デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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A's編が進まない……。


兄が出来ました!

兄が出来ました!

 

Side空

 

俺の誕生日が過ぎてから数日後、龍神家に魔法を知ってるメンバーに集まってもらった。

 

「それでは、“八神はやてを救うためにどうやって魔力集めようか会議”始めまーす」

 

『長い!』

 

長いなら、縮めてみよう、作戦名。

 

「じゃあ略して“やぎ”で」

 

『今度は略し過ぎ!』

 

「もう、皆我が儘だなー。この先心配だよ」

 

全くやれやれだぜ。

 

「主、こいつを斬ってもいいですか?」

 

「流石にそれはあかんで! 我慢せなあかんよ!」

 

「クッ……」

 

はやてに止められて、シグナムさんは悔しそうに拳を握りしめていた。

 

「そうだそうだ。短気は損気だよシグナムさん。ま、そんなことは置いといて。魔力は魔導師から集めると犯罪になるらしいから魔獣とかはぐれが中心かな」

 

シグナムさんがいつ襲い掛かってもおかしくない様子だけど気にしないで続けた。

 

「はぐれって?」

 

「はぐれって言うのは自分の主を殺してお尋ね者になった悪魔だよ。あとは教会から追放された神父や悪魔祓いとかのことも指すね。ていうか、この世界で集めれば普通に管理局にバレないで出来るでしょ」

  

「そうね。ここにいる人達だけでも十分な魔力が集められるだろうし……」

 

「なら、さっさとこいつらから魔力貰おうぜ」

 

「だが、完成して何が起こるかわからんのだぞ? 場所を考えてからやらねばならん」

 

「なら、ギリギリまで集めて、無人世界で完成させれば問題はあるまい」

 

「それがいいかな。皆は何か意見ある?」

 

周りを見ると、愛衣が挙手した。

 

「私達は嘱託魔導師の仕事もあるから全員の魔力が無くなってると疑われるんじゃない?」

 

「それだったら一人ずつ期間を空けてやろっか。他に何かある?」

 

「完成したらはやてが大いなる力を手に入れるってことは分かったけど、どんな風に手に入れるのか具体的なことを知りたいんだけど」

 

言われてみれば、どうやって大いなる力を手に入れるかは聞いてない。

 

「シグナムさん達は何か知ってる?」

 

「そんなもんなんかこう……ほら、バーン! みたいな感じじゃね?」

 

『…………』

 

ヴィータの適当すぎる答えに誰もが呆れた。

 

「確か…………む? どうなるんだ? 完成した後の記憶が全くない……? 何故だ!?」

 

「あれ? 私も思い出せないわ……」

 

「それどころか前の主のことすら思い出せん……」

 

他の人達の反応からして具体的なことは分からないらしい。

 

「これはマズイな……。〈転生者の三人は知ってる?〉」

 

『〈もちろん〉』

 

転生者の三人が知っているならまだ何とかなるか。

 

「〈説明とかしてもらってもいい?〉」

 

「〈それなら私がするよ〉」

 

「〈お願いね〉」

 

「あ、私からいいかな? 完成した後のことは知ってるんだ」

 

「どうなるの!?」

 

「闇の書――――正確には夜天の書って言うんだけど、それを完成させると管制人格って呼ばれる人が出てくる。でも、夜天の魔導書は大昔に何度も書き換えられてしまった所為で制御しきれないために管制人格が暴走して世界を壊そうとするんだよ」

 

『世界を壊す!?』

 

はやての持つ本はそこまで強力な物だったのか……。ジュエルシードと同じロストロギアに含まれるのかな?

 

「だから、その人を倒さないといけないんだ」

 

「その人魔王より強いの?」

 

「それはない……かな?」

 

「まあなんにせよ、強いなら戦ってみたいな」

 

俺とヴァーリは管制人格がどれだけ強いか気になっていた。

 

「あんた達はホントに馬鹿なの!? 世界が危ないのよ!?」

 

「アリサちゃん落ち着いてよ。二人のこれはもはや病気なんだから」

 

『そこまで言うか!?』

 

病気と呼ばれて反論せずにはいられない。

 

『うん(ああ/ええ)』

 

『ヒドッ!』

 

俺達は満場一致で皆に頷かれてショックを受けた。

 

「そこの馬鹿二人は置いといて、そうなるとあたし達はどうすりゃいいんだ?」

 

「それは――――」

 

ここで俺はシグナムさんの言葉を遮って言い放った。

 

「そこはやっぱり――――」

 

そして自然とヴァーリが続いた。

 

「魔力を集めつつ―――」

 

最後に声を合わせて言い切った。

 

『修行しかない!』

 

という訳で今日から皆で修行を始めることにした。

 

「んじゃ、まだ意見があればどうぞ」

 

「そう言えば、どうしてあかりちゃんは闇の―――じゃなくて夜天の魔導書のことを知ってたの?」

 

なのはが気になっていたことをあかりに尋ねた。

 

「あ、それはね私のレアスキル?みたいなものだよ」

 

『レアスキル!?』

 

その言葉に誰もが興味を持った。

 

って原作知ってるから当たり前か。

 

「私は視たものがどんなものなのかが解るんだ。まあ、大雑把なことしか解んないけど」

 

それを聞いて皆がすごいといった表情をしていた。

 

特典の能力をちょっと言い換えただけか。

 

「なるほど。その力のおかげで大変助かりました」

 

それから会議が終わった後、地下のトレーニングルームで早速試合を始めた。

組み合わせはなのはとヴィータ、シグナムさんとフェイト、アルフとザフィーラさん、

雄人とアリサ、すずかと明日奈、シャマルさんとユーノ、アリシアとリニス、あかりと愛衣。そして俺とヴァーリ。

 

「よろしくね、ヴィータちゃん」

 

「ああ、高町……な、ナントカ?」

 

「なのは! 私はなのはって言うの!」

 

「うるせぇ! 言いにくいんだよ! 高町な、な、なにょは!」

 

というやり取りが試合前にあったそうな。

 

「さて、俺達も始めよっか」

 

「ああ。だが、ここは狭いから今回は体術のみだな」

 

「この人数だし仕方ないさ」

 

お互い構えをとってどちらからともなく相手に接近した。

 

「せいッ!」

 

「はぁぁぁあああッ!」

 

それからしばらくは二人で、皆が終わってから一時間ほど拳を交えていた。

 

『ハァ……ハァ……ハァ……』

 

互いに力尽きて、地面に大の字になって寝そべっていた。

俺達が終わるのを見計らってアリサと明日奈がタオルと飲み物を持ってきてくれた。

 

「あんたら異常だわ……」

 

「よくあんなに続けてられるよね」

 

「日頃から鍛えてますから」

 

「右に同じく」

 

呼吸を整えてから立ち上がり、皆が集まってるところに行った。

 

「さて、他の皆はどうだった?」

 

聞いてみると、なのはとフェイトがやけに落ち込んでいた。

 

「? 二人は何かあったの?」

 

「実は……」

 

「私達のデバイスが壊れちゃったんだ……」

 

そう言って二人は折れた杖を見せてきた。

 

「自己修復モードで直せないの?」

 

デバイスにはそんな能力があると聞いたことがある。ブレイブが壊れることって今まで見たことないからよくわからないが。

 

「出来ないこともないけど時間が掛かっちゃうの」

 

「だったらプレシアさんに頼めば?」

 

「そうね。私とリニスに任せてちょうだい。絶対に直してみせるわ。(フェイトの為に頑張るわ!)」

 

何故だろう。プレシアさんが考えてることが手に取るように分かってしまう。

 

「そんじゃ、今日はここまで!」

 

その日はそこまでで解散をした。

 

 

 

 

 

翌日。俺は翠屋でお手伝いをしていた。

扉が開く音がしたので振り向くと、お客様が来たことが分かった。

ただ、その入ってきた一人の少女には見覚えがあった。

 

「いらっしゃい――――ってイリヤ!?」

 

「あ、空君! 久しぶりだね!」

 

「お、君はあの時の」

 

「確か、イリヤのお兄さんでしたよね?」

 

橙に近い赤髪をした中学か高校生ぐらいの少年がイリヤの後ろに立っていた。

その後ろからさらに顔が似通った二人が入って来た。二人もイリヤの連れみたいだった。

 

っていつまでも驚いてないで接客しないと!

 

「お客様は四名様でよろしいでしょうか?」

 

「ああ、そうだよ」

 

「それではこちらのテーブル席へどうぞ」

 

イリヤ達が席に着くと、メニューを渡した。

 

「すぐにお水をお持ちします」

 

厨房に入って水を入れて、四人へと差し出した。

 

「メニューが決まりましたら店員をお呼び下さい」

 

イリヤ達の注文を受けて桃子さんに頼んだ。そして、他のお客の所に行こうとしたら桃子さんに呼ばれた。

 

「空君、あのテーブルの人は知り合いなのかしら?」

 

「一応そうですよ。それがどうかしました?」

 

「時間帯もちょうどいいから、休憩ついでに話してきたら? 幸い、それほどお客さんもいないから恭也達だけでも十分だと思うわ。それからこれを持っていってゆっくりして頂戴♪」

 

「分かりました。それではお言葉に甘えて休ませていただきますね」

 

桃子さんから俺の分のシュークリームとリンゴジュースとイリヤ達が注文したものを貰い、イリヤ達の席に向かった。

 

「ご注文のシュークリーム四つとコーヒーと紅茶二つとオレンジジュースです。イリヤ、今から休憩なんだけど、もしよかったら一緒にいい?」

 

「うん、いいよ! お兄ちゃん達もいいよね?」

 

イリヤが聞くと三人は快く承諾してくれた。

 

「ところであなたはどなたですか? イリヤさんとお知り合いみたいですが……」

 

「あ、そうでした。初めまして。龍神空っていいます。空って呼んで下さい。イリヤとはまあ、知り合いですね」

 

「ああ! あなたがイリヤさんの言っていた空さんですか! あ、申し遅れました。私はメイドのセラと申します。その説はイリヤさんがお世話になりました」

 

「妹で同じくメイドのリズだよ~。よろしく~」

 

うん。いかにも反対って言葉が似合いそうな姉妹だね。どことは言わないけど体のある一部分も正反対……。

 

「あの時は全然話せなかったから俺も自己紹介しとくな。俺は衛宮士郎。イリヤの兄貴だ。改めてあの時のお礼を言わせてくれ。イリヤを助けてくれてありがとう」

 

やっぱりこの人は真面目だな……。

 

「どういたしまして。ホントは大したことしてないんですけどね。ところでお味はどうですか?」

 

「とっても美味しいよ!」

 

「これを作った方に作り方を教わりたいくらいです」

 

残念ながらそのシュークリームは作れないんですよね。桃子さんも翠屋を継ぐなら教えてくれるらしいけど。

 

「いくらでも食べられる」

 

「今まで食べたことがないくらい美味しいな」

 

「それは良かったです。なにせ、そのシュークリームはこのお店の人気商品ですから」

 

翠屋で働く者としてはこれ以上にないほど大絶賛だった。

 

「そうだ! 今日は空にお礼をしに来たんだ。美味しさのあまり忘れるとこだった!」

 

士郎さんが突然お礼のことを思い出したらしい。

 

「アハハ……別にいいんですけど……」

 

ぶっちゃけ忘れてもらってもよかったんだけどね。

 

「それでお礼なんだが……何かないか?」

 

まさかの何も考えてないの!?

 

「えーっと、そう言われましても……」

 

何がいいかな? 断る? でも、士郎さんのことだから……ん? 士郎さん?

そう言えば、なのはの父親の士郎さんと名前が一緒だし、二人共さん付けで呼んでるから……。

あっ、だったら―――――

 

「兄さんって呼んでもいいですか?」

 

「ブフッ!」

 

それを言った瞬間、イリヤが飲んでいたジュースを噴き出した。

 

「イリヤさん! お下品ですよ!」

 

イリヤはセラさんに叱られてテーブルを拭いていた。

 

「に、“義兄さん”? 理由を聞いてもいいか?」

 

「実は俺の知り合いに士郎さんと同じ名前の人がいるんですよ。二人共士郎さんって呼んでるから分かりにくくて……。あ、ちなみにその士郎さんという人はあそこで接客してる方です」

 

なのはの父親の方の士郎さんを指さすとこちらに気付いたのかこっちへやって来た。

 

「どうしたんだい、空君」

 

「実はこちらにいる人が士郎さんと全く同じ名前なので呼び方を変えようかと思いまして」

 

「ふむ……だったら僕のことを“お義父さん”と呼んでもいいんだよ?」

 

「お父さん……ですか? それは流石に……」

 

そう言うと、士郎さんは少ししょんぼりして立ち去った。

 

「それで、兄さんと呼んでも構いませんか?」

 

「あ、ああ。俺なんかで良ければいいぞ(そういう意味だったか……。てっきり、イリヤとの将来を考えてるかと思ってたんだが勘違いだったな)」

 

「ありがとうございます、兄さん」

 

「ああ、よろし――――」

 

「ちょっと待ていッ! 空、お前には俺という兄がいるだろ!?」

 

士郎さん改め兄さんが何かを言いかけたところで、恭也さんが割って入って来た。

 

「え?」

 

この人はいつから俺の兄になったんだ?

 

「お前との仲はもはや家族と言ってもいいレベルだ! それなのに! 面識の少ない人を兄呼ばわりするのはいかがなものかと思うぞ!」

 

確かに恭也さんとの付き合いは長いけど……。

 

「いや、ただ単に同じ名前が呼びづらいから別の呼び方であってですね。他意は特にないんですけど……」 

 

「それなら父さんをお義父さんと呼んで、俺を義兄さんと呼べばいいだろ!?」

 

「さっき断りましたよ。第一、恭也さんて兄らしいところありました?」

 

昔からなのはといると睨まれてた気がするんだけど。

 

「そ、それは……」

 

「そんなわけで俺がなのはと結婚でもしない限りは恭也さんのままだと思いますよ」

 

「なん……だと……!?」

 

なんでそんなに衝撃的なこと言われたみたいな顔してるんですか?

 

「というか働いて下さい。さっきから美由希さんしか働いてませんよ。俺はちゃんと休憩時間貰ってますし」

 

美由希さんがメッチャ大変そうにしてる。

 

「そんなことよりもだな! 俺にとっては――――」

 

「恭也~? いつまでしゃべってるのかしら~?」

 

「か、母さん! 待ってくれ! これには深い理由(ワケ)があって――――」

 

恭也さんは桃子さんに首根っこを掴まれて厨房まで引きずられていった。

 

「な、中々賑やかな知り合いだな……」

 

「アハハ……」

 

「……すみません。俺の知り合いがご迷惑をおかけしました。お詫びに何か作ってきますね」

  

「空さんはお料理出来るのですか?」

 

「はい、結構自信あるんですよ」

 

「ほうほう。真面目で優しくて顔もかなり良い方。それに加えて料理が出来る。イリヤ、これはかなりいい物件だよ?」

 

「そ、それがどうしたの!? 私には関係ないよ!」

 

「ふぅーん、そっか、ならいいけど。いつか後悔しても知らないからね?」

 

「ウグッ……」

 

後悔? 何のことかな? こういうのは余計な詮索をしない方がいいね。

 

「じゃあ、少し待ってて下さい」

 

俺は厨房に入り、すぐにお菓子作りを始めた。

 

今回作るのは、アップルパイ。

使う材料は、リンゴ、砂糖、レモン汁、バター、冷凍のパイ生地、卵です。

まず初めに、リンゴを1cmに小さく切り分けます。

それをそのままバターと一緒に鍋に入れて炒めて、ある程度バターが行き渡ったら砂糖とレモン汁を入れ、蓋をして10分ほど煮ます。

そして、煮込み終えたのものを焦がさないように水分を飛ばしていきます。

完全に水分を飛ばしたらボウルにいれて冷まします。

ここで重要なのが、冷ますときに〈氷結傀儡(ザドキエル)〉の力を少し使うと素早く出来ます。

〈氷結傀儡〉が無い場合は氷を入れたボウルの上に置けばいいと思います。

次に、冷凍のパイ生地を解凍させます。

この時に白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の「半減」ですぐに解凍させられます。

無い場合は解凍されるまで待ってください。

解凍したパイ生地を切り分け、片方には切り込みを入れておきます。

そして、切り込みを入れてない方の上にリンゴを乗せて、上から切り込みを入れたパイ生地を被せます。

パイ生地を乗せたら、更にその上に溶きほぐした卵を塗ります。

これであとは焼くだけです。

180度に予熱したオーブンで20分~25分ほど焼きます。

しかし、ここでもさらに短縮します。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の「倍加」で火力を上げます。

すると、あっという間にこんがりと焼きあがります。これで完成です。

※赤龍帝の籠手を使う場合は焦げないように注意しましょう。

 

俺は完成したアップルパイをテーブルに持って行った。

 

「完成しました。アップルパイです」

 

「わぁー! 美味しそう!」

 

「これはすごいな!」

 

「折角ですし冷めないうちに食べましょうか」

 

「一番乗りは頂いた!」

 

全員がアップルパイを口に入れた。リズさんがフライングしていたがセラさんに阻まれた。

 

『美味しい!』

 

「お口に合って何よりです」

 

皆で食べるとアップルパイはすぐに無くなった。

 

『御馳走様でした!』

 

「お粗末様です」

 

イリヤ達とそれから少し話して、会計をした後、店の出入り口まで見送った。

 

「イリヤ、兄さん、セラさん、リズさん。またいつでもお越しください」

 

「また来るね!」

 

「今度は俺も何か振舞うよ」

 

「その時はぜひ我が家にいらして下さい」

 

「ゴチになりまーす」

 

「それではお気を付けて」

 

イリヤ達がいなくなったところで、休憩時間は終わったので気合いを入れ直した。

 

「さてと、休憩時間は終わりだね。あと少し頑張りますか!」

 

今日のアルバイトはイリヤと再会したのと士郎さんという兄ができた。なんだか、不思議な気分だ。今まで姉と呼べる人はたくさんいるけど、兄と呼べる人はいなかったからだろう。

 

え、恭也さんは違うよ。だってあの人シスコンじゃん。弟は要らないでしょ。さっき言ってたのは弟弟子が欲しかったんだろうね。

 

「空くーん! お客様に注文聞いてくれるかしら!」

 

「はーい! すぐに行きます!」

 

急いで指示されたテーブルに向かった。

 

「ご注文を…………ど……う、ぞ」

 

ヤバい。冷汗が止まんない。

 

「それじゃあ、さっき店員さんが楽しそうに話してたのはどこの誰なのか教えてくれないかしらァ?」

 

だって、何か知らんけど怒ってる顔をしてる十香達が目の前にいるんだもの。

 

「ほ、他のお客様の個人情報は流石に教えられません……」

 

「あれぇ? お客様は神様って聞いたことがありますぅ。そういうこと言ってもいいんですかぁ?」

 

「い、いくらお客様といえど、限度がございます」

 

今すぐ逃げだしたい……。

 

「そう。ならば家に帰ってからじっくりと聞くことにする」

 

よし、逃げよう。逃げるが勝ちだ!

 

「逃がしません……ッ!」

 

逃げようとしたら四糸乃に手首を掴まれた。

 

よ、四糸乃も怒ってるの!? 嘘でしょ!?

 

『大人しくしなよー』

 

「これは正当なる裁き。自分の罪を悔い改めよ!」

 

「要約。お前いい加減にしろよ。一体何人落とす気? 少しは反省しろということです」

 

何を反省しろと!?

 

「……ざまぁ」

 

七罪のその言葉が一番グサッと来る!

 

「フフフ、ホントに空さんはどうしようもない人ですね」

 

「ふむん。これはむくの能力で治せるかの?」

 

俺の何を治すの!?

 

「今夜は寝かさんぞ」

 

それは男が言うセリフじゃないのか!?

 

「お、これはいいネタになるかも!」

 

こんなことネタにされるなんてヤダッ!

 

『私達は惜しい人を亡くしました』

 

勝手に殺すな!

 

結局、家で色々大変でした。ええ、それはもう、身も心もズタボロにされたましたよ。

この街の七不思議になりつつある俺の叫びが、今日も街に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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