ということで書いてみることにしました!
でも、プロローグはシリアスっぽいけど今後はそんなことなかったりする気がします(ぁ
「俺のターン!」
そういうと同時に、デュエルディスクに設置されたデッキからカードを引く。
それと同時に、相手を苦しげな表情で見上げる。
自らと相対するのは、ビルほどの高さを持つ巨大なモンスター。
その覇気に足がすくみそうになる。
だが、それに屈しればどうなるかわからない。
「そもそも……なんでこんな状況になってるんだっけな」
昨日までは、なんてことのない日常を送っていたはずだったのに……
そんな思いが、この状況となったきっかけとともに思い出されていた。
◆
「だー!今日も負けた!」
遊戯王の大会の帰りだった。
三回戦までいけたが、ギリギリのところで負けてしまい勝てなかった。
彼は、『霧埼 隼』
小学生の頃から、遊戯王をしている中学二年生。
最近では、遊戯王ARC-Vで好きな『あるキャラ』のデッキを愛用している。
大会にはいつもそのデッキで出ている。
「逆転のカードは引けたんだけどなぁ、あそこで神の通告はきついって」
そう愚痴をこぼしながらも、今回負けた原因を考えながら帰り道を歩いていた。
……そのとき、足元に一枚のカードが落ちているのに気づいた。
「ん、誰かが捨てたのか?ひどいことするなぁ」
そう言って、落ちていたカードを拾った。
そのカードの名前は……
「《運命の扉》?また変なカードを捨てるもんだな」
《運命の扉》
遊戯王ZEXALで、主人公である九十九遊馬が遭遇した扉がカード化したものだ。
効果としては、使いにくいカードだが面白い効果を持っているのとアニメが好きな人では入れていることもあるだろうカードだ。
「捨てるか落とすにせよ、珍しいカードを落とすなぁ」
そう不思議に思っていたときだ。
手に持っていた、《運命の扉》が光を放った。
「なっ!カードから光が!?」
その光は次第に強くなり、隼の体を包み込む。
そして、光が消えるとその場にいた隼の姿は消えていた。
◆
「ッ……ん」
どのくらいの時間、気を失っていたのか。
目を覚ますと、今まで歩いていた道とは違う場所で倒れていた。
人気も少ないこの場所は、どこかの裏路地なのだろう。
少なくとも、気を失った後いる場所としてはおかしいだろう。
「ここは……確か、大会の帰りだったはずなんだけど。確か、《運命の扉》を拾って……そしたらカードが光って!」
記憶の整理をし、余計に混乱を起こす隼。
自分は何でここにいるのか、なぜカードが光ったのか、まるで意味がわからんぞ!とも言いたくなるぐらい困惑していた。
そんなとき、裏路地の先から人の声が聞こえた。
「……人の声?と、とりあえず誰かに話を聞きに行かないと!」
一人ではどうしようもない、そう考えた隼は人の声がする場所へ向かった。
その先に行くと、二人の人影が見えた。
「ハッハッハッ!!こいつでダイレクトアタックだ!」
目の部分には透明な板が、耳からかけることで装着されており腕にはカードを置く為の板が設置されていた。
それをデュエルしているのか、大柄な男と制服のようなものを着た少女がつけている。
そして、決着がついたのか。
少女のほうは、まるで力のある何かに殴られたかのように吹き飛ばされる。
そのままだと壁にぶつかるだろう、それを隼はほおっておけなかった。
「危ない!」
走って吹き飛ばされる少女の元へ向かい、彼女を自分の体で受け止めた。
勢いが思っていたより強く、背中を近くの建物に打ちつける。
「ッ……おい!大丈夫か?」
「うぅ……」
女性を見ると、体に負傷をしているのかうめき声をあげる。
その姿を見ていた対戦相手の男は、ニヤリと笑みを浮かべる。
「おやおや、どうやら俺に《No.》の攻撃を受けて怪我しちまったみたいだな」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべ、男は少女の下へ向かおうとする。
嫌な感じがする男に、隼は警戒心を強める。
「おいお前!彼女に何をした!」
「そう怒鳴るなよ、俺はただデュエルをしてただけだぜ?アンティとして、その女の身柄を要求してな」
「なっ!?」
その言葉に、隼はひどく驚いた。
デュエル、遊戯王というカードゲームでそのようなことを決めようとすることに。
先ほどのデュエルディスクや、男の雰囲気から普通のことをしているとは思っていなかった。
しかし、ここまで非道なことをしているという事実に驚きと同時に怒りがこみ上げる。
「……ふざけるな、貴様は人を何だと思ってる!」
「そう怒るなよ、てめえには関係ないことだろ?」
男の言い分は確かだ。
この少女がどうなろうと自分には関係がない。
だが、目の前で少女が不幸な目に合おうとしているのを見過ごせるはずがなかった。
「……デュエルだ」
「なに?」
自然と、言葉に出ていた。
目の前の男を見逃すことはできない、深く考えずに言っていた。
「デュエルで俺が勝ったら、彼女に何もするな!」
「……何を言うかと思えば。そんなの受ける必要もねぇことを」
目の前の男に、殴り合いで勝てるはずもないだろう。
体格や年齢を考えれば当然だ、よって彼からすれば受ける必要もないものだ。
……ゆえに、交換条件を出す。
「……俺が負ければ、このデッキとエクストラデッキを差し出す!」
彼がかけたのは、自らが愛用するデッキ。
彼が今までともにデュエルしてきた魂とも言えるものだ。
「ほう……いいだろう、なら相手してやるよ」
男は、隼が出したカードを見ると目の色を変えた。
それは今まで見たことのないカードであり、多くの『エクシーズモンスター』を持っていたからだ。
男は少女のそばによるのをやめ、先ほどのデュエルに使用していた道具……DゲイザーとDパッドを装着する。
「……すまない、借してもらうよ」
隼はその二つを持っていない、そのため倒れている少女に謝り彼女が持っているDゲイザーとDパッドを装着した。
そして、自分のデッキを一目見た後Dパッドに装着した。
「ハッ、じゃあやろうじゃねえか。ガキ!」
「……行くぞ」
「「デュエルッ!!」」
男LP:4000 霧埼 隼LP:4000
「(LPが4000?)」
ARビジョンにより、お互いのLPやカードは実体化する。
だが、そのLPがまず4000であることに疑問を覚えた。
「先行は俺からだ!ドロー!」
男 手札:6枚 隼 手札:5枚
「先行ドロー!?」
隼が慣れ親しんでいるルールは、『マスタールール3』と呼ばれるもの。
先行ドローはできず、一部の効果処理なども変更されているもののはずだ。
「ハァ?なに驚いてる?……デュエルのルールもろくに理解できねぇガキを相手にするとはな」
少しため息をついたのち、男はデュエルを進める
「魔法カード、《おろかな埋葬》。こいつでデッキから、《暗黒界の龍神グラファ》を墓地に送るぜぇ!」
「暗黒界デッキ……」
墓地に送られたカードから、隼は相手のデッキを予測する。
先ほど墓地に送られたカードは、フィールドの《暗黒界》モンスターを手札に戻すことで特殊召喚できるカードだったはずだ。
「さらに!手札から魔法カード、《手札抹殺》発動!お互いに手札をすべて捨てて、同じ枚数分ドローさせてもらうぜ」
「ッ……」
「そしてこの効果で墓地に捨てられた《暗黒界の尖兵 ベージ》を特殊召喚!」
男のフィールドに、槍を構えた不気味な姿をした悪魔が現れる。
「さらに!こいつを手札に戻して墓地の《グラファ》効果発動!特殊召喚だ!」
フィールドの《ベージ》が消えると同時に、地面に亀裂が走る
その亀裂は広がり、その地面が砕けるとそこから龍の姿をした悪魔が現れる
「ベージを召喚し、墓地にいるもう一体の《グラファ》も戻して特殊召喚だ!」
「ッ……二体目もいたのか」
男のフィールドに、二体の龍神が並んだ。
「ハハハハハッ!これだけじゃねえ!俺は、二体の《グラファ》でオーバーレイだ!」
「なに!?」
男の場にいる二体の《グラファ》が紫色の光の球となり、フィールドに出現した金色の渦の中へと吸い込まれる。
そして、渦を中心に光が爆発を起こす。
「二体の闇属性モンスターで、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
「現れよ!《No.22 不乱健》!」
渦の中から、布をかぶったビルほどの大きさを持つ巨人が現れる。
その巨人は相手である隼を見ると、大きく雄たけびを上げた。
《不乱健》
ATK:4500
「ッ……なんだ、この威圧感!」
今まで出てきたモンスターでは感じなかった異質な威圧感をこのモンスターは持っていた。
「ターンエンドだ!」
男 手札:5枚
LP:4000
◆
隼 手札:6枚
「……とりあえず、どうするかな」
「(《不乱健》には、相手の表側のカードの効果を無効にする効果があったはず。守備表示にもなるし、ここは)」
「俺は手札から魔法カード、《ブラック・ホール》発動!」
フィールドにすべてを吸い込む渦が出現する。
このままなら、すべてのモンスターを破壊するだろう。
「ハッ、そうはいくかよ。《不乱健》の効果発動!」
「(よし、これで……)」
守備表示になって、破壊できる。
……しかし、そうはいかなかった。
「オーバーレイユニットを一つ使い手札を1枚捨てることで、相手フィールドのカードの効果を無効にする!」
《ブラック・ホール》は無効にされ効力を失った。
しかし、《不乱健》は守備表示にならなかった。
「なに!?」
「(そんな……なんで守備表示にならない……まさか!)」
Dゲイザーを使い、相手のモンスター効果を確認した。
そのテキストは……
《No.22 不乱健》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/闇属性/アンデット族/攻4500/守1000
闇属性レベル8モンスター×2
(1)このカードは《No.》と名のつくモンスター以外の戦闘では破壊されない。
(2)1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
手札を1枚墓地へ送り、
相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。
選択したカードの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。
さらに、無効にしたカードがモンスターカードの場合このターンのバトルフェイズ中、そのモンスターはこのカードに攻撃しなければならない
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3)このカードは女性型モンスターには攻撃できない
「ッ……原作効果か、厄介な」
原作と同じ耐性と効果もち。
これでは、並大抵の手段では倒すのは困難だ。
「……だが、だからどうしたっていうんだ」
あのモンスターには恐怖を覚える、今まで味わったことのないものだ。
だが、だからといってここでくじけるわけには行かない。
……あのキャラのように、『鉄の意志と鋼の強さ』を持って。
「敵を粉砕する!」
相手を倒すための一手を、隼は使う。
「俺は、《RR-スカル・イーグル》を召喚!」
ATK:1000
隼のフィールドに、黒と白を模した鳥が出現する。
召喚されたモンスターを見ると、男は馬鹿にした笑いをする。
「攻撃力1000のモンスターを攻撃表示だと?ハハハハッ!俺のモンスターに差し出す生贄か!」
すでに隼に勝ち目はない、そう男は確信していた。
それを気にせず、隼はデュエルを続ける。
「さらに《スカル・イーグル》を対象に、手札から魔法カード《RR-コール》発動!対象としたモンスターの、同名の《RR》を特殊召喚する」
「来い!二体目の、《スカル・イーグル》」
魔法カードの効果で、同じ《スカル・イーグル》が出現する。
その時点で、男は顔色を変えた。
「ッ……同じモンスターってことは」
「俺は、LV3の《スカル・イーグル》二体でオーバーレイ!!」
黒色の渦へ、紫色の球体が吸い込まれ光の爆発を起こす。
「エクシーズ召喚!現れよ、ランク3!《RR-デビル・イーグル》!」
ATK:1000
赤と白の機械的な翼を持った鳥がフィールドに出現した。
「……攻撃力1000?そんなモンスターじゃ、俺の《No.》は倒せないぜ!」
出てきたモンスターを見て、男は態度を一変する。
攻撃力1000の弱小モンスターで、攻撃力4500のモンスターは倒せない。
事実、《デビル・イーグル》では《不乱健》は倒せない。
「……《スカル・イーグル》がエクシーズ素材になったことで、《デビル・イーグル》の攻撃力は一体につき300ポイントアップ」
攻撃力:1000→1600
「たかが600のアップで俺のモンスターは倒せねえよ!」
「…………」
俯いたまま、隼は立っていた。
男の人を馬鹿にする態度、攻撃力でしか評価しない有様。
そこに、あきれを覚えていた。
「確かに、お前の《不乱健》は倒せない」
「ハッ、そりゃあそうだ」
「だが」
男の言葉をさえぎるように、隼は男を見て言葉を言い放つ。
「貴様を倒すには、このモンスターがもっとも最適だ、貴様のような高火力のモンスターが一番というやつにはな!」
「なに?」
隼は、男を倒すために《デビル・イーグル》に命令を下す。
「《デビル・イーグル》の効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、相手の場の表側表示の特殊召喚されたモンスターの攻撃力分のダメージを、相手プレイヤーに与える!」
「なんだと!?」
《デビル・イーグル》の周りに浮いていた球体が砕け、紫色の光が《不乱健》を包み込む。
「己がモンスターにやられて、倒れろ!」
そして、《不乱健》は主に向けてこぶしを構えそのまま主へと叩き込む。
「ッ……ぐああああああああああああああ!!!」
男 LP:4000-4500=-500
男は、吹き飛ばされると壁にぶつかりそのまま意識を失い、倒れた。
同時に、展開されていたARも解除され静寂が周りを包み込んだ。
「……勝てたのか、俺」
イラ立ちを相手にたたきつけたせいか、冷静さを取り戻した隼は少女の元へ向かおうとした。
……そのとき、紫色の光を放つカードが隼の元へ向かった。
「なっ……!」
とっさにそのカードをつかむ、それは《No.22 不乱健》
男が使っていたカードだ。
そのカードはしばらく光を放った後、光が消え変哲のないカードに戻った。
「……なんなんだ、一体」
とりあえず、今は少女のことを優先させるためカードを手元にあったデッキケースにしまう。
そして、少女を背負うとそのまま裏路地を後にした。
「とりあえず……制服ってことは、学校か?そこに連れていけば親もわかるか……人に聞けばわかるよな!」
幸先に不安を感じながら、隼は歩みを進めた。
というわけで、主人公のデッキは『RR』でした
……プ、プロローグだからね
いきなりエースは出しませんよ、ええ
バーンワンターンキルもどうかと思いますが、相手のカードもチートですからね
デッキもガチ寄りではない、とだけ言っておきます