アナザーストーリー〜トラウマの原因をぶち壊したら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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やはり俺の人生がここで終わってしまうのは間違っている。

 三木のせいでドタバタした文化祭、そして打ち上げを乗り切った俺は休日をめいいっぱいフル活用して体力を(お使いや料理を手伝ったりペットの猫であるカマクラにいい具合に睡眠妨害を受けたせいで)半分まで回復。気力を小町で補充した。そんな俺は休日明け初の学校となったわけだが……、とても顔を出しにくい。今すぐUターンで家の自分のベッドの中に入っていたい。これは逃亡ではない。戦略的撤退である。だから許してくれるはずだよね! 誰に許しを乞うわけでも無いけども。

 おそらく自意識過剰でなければ、教室に入ったら文化祭でのアレコレとか根掘り葉掘りある事無い事言わされそうだし。いや無い事は言わされたらマズいだろ。どんなテクニック使われたらそんな事させられるんだよ。是非ご教授願いたい。

 

「はぁ…………」

 

 1つ、大きめの溜息をつく。参ったな。最近、というか文化祭の時からどんだけ溜息ついたんだろうな。幸せがどんどん遠のいていく。ただでさえ薄幸な気がするのにこれ以上俺から幸せを奪おうとか人生ハードを超えてジェノサイドを天元突破するんじゃねぇの? ちなまに俺の幸せの大部分を補ってくれるのは小町とお袋とカマクラ。親父? 知らんな。

 しーあわっせはーあっるいってこないだーから歩いて行っくんだねー♪ 1日1歩、2日で2歩、3歩進んで厭離穢土(おんりえど)♪ いやそこ極楽浄土じゃねーのかよちくしょう……。ここまで来ると『やはり俺の人生計画は破綻している。』とかそんな感じで小説出したら売れる気がするぞ。誰か書いてくんねーかな。俺が書いてもいいけど。これまでの俺の人生を元に取捨選択して何巻かに分けて単行本化するっていうのは。……誰も読むどころか手もつけてくれなさそうだけど。

 

 さて、そろそろ現実逃避は止めるか。あれこれ考えてたけど結局教室の前に着いてしまった。今更帰るのも気が引けるしここは覚悟を決めて入るとしよう。頼むシンジ君、君のあの日の勇気の半分でもいいから俺に分けてくれ……!

 

「おいそこの凡俗」

 

「うひゃあああ!?」

 

 横合いから突然声をかけられておおよそ一般男子学生が出してはいけないような声が出てしまった! 恥ずかしい! もう嫌だ八幡お家に帰る!

 

「ってなんだ三木か驚かせやがっ」

 

「貴様打ち上げで(オレ)を見捨てたな?」

 

「…………ひゃい?」

 

「貴様の行いは万死に値する。よって我の全てを持って貴様を葬ることにした」

 

「…………あの、ギルさん?」

 

「が、我は寛容だからな。貴様にチャンスを与えてやろう」

 

「…………」

 

「今ここで己の行いを懺悔しその命で詫びをいれるなら赦してやらんことはない。さぁ、どうする?」

 

「…………それ結局」

 

 死ぬじゃんと続けようとしたがすんでのところで口を紡ぐ。なんとなくだが、それ以上口を開いたら容赦無く殺されそうだと思ったからだ。ふえぇぇぇ、怖いよぉ……。

 

「……まぁ冗談さ。私もそこまで鬼じゃないし王の財宝も持ってるわけでもないしね」

 

「…………そうか」

 

 助かったのなら俺はもう何も言うまい。言ったら言ったで何かされそうで怖いとかそんな理由で何も言わないわけじゃないよ? 本当だよ? ハチマンウソツカナイ。

 しかし怒っていたのは間違いはなさそうなのだが、打ち上げの時俺が帰った後何があったんだろうか。まぁもう俺には関係の無い話ではあるからどうでもいいが。……なぜ関係がないかって? そりゃそうだろ。高々文化祭を一緒に回った(連れ回された)だけで友達になったわけでもなし。もうこれで俺に関わる要件は終わっているはずだろうからいつも通り俺は日陰で面倒事に巻き込まれない、不自由の無い生活が戻ってくる。さらばだ三木よ。Forever。

 

「まぁ待てい。まだ話は終わっていないのだよ」

 

「ぐぇっ」

 

 三木に背を向けて教室に入ろうとしたら背中の方を掴まれ身長差かからかどうかは知らんがそのまま首が良い具合に締まり、快い声が鳴り響く。まぁ嘘ですが。単に情けない声を出してしまった現実から目をそらしたかっただけです。

 ていうか何? まだ用事が終わってないの? もう完結させちゃったんだけど。

 

「……なんだよ」

 

「なぜ八幡は教室に入っていいと思ってる」

 

「え? これもしかして新手のいじめの始まりかなんかなの?」

 

「私がこの程度のいじめをするわけないじゃないですかー」

 

 えーなにそれーもっと悪質ないじめ出来るよって意味ですかーやっだー。……ホント女子怖い。

 

「君は打ち上げの時の事を忘れてはいなかぁねぇ?」

 

「忘れるわけないだろ。……もしかしてそれ関係のか」

 

「エサクタ」

 

「……ちなみに俺が帰った後」

 

「八幡の好感度急上昇」

 

「嘘だろ……お前何をした」

 

「何もしてない」

 

「何もしてないはずが無いだろ。あの俺が───」

 

「その八幡が、だよ」

 

 好かれるわけがない、と続けようとしたがその言葉をかき消すように三木が言葉を被せてきた。本当に何があったんだろうか。好かれる要素皆無、三木も何もしてない。だとしたらどこで好感度が上がるイベントが発生した? うーん……、

 

「まるで意味がわからん」

 

「なんでわかんないんだよ! わかれよなこれくらい!」

 

「某ゾンビが出てくる自他ともに認める天才魔法少女風に言われてもなぁ……」

 

 いや、何がどうなったら俺の好感度が上がるんだ? フラグも何も無かったはずじゃん。誰か俺に対してアクションでも起こしてくれていたら気付くはず……。

 

「よし、もう面倒臭いから教室で確かめてみようか」

 

「はっ? いやちょっと待っ」

「はいどーん!」

 

「うおっ!? いきなり何すんだ……よ?」

 

 教室に押し込まれ三木に文句を言おうとそちらを向くと背中からクラス中からの目線が痛いほどに突き刺さってくるのを感じおそるおそるそちらを見やる。するとあらどうしたことでしょう。教室に居る人全てから夥しいほどの感情が突き刺さってくるではありませんか。

 

 あ、俺、今日、死ぬのかな。

 




主「余だよ」

三木「私だよ」

主「八幡くん大丈夫かしら?」

三木「大丈夫じゃなかったら私とのフラグが無くなるけどね」

主「なら大丈夫だね」

三木「次回予告!」

主「八幡、絡まれる・受け入れる・逃亡するの3連コンボでお送りするよ」

三木「なぜに逃亡!?」

主「お楽しみに!」













???「尚、予告が合っているかは神のみぞ知る、とのことです☆」
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