デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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魔力集めです!

魔力集めです!

 

Side空

 

七月の初旬に入り、季節は夏。

ここ最近はシア達がよく遊びに来るようになったり、イリヤの家に遊びに行くこともしばしば。

その度にリアスから眷属になれとしつこく言われるのはお約束になっていた。

そして、今日は魔導師組が龍神家に集まって模擬戦やらアドバイスやらと、色々していた。

と言っても嘱託魔導師組は仕事があってここにいないし、ヴァーリも用事があるらしくいない。

なのはとフェイトのデバイスはプレシアさんによって強化されたと聞いた。

 

強化されてからまだ一度も戦ってないからどれくらい強いか知りたいな……。

 

「シグナムさん。今どのくらいページ埋まってますか?」

 

一応ここまでの進捗状況を聞いてみた。

 

「大体500は過ぎていたな。お前達の魔力が予想以上に多かったから他から集めた魔力はまだそんなには無いがな」

 

「お前らの魔力で大分楽なのはいいがよ、スゲー魔力を持つ奴が多くてびっくりだぜ」

 

「そんなにすごかった?」

 

予想は何となくつくんだけど……。

 

「ええ、そうね。特に空君とヴァーリ君、雄人君の三人は異常に高かったわ。最初は埋まったページが信じられなかったくらいですもの」

 

ま、当然っちゃ当然だね。俺は特典のおかげで増やそうと思えばまだまだ増えるし、ヴァーリは魔王の血を引いてる。雄人も特典で最初からかなり多めだったが、今も毎日の特訓で増えてるって言ってた。

 

「ペース的にはどうですか? あとどのくらいで終わるとかの目安は付いてます?」

 

「そうだな……これだと空達の言う夏休み中には終わるのではないか? 皆の協力があれば、それほど苦でもないだろう」

 

「ザフィーラの言う通りだな。大体そのぐらいで終わるはずだ」

 

「そうですか。あ、最近誰かに視られてるっていうか監視されてる気がするんですよね……」

 

俺は最近気になっていたことを皆に話した。

 

「それって空君のストーカーか!?」

 

俺の発言にはやてがすごく驚いたように声を上げた。

 

「いや、どっちかっていうとはやての家に行くといつも視線を感じるんだ」

 

「我々を監視? だとするなら管理局ではないのか?」

 

闇の書もとい夜天の書は昔にプログラムを書き換えられバグが生じた所為で多くの人に被害をもたらした。そんな危険な力のある物を管理局が探さないわけにはいかない。

 

「考えられるならそうでしょうね。もしかしたら三大勢力のどれかの可能性も否定は出来ないですけど……」

 

一応、アザゼルさんやフォーベシイさん、ユーストマさんに干渉しないで欲しいと頼んではいるんだけど、はぐれの場合はどうしようもない。

 

三大勢力とは悪魔、堕天使、天使の三つの勢力のことを指している。

 

「ハッ、襲ってくるなら返り討ちにするまでだ!」

 

「あー、それは止めといた方が良いかも」

 

俺がそう言うとヴィータが食いついてきた。

 

「何でだよ! はやてに危険が及ぶかもしんないんだぜ!? 黙って見過ごせるかよ!」

 

「その人がはぐれとかなら問題ないけど、もし管理局なら無理矢理一方的に罪を押し付けられる可能性がある。そしたらはやてに迷惑掛かるよ」

 

「チッ……わかったよ」

 

舌打ちをしながらもなんとか分かってくれたみたいだ。

 

「ま、もしもはやてが大変な時は管理局ぐらい潰すけどね」

 

俺がサラッと言ったセリフに皆が固まった。

 

「……あたし達よりもこいつの方が危険なんじゃねぇか?」

 

「……否定できんな」

 

「空君が味方でいてくれてホントに良かったわ……」

 

「出来るだけ穏便に終わらせよう……」

 

四人は何かを強く決意したみたいだった。

 

「えへへ、空君が私のためにそこまで……。えへへへへ……」

 

はやてははやてですごくニヤついていた。

 

「じゃあ、そろそろ今日の分の魔力集めに行きますか」

 

「メンバーはどうする?」

 

「はい! 私行くわ!」

 

「私も行かせてください」

 

「私も」 

 

模擬戦を終えたアリサ、すずか、明日奈が手を上げて言ってきた。

 

「うん、わかった。後は俺と―――」

 

「私とシャマルで行くとしよう」

 

「了解です。そうだ、今日の場所は次元世界にしましょう」

 

「? どうして? いつもみたいに冥界か人間界じゃダメなの?」

 

「俺らを監視してる人をおびき出す為だよ。管理局の魔導師なら俺達に付いてこられるだろうし。それに偶には異世界もいいんじゃない?」

 

「気分転換的な?」

 

「そうとも言うし、色んなのと戦った方が修行になるからね」

 

俺の提案に皆は頷いて賛成してくれた。実際は上級クラスのはぐれに会ったら守れる自信がないという理由がある。

 

「皆気を付けてな。ちゃんと夕飯までには帰ってくるんやで?」

 

「ケガしないでね。そんなに心配はしてないけど」

 

「もちろんです。それでは行って参ります」

 

はやて達に見送られながら次元世界に転移した。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side???

 

「あいつらが動いた。今回は……どうやら次元世界に行くみたいね」

 

「それなら好都合ね。私達も急いで向かうわよ!」

 

絶対に闇の書を封印する! お父様の為に!

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side空

 

転移すること数回。ようやく目的地の無人世界に到着した。ここの荒野には原生生物がたくさんいるらしい。

 

「前から思ってたけど、どうして何回も転移するの?」

 

態々数回も転移することに疑問があったのか、明日奈が聞いてきた。

 

「それはね、俺達の住む世界だったり目的地を悟られないようにするためだよ。ストーカーがいたら嫌でしょ?」

 

まあ、今回はそのストーカーをおびき寄せる為なんだけど。

 

「そんなの当たり前よ!」

 

「分かったところで、早速蒐集作業始めますか!」

 

『ああ(ええ/うん)!』

 

探索を始めるとすぐに原生生物は見つかった。ティラノサウルスを思わせるような形をした全長5mはありそうな黒い生き物が三匹だった。シア達を襲った魔獣ほどでの強さはないと思う。

 

ここは明日奈達に任せてみよっと。

 

「一人一体ね。アリサ、すずか、明日奈の三人でやってみって。(狂三は倒された奴からほどほどに“時間”奪って)」

 

『了解ですわ』

 

指示を出すと、三人が各々の武器とバリアジャケットを展開した。

 

灼天の炎刃(クリムゾン・ブレイズ)!」

 

アリサの手には炎を纏った刀。

 

氷の創造手(アイスメーカー)!」

 

すずかの手の甲には氷。

 

揺らめく閃光(ランベントライト)!」

 

明日奈の手には淡い水色がメインの細身の剣。

そして三人が言っていたのはそれぞれの神器(セイクリッド・ギア)の名前だ。ちなみに命名したのはアザゼルさん。

 

「まずは私からよ! 緋翼一閃(ひよくいっせん)!」

 

一番乗りのアリサが炎の翼を背中から生やすと、勢いよく滑空しながら炎の刀で斬り裂いた。アリサがデバイスを持っているため非殺傷なので黒い生物は気絶しただけだった。

 

「おおー! 今のすごい! いつの間にあんな技覚えてたんだね!」

 

「アレぐらい出来て当然よ!」

 

なんて胸を張って当然のことのように言っているが、本人は嬉しそうな顔だった。

 

「中々良い技だな。今度手合わせしてくれないか?」

 

「望むところよ!」

 

アリサの技を見て触発されたのか、シグナムさんが手合わせをお願いしていた。

 

「次は私だね! 氷の槍(フリーズランサー)!」

 

すずかが片手を上空に向けると一本の氷でできた槍が生まれ、腕を振り下ろすと同時に槍は黒い生物へと真っ直ぐに突っ込んだ。そして、当たった瞬間、一瞬にして黒い生物は氷漬けになってしまった。

 

「すずかもすごい! 一瞬で凍った!」

 

「そ、そう言ってもらえると頑張った甲斐があったよ」

 

俺が褒めるとすずかは照れたようで髪をいじっていた。

 

「それじゃあ、最後は私! ペネトレイト!」

 

明日奈が剣に淡い光を纏わせると、高速の三連突きが繰り出され、明日奈が剣を仕舞うと黒い生物は力が抜けたように倒れていった。これにはシグナムさんも舌を巻いていた。

 

「速いな……。下手するとその内目で追えなくなるかも……」

 

「フフフ、いつか空君のここだって刺し貫いてあげるんだから♪」

 

明日奈が剣を向けていたのは俺の心臓辺りだった。

 

「俺を殺す気!?」

 

この子、笑顔で人のこと刺すとか言ってるよ! 

 

「蒐集終わったわよ~」

 

俺が明日奈にドン引きしている間に魔力の蒐集は完了したとシャマルさんから伝えられた。狂三の方も影が縮んでいるので終わったことがわかった。

 

「じゃあ、次行きましょうか」

 

次の獲物を探すために移動を開始した。

数分間探索していると、全長3mほどの大きさの猪に似た生物が数十匹はいた。

 

「多いな……」

 

「そうね。これだけの数になるとちょっと骨が折れるわ……」

 

他の三人も何も言わなかったが同じ気持ちらしい。

 

「あー、だったら俺がやってもいいですか?」

 

「何か手があるの?」

 

「まあ、それなりに。効くかどうかは分からないけど」

 

覇王色を使って気絶させることが出来ればかなり楽が出来る……といいなぁ。

 

俺は猪達の前に降りると、猪達は一斉に俺に気が付き、若干怯えた様子を見せた。

そのことに首を傾げていると、あることを思い出した。

 

あ、そう言えば俺って動物に嫌われやすいんだった……。でもその方が効き易いのかな? とりあえずやってみるか。

 

一度深呼吸をしてから覇王色の覇気を使った。すると、猪達は次々に倒れていった。明日奈達は何がどうなっているのか分からず、ただ困惑していた。

 

「シャマルさんお願いします」

 

「……え? あ、ええ、分かったわ!」

 

遅れて反応したシャマルさんだったがすぐに魔力の蒐集を始めた。その間に、俺は四人に問い詰められていた。

 

「今の何!? 何したのよ、あんた!」

 

「いきなり猪が倒れちゃったけど空君はどうやったの!?」

 

「あれだけの数を一気になんて……」

 

「……お前はホントに人間か?」

 

「い、今から説明するよ! あと、俺は人間ですからね!?」

 

それから蒐集を終えたシャマルさんも加えてから説明をした。

 

「覇気、そんなものがあるとは……」

 

「私達も使うことは出来るの?」

 

「さっき使った覇王色は限られた人しか使えないけど、それ以外の二つは可能だよ。実際、フェイトやアリシアは使える様になったし」

 

フェイトとアリシアの名前を出すと明日奈は不満そうな顔をしていた。

 

「ふーん、フェイトちゃん達には教えてたのに私には教えてくれないんだ?」

 

「教えるタイミングが無かったと言いますか何と言いますか……。というか何で拗ねてんの?」

 

「別に空君が私に隠し事してたからって不満がある訳じゃないよ? フェイトちゃん達に教えてるのに私には教えなかったことになんて、全然! これっぽちも! 1mmも! 気にしてないから!」

 

「そ、そう? ならいいんだけどさっきから剣でつつくの止めてくんない?」

 

地味に痛いんだけど……。

 

「…………」

 

「無言で刺さないで! あ~、もう! わかったよ! ごめん! もう許して!」

 

そっぽを向きながらもチクチクと攻撃してきたのが嫌になってよく分かんないけど俺が悪いみたいなのでとりあえず謝ることにした。

 

「……デート」

 

「は……?」

 

「……デートしてくれたら隠し事してたのチャラにしてあげる」

 

「何でそんなこ―――――喜んでデートさせていただきます!」

 

何でそんなことしなきゃいけないんだよ、と言おうとした途中で首筋に剣を突き付けられた。その時の明日奈の目はヤバかった。さっきの猪なんて視線だけで簡単に殺せそうなほどに。

 

「うん、楽しみにしてるね♪」

 

……これは俗に言う脅迫なのでは?

 

そう思ったが何か言えば殺される気がして黙っていることにした。

 

「ズルいわよ! 私ともデートしなさいよ!」

 

「私もデートしたいな……」

 

明日奈との会話を聞いていたのか二人もデートをしたいと言ってきた。

 

「えーそれはちょっとめん――――」

 

『何か文句でも?』

 

「アハハ、文句なんてある訳無いじゃないですか! そんなこという奴がいるならぶん殴ってやりますよ!」

 

明日奈と同じく二人にも武器を突き付けられて、デートするハメになってしまった。

 

「お前は将来嫁の尻に敷かれるな」

 

「まさしく青春ね♪」

 

実際尻に敷かれそうかもしんないけどそんなこと言わないで! それと、これのどこが青春なの!? 脅されただけじゃん!

 

『空さん、途轍もなく情けないですわ……。あ、私とも今度デートしてくださいまし』

 

「(狂三も!? 何回もしてんじゃん!)」

 

『読者の方は一度も見てませんのでよいではありませんか』

 

「(読者? よく分かんないけど分かったよ。デートしますよ。すればいいんでしょ)」

 

『しくしく、空さんがいつになく冷たいですわー。悲しいですわー』

 

「(ぐぬぬ……。はぁ……狂三、デートしよ)」

 

ウソ泣きと分かっていてもこれを無視すると後が怖いからなぁ……。

 

『はい♪』

 

狂三ともデートすることが決定した後もしばらく蒐集を続けた。

 

「今日はもうこれぐらいでいいですかね?」

 

「そうだな。私はまだいけるが、三人はキツイだろうしここらが潮時だろう」

 

三人の方を見ると、ケガは少ないが体力が持たなそうだ。

 

「それじゃあ、シャマルさんお願いします」

 

「ええ」

 

しかし、シャマルさんが転移魔法を発動させようとしたところで邪魔が入った。

 

「待て。その本を渡してもらおうか」

 

仮面をつけた男が少し離れた所に浮かんでいた。

 

「嫌だって言ったら?」

 

「力づくで奪うまで!」

 

言い切るとほぼ同時に仮面の男は俺達へと接近してきた。

 

「シャマルさんは三人を連れて先に帰って! シグナムさんは俺と残ってあいつを止める!」

 

「ほう……やれるものならやってみろ!」

 

男が殴り掛かってくるとシグナムさんがレヴァンティンで受け止めた。

 

「(行くよ、狂三!)」

 

『ええ、あんな雑魚は早く消して差し上げましょう』

 

「――――〈神威霊装・三番(エロヒム)〉ッ!」 

 

周囲の空間が歪み、俺の体に絡みついて、黒と赤で彩られた貴族服と黒のシルクハットに、

右目は赤で左目は狂三と同じ時計になった。

 

「―――――〈刻々帝(ザフキエル)〉ッ!」

 

そして、天使を発顕すると両手に古式の長銃と短銃が握られて、背後には巨大な時計があった。

 

時間を減らすのはヤだけど仕方がないか……。

 

「【七の弾(ザイン)】」

 

ローマ数字のⅦの部分から出た黒いモノが、握られた長銃に吸い込まれた。俺はそれを仮面の男に向けて引き金を引いた。

 

「ふん、こんなも―――――」

 

男が魔力強化で弾こうとしていたが、それは間違いだ。腕に触れた途端に男は時が止まったように動かなくなった。【七の弾】の効果は相手の時間を止める。停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)でも止められるが実力差があると効かない。

それを考慮して、今回は狂三の力で止めた。

 

よし、四人は無事転移出来たか。

 

「シグナムさん!」

 

「分かっている! はぁぁぁあああああああああああッ!」

 

俺が言うより早く、シグナムさんは男に斬り掛かっていた。男は【七の弾】の効果が切れて動けるようになっていたが、その時にはすでにシグナムさんが目の前にいて、レヴァンティンを振り下ろしていた。

 

「――――――なッ!? グハッ!」

 

男は斬られたものの、気絶するには至らず、シグナムさんから距離を取った。

 

「すまない。仕留めきれなかった……」

 

「次で決めればいいじゃないですか」

 

「それもそうだな。それよりも、さっさと終わらしてお風呂に早く入りたいものだ」

 

シグナムさんはお風呂が好きらしい。気が付けば何時間も入ってることもあるとか。

 

「その意気です。援護は任せて下さい」

 

「二対一などあまり好きではないが、場合が場合だ。全力で叩きに行くぞ」

 

「え、()()()()()()()()? 魔力は隠せてますけど、気配は全然です」

 

「なにッ!? 全く気付かなかった……。それも覇気の力なのか?」

 

このことにはシグナムさんだけでなく仮面の男も驚いていた。

 

「そうです。ちなみに場所は俺らの背後ですよ。ね? もう一人の人」

 

背後の何もない空間に俺が躊躇いなく引き金を引くと、銃弾は何かによって防がれた。

 

「……バレるとは予想外だったな」

 

ノイズのようなものが取れると、仮面の男と同じ姿の男がもう一人増えた。

 

「だが、そんなことはもうどうだっていい」

 

「こいつらを倒して、情報を吐かせよう」

 

「無理無理。あんたらじゃ俺達は倒せないよ」

 

「ガキ風情が調子に乗るなよ!」

 

俺の挑発でムキになった男がシグナムさんに攻撃を始めた。

 

「シグナムさん、そっちは任せます」

 

「ああ、我らヴォルケンリッターに一対一での負けは無い!」

 

確かにシグナムさん達は一対一ではなのは達に圧勝してたけど、初めて会った頃や模擬戦で俺とヴァーリに負けたのはカウントされないのだろうか? 

なんてことを思ったが、この空気でそんなことは流石に言えなかった。

 

まあ、任せておけば何とかなるでしょ。

こっちはこっちで倒さなきゃなんないし……。

 

「さあ、俺達の戦争(デート)を始めようか」

 

久々に決め台詞を言ってから、もう一人の相手へと攻撃を始めた。

男の方も魔力弾をいくつも放ってきたが手を突き出すだけで不思議な壁が形成され、すべて防いだ。

 

俺の相手は遠距離型でシグナムさんの方が近距離型か……。九喇嘛使った方が早く終わるかな。

 

「(狂三。能力はここまでにしとくね。こんな相手に勿体無いから)」

 

『分かりましたわ。空さんがそうおっしゃるなら私は何も言いませんわ』

 

相手から距離を取ってから霊装を解除した。

 

「なんだ? 諦めたのか?」

 

「そんな訳無いじゃん。この力をお前如きに使うのは勿体無いって思ったんだよ」

 

「馬鹿にしてるのか?」

 

「そうだけど。伝わんなかった?(九喇嘛、行くよ!)」

 

『ワシの出番か。あんな雑魚一分で片づけるぞ!』

 

「子供が粋がるなよ……ッ!」

 

男が魔力弾を放ってきたときにはすでに九喇嘛モードへと変わっていた。そのおかげで容易に回避が出来た。

 

「なんだその姿は!」

 

「敵にそんなこと教えると思う? そもそも説明がメンドイからしないけど……」

 

俺の姿が変わったことに驚いていたが、そんなことを気にしている場合ではない。俺は男に高速で接近しながら、両腕から魔力の腕を作り出し左右の掌に魔力を乱回転させて集めて蒼い球体―――螺旋丸を作った。

 

「!? は、速い!」

 

「螺旋連丸!」

 

そして、反応の遅れた男の腹に螺旋丸二つを全力で叩き込んだ。相手は螺旋状に吹き飛ばされ、そのまま地面に落ちた。

 

《バインドで拘束しておきますか?》

 

「うん、お願い」

 

ブレイブに頼んでバインドで拘束した。拘束されたのを確認してからシグナムさんの援護に向かうことにした。

 

一応、この人も連れてくか。最悪記憶は封印すればいいし。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Sideシグナム

 

私―――シグナムは男の一人を引き受けて、接近戦で勝負をしていた。

 

どうやらこいつは私のように接近戦が得意のようだな……。

 

それが戦っていて分かったことだった。

 

「ところで、貴様の目的は何だ? 闇の書を手に入れてどうするつもりだ?」

 

「……貴様には関係のないことだ」

 

当然だが答えてはくれないか……。

 

「まあ、何にせよ我らの目的を邪魔するのならば斬るだけだ!」

 

私が男に斬りつけると、シールドで防がれた。だが、先程斬られたダメージが残っているのか、男は態勢を崩した。

 

今が好機!

 

「レヴァンティン! カートリッジロード!」

 

《Load Cartridge》

 

私のデバイス―――レヴァンティンから薬莢が排出されると、レヴァンティンが炎を纏った。

 

「―――紫電一閃ッ!」

 

炎を纏ったレヴァンティンで男を縦に斬った。

 

「グッオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

 

男は魔力強化した腕で防ごうとしていたが、斬撃はあっさりとその防御を壊した。

 

毎日のように空達と模擬戦をした甲斐があったな……。こちらもダメージは合ったものの、おかげで少しは楽に勝てた。

 

私は気絶した男をバインドで拘束すると、丁度空がもう一人を連れてやって来た。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side空

 

「シグナムさん、終わりましたか?」

 

「見ての通り、たった今終わったところだ」

 

シグナムさんのダメージが酷いな……。

 

「シグナムさん、今治療しますね」

 

「……すまないな」

 

「謝らないで下さい。これくらいなんでもないですから。聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)

 

両手の指に緑の宝石が埋まった指輪を付けてシグナムさんのケガの部分に当てると、光が傷口を優しく包み込んだ。

 

「なんだか、温かい光だな……」

 

シグナムさんが感慨浸ったように呟いた。

 

しばらく、治療をしていると完全に傷は無くなった。

 

「それじゃあ、俺達はこいつらも連れて帰りますか」

 

「こいつらも連れて行くのか?」

 

「何が目的なのか聞き出さないといけませんから」

 

「だが、こいつらが話すとは到底思えんが……」

 

「そういうことなら家にはスペシャリストがいますから。(ね、狂三)」

 

『ええ、お任せ下さいな』

 

「……?」

 

シグナムさんは心当たりがないのか首を傾げた。

それも無理はない。だって、十香達の力についてはまだ説明してないのだから。

 

「さてと、帰り――――」

 

「待て! こちらは管理局の者だ。大人しく―――って空じゃないか!」

 

声のした方を向くと、クロノが驚いた顔をしていた。それと、ついでになのは達もいた。

 

「おおー、クロノ。久しぶりー。なんでこんなところにいるの?」

 

「ああ、久しぶり―――じゃない! こんなところで何をしている!」

 

「何って……このお姉さんとデート?」

 

デートと言った瞬間になのはとフェイトとアリシアと愛衣から一斉にデバイスを向けられた。

 

「あ、あの……冗談なんでそのデバイス降ろして下さいマジで調子に乗りました真に申し訳ございませんでした!」

 

その場で土下座を決めて謝った。

 

「……お前にプライドは無いのか?」

 

プライド? そんなモノは犬にでも食わせておけばいいんだよ!

 

「……そろそろいいだろうか? とりあえず君達二人は僕らに付いて来てくれ」

 

「どうして?」

 

「それは――――君達が闇の書に関わっていると報告があったからだ」

 

 

 

 

 

 

 

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