デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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順番ごちゃごちゃになってごめんなさい。
エイリアンマンさんのとある怪獣娘の異世界旅行という作品とのコラボです。


空インデックス
学園都市です!


学園都市です!

 

Side空

 

走っている。ただひたすらに走っている。でも、走る先にゴールなど存在はしない。あるとすれば止まった時に来る絶望だけだろう。

 

それもここらが限界かな……?

 

一緒に走っているとなりにいるツンツン頭の高校生をチラリと見ると相当辛そうな表情だ。

足を動かす速度を徐々に緩め、止まった。

 

「お、おい! 止まったら死ぬぞ!」

 

「だけど当麻さんは限界ですよね?」

 

「それは……」

 

「だからここで終わりにしましょう」

 

「っ! わかった。それなら俺も覚悟を決める!」

 

覚悟を決めて後ろを振り返る。

迫りくる人物に頬を引きつらせる。

 

「……なあ、やっぱりもう一回逃げないか?」

 

「そうしたいけどもう無理じゃないですか?」

 

一瞬にして覚悟が砕けたがもう逃げられない。

 

「だよなー……」

 

 

 

「―――みぃつけたぁ」

 

 

 

ついに俺達を追いかけていた人物が目前に現れた。

やや逆立った茶髪と周囲に発生させてるプラズマはまるで超サイヤ人2のようだ。

俺達は無言で頷き合うとその場に正座して頭を下げた。

 

『ごめんなさい!』

 

「許すわけないでしょうがっ! こんのっ、アホどもがぁッ!!」

 

『うごっ!?』

 

俺達の頭に仲良く電撃付きの拳骨が落とされた。

顔面と地面が接触してダメージは二倍だ。

追ってきた人物は気が済んだのかその場から立ち去った。

 

「いてて……」

 

起き上がって殴られた箇所を触ると痛みが奔った。たんこぶが出来てしまったみたいだ。おまけに鼻血も出ていた。

 

「当麻さんは大丈夫ですか?」

 

なんてことを聞いてるがこの人の所為で俺も巻き添えを食らったのだ。若干恨んでる。

 

「……なんとか、ってとこだな。あの一撃には耐久力に定評のある上条さんでも死を覚悟したね」

 

鼻血をふき取りながら意外と平気そうな顔をしてる少年―――上条当麻。

 

「それにしても酷い目にあったな。ビリビリの奴め……」

 

「あれは自業自得だと思うんですけど……」

 

俺達を殴ったビリビリさん。本名は知らない。

彼女に追いかけられるきっかけを作ったのは彼自身だ。

 

 

 

 

 

さかのぼること、一時間程前。

とある日にアザゼルさんに呼ばれて堕天使の研究所に行った。

 

「ちょっくら異世界行ってこい」

 

そういうなり俺をカプセルに押し込めて何かの作動スイッチを押した。

瞬く間に白い閃光が視界を覆って何も見えなくなってしまった。

そして、気が付けば見知らぬ場所にいた。

 

「ここどこ?」

 

見渡してみれば大量のビル、至る所にある太陽光パネルや風力発電機。こんな場所が俺のいる世界にあればかなりの話題になってることだろう。

どこか知ってる気がする力は感じるが悪魔や天使と言った人外も近くにはいない。

ともあれ、どうやら本当に異世界で間違いなさそうだ。

 

ハァ……またか。

 

これで三回目だ。

しかも、今回は神器やデバイスのブレイブ、精霊の力がない。つまり自力で帰ることができない……わけじゃないが、結構面倒なことになるからあまり使いたくない手段だ。

 

なのは達の誰かが気付いて迎えに来てれるといいんだけど……。

 

『不幸だ……』

 

不意に誰かと声が重なった。

周りを見回すと、すぐそばにツンツン頭の高校生くらいの少年がいた。

少年の方も俺に気が付いたようで目が合った。

 

「……お前も不幸なことでもあったのか?」

 

「えーっと、簡単に言うと知り合いの実験に巻き込まれて家に帰れなくなちゃった、って感じです」

 

「それって結構重くないか!? 俺なんか財布落として、知り合いから貰ったおにぎりを別の知り合いに食われただけだからな。怒ったら「お腹が空いたんだよ!」って逆ギレされて噛み付かれたし……」

 

「それはそれでかなり辛いですよね!?」

 

お互いの不幸話を言い終わったら、二人揃ってため息が出た。

 

「……帰る場所ないんだったらしばらく俺の住んでる寮に来るか?」

 

このままさよならかと思いきや、まさかの提案が出された。

 

「部外者が寮に入って大丈夫なんですか? しかもこんなどこの誰ともわからない奴を」

 

「もうすでに居候がいるから大丈夫だ。それに明らかに俺よりも年下の子が困ってるのは放っておけない」

 

そう言われてしまっては反論が出来ない。

結局少年の好意に甘えてしばらく寮に居座る事になった。

 

「お前、名前は?」

 

「龍神空です。空って呼んでください」

 

「俺は上条当麻。好きに呼んでくれ。よろしくな、空」

 

「こちらこそよろしくお願いしますね、お兄さん」

 

「お、お兄さん……。違和感がありまくりだな。別の呼び方にしてくれ。一応妹もいるからな」

 

本人がそう言ったので当麻さんと呼ぶことにした。お詫びついでに俺の頭を()()でわしゃわしゃと撫でた。

その瞬間、ガラスが砕けるような音がした。

 

「俺の右手が反応した!? って、お前……その頭……!」

 

「?」

 

俺の頭になにかある―――え?

 

気になって頭を触ってみたら、髪の毛以外に硬い突起物のようなものがあった。

 

「どんなのがあります?」

 

もしかして……。

 

「角……みたいだな。水晶みたいに透き通っててスゲー綺麗なやつ」

 

予想通りのものが頭にあった。

普段隠しているはずの角があるということは()()()姿()に戻りかけている状態だ。

だが、俺は自分からその姿になることは戦闘以外では滅多にない。

それなのに出ているということはあの右手に触られたことが原因とみていいだろう。

 

他の部分も触られたら完全に……。出来るだけあの右手には触れないようにしておこう。いや、そんな余裕なんてもうないか。

 

「その角を見るに、空は人間じゃないんだな」

 

「そうですよ。化け物だと知って怖くなりました?」

 

「いや、全然」

 

「……え?」

 

「この“学園都市”には魔術とか科学とかわけわかんねーものが多い。それに天使にだって会ったことあるからな。今更頭に角が生えたくらいじゃ、驚かないぜ」

 

上条当麻はなのは達と同じように俺を拒絶しなかった。

だが、なのは達付き合いが長かったからであって、今しがた出会ったばかりの人が受け入れてくれると誰が予想できようか。

 

「それに、俺も生まれつき変な力があるからな」

 

どこか自嘲気味に自分の右手を見つめていた。

 

『…………』

 

二人の間にしんみりとした雰囲気が漂う。

 

「は、早く寮に行きませんか!?」

 

「そ、そうだな! うん、そうしよう! 寮はこっちだ!」

 

話が進まななくなってしまったので、強引に話題を変えた。

お兄さんが歩き出した方向に俺も進みだす。

 

「ね、ねぇ、あんた!」

 

進みだした方向にどこかの制服を着た少女が現れた。

肩に触れるか触れないかくらいの長さの茶髪。歳はお兄さんよりも下に見える。

“あんた”と呼んだのは俺ではなく当麻さんの方に向けてだった。

 

「さっきのおにぎり……どう、だった?」

 

頬を赤らめてチラチラと様子を窺う少女。

察するにこの少女がおにぎりを渡したみたいだ。

 

「え、おにぎり? (あ、ああ、そういやそんなのあったな。食ってないけど)ありがとな、美味しかった!」

 

「ん? 当麻さん、さっき知り合いに食われたって……」

 

「……食われたってどういうこと?」

 

恥じらっていた顔から途端に能面のような表情になった。

 

しまった。事情は分からないけど話を合わせるべきだった。

 

「実はな……こいつが俺から奪ったんだ!」

 

当麻さんの指差す方にいるのは俺。

 

あれれー? なんか俺の所為にされかけてるよね?

 

「今の、ホント?」

 

ギロリと殺気の籠った視線が俺に向けられた。

 

「違います!」

 

「はぁ!? テメェ、俺の飯盗んどきながらしらばっくれる気か!? 仏よりも仏なことで定評のある上条さんでも食い物に関しては人一倍怖いんだからな! 大人しくビリビリの制裁受けろ!」

 

仏よりも仏ってなに!?とツッコミを入れそうになった直前で、俺達二人の間に雷撃が迸る。

攻撃が来た方向を見れば、身体の周りに電気を発生させる少女がいた。

 

電気を使う能力? でも、魔力は全く感知できなかった。さっき当麻さんが言ってた科学の方の力かな? あとで詳しいこと聞いてみたいな。

 

「ビリビリって呼ぶなって……言ってんでしょうがッ!」

 

って、やば! 呑気に考え事なんかしてる場合じゃない!

 

彼女を中心に多数の雷撃が俺達二人に襲い掛かる。これでは完全にとばっちりだ。

当麻さんと顔を見合わせて頷きあうと一斉に駆け出した。

そして、冒頭に戻るわけだ。

 

「道草食ったけどこれで寮に行けるな」

 

小休止をしたあと、今度こそ寮に向かった。

 

 

 

 

 

「ここが俺の住む寮だ。ただいま」

 

「お邪魔しまーす」

 

当麻さんに続いて俺も部屋に入る。

床はフローリング。台所は部屋と隣接。トイレ、風呂がある。

ここに来るまでにボロいと愚痴っていたが、外観だけで、中身はそこまで酷いものではないと思う。

部屋の奥に進むとゲームをしている白い修道服を着た少女がいた。その傍には三毛猫が一匹。

 

「おーい、インデックス。帰ったぞー」

 

「あ、とうま! おかえり! お腹が―――おや? その男の子は誰なのかな?」

 

当麻さんの声に反応して少女がゲームを中断。俺の存在に気が付いた。

 

「こいつは空。えーっと、俺の親戚なんだよ。家庭の事情でしばらく預かることになったから」

 

もちろん彼の出まかせ。寮の管理人にも同じことを言ってなんとか入れてもらえた。

 

「へぇー! 私はインデックス! こっちはペットのスフィンクスだよ! よろしくね、空!」

 

長い銀髪と緑色の瞳。14、5歳の少女だ。見た目に反して日本語がペラペラで驚いた。

 

「こちらこそよろしくお願いします。どのくらいここにいるかわかりませんが、手伝えることがあれば何でもやりますね」

 

「おおー! 若いのになんてできた子! とうまも不幸不幸言ってないで好青年にならないかねぇ?」

 

「おうおう随分な言いようですねインデックスさんよ。家事を手伝わず食べるか寝るかゲームするだけのシスターさんにだけは言われたかないね!」

 

皮肉たっぷりのインデックスさんに当麻さんも黙っていない。

 

「それが私の仕事なんだよ!」

 

「そんな楽な仕事があってたまるか! このパチモンシスターが!」

 

居候シスターの仕事はただ飯食らい。俺の世界じゃ考えられない。

 

「……とうま、言ってはならないことを言ったね? 今のは教会を敵に回すってことで良いんだね?」

 

「はっ! 教会だか魔術だか知らねぇが……そのふざけた幻想を―――」

 

「あ、台所借りますねー」

 

「言わせて! 上条さんの決め台詞最後まで言わせて!」

 

良いところで遮って台所に入る。

来る途中に買ってきた材料を出し、料理を始めた。

 

「できましたー」

 

一時間程で料理が完成した。

白米、味噌汁、焼き鮭、だし巻き卵、きんぴらごぼう。ザ・和風の料理が机に並んだ。

 

『美味しい!』

 

二人からは大絶賛。

その日の夕飯はおかわりを要求しまくるインデックスさんに当麻さんが人知れず泣いたのだった。

 

 

 

 

 

翌日、当麻さんが高校に登校しなければならないそうだ。

 

「インデックスは家にいるだろうけど、空はどうする?」

 

「最初は一緒に学校まで行こうかなって。そのあとは適当に散歩してます」

 

ついでに力の正体を探すのと昨日の人に会いたい。

 

「わかった。暗くならないうちに帰って来いよ」

 

「はーい」

 

一緒に部屋から出た。

そのまま階段を下りるかと思いきや、当麻さんは女子寮に入って誰かの部屋のチャイムを鳴らした。

 

「おはよ、当麻」

 

「おう。学校行こうぜ、英竜(える)

 

部屋から出てきたのは小柄な体系で白髪、赤い瞳の少女。

その姿にイリヤを連想させた。

 

「その子は?」

 

「俺の親戚。しばらく家に泊まることになってる空だ」

 

「空です。よろしくお願いします」

 

「……ふーん。星空英竜(ほしぞらえる)だよ。こちらこそよろしく」

 

かなり訝しむ視線を向けられながらインデックスさんの時と同じように挨拶を済ませて寮の外に出た。

学校の正門に着いたらそこで二人とは別れて自由行動開始。

 

「どこに行こうかな?」

 

昨日も見たが右を見ても左を見ても同じような高層ビルばかり。興味をそそられるようなものが見つかりにくい。発展しすぎるのも考えもの。

 

「よーしっ! 走りながら色々探検しよーっと!」

 

軽く準備運動をして学園都市内を走り出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 





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