第五話
明久side
僕らがこの文月学園に来て2度目の春が訪れた
鉄人「遅いぞ、吉井」
明久「すいません、西村先生」
鉄人「あぁ、ほら、受け取れ」
先生が箱から封筒を取り出し、僕に差し出してくる。
宛名の欄には『吉井明久』と、大きく僕の名前が書いてあった。
明久「ありがとうございます、先生」
頭を下げながら受け取る
明久「それにしても、どうしてこんな面倒なやり方でクラス編成を発表しているんですか?掲示板とか作ってそこに張り出しちゃえばいいのに」
鉄人「普通はそうするんだがな。まぁ、ウチは世界的にも注目されてる最先端システムを導入した試験校だからな。この変わったやり方もその一環というわけだ」
明久「ふ~ん。そういうもんですかね。」
僕はそんな話をしながら、封筒を開けた
そこには
『吉井明久……Fクラス』
と書いてあった。
明久「あぁ、やっぱりか…2日前からじゃ全くできていなかったか…」
鉄人「吉井、今回は残念だったが来年はAクラスに入れるように努力してくれ」
明久「はい…」
こうして僕の最低クラスの生活が幕を開けた
◆
明久「…ここがAクラスの教室か…まるで高級ホテルだな…」
僕は通常の5倍くらいの広さの教室であるAクラスを窓から見ていた
高橋「皆さん進級おめでとうございます。私は2年A組の担当、高橋洋子です。よろしくお願いします。まずは設備の確認をします。ノートパソコン、個人エアコン、冷蔵庫、リクライニングシート、その他の設備に不備のある人はいますか?」
…不備なんてあるわけないじゃないか…なんて贅沢なんだろう…
そんなことを思いながら僕はFクラスの教室に向かうことにした
◆
………
何だろう…このAクラスとFクラスの違いの差は…
とりあえずクラスに入ろう
「ガラッ」
明久「遅れてすいません。」
雄二「おう、来たか明久」
明久「あれ?雄二、先生は?」
雄二「先生遅れているらしいから、代わりに教卓に上がってみた」
明久「先生の代わりって、雄二が?何で?」
雄二「一応このクラスの最高成績者だからな」
明久「そうなんだ。じゃあもしかして雄二がこのクラスの代表なの?」
雄二「あぁ、そうだ」
そうなんだ、と思いながら僕はとりあえず席に座ることにする。
明久「ところで雄二、僕の席何処?」
雄二「開いてるところに座ってくれ」
明久「…席も決まってないんだ」
そんなことは話していると、
「ガラッ」
鉄人「HRを始めるから席につけ」
明久「はい、わかりました」
雄二「うぃーす」
僕と雄二はそれぞれ返事をして席に着く。
鉄人「あー、二年F組の担任になった西村宗一だ、容赦なくビシバシ扱くから覚悟しておけ。」
明久以外「「「「「「何~!!」」」」」」
Fモブ「鉄人が担任だと!?」
鉄人「じゃあ、窓側の人から自己紹介をしてもらおうか。」
みんなが動揺している中、車座を組んでいた窓側の生徒が立ち上がり名前を告げる。
秀吉「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。あとわしは男じゃからの。今年一年よろしく頼むぞい」
あっ秀吉って男の子だったんだ…
覚えておこう
ムッツリーニ「…………土屋康太」
次々に生徒が立ち上がって、同じように名前を告げていった
島田「島田美波です。趣味は吉井明久を殴ることです☆」
…あの人も僕の友達なのかな?
島田「何無視してんのよ、吉井!!」
明久「…あぅ。し、島田さん…」
…できればかかわりたくないな…
島田さんの自己紹介が終わり、そのあとは淡々自分の名前を告げるだけの作業
が進む。
Fモブ「――――です。よろしく」
よし、次は僕だ
明久「えーっと、吉井明久です。よろしくお願いします。」
そして僕の紹介が終わり、再び座ろうとすると、
「ガラッ」
と、教室のドアが開き、
姫路「あの、遅れて、すいません」
全員「「「「「えっ?」」」」」
鉄人「丁度よかった。今自己紹介をしているところだから姫路も頼む」
姫路「は、はい!姫路瑞希といいます。よろしくお願いします」
Fモブ「はいっ!質問です!」
姫路「えっ、あ、はいっ。何ですか?」
Fモブ「なんでここにいるんですか?」
姫路「そ、その……振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして……」
Fモブ「そういえば、俺も熱が出たせいでFクラスに」
Fモブ「ああ。化学だろ?あれは難しかったな」
Fモブ「俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力を出しけれなくて」
Fモブ「黙れ一人っ子」
Fモブ「前の晩、彼女が寝させてくれなくて」
Fモブ「今年一番の大嘘ありがとう」
鉄人「おら、静かにしろ」
「パンパン」
と先生は教卓を叩いた。
「バキィッ バラバラバラ」
…教卓が壊れた。脆すぎ…
鉄人「あ~……、替えを用意してくる、少し待ってるように」
先生は少し気まずそうに教室から出ていった。
明久side out