デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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遺跡発掘は危険でいっぱいです!

遺跡発掘は危険でいっぱいです!

 

Side空

 

突如、俺の目の前に現れた金髪さんは自分をオリヴィエ・ゼーゲブレヒトと名乗った。

 

………………いやいや、普通に考えておかしくない!? 

 

聖王は死んだ、と俺の持つ本には書いてある。となると、ここにいるのは一体誰なのだろうか?

女性をもう一度足から頭の天辺まで見るとあることに気が付いた。

 

この人………透けてる!

 

「あ、あの……オリヴィエ・ゼーゲブレヒトなんですよね?」

 

『ええ、そうですよ』

 

二度目の同じ質問にも嫌な顔一つせずに答えてくれた。

 

つまり、そういうことなの? この人って――――

 

「……幽霊なんですか?」

 

『世間一般的に言えば、今の私はそういう存在なんでしょうね』

 

オリヴィエさんの話を聞くと、あの時の戦争で自分の命が尽きたことを覚えてるそうだ。しかし、気が付くと幽霊となり、とてつもなく長い時間が移り変わっていく中を彷徨っていた、とのことだ。

 

「成仏する気とかないんですか? 暇なんですか?」

 

『それが出来たら苦労しませんよ! 幽霊だから暇です! 悪いですか!?』

 

別に悪いとは言ってないんだけど。

 

「じゃあ、頑張ってとっとと成仏してください。さよなら」

 

『え、ちょッ!? 薄情すぎません!? 折角私が見えるんですからもっと話しましょうよ!? 聖王ですよ!? ゲームでいう最強のバグキャラ的存在なんですよ!? ガチャなら出てくる確率0,01%ぐらいですよ!?』

 

自分でそういうこと言っちゃうのかぁ。なんか俺の中の聖王のイメージがドンドン壊れてく気がする。それにゲームやガチャを知ってることに驚きがあるんだけど。幽霊ってそんなに暇なんだね。

 

『あッ! 今、私のイメージが崩れたとか思いましたね!? 私だって人間なんです! そういう部分だってあるに決まってるじゃないですか!』

 

顔を真っ赤にして不満の声を上げる(自称)聖王様。

 

「ソッスネー」

 

『軽い! ってどこに行くんですか!?』

 

俺が立ち去ろうとしたら呼び止めてくる。

 

「どこって、友達と合流するだけです。……(ホントは五月蝿い幽霊から逃げるためだけど)

 

『最後の方まで全部聞こえてますからね!?』

 

チッ……耳のいい人だな。

 

「はぁ……それでは少しだけお話させてもらいます。まずは自己紹介から。俺は龍神空です。空で構いません」

 

『最初からそうすればいいんですよ! まったく、ソラさんは素直じゃないですねー!』

 

「(なんか無性にこの人殴りたいって感情が芽生えたんだけど)」

 

『幽霊だから攻撃当たらんだろ』

 

聖槍ならいけるんじゃない? あ、いっそのこと成仏させるか?

 

「聖王様はいくつですか?」

 

『女性に年齢のことを聞くのはどうかと思います。私が死んだのは16でしたけどね』

 

結局、答えてくれるんだね。……それにしても若くして亡くなったのは、ちょっと可哀相に思えるよ。

 

「生前ではどのくらいの強さなんですか?」

 

『最強ですね! 私に敵う人なんていません!』

 

へぇ、自分が最強だっていう自覚はあるんだ。

 

「はい、これにて会話しゅーりょー。失礼しまーす」

 

『え、スリーサイズですか? もう、エッチですねっ』

 

「どうしよう、会話を終わらせたのに無理やり伸ばしてきた……!」

 

……見た感じAとBの間かな? どうでもいいけど、どうでもいいけどっ……これ以上はマジで勘弁してください……。

 

『ふぅ……会話はここまでにしておきましょう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

しばらく一方的にマシンガントークで話かけられ、受け答えするだけで精神的にヘトヘトになった。

 

……どういうこと? ……なんか、嫌な予感がするなぁ……。

 

オリヴィエさんが不穏なことを言い残したのを聞いた後、ユーノ達と合流する。

入り口付近に全員集まっていて、俺が最後だった。

 

「あ、空。随分遅かったね」

 

「探すのが大変だったんだよ。ユーノも手伝ってくれてありがと」

 

「このぐらい平気さ。それよりも探してた本は見つかったのかい?」

 

「ある程度って感じだよ」

 

実際は幽霊のせいで一冊しか読めなかったけどね!

 

「それなら行こうか。なのは達からさっき連絡があって、ここに着いたみたいだよ」

 

俺は頷いて無限書庫のロビーに向かう。ロビーには用事を済ませたなのは達が座って待っていた。

 

「さて、全員そろったことだ、晩御飯食べに行こう」

 

クロノの提案に皆は喜んだが、この人数でお店に入れるのか心配になった。

 

「安心しろ。すでに予約してある」

 

おお! 流石クロノ!

 

『なかなか気が利きますね、彼』

 

「そうだね。普段は――――――はあッ!? なんでいるの!?」

 

『ッ!?』

 

俺が叫び声をあげると、皆が一斉にこちらを向く。

 

「ど、どうしたの、空?」

 

「いきなり変な声上げんじゃないわよ! びっくりするじゃない!」

 

「……へ?」

 

フェイトに心配され、アリサに怒鳴られる。

 

……あ、あれ? もしかして……俺以外に見えてない!?

 

見えているなら誰かしらが何らかの反応をするはずなのにそれがない。ということは皆には聖王様が認識できていないことになる。

 

「ご、ごめんっ、なんでもないっ。ア、アハハハハ……」

 

笑って適当に誤魔化してから聖王様がいる方向を睨む。

 

「……なんでいるんですか?」

 

そっと近づいて、小声で尋ねる。

 

『折角私が見える人がいるのに、いなくなったら私が退屈で死んでしまうじゃないですか!』

 

もう死んでる人が死ねるわけないじゃん!

 

「俺以外に見える人を探してください」

 

『嫌です! 聖王があなたの守護霊になるようなものですからご利益ありまくりですよ、きっと!』

 

聖王の幽霊が傍にいるっていうのはすごいんだろうけど、なんか嫌だ。うん、すごく嫌だ。でも、この様子だとついてくる気満々だろう。

これ以上何を言っても無理そうなので、俺は聖王様を止めることを諦めることにした。

 

「……もういいです。勝手にしてください」

 

『言質は取りましたよ! あとでやっぱ無理とか言っても遅いですからね!」

 

子供かッ! ……言ったところで無視するに決まってるだろうしね。

 

はぁ……っと何度目かのため息を吐きながら、皆の後ろをついていく。

 

 

 

 

 

晩御飯を皆と食べ終えたあと、男子組以外(オリヴィエさんは別)は地球に戻った。俺達はクロノの家に二日泊まってから、遺跡発掘に行く予定だ。

で、二日間をティーダさんの特訓に費やす。

ティーダさんの仕事の合間を縫って短い時間の中で教えた。

修行シーンは割愛。ティーダさんが強くなったことだけは言っておこう。

……あと、オリヴィエさんに覇気について滅茶苦茶聞かれた。

 

オリヴィエさんの話し相手がすっごく疲れたんだけど!

 

ティーダさんの特訓が終わったのと同時に次元旅行船に乗り、別の次元世界に向かう。なお、オリヴィエさんも当然のごとくついてくる。

 

「ここが目的地の遺跡か?」

 

深いジャングルを歩き続け、苔や植物で覆われかけている遺跡を見つけた。

 

「うん、まだ誰も深くは調べてないから危険もあるかもしれないけど、皆なら大丈夫だろうと思ってここにしたんだ。それに誰も手を付けてない遺跡ってワクワクするからねっ」

 

ヴァーリの質問にユーノがはきはきと答える。

前人未到の遺跡を調査することもそうだが、誰かと一緒に遺跡発掘に行くことが初めてで新鮮というのもあって、ユーノは楽しそうに理由を語ってくれた。

 

「準備は念入りにしたから大丈夫だよ。さあ、行こうか」

 

ユーノが率先して俺達を引っ張ってくれる。専門知識がある人が一人いるだけで大分心強い。

 

「あ、やっぱ暗いか」

 

当然のことながら遺跡の中は明かりがなく暗い。魔力光ではなく、懐中電灯で照らしながら進む。魔力を使わないのはいざというときのために温存しておいたほうがいいとユーノから言われたからだ。

 

「お、早速分かれ道か。どうする? 二手に分かれる?」

 

「この人数ならそうしようか」

 

グッパーで六人を三人ずつの二班に分けた。

チームAがヴァーリ、ザフィーラさん、俺(+オリヴィエさん)。

チームBクロノ、ユーノ、雄人。

 

「分かれる前に行っておくけど、危ないと思ったら逃げること。どうしようもないなら念話で読んでくれるかい?」

 

俺達は頷いてそれぞれ別々の道へと進みだす。

 

「……異世界の遺跡って変わってるね」

 

『私のいた世界にあった遺跡とは違いますね」

 

「冥界にも遺跡はあるが作りが随分違うな」

 

「次元世界にはそれぞれ違った文化や文明があるのだ、冥界のものとは違った遺跡があってもおかしくはあるまい」

 

それもそうか。星の数だけ文明がある……みたいな?

 

ユーノ達と別れてから数分後、想像をはるかに超える遺跡に感嘆の声を漏らす。

 

『――――途轍もなくつまらないですね!』

 

更に進むこと数分後、オリヴィエさんが退屈だと言い始めた。

 

「帰っていいですよ」

 

むしろ、喜んで勧めるまである。

 

『あ、私知ってますよ。今みたいな反応を“ツンデレ”というんですよね? 私がここで帰ろうとすれば、「か、勝手にどっか行かないでッ!」っていうんですよね、わかります』

 

全然違います。本当に帰ってほしいんです。

 

『空さんは仕方がない方ですねー。―――私は成仏するまで一緒にいるから安心してくださいね♪』

 

「あなたのどこに安心しろと? というか成仏するまでいるとか当然噓……ですよね? 嘘って言ってくださいよ!」

 

『フフフ、さすがにそれは嘘です♪』

 

ほっ……それはよか――――

 

『とでも言うと思ってるんですかぁ?』

 

うわー、すげームカつく顔。そして、今の俺の表情はきっと死んでるに違いない!

 

――――カチッ。

 

「ん?」

 

『あら?』

 

オリヴィエさんとの会話に気を取られていたせいで、周りへの注意が散漫になっていた。

聞こえてきた音の方に目を向けてみれば、片方の足が踏んでいる地面が沈んでいた。どうやら、この遺跡の何かのスイッチを押してしまったようだ。

 

『これは面し―――――じゃないじゃない。嫌な予感がしますね!』

 

言い直せてないから! しかも声がかなり楽しそうだね!

 

「おーい、ヴァー……あり? 二人がいない?」

 

二人に一応危険があるかもしれないので二人にも伝えようとしたら、いつの間にか俺の近くからいなくなっていた。

 

『ああ、あの二人なら先に進んでましたよ。私達が会話してる間に』

 

「……なんてこった」

 

でも一番に驚くべきことは、俺と会話してるにもかかわらず周りが見えている聖王様には流石としか言いようがない。

 

……性格こんなんだけど。

 

「まずは二人と合流、か。ブレイブ、二人の魔力反応はある?」

 

《申し訳ございません。この遺跡内ではわかり辛いです。ですが二人との距離が縮まればわかるかと》

 

「わかった。とりあえずすす―――――ッ!?」

 

一歩進み出た瞬間、踏み出した足が空を切る。どうやら、俺が踏んだスイッチはトラップを作動させるのためのもので、足が触れたら消える仕組みのようだ。

 

『落とし穴! 定番ですね!』

 

「なんでそんなに嬉しそうなんですかぁぁぁぁぁぁああああああッ!?」

 

バランスを崩して前のめりに倒れ、暗い穴の中へと叫びながら落ちていく。

 

「ブレイブ、飛行魔法発動!」

 

『そんなのいけません! ここは冒険しましょうよ!』

 

「あなたがただ楽しみたいだけですよね!?」

 

『そうですが何か問題でも?』

 

オリヴィエさんは包み隠すことなくはっきりと答えた。

 

《おかけになった電話番号は現在使われておりません》

 

「んなッ!? なんでや! なんで見捨てるんや!」

 

しかもなぜ電話で使われる返事の仕方を使うのかな!?

 

ブレイブにはオリヴィエさんのことが見えてないはずなのに、一人と一機が都合良く合わさった。

 

《面し――――冒険の醍醐味じゃないですか。それとも何ですか? マスターはチート無双の冒険して楽しいのですか?》

 

「今は命が大事なの!」

 

お前も面白がってるだけじゃん!

 

ブレイブは力を貸してくれないので、自分で何とかすることにした。

手と足に魔力を込めて壁に張り付く。しかし、落下して生まれたスピードは相当なもので、簡単に止まる気配がなく、蒼い魔力光を撒き散らしながら滑り落ちていく。

何m落ちたかはわからないがようやく止まった。

滑り落ちる間、摩擦が起きてるはずなのに全く熱くないのはブレイブがサポートをしてくれていたおかげだ。

 

手や足の保護するくらいなら飛行魔法使ってほしかったんだけど……。

 

そんなことを言いたくなったが、多少なりとも助けてもらったのでお礼だけを言うことにした。

 

「ありがと、ブレイブ」

 

《いえいえ、これくらい当然です》

 

『情けないですね。私ならあれくらいのこと魔力なしでも出来ますよ。筋肉足りてないんじゃないですか?』

 

今の発言から分かったこと。聖王様は脳筋。

 

脳筋(あなた)と一緒にしないでください」

 

『おっと、今「あなた」の部分に悪意を感じましたよ』

 

「そりゃ悪意込めて言ったんですから、悪意がないわけないじゃないですか」

 

『ソラさんが反抗期です!』

 

オリヴィエさんを適当に無視して、壁に張り付きながら下に向けて懐中電灯の電源を入れる。光が反射してキラキラしていた。

 

「下は……水?」

 

『地下水道では?』

 

「ブレイブはどう思う?」

 

《川か地下水路ではないかと思われます》

 

ブレイブも同じ考えか。

 

俺はゆっくり滑り落ちながら一番下に辿り着く。下にあったのは地下水路で間違いなさそうだ。

 

《マスター、この地下水路に生体反応を探知しました》

 

「ヴァーリ達の誰か?」

 

流石に水の中にいるとは思わないけど。

 

《いえ、この反応は…………マスター、逃げてください!》

 

「ッ!」

 

ブレイブの忠告空しく、水の中から巨大な蛇が俺を食い殺さんとばかりに大きな口をあけながら現す。

 

「――――――――【止まれ】」

 

『シャッ!?』

 

覇王色の覇気を使ってたった一言。上手く効いたみたいで蛇はピタリと止まる。

 

「ごめんね。さ、自分の住処にお帰り」

 

頭に手を乗せながらそう言うと、蛇は大人しく水の中に戻っていった。

 

『……どうして攻撃をしなかったのですか?』

 

「その必要がないからです」

 

『相手はあなたを食べようとしていたのにも拘らずですか?』

 

「はい、そうですよ」

 

『あなたは……いえ、なんでもありません。ここには何もないようですし、上に戻りましょう』

 

……?

 

オリヴィエさんは何かを言いかけていたのが気になったが、上に戻るという提案に頷いて壁に張り付きながら登る。

 

「やっとッ、辿りッ、着いたーッ!」

 

数分かけて自分が落ちた場所に戻ることが出来た。

 

『次はどんなトラップがあるんですかね? 楽し―――気をつけましょうね!』

 

おい、今楽しみって言おうとしたぞ、この聖王様は!

 

軽く睨むもどこ吹く風のオリヴィエさんに背中を向け歩き出す。

 

『あ、置いてかないでくださいよ!』

 

 

 

 

 

「ヴァーリ! ザフィーラさん!」

 

「空、どこに行っていたんだ?」

 

「そんなにお前のことを心配はしていなかったがな」

 

しばらく歩くこと一時間ほどして、ようやくヴァーリとザフィーラさんに合流できた。

合流するまでに、壁から槍が突き出してきたり、猪みたいな猛獣と戦ったり、大量のゴキブリを駆除したり、骸骨兵と戦ったりしたから少しは心配してくれてもいいと思う。

ちなみにオリヴィエさんは俺が罠にかかるたびに笑いそうになるのをこらえていたが、ついさっき崩壊して笑い転げている。

 

「そっちはどうだった? なにか発見とかあった?」

 

「今しがた見つけたところだ」

 

ザフィーラさんが指で指し示した方向には石造りの頑丈そうな扉があった。

 

「押したり引いたりしたんだがびくともしない。なにか魔術的要素が絡んでるかもしれない」

 

「なるほど……謎だね!」

 

こういう謎こそが遺跡の醍醐味でしょ! 俺は罠なんか知らない。何も見てないし、起こってもない。いいね?(迫真)

 

「こうなったら力づく……ってわけにはいかないんだよね」

 

「うむ。罪に問われてしまうからな」

 

遺跡の破壊はどこの世界でも犯罪に値する。

 

『ソラさんソラさん。私の国にはこういう言葉があります』

 

「? どんな言葉ですか?」

 

 

 

『――――バレなきゃ犯罪じゃないんですよ』

 

「はい、アウトー!」

 

碌なもんじゃなかった! この人ホントに聖王様なの!? 嘘でしょ絶対! 俺の傍にいる幽霊が聖王様のわけがない! 略して、“おゆがない”。……あ、なんだか売れそうなタイトルかも。ってそんなことはどうでもよくて!

 

「でも、こういうのって案外横にずらし―――――うそん……」

 

扉の前に行って掴める部分を横にずらしたら扉が開いた。あまりの呆気なさに作った人にツッコミたくなった。

 

「こういうこともあるんだな」

 

「納得し難いが、まあ開いたのならよかろう」

 

『今のは私もビックリです……』

 

先ほどまでふざけていたオリヴィエさんがかなり驚いくぐらいに呆気ないものだった。

 

「あー、うん、まあ……言いたいことはあるだろうけど、開いたことだし先に進もうか」

 

二人に促すと、小さく頷き返して中に扉の向こう側へと進んでいく。

扉の向こう側は通路になっていて、一番奥まで行くと部屋があった。

部屋の中を懐中電灯で照らすと、部屋全体の様子がわかる。

 

大きさは学校の教室ほどってところか。

 

「ん? あそこになにかあるぞ」

 

ヴァーリが何かを見つけたらしく、俺達はヴァーリの傍に近寄る。

 

「これは箱……でいいのかな?」

 

見たところ年月が経ち、かなり錆びれた金属に鍵穴のついた箱がポツンと置かれていた。

 

……この箱……。

 

「ブレイブ、危険性はある?」

 

《いえ、中に何か入っているようですが危険物の反応はありません》

 

「そうとわかれば開けてみるか。ザフィーラさん、お願いします」

 

「任せろ」

 

俺達の中で一番力のあるザフィーラさんに開けてもらうことにした。

 

「ぬ……? ビクともしないな……」

 

しかし、ザフィーラさんの力をもってしても金属の箱は開かなかった。さっきの扉のこともあったので、ズラしたり、引いてみたり、といろいろなことを試したのだが変わらなかった。

ヴァーリが神器を使って開けようとしたが結界のようなものによって弾かれた。

 

「白龍皇の力でもダメか」

 

「んー、んー? んんー?」

 

『どうかしたんですか? さっきから唸ってばかりですが……』

 

「あ、えっと、上手く言えないんだけど……なんとなく()()()()()()()()()()気がする」

 

『なッ!?』

 

三人の視線が集まる。

俺はその視線を気にすることなく箱に近づき触れる。すると――――

 

「開いた」

 

箱は俺が触れると輝きだし、錆はなくなり綺麗な箱に変わった。

そして、自動的に箱の蓋が持ち上がった。

箱の中身は―――――白い龍が描かれた宝玉だった。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side遥

 

―――――――ッ!? 

 

「何でアレがここにある!?」

 

空が遺跡で見つけ出したものを見て、俺は驚愕で目を見開く。

 

「……いや、そういうことか……。だとしたら俺は―――――」

 

驚きはしたものの、すぐに切り替えて考える。

あの宝玉は俺の知るもので間違いはない。世界で誰よりも知ってるもの。だから見間違えるはずがないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――もう一度、あの場所に戻れる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




聖王様は原作であまり登場してないからキャラ適と……ゴホン……自分なりに考えてみました。
ヒロインにはしないと思います。


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