デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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正体バラします!

正体バラします!

 

Side空

 

月村家に着くと広い部屋に大勢の人―――あの場にいた全員―――が集まっていた。

俺、なのは、フェイト、アリシア、アルフ、リニス、プレシアさん、愛衣、王城君、ユーノの魔導師組。すずか、アリサ、明日奈。あとはメイドのファリンさんとノエルさんに、執事の鮫島さん。

アリサと明日奈の両親は別室に待機してるらしい。

最初は誘拐されたと聞いて相当焦っていたが、すでにアリサ達三人が無事だったのを確認して今は落ち着いている。

因みに忍さん達とは翠屋でのアルバイトや家に遊びに行ったときに知り合った。

 

「えっと、話をしたいのだけれど……いいかしら、空君?」

 

忍さんから、いやここにいる全員から注目を浴びている。

 

何人かが殺気出してくるんですけどッ! そして、王城君笑うな!

 

「そう言われても……二人が放してくれないんですけど」

 

さっきから隣にいる明日奈とアリサが俺の手を放してくれないのである。

試しに放してと頼んでも明日奈に笑顔で「無理♪」と言われ、アリサには「うるさい!」と言われ頬を赤く染めて、そっぽを向かれる。

 

恥ずかしいなら離せばいいのに……。

 

「まあ、いいわ。最初に聴くけど、私とすずかは夜の一族っていう吸血鬼よ」

 

それがあの男の言っていた意味か……。

 

「それでここにいる人には二つの選択肢があります。一つ、私達のことをきっぱり忘れる。二つ、盟約を結んで、生涯を共にする。それの二つです。さあ―――」

 

『二つ目で!』

 

迷うことなくアリサと明日奈は答えた。

 

「アリサちゃん、明日奈ちゃん……」

 

すずかの眼からは嬉しかったのか涙が零れていた。

 

「……そう。他はどうかしら? といってもいきなり聞かされても困るわよね」

 

それは魔導師組の人に言っているのだろう。

 

「私はすずかちゃんとお友達でいたいです!」

 

なのはを皮切りに学校で仲がいい人達は迷いなく答えた。

ユーノや王城君みたいな友達という関係でない人も一応盟約を結ぶことになった。

 

「それで、空君は?」

 

最後に俺の番が来た。

 

「そりゃもちろん盟約を結びますよ」 

 

ここで一つ目選ぶ奴は勇者を通り越して神だと思うよ。

 

『私が神ですが?』

 

ヤハウェが何か言ってるけど無視!

 

「分かったわ。それじゃあなたはすずかの婚約者になってもらうわ」

 

『…………は? 婚約者?』

 

「ちょ、ちょっと待ってください! 何で俺なんですか!? ユーノや王城君だっているじゃないですか! それにすずかの気持ちを無視してまですることじゃないです!」

 

それと隣の二人はどんな握力してんだよ!? 滅茶苦茶痛いんだけど!

 

「だって、男の子三人の中で一番仲が良いのはあなただし、すずかも満更ではないみたいよ?」

 

「お、お姉ちゃん! 勝手なこと言わないで!」

 

すずかが顔を真っ赤にして姉に怒鳴っていた。

 

「そうです! 空君は私と結婚するんです!」

 

「それも違うよ、なのは! 空は私とだよ!」

 

「空が好きなのは私なんだからね!」

 

「皆諦めなさい。空君の運命の相手は私よ」

 

「し、仕方がないからこいつは私がもらってあげるわ!」

 

「空君は私と一緒が良いよね?」

 

えぇッ!? これ、どういう状況!? それと王城君吹くな! ユーノ助けて! あと、明日奈の笑顔が怖い!

 

「皆、落ち着いて。私に良い考えがあるわ」

 

プレシアさんによってその場の喧騒が一旦治まった。

 

良い考え? 嫌な予感しかしないのは何故だろう?

 

「詳しいことは後で説明するけど、ミッドチルダには一夫多妻制があるのよ。それなら皆と空君が結婚が出来るわ」

 

「それはいい考えですね! そうしましょう!」

 

皆も納得したのか『賛成!』とばかりに頷いていた。

 

なるほど、その手があったか……って違うだろ! それと王城君腹を抱えて笑うな! ユーノ、目をそらすな! 助けて下さい割とマジで!

 

「いや、あの俺の意見聞いてくださいよ!」

 

「あら? うちのすずかじゃ不満なのかしら?」

 

「そ、そういうことじゃなくてですね。その、不純と言いますか何と言いますか……。恭也さんだって反対ですよね!?」

 

「いや、お前ならなのはのことを幸せに出来ると思ってるから構わない」

 

ウソでしょ!? あの恭也さん(シスコン)が反対しなかった!? じゃあ今までなのはといるとあんなに殺気送ってたのは何だったの!?

 

「(ど、どうすればいいの!? 皆!)」

 

『ハハハハハッ! ドラゴンは力と異性を惹きつけるからな!』

 

『受け入れるしかないんじゃないのか?』

 

『面白いぞ。ナルトの奴もモテてたしな!』

 

『ダメです! このままではアザゼルと同じになってしまいますよ!?』

 

『そんなの私達が許さないんだし!』

 

『否認。姉に許可無く結婚など認めません。空は私達の共有財産ですから』

 

俺の中にいる奴らに聞いたがまともな答えはほとんどなかった。

それとドライグを後でぶっ飛ばすことを決意した。

 

「と、とりあえずそれは置いといて。次の話しましょうよ」

 

『逃げたな……』

 

ウグッ……皆の視線が痛い……。でも、めげない!

 

「まあ早急に決めることでもないから今はいいわ。……それで聞くけどあなた達は何者? 特に空君は」

 

「〈どうすんだ? 話すのか?〉」

 

「〈うん。でも二人のことは言わないつもり。〉俺は転生者です」

 

聞いたことが無い人は首を傾げていた。

 

「簡単に言うと、一回死んで神様に生き返らせてもらったっていうことです。信じ難い話だと思いますが、ホントのことです」

 

「(信じられない話だけどウソではないわね。)……分かったわ。じゃあ他の皆は?」

 

「他の皆は魔導師と言われる存在ですよ。こっからはユーノに頼むよ」

 

説明が面倒だから能力のことは話さなかった。

 

「うん。えっと、実はこの街にジュエルシードと言われるものがあるんです。それはとても危険な物で、一刻も早く回収するために皆に協力してもらっているんです。今回の事件でもそれが発動した反応があったので駆け付けたんです」

 

その後も、ユーノはどうしてそうなったとかの経緯も全部話した。

 

「……なるほどね。大体の事情は分かったわ」

 

「ちょっといい? あんたユーノとか言ってたけどなのはが飼ってるフェレットと同じ名前なのは何で?」

 

「え? ああ、それは僕がそのフェレットですよ」

 

一拍置いて、事情を知らなかった人の声が屋敷に響いた。

 

「つまり、なのはの着替えを見たのか!? もしそうならこいつは生かしておけない!」

 

おっと~! ここで修羅の登場だ~! 対するユーノはどうする~!? 俺を助けなかった罰だ。少しは痛い思いをしろ!

 

「落ち着きなさい恭也」

 

「だが!」

 

「―――恭也」

 

「……分かった」

 

まさかの忍さん乱入で試合は引き分けになった~! チッ……ユーノめ、命拾いしたな……。

 

「これで互いに秘密を話し合ったわけね。それじゃ、今日は解散しましょう。皆、長い話に付き合ってくれてありがとう」

 

その言葉でようやく帰れると思ったのだが、そうは問屋が卸さなかった。

 

『今日、空(君)の家に泊まる』

 

と、それぞれの両親に会うなりそう言った。

親達は微笑みながらあっさり了承しやがった。そのあとお礼を言われたけど。

 

俺の意思は無視ですか!?

 

しかもそれを聞きつけたなのはや愛衣、すずかも泊まりに来るとか言い出した。

 

 

 

 

 

というわけで、我が家に泊まることになったメンバーを引き連れて家に入ると、

玄関に皆はいた。俯いていて表情が分からない。

 

デジャヴを感じますね……。

 

「た、ただいま戻りましたー……」

 

『…………』

 

なんで誰も返さないの!? 逆に怖いよ!

 

「えっと、今日は友達が泊まることになったんでいいかな……?」

 

『…………』

 

だからなんで何も言わないの!?

 

無言の十香達は怖いがいつまでも皆を外にいさせるわけにもいかないので通り抜けようとした。

 

――――ガシッ!

 

誰かに肩を掴まれた。振り向けば、十香が俺を掴んでいた。

 

「な、何でしょうか……?」

 

「あとで、覚悟しておくんだな……」

 

それだけ言って皆中に入っていった。

 

……どうやら、今日が俺の命日らしいです。

 

悟った俺はなのは達を家にいれて、ご飯の用意をして皆で食べた。

 

 

 

 

 

そして、今は大浴場に十香達と入っている。

 

あれ? どうしてこうなったんだ? でもありがとうございます! 眼福です! ってそうじゃない! いや、眼福なんだけども!

 

「ね、ねぇ、なんで皆してここにいるの?」

 

「空さんがイケないんですのよ?」

 

「え? 俺!?」

 

俺がなんかしたの!? それと狂三! 腕を胸に挟まないで!

 

「空君が色んな女の子を引っ掛けるからお姉ちゃん達心配になってね。そろそろ攻めに行かないとって思ったの♪」

 

大人モードの七罪が後ろから抱き着いて来た。

 

や、柔らかい! 大きい! ってやばいよ! 耳たぶ噛まないで!

 

理性が崩壊しそうになりながらもなんとか耐えていた。

 

「それで、空はどうするの?」

 

「どうするって何を?」

 

「結婚のことに決まってるじゃないですかぁ!」

 

「……それは簡単に決められるもんじゃないよ」

 

「そ、そうです……よね」

 

皆はどこか安心したように息を吐いていた。

 

「そろそろ上がりたいんだけど……」

 

「む、ダメだぞ。まだ、ゆっくり浸かってないではないか」

 

もう勘弁してください……。

 

「私達が言いたいのは出来れば私達のことも考えて欲しいなーってことだよ、少年」

 

皆のこと……あ、自分の認めた奴じゃないと結婚はさせないという訳か……。ブラコンここに極まれり。

 

「分かった。皆のことも考えるよ」

 

なんて言いはしたが、彼女達が認めるような相手って誰?

 

「まあ、空のことだから心配はしてないけどね」

 

「いっそのこと全員幸せにすれば問題ない」

 

え、俺にハーレム作れと!?

 

「期待してるのじゃ、空」

 

えーマジですかー?

 

「じゃあ、はい、その、頑張らせていただきます」

 

適当に返事して早くここから出たかった。

 

「もういいよね? 俺出るから!」

 

「まだ良いではないか」

 

「請願。七罪、空を貸して下さい。抱きしめます」

 

「はい、どうぞ~♪」

 

今度は正面から夕弦に抱きしめられた。

 

ギャー! む、胸が当たってるー! 顔近い!

 

「私も抱きしめたいですぅ!」

 

美九にも後ろから抱きしめられた。

 

ヒャア! 挟まれてる! 胸で挟まれてる!鼻血が出そう!

 

「あ、あの、もう、は、放して……」

 

「拒否。嫌です。もっと空を堪能させてください」

 

「そうですぅ! 減るもんじゃないんですからいいじゃないですかぁ!」

 

今現在進行形でガリガリ俺の理性が減ってますよ!

 

「そろそろ交代。次は私の番」

 

「了承。名残惜しいですが、マスター折紙どうぞ」

 

夕弦から折紙へと受け渡されて後ろから抱きしめられた。

 

まだ続くの!?

 

『四糸乃も抱き着いちゃえー』

 

「う、ん……し、失礼、します……ッ!」

 

「四糸乃まで!?」

 

前からは四糸乃が抱き着いて来た。

 

四糸乃は胸が大きくない分密着する部分がデカいよ! 折紙! 首筋舐めないで!

 

『空君、どうよー? 気持ち良いー?』

 

気持ち良いよ! 気持ち良いけどさッ! このままだとホントにヤバいよ!

 

結局、皆に交代で抱き着かれてようやく解放された。

 

「もう……お婿に行けないよ……」

 

「その時はむく達がもらってあげるから安心するのじゃ」

 

嬉しいこと言われてるのにそんな気がしないのは何故だろうか……。

 

 

 

 

 

先に風呂から上がり、アルフとの約束通り狼の着ぐるみを着た。

 

「うんうん! 似合ってるよ!」

 

アルフは満足そうにしていた。

 

「ありがと。気に入ったからパジャマにでもしよっかな?」

 

意外と悪くないかも。

 

『ぜひ!』

 

なのは達にも大絶賛だった。

 

「そっか。じゃあそうするよ。俺は先に寝るけど皆は好きな部屋で寝ていいから」

 

『空(君)と一緒に寝たい! え?』

 

「え?」

 

見事なまでに皆のセリフが被った。

 

「別に同じ部屋でもいいよ。あ、布団出さないと」

 

「私は空君と同じベッドで全然いいよ♪」

 

「お、そっか。明日奈は俺の隣ね」

 

『なッ!?』

 

明日奈を除いたメンバーが驚きの声を上げていた。

 

皆、何に驚いてるんだ? あ、一緒に寝るってマズイ感じ? いつも誰かと寝てる俺の感覚が可笑しいのかな?

 

「あとから来て良い度胸ね……」

 

愛衣が明日奈を睨みつけながら言った。

 

「恋に遅いなんてことはないよ。最後に勝てばいいんだもん」

 

あれ? 不穏な空気になって来た?

 

「えっと、他は?」

 

『空(君)の隣!』

 

「うーん、全員は無理だからジャンケンして」

 

そうしてなのは、アリサ、すずか、フェイト、アリシア、愛衣の六人でジャンケンして

俺の隣で寝る人を決めた。

 

 

 

 

 

結果は―――

 

「その……お邪魔します」

 

勝者のすずかがおずおずとベッドに入って来た。

 

「どうぞどうぞお構いなく」

 

「私もお邪魔しまーす」

 

反対からは明日奈が入って来た。

 

「手、繋いでもいい?」

 

「わ、私も……」

 

「どうぞー」

 

二人と手を繋いでベッドに横になった。

握っていた二人の手が少しだけ震えていた。

事件が解決してからは何でもないように振舞っていたけど、やはり今日の誘拐がよほど怖かったのだろう。

 

トラウマになんなきゃいいけど……。

 

「空君って誰かと寝るのって慣れてない?」

 

「そりゃ毎日お姉ちゃんやアリシアやフェイトと寝てるからね」

 

「あんた達一緒に寝たことあんの!?」

 

同じ部屋にいるアリサ達にも聞こえてたらしくアリサが反応していた。

 

「一緒に住んでるからね~!」

 

「むぅ~二人が羨ましいの!」

 

「なのはだって空と寝たことあるんでしょ?」

 

「それはそうだけど……」

 

「皆一緒に結婚出来る様になったんだからいいじゃない」

 

俺は結婚するとは言ってないし、そんな簡単に決められないよ!

 

「それもそうね。ところで、明日の休日どうする?」

 

それもそうねって俺の意思はないんですか?

 

「私は明日、お父さんがコーチしてるサッカーチームの応援に行こうと思うの。皆も一緒にどうかな?」

 

「そう言えば、俺士郎さんに出ないかって誘われてたな。暇だったしヴァーリと参加することになったんだよね」

 

「皆応援に行くわよ」

 

『おー!』

 

即決ですか……。まあ、いいんだけどさ……。

 

「それじゃ、お休み」

 

『お休み!』

 

よし、九喇嘛の力じゃなくて何か禁手(バランス・ブレイカー)に至らせるか!

 

俺は目を閉じて精神世界に潜り込んだ。

 

 

 

 

 

 




空君が羨ましいな……。
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