アナザーストーリー〜トラウマの原因をぶち壊したら、その世界はどうなるか。 作:袖野 霧亜
前回のあらすじ! 教室にぶち込まれたら教室中から不思議な事に、不思議な事に! 大事な事だから2回言った! ものの見事に視線を集めていた。俺に。
…………今日が俺の命日にならない事を祈ってさっさと自分の席に着こう。うん、そうしよ───
『比企谷! おはよう!』
「ひぇ!?」
は、は? なんでいきなり挨拶してきてんの? やめてくれよ一瞬吐きそうになっただろ。俺が慣れねぇことしに来てんじゃねえよ。心が折れるなんてもんじゃないんだぞ?
例えを出していこう。子供の頃、親が飲んでいたお酒と自分が飲んでいた飲み物を間違えて飲んでしまった時の衝撃。高熱を出しているのにも関わらずにかなり刺激の強い食べ物を食べた瞬間。そしてめちゃくちゃ苦い粉薬をうまく飲めなくて喉に張り付いたあの時! あの感覚が今俺の中で起きている……。いやまぁ、多少違うかなーってものはあるけど、だいたいそんな感じだ。うん。
叶うならば、今この状況全てが夢で起きたら自分のベッドの上だったなんてオチでありますよう願い奉る。いや、もう現実逃避乙とでもなんとでも言えばいい。今の俺にとって最も理想的なものを並べて現実から目を背ける事が大切なんだ。頼むよー。もう俺に心的に疲れるような事をしないでくれー。
『くっ……ふふっ……。何、比企谷、今の声……ウケる…………!』
どこぞの誰かさんは声を押し殺して(し切れてはいないが)笑ってるのが辛うじて聞こえてきた。いや、なんでその声が聞き取れた。他に何かあるだろ。ほら、よく耳を澄ましてみろ……………………何も聞こえねぇ!? え、もしかして今の声のヤツ以外の声どころか音が無いのか!? 嘘だろ……? ほ、ほら、クラスメイトとの談笑とか俺を嘲るとかあるだろ? 何してんだよお前らしっかり仕事しろよ! いや別に罵ってほしいとかそういうマゾヒスト的発言じゃないのよ? 言葉は発してないけど。
ところでこれって俺は返事とかした方がいいのか? いや、した方がいいのだろう。俺に向けての挨拶なのだから然るべき対応をするのが礼儀というものだ。いいか? いいな俺! キッチリとした笑顔と「おはよう」の四文字を口からこぼすだけでいいんだ。それで会話は終了だ。よし、最終確認だ。いいか? いくぞ?
「お、おひゃ! ……おはよう」
『『『…………っ!』』』
あああああ! 噛んだ畜生! 何が「おはよう」の四文字を口からこぼすだけだ! それすら出来ないまでに俺のコミュ力は衰えてんのか! 三木とは話せてたのになんでここでは役に立たないんだ俺のコミュ力! 見てみろよお前! 全員漏れなく笑うのを必至に堪えてるぞ! くっ、殺せ! 情けは無用だ!
盛大に恥をかいてしまったが、まぁいい。よくないけどいいんだ。どうせもう口を開く事は無いはずなんだ。このまま何事も無かったかのように自分の席にたどり着いて寝る体勢に入ればもう何も起こらない。ついでに俺も予鈴まで起きることは無い。勝ったッ! 第3部、完!
「───そんなことさせると思うかいベイビー」
「ンがッ!」
く、首っ、首がっ!? いつぞやかやられた首絞めが極まって!?
「あ、ごめんごめん」
「ぐっ、げっへぇ……。意識が飛びかけた……」
首はダメなんだって。軽く意識を刈り取ったり死ぬ事だってあるんだから。
「んだよ。頼むからもう寝かせてくれ」
「はいはい、あともうちょい頑張っておくれ。ていうか君は今の状況と打ち上げの時の事を忘れたのかい? それなのにいつも通りに過ごそうとして何しようとしやがってんだって話さね」
「いや知らねぇよ。わからなくもないけど俺には知った事じゃない。俺は1人でいるのが───」
「好きなわけないじゃろ。なんでお主が我等から嫌われてるとか思ってるのか知らないけどなぁ。勝手に自分で壁を作って我等から離れているだけじゃないのかい?」
「───ンなわけあるかよ。知らないわけないだろ? 俺が昔何したかなんて」
「それくらい知ってるわ。ていうか今も同じことしてたら私が君に話しかけるわけない。違う?」
「………………」
いや、そうじゃなくて、今もあの時みたいな事をやってるやってないの話じゃなくて、俺嫌われてるんだよね? だって皆俺の陰口言いまくってただろ? 俺の勘違いなわけないでしょ?
「ま、とりあえずこの教室に君を嫌ってる人は居ないから安心したまへ。無関心な人はちらほら居るけど」
『そういう訳で、これからはちゃんと宜しくしてもらうぜ』
うおっ。いきなり会話に入り込むなよさっき挨拶してきた人。ぼっちであるが故に社交性が著しく失われてるんだから。
しかしどうしたものか。ぼっちだからこそやってきた人間観察で鍛えた俺の観察眼でこの男子生徒を見ても嘘偽りが全く感じ取れない。まさか本当に俺と宜しく……っは! もしかして宜しくじゃなくて夜露死苦の方なだったりするわけないか。いつの時代のつっぱりだよ。
さて、とりあえずコイツや他のクラスの奴らもどうやら俺に対して特に何も無いらしいならよしとするか。別に元々は好きでぼっちを拗らせてたわけじゃないしな。…………信用をするかしないかは全く別の話だけどな。
「あぁ、ならまぁ、宜しく頼む。んじゃそういう事で」
「だから寝るなっての」
「3度もくらってたまるか!」
すんでのところでガードが間に合う。いや、ガードじゃないな。ちょっと襟を掴んで固定してるだけだし。しかしいい加減学習しろよ。もしかして寝ようとした俺が悪いのか? 違うよな? 違うと言ってくれバーニー!
「ふっ、学習してくれて嬉しいわ」
「俺に学習させるなお前が学習しろ」
まさか俺に学習させにきてたとは驚きを隠せない。いや、調教の方が正しい気もしてきた。
「とにかく、これから集団リン、じゃなくて質問タイムだから頑張って」
「おい待てリンチって言いかけたよね? 絶対今リンチっていいかけたよね?」
『よしお前ら! 集団リン、じゃなくて質問タイムだ! かかれぇ!』
「ブルータス、お前もか! じゃない! 勘弁してくれ、頼む、な?」
「かかれ!」
『『『おー!』』』
『好きな人のタイプとかは?』
『ご趣味は?』
『来季のオススメのアニメとかある?』
あぁ、もうダメだ。俺のメンタルが…………。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「あ、ちょっと!?」
『比企谷!?』
はーい、僕こと???さんでーす。というわけでさっさと報告しないとね。
まぁ報告ってほどでもないけど、とりあえずこれとこれの元になった主の作品をさっさと終わらせるってことね。まぁそれでも両方とも70話近くまでやることになるけど。
あ、どうしてさっさと終わらせるのには理由があって、まーたこりずに新しいネタが思いついたらしくてね。でもまた連載増やすと失踪不可避かもしれないとか言ってなら更新ペースを上げるみたい。まぁそれでも週一本とかその程度らしいけどね。
ま、それだけ。ついでにあっちの方では言ってないけど、3年前くらいに書き始めて書く事に萎えた作品をリメイクする気があるみたい。やる可能性はひっくいけど。
???のお兄さんにより主の代弁終了! じゃあまた執筆に戻らせます……。
主「えっ、もうやるの? ホントにさっき書き終えたばっかりなのだけれど?」
美咲「はいはいはよはよ」
主「そんなまっさか〜』