デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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空ハッピーデイリー編 3
これが超次元サッカーです! (前編)


これが超次元サッカーです! (前編)

 

Side空

 

幻想郷から帰ってすぐのこと、俺が気絶してる間にフラン達の歓迎会をする流れになっていたそうだ。

飾りつけは七罪の能力ですぐにできるし、あとは大量の料理だけ。そこは俺が影分身して手分けしてどんどん作っている最中だ。

タマモが手伝うと言っていたが、歓迎される側のヒトにそんなことはさせられないと説得してタマモには待っていてもらってる。

なんだかんだ言って十香達がフラン達を拒絶するつもりはなくてよかった。

 

……あれ? なら、なんで殴られたの?

 

ひょっとして殴られ損なのでは?という気がしてきたが、美雷や十香がお腹を空かせて待っているだろうから料理に専念することにした。

一時間程で全部の料理を作り終え、テーブルにどんどん並べていく。

全員に飲み物が行き渡るのを確認した琴里がマイクを使って声を響かせた。

 

「今日は幻想郷から来たフラン、タマモ、ジバニャン、コマさん、ウィスパーの歓迎会よ。皆仲良くしてあげて」

 

『はーい!』

 

皆の返事に満足げに頷くと「乾杯!」と持っていたグラスを掲げた。歓迎会の始まりだ。

 

「フランとタマモはここに住むってことでいいの?」

 

俺の左右の席に座る彼女達に聞いた。

正直、二人が付いてくることは俺の想定外だ。

 

「基本的にはそのつもり。お姉様が月一くらいで戻ってきてって言ってたからたまに帰るけど」

 

「私はここに永住しますよ。ご主人様のいるところにタマモありですからね! 家事のお手伝いも是非させていただきます!」

 

家事を率先して手伝ってくれるのは俺としても嬉しい。

精霊達は元からだし、夜空や星奈もただで住まわせてもらうのが申し訳ないと感じているようで積極的に家事を手伝ってくれる。

影分身があれば、この家の住人が去年よりも増えていても変わりはないのだが、俺が動けない場合や今回のようにどこかに行ってる時のことを考えると家事をする人が多いに越したことはない。

 

「わかった。今日は部屋の用意が全く出来て無いから布団になるけど、明日には二人の家具買いに行こう」

 

三が日が過ぎてお店もいつも通りに開いてるはずだ。

皆の食べるペースを確認して、デザートのケーキでも作るためにキッチンにまた戻った。

 

今日は……フランの好きなイチゴのショートケーキにしよう。

 

ケーキを作って戻るとなのは達がフランとタマモと何やら話していた。俺がいない間にもう仲良くなれたようで何より。

それから大した問題が起こることもなくフラン達の歓迎会は成功したのだった。

寝るときにフランがベッドの方がいいから俺と一緒に寝ると言い出した時に問題が起こりもしたが、何とか収まった。

 

 

 

 

 

歓迎会の翌日、幻想郷に行っていたせいで進められなかった学校の宿題を影分身を使って速攻で終わらせた。年を越す前に大半は終わっていたから時間が掛かることもなかったが。

ともかく、これで心置きなく修行と買い物が出来ると思ったのが、なのは達に抵抗する間もなくバインドで拘束されて河川敷のグラウンドまで強制連行された。

そしてグラウンドに集まったのは子供組のお馴染みメンバー。そこにフランやタマモもいた。

 

「これからサッカーをやるわよ」

 

『おー!』

 

サッカーボールを抱えたアリサの声に皆がやる気Maxといった表情で賛同する。

楽しいことをするのなら大いに結構なのだが、運動が苦手なはずのなのはやネリネまでやる気なのは珍しい。

 

「俺、フラン達の買い物が―――」

 

「それなら鮫島に頼んで手配済みよ」

 

お早いことで。

アリサのおかげで本日の予定終了。

この状況では修行はさせてもらえそうにないと大人しく準備運動を始めた。

 

 

 

 

 

「受けてみなさい! 『ファイアトルネード』!」

 

なんか試合になった途端、アリサが脚に炎をまとわせて回転しながら高くジャンプしてシュートを放った。

 

「そう簡単に点はやらないぜ! 『ゴッドハンド』!」

 

ボールが向かう先には雄人がキーパーとして立っていた。

握りしめた右手に魔力を溜めて開きながら上に掲げると巨大な手が頭上に浮かんだ。

右掌を前に突き出すと巨大な手も連動して前に出る。

そこにファイアトルネードが衝突した。

最初はいい勝負だったが徐々に雄人が押され始めた。

 

「うおおおおおおおおっ!!」

 

絶対に守ってみせると言わんばかりの雄叫びを上げる。

そして―――見事にボールを止めた。

 

「うっし! ついに止めたぜ!」

 

「フン、やるじゃない。でも次こそは決めてやるわ!」

 

 

 

………………いやいやいやいや! ちょっと待て! なにこれ!?

 

 

 

「君等何してんの!?」

 

『へ?』

 

俺以外の誰もが不思議そうな顔をしていた。

 

「へ? じゃなくて! サッカーなのになんで必殺技みたいなの使ってんの!?」

 

もしかして俺が幻想郷に言ってる間にサッカーが進化して超次元サッカーにでもなったというのか。

 

『……?』

 

あれぇ? そんな首傾げるようなこと俺聞いてるかな!?

 

「……あ、そう言えば空は幻想郷行ってたから知らないよね」

 

アリシアが思い出したかのように一人納得していた。

 

「実はね、空がいない間に必殺技を作って完成したら空に見せて驚かせようってことになったんだけど、イナズマイレブンっていうゲームを基にしてやったらなんか出来ちゃって。それで折角だから皆で必殺技覚えて超次元サッカーやってみよーってことになったんだよ」

 

イナズマイレブンというのは去年の冬に入る頃に発売された超次元サッカーゲームだ。

俺は全くやっていないため内容は知らないが、俺のクラスでは主に男子の中でそこそこ話題になっていたのを覚えてる。

それを彼女達なりに俺がいなかった三日間で魔力で工夫して出せるようになったようだ。

自分で言うのもあれだけど、この子達はなにを目指してるんだろうと思ってしまう。

フランとタマモがこの世界の常識を誤解する前に説明して俺も試合に加わった。

 

 

 

チーム・アリサ

 

FW アリサ 美雷

 

MF 夜空 星奈 ユーノ 愛衣

 

DF なのは すずか 白音 黒歌

 

GK 朱乃

 

 

 

チーム・リアス

 

FW シア フェイト アリシア

 

MF リアス ヴァーリ 明日奈 ()

 

DF はやて あかり ネリネ

 

GK 雄人

 

 

 

という風にチーム分けがされていた。

ベンチには交替出来るようにユーリ、リコリス、ティアナ、タマモ、フランが座っている。ジバニャン達も彼女達の膝の上で応援してくれる。

審判であるアルフがホイッスルを鳴らして、リアスチームからのゴールキックで試合が再開された。

 

「空!」

 

ボールがいきなり俺のところまできた。

胸で軽く弾いて足でトラップ―――した瞬間、ユーノにスライディングでカットされてしまった。

 

「空、これが普通のサッカーだと思っているようなら、君は僕に勝てないよ」

 

「……え」

 

誰だお前、という出かかった言葉を無理矢理引っ込めてボールを追いかける。

今のユーノは身体能力を魔力で強化していた。見たところ他の皆も同じみたいだ。

チーム毎の男女比がおかしいとは思っていたが、魔力を使えば大した差も生まれないと考えたのだろうか。

 

これは呑気にやってたら負けるな。

 

現在、ボールは愛衣の下にある。

ドリブルで攻め上がり、はやてがディフェンスに来たところでバックパス。

パスを貰ったなのはがシュートのモーションに入る。

 

「『ディバインバスター』!」

 

なのはがよく使う魔法をそのまま必殺技にして、桜色の光を纏ったボールを空中で思いっきり蹴り放った。

 

センターラインからのロングシュート!?

 

「させないわ! 『ルイン・ザ・カット』!」

 

ボールと雄人の間に下がっていたリアスが割り込み、振るった脚から滅びの魔力を刃のようにしてはなった。

『ディバインバスター』と『ルイン・ザ・カット』がぶつかり合う。

勝負を制したのはなのはのシュート。

だが、威力はリアスの必殺技によって激減していたおかげで雄人は難なくキャッチに成功。

 

「反撃よ!」

 

キャプテンのリアスの掛け声で攻めに転じる。

雄人が近くに居たはやてにパスし、はやてからヴァーリにボールが渡った。

 

「ヴァーリを止めなさい!」

 

アリサの指示に従って星奈と夜空がヴァーリの行く手を阻む。

 

「『ラ・フラム』!」

 

星奈が舞い踊りながら業火を放つ。

意味はフランス語で炎の意味だったはずだ。

 

「ヴァーリ、こっち!」

 

俺の呼びかけにヴァーリが業火を跳んで回避して、迷うことなくパスを送ってくれる。それも俺が獲れるギリギリのだ。

 

「ヴァーリ、ナイスパス!」

 

「行かせない!」

 

「あらよっと」

 

ユーノのスライディングをボールと一緒に跳んで回避。

そのまま一人で攻め上がる。

 

超次元サッカー、かぁ……。俺も必殺技くらい使えた方がいいのかな?

 

龍神化して蹴れば必殺技なんて無くても十分な気はするが、そんなに長く続くわけでもないし、態々遊びで使うほどでもないだろう。やはりここは皆の流れに合わせて俺も必殺技の一つや二つ出してみたい。

 

「これ以上は行かせません」

 

「空、覚悟するといいニャ。『キャットコンビネーション』!」

 

ユーノの次は白音と黒歌の猫又姉妹が俺の前に立ち塞がる。この姉妹を相手に無理矢理突破するのは困難を極めるだろう。

 

「空、こっち!」

 

「アリシア!」

 

姉妹が来たことでマークの外れたアリシアがフリーだ。

二人の必殺技でボールを奪われる前に白音の股にボールを通してパスを出した。

 

「『スノーエンジェル』!」

 

アリシアがシュートを放つ体勢に入った。

しかし、アリサチームのすずかが雪風を纏いながらジャンプして脚を三回振るう。すると、アリシアのいた場所から氷柱が生えて氷漬けにしてしまった。

ボールを確保したすずかが外に出してこちらチームのスローインからとなった。

 

不利な体勢を整えるためにわざと出したのか。

 

明日奈がスローインをする。

ユーノと愛衣のマークを外して俺が貰った。それをすぐに明日奈に返して前に上がる。

 

「『閃光の舞』!」

 

ドリブルしながら揺らめく閃光(ランベント・ライト)を取り出し、愛衣とユーノと接触する寸前で閃光となって加速した。

二人が抜かれたと気付いたときにはすでに明日奈は逆サイドのシアにパスを出していた。

シアがボールを蹴り上げて、追いかけるように天使の翼で天高く飛び上がる。彼女の背後に巨大な扉が出現した。

 

「決めるっす! 『バイオレンス・ヘブン』!」

 

シアの声に応えるようにして、開かれた扉から光を纏ったボールがゴールへと向けて放たれた。

ゴールを守る朱乃はいつもと変わらない笑顔を浮かべながら、人差し指を天に向かって突き出す。すぐに朱乃の上にバチバチと放電する黒い雲が出来上がった。

 

「『サンダーボルト』!」

 

そこにボールが入った瞬間、激しい放電をした。

シアのシュートは威力を無くして黒焦げのボールが朱乃の足元に落ちたのだった。

 

え、えー……? 超次元ってあそこまでしていいの?

 

最早戦闘で使う必殺技と何ら変わりない気がするのだが。今のシアの必殺技なんて光が弱点の悪魔が喰らえば一撃死するのでは?と思うくらい強烈だった。

朱乃がボールを投げて、なのはに。それから星奈に渡って、フォワードの美雷にボールが行った。

見事としか言いようがない速攻で今度は俺達がピンチだ。

 

「行っくぞー!」

 

美雷の素早いドリブルではやてとあかりが抜かれる。

残るはキーパーの雄人を除いてネリネのみ。抜かれてしまうと決定打を与えてしまうことになる。

 

「『ゴー・トゥ・ヘル』!」

 

ネリネが地面を踏みつけると黒いオーラが美雷の足元にあるボールに集まる。そこを中心に地面がひび割れ、衝撃波が発生して美雷を吹き飛ばした。

 

なんとか防いだか。

 

ネリネがボールを確保して前半終了を告げるホイッスルが鳴った。

与えられた時間は5分。チーム毎に分かれて休憩兼作戦会議の時間となる。

俺達のチームはキャプテンであるリアスが仕切ってくれている。

 

「作戦会議よ。前半は0-0。後半からは相手はガンガン攻めてくるでしょうね」

 

「どうしてそう思うの?」

 

「アリサと美雷が消極的だからよ。この二日間一緒にサッカーしたけど、あの子達はボールを積極的に要求するし、シュートもガンガン狙ってくる。恐らく後半に温存してるのね。アリサ達の動きには要注意だけど、おかげでこっちも守備に回ってないから大して体力の消費をしてないわ」

 

リアスは試合の中で相手の動きをよく見てる。

 

「後半はこっちも攻めていくわ。ポジション変更でヴァーリと空をフォワードに、アリシアとフェイトが両サイドについて。それからシアとネリネには悪いけど、ティアナとリコリスと交替してもらうわ。それ以外はそのままよ」

 

リアスの指示に各々頷く。

後半は俺も必殺技やってみようか。

 

幻想郷でやった技がサッカーで出来るかも……。……うん、いける。

 

頭の中で必殺技のイメージをする。

ある程度固まったところでハーフタイム終了の笛が鳴った。

 

「さあ、皆。私達の敵を吹き飛ばしてあげましょ!」

 

『おー!』

 

円陣を組んで後半戦に臨むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





とりあえずフェイトのお話は先延ばし。
試合は次回も続きます。
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