

「おや、おねむなのかい、ミー?」

「ああ、久しぶりに弁当作ったからな……いやはやまったく、永遠は毎朝よくやるよな」

「朝は強いというのと、自分で作ればそれだけ安上がりだからね。仕送りを節約すれば、それだけ遊べるというものさ」

 

なるほど、一人暮らしだとそういう考え方もあるわけか。買い物で使った代金は後から母さんに請求してたし、そこに昼食用の食材の代金も入れられるだろう。元から自分で作るなら家の食費の一環にするって言ってた。となれば、今後それで済ませてしまおうか。なんとなくヴィキは勾購買で済ませるといったら俺の分の弁当も準備してきそうだし、このまま当番制にするのが正解かもしれない。

 

「俺も今後は弁当にするかな」

「何を考えてその結論になったのかはわからないけど、つまり今後購買戦争に参加するのはヒーだけ、と?」

「そう言うことになると思う。……ヴィキが購買戦争に参加出来る気がしないし」

 

や、か弱いわけじゃないんだけどね、ヴィキ。なんとなくのイメージというか、なんというか。

 

「ふぅん……で、メニューはどんな感じに?」

「大したことはしてねえぞ。ご飯は握り飯にしてごまかしてるし、おかずについても卵焼きだの一口分のパスタだの、そんなもんだ」

「野菜もちゃんと入れたんだろうね?」

「最初は肉々しくしようと思ったんだけど、ヴィキのことを考えてやめた。彩り豊かだ」

「うんうん、そうでないとね。女の子としては茶色い弁当というのはないよ」

 

男にしか見えないが永遠だって女子なのだ。であれば、その意見は参考にするべきだろう。と、言うわけで。

 

「女子的にもありな、かつ男の俺も歓迎できる弁当って何かない?」

「別々に作ればいいんじゃないかな?」

「朝その作業はさすがに……めんどくさい」

「それはそうだ。しかし、ぱっと思いつくものでもない……」

 

足を組み、腕も組んで上を向いて考える永遠。相変わらずその姿はカッコいいのだけれども、何か良い回答が来ないかと期待して待つ。そして、

 

「よし、また考えてみよう。正直この場で考えるのは無理だね」

「無理か」

「ああ、無理だとも。私は天才でもなければ秀才でもない」

 

結局、肩をすくめてそう返されてしまった。考えてはくれるそうなので、期待して待つことにしよう。

 

「ただ一個思ったことなのだけれども」

「うん?」

「おにぎり、具は何にしたんだい?」

 

具、か。たぶん永遠が気にしてるのはあれなんだろう。あれを食べたことのないであろう、外国育ちのヴィキが食べてどうなることか、と。そんなところなのだろうけども。

 

「あれなら、意図的にいれたぞ?」

「鬼かな?」

「昨日の弁当がちょっとインパクト強かったからな……ぶっちゃけ今になってみれば後悔してるんだけど」

 

大丈夫かなー、ヴィキ。口をきいてくれない、とかにならなければいいんだけど。

 

「ふむふむ、ということはあれかな。やはりあの弁当のご飯の上には」

「おっとそれ以上はいけない」

 

ノリがよすぎるこのクラス、その事実が知られてしまったら何が起きるか分かったものではない。せっかく今後はもうないと決まったのだ、たった一回のそれをネタにされてなるものか。

 

 

 

 ♢

 

 

 

「きりーつ、れーい」

 

美鈴の何ともやる気のない号令と共に四時間目の授業が終わった。日本語は普通に分るのですけれど、まだ全部が日本語というのにはなれませんね・・・

 

「さあ、お昼にしよう。ヴィキは今日もお弁当?」

「ヤー。噂に聞く購買戦争というものに興味はありますが、大変そうですので」

 

購買戦争・・・戦争、とありますし、何か危険があるのでしょうか。人気商品を手にするための熱意などは凄いと思うのですが、けがをしてまでパンを買いたいとは思いません。午後の授業に家事など、やることは多いのですから。

 

「ヴィキちゃん、たぶん何か勘違いしてると思うんだけど・・・」

「まあまあ、そう言う面白いものはちゃんと眺めておくべき」

 

美鈴は何を言っているのでしょうか?

 

「そんなことより、今日もまた手作りお弁当?」

「私の勘違いがそんなことで済まされているのですが」

「大したことじゃないよ。購買に行くこともないだろうし」

 

三人とも弁当ですしまあ、はい。行く機会はなさそうですね。

 

「ヤー。ですが今日のは私の手作りではなく、兄さんの手作りです」

「そっか、幹也先輩も料理できるから」

「ヤー。おそらくですが、明日以降は当番制になるのではないかと」

 

一日置きとはいえ、朝ゆっくりできる日があるというのはちょっと魅力的です。習慣になっているので目が覚めてしまうかもしれませんが、それならそれで自分のことをすればいいですし。

 

「ふむふむ、なるほど。昨日のヴィキのお弁当に対して幹也はどんなものを作ったのか、実に興味深い」

「そんな挑戦状みたいな……」

「これで何もないただのお弁当だったら、がっかりだよね」

「本人のいないところでハードルがどんどん!?」

 

私としても普通のお弁当がいいんですけれど……しかし、昨日の分と考えれば甘んじで受け入れる覚悟です。何が来ても食べきって見せますとも……!

 

「ヴィキはヴィキでなんでそんな決意のこもった表情を!?」

「ふむふむ、なるほど。つまり幹也はちゃんと期待にこたえている、と」

「……ナイン。そう言えば、そんなこと考え付きもしなかった、といっていました」

 

そう言えばそうです、何もないのでした。はっきり言っていたではないですか。

そう考えると気楽なもので、目の前の弁当箱のふたをパカっと外します。中から現れたのは、おにぎりに卵焼き、といった感じで続くごくごく普通のお弁当です。なんとなく、わたしにも食べやすいようにとメニューが考えられているんだろうなぁ、と察せられます。

 

「これはつまらない……幹也にはがっかりだよ」

「いや、幹也先輩もそんなところに期待されたくないんじゃないかな……」

 

と、二人も自前のお弁当を広げたので、一度手を合わせてからいただくことに。さて、それではおにぎりから……

 

「~~~~~~~~~~ッ!?」

 

一口でギブアップです。ですが吐き出すのはさすがに失礼ですし、う~……。

何とか、飲み込めました。

 

「ヴィキの百面相、面白かった」

「美鈴ってば……それでヴィキちゃん、どうしたの?」

「ナイン、その……ちょっと予想外の味が口の中に広がったといいますか……」

 

ものすっごく、酸っぱかったです……なんでしょうか、これは。自分では判断が付かないので、葵に食べ掛けのおにぎりを渡します。

 

「あー、梅干し」

「梅干し……ですか?」

 

聞いたことは、ある気がします。確かにとても酸っぱいと読んだ本には書いてありましたけど、まさかここまでとは……

 

「なるほど、一見なんともない弁当に見せかけてからのこれとは……訂正しよう、やるな、幹也」

「や、だから美鈴は一体何者なの‥…」

「これは私も負けてられない。というわけで葵、明日葵のお弁当も一緒に作ってくるね」

「そう言われてなんで受け取ると思ったの!?」

 

二人は変わらないなぁ、と思いながらお茶を飲んで何とか復活します。しかしこれ、どうしましょう。残すのは申し訳ないですし、かといってこれ以上食べれるかと聞かれたら難しいですし。

 

「二人とも、それ食べれませんか?」

「うーん、どうだろう……」

 

と、美鈴が中の梅干しをちょっとちぎって口に含む。瞬間、顔をしかめた。

 

「これは結構な梅干し。私は無理かな」

「あ、じゃあ私がもらうね」

 

と、美鈴がギブアップするなり何のためらいもなく葵がかぶりつく。何のためらいもないその行動にびっくりしましたが、それ以降も普通に食べているところを見ると何ともないようです。

 

「凄いですね、葵は……」

「酸っぱいの好きなんだよね、私。レモン系のお菓子もよく食べるよ」

「さも妊婦のごとく」

「みーれーいー!」

「いひゃいいひゃい」

 

さすがに頬を引っ張られています。ちょっと驚きました。葵でも動くときは動くのですね。

と、次のおにぎりを割って中身がシャケであるのを確認してから食べます。うん、これなら食べられますね。

 

「そう言えば、ヴィキはそう言うの気にしないタイプなんだ?」

「そう言うの、とは?」

「ほら、おにぎりなら素手でやった可能勢もあるわけだし。潔癖症じゃなくてもそこは気にする人っているかなぁ、って」

「ちょ、美鈴……」

 

…………

 

「まあ、気にしてませんよ?そんなことを言い出したら調理中は素手ですし、そんなに変わりません」

「それもそっか」

「よかったぁ……」

 

葵が露骨にホッとしているんですけど、これはこれでどうなんでしょう?

 




安定の妄想十二割。梅干しに顔をしかめる女の子、いいと思います。
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