デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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海へ行きます!

海へ行きます!

 

Side空

 

遺跡発掘から早数日、ついに皆で海に行く日が来た。

 

え、水着選び? 全員選ぶのに半日以上掛かった! ……わけではなく、俺の独断と偏見で似合いそうなのをパパッと選んでみたら、皆喜んで即購入していた。それでいいのかな? とも思ったが不満そうな顔はしてなかったのでいいとは思う。

そして現在、朝の6時前。皆の朝ご飯作りをしている最中だ。

 

「よし、完成――――お、ちょうどいいタイミング」

 

俺が朝ご飯を作り終えると同時にインターホンが鳴る。

 

「はーい、今行きますよーっと」

 

玄関に向かい、扉を開ける。

 

「やあ、空君。今日は絶好の海日和だね」

 

扉を開けて真っ先に目に入ったのがアロハシャツを着た紅髪の男性――――サーゼクスさんだった。

 

「おはようございます、サーゼクスさん。リアス達もおはよう」

 

『おはよう(っす!/ございます)』

 

サーゼクスさんの後ろにいたリアス、シア、ネリネ、リコリスにも挨拶を済ませ中に入れる。グレイフィアさんやフォーベシイさん、ユーストマさんは先に現地に行って準備をしているそうだ。

 

「いただきます」

 

『いただきます』

 

家にいる皆も呼んで、いつもより多い人数でご飯を食べ始める。

 

「空君の料理、美味しいっす!」

 

一口目を食べたシアが目を大きく開いて感想を口にする。

 

「口に合ってよかったよ」

 

「眷属になったら毎日美味しいご飯を作ってもらうのも悪くないわね」

 

「ならないから。というか、今のプロポーズ?」

 

味噌汁毎日作ってくれー、みたいなやつに聞こえたんだけど。

 

「ある意味プロポーズね。あなたを眷属にするための」

 

あー、なるほど。そういうことね。

 

「じゃあ、そのプロポーズはお断りだね。やーい、フラれてやんのー」

 

「なら、あなたがyesと答えるまで続けるだけよ」

 

……諦めてはくれないのね。

 

眷属云々の話は終わり、色々な話を交えていると出発の時刻になった。その頃にはなのは達も俺の家に集合していた。

 

「さ、時間だ。準備はいいかい?」

 

「はい、皆バッチシです!」

 

宿泊用のバッグを持って、地下のトレーニングルームに集まる。

外に行かないのはここから転移するためだ。

全員異能の存在については知っているので、問題なく転移魔法を使うことが出来る。

しかし、クロノ達はアースラで直接転移することになってる。イリヤ達4人に至っては家が離れているし、異能については知らないので、鮫島さんがバニングス家の自家用ジェット機で直接送り届けることになった。

 

自家用ジェット機持ってるほど金持ちとかハンパないな! 

 

初めて聞いたときは、アリサに逆らったらヤバいんじゃないのかと思ったこともあったぐらいだ。

 

「それでは転移するよ」

 

紅い魔法陣が足元に広がり、俺達全員が入るほどに大きくなると視界が真っ白に染まる。

あまりの眩しさに目を瞑ってしまい、次に目を開けた時には――――青い海と雲一つない青空が広がっていた。

 

『……………………』

 

誰もがその景色に目を奪われた。

毎年海に行ってるが、ここまで綺麗な海は初めてだった。

お嬢様のアリサや明日奈でさえ何も言えないのだから相当なものなのだろう。

 

「どうだい? 綺麗だろ?」

 

「……は、はい! とっても綺麗です!」

 

サーゼクスさんに話しかけられてようやく我に返り、俺に続いて皆も口々に「綺麗」、「すごい」と叫びだす。

 

「気に入ってもらえたようで何よりだよ。それじゃあ、着替えてから存分に楽しむといい」

 

待ちきれない俺を含めた子供達はイリヤやクロノ達を待つことなく、着替えはじめる。

男性組はすぐに着替え終わったが、女性組はまだ来ない。

待っている間に兄さんやクロノ達が無事到着した。

 

女は準備に時間がかかるんだっけ? 琴里がそんなこと言ってた気がする。

 

「お待たせー! どうかな、空? 似合ってる?」

 

「とびっきりに似合ってる!」

 

一番早く来たアリシアに感想を尋ねられたので、思ったことを口に出す。

その後にぞろぞろとやって来たなのは達や十香達にも聞かれたので似合ってると返す。

 

《マスター、同じ感想しか言ってないです》

 

そんなこと言われてもなー……。

 

「ええー? ダメー?」

 

《ダメです。……いいことを思いつきました。この中で一番可愛いと思ったのは誰ですか?》

 

『ッ!?』

 

「一番可愛いの……?」

 

え、なんで皆身構えてるの?

 

「――――皆可愛いから選べないよ」

 

《理由はありますか?》

 

「だって皆それぞれ違った魅力があるんだから誰が一番だなんて選べないよ。納得した?」

 

色とりどりの少女たちに海を見た時以上に視線を奪われた。それを見れただけでもここに来た甲斐があったとさえ思う。

 

《はい。これでもしも下らない理由ならマスターの恥ずかしい写真集をここで公開しているところでした》

 

「おい、ちょっと待て! いつの間にそんなの撮ったんだよ!?」

 

《マスターは誰にも見られてないと思って隙だらけですので私は撮り放題でしたよ》

 

こいつ……ッ! なんて恐ろしいことをしてくれたんだッ!

 

ブレイブをきつく睨むが当の本人はどこ吹く風だった。だが、俺も俺で睨んだ後は苦笑いしてそれ以上は何も言わないことにした。

 

折角の楽しい時間をつまらない事で潰したってしょうがないからね!

 

ふと周りを見ると、色々起こっていた。

 

「く、クロノ君、私どうかな? 変じゃない?」

 

「あ、ああ、いいんじゃないか?」

 

何というか初々しい? リア充爆発しろ? ……って感じ。

 

『ヴァーリ(君/兄様)、この娘誰(ですか)?』

 

……あかり達の間に火花が散ってるのは気のせいだろう。

 

ヴァーリ達は修羅場? 頑張れ、親友。

 

一葉(かずは)、世界一可愛いぜッ!」

 

「…………」

 

雄人は妹をべた褒めしていたが、ガン無視されていた。

 

「あ、あんたどこ触ってんのよッ!」

 

「ご、ごめん! わざとじゃな――――グヘッ!」

 

あ、兄さんが愛衣のお姉さん―――舞衣(まい)さんに殴られた。

 

舞衣さんが顔を真っ赤にして胸を手で覆い隠してることから、兄さんは何かの拍子に胸を触ってしまったのだろう。

 

兄さん、初対面の相手にラッキースケベ発動? 漫画やアニメだけかと思ってたけど実際にあるんだね、ああいうこと。

 

「おうおう、堕天使の長のアザゼルに幹部のバラキエルじゃねぇか。仕事はいいのか?」

 

「そういうテメェは神王か。んなもん今日のために必死で終わらせたに決まってんだろうが」

 

「同じく」

 

「おや、そっちもかい?」

 

「あたりめぇだろ。なんせ―――」

 

「ああ、そうだな。なぜなら―――」

 

『娘(息子)を楽しませるためだからな!』

 

どうやら三大勢力は親バカで共通しているせいか険悪な雰囲気など一切なく、互いに共感するところがあるのかがっしりと握手すらしていた。

 

ほっ……さすがに休みの日ぐらいは喧嘩はしないみたいで安心だよ……。

 

それから親バカ談義が皆の保護者達と始まった。

 

俺達は俺達で楽しまないとね!

 

「全力で楽しもー!」

 

『おー!』

 

子供組が一斉に手を上に向かって掲げ、大声で返してくる。

とは言ったものの、初対面の人が何人かいるので先に自己紹介をすることにした。

 

「龍神空だよ。よろしく!」

 

俺が先陣を切って自己紹介をする。

 

「ヴァーリだ。よろしく」

 

ヴァーリがルシファーと言わなかったのは、悪魔――――ましてや魔王がいるのにそれを言えば問題になるからだ。首にはアザゼルさんが作った能力を隠すネックレスのおかげで簡単にはバレはしないだろう。

 

「高町なのはです! なのはって呼んでね!」

 

「フェ、フェイト・テスタロッサです……」

 

「アリシア・テスタロッサだよー! フェイトとは姉妹で私がお姉ちゃんだからね!」

 

「アリサ・バニングスよ。アリサでいいわ」

 

「月村すずかです。よろしくね」

 

「八神はやてや。はやてって呼んでくれると嬉しいで」

 

「八神あかりです。はやての双子の姉です」

 

「王城雄人だ! よろしくな! で、こっちが―――」

 

「自分でできるから……バカ兄貴。王城一葉です。年下ですがよろしくお願いします」

 

「結城明日奈です。これからよろしくね」

 

「天河愛衣よ」

 

「イリヤスフィール・フォン・アインツベルンだよ! 長いからイリヤって呼んでね!」

 

「イリヤの兄の衛宮士郎です。本日は誘っていただいてありがとうございます」

 

「ユーノ・スクライアです。よろしく」

 

「リアス・グレモリーよ」

 

「リシアンサスっす! 長いからイリヤちゃんみたく、略してシアでいいっす!」

 

「ネ、ネリネです。リンと呼んでも構いません。よろしくお願いします」

 

「私はリコリスだよ。リンちゃん――――ネリネちゃんとは双子の姉妹なんだ」

 

「私は姫島朱乃っていうの。よろしくね!」

 

「黒歌にゃ」

 

「……その妹の白音です」

 

「愛衣の姉の舞衣よ。妹共々よろしくね。……そこの変態以外は」

 

舞衣さんが冷たい視線を向けた先にいたのは兄さんだった。

 

「誰が変態だよ! さっきのことは謝ったし、あれは事故だって言ってるだろ!?」

 

「こっちはセクハラされたのよ。裁判なら私が確実に勝てるわ」

 

「うぐっ……」

 

反論しようにもいくら事故とはいえ、セクハラに変わりはないので何も言い返せない兄さん。女性陣からの視線はかなり冷ややかなものだった。

 

あれはどうしようもないよね。ドンマイ、兄さん。

 

「ゴホン……高町恭也だ。なのはの兄だ。よろしく」

 

恭也さんが咳払いをして、兄さんに集まっていた視線が恭也さんに集まる。

 

「なのはのお姉ちゃんで恭ちゃんの妹の高町美由希です!」

 

「月村忍。すずかの姉よ。よろしくね」

 

「結城浩一郎だ。明日奈の兄で恭也と忍の二人とは同じ大学の同級生だ」

 

へぇ、三人は知り合いだったのか。

 

新事実発覚に少しだけ驚く。

 

「クロノ・ハラオウンだ」

 

「エイミィ・リミエッタです!」

 

全員の自己紹介が済んだので、次は質問タイムになった。

 

「はいはい! ヴァーリと朱乃は仲が良いみたいだけどどういう関係なの?」

 

「将来を誓い合った仲!」

 

アリシアの質問に朱乃が自信満々に答えた。

 

『…………えッ!?』

 

そのことを知ってる俺、黒歌、白音。当の本人のヴァーリと朱乃以外が遅れて反応を返してきた。

 

「ヴァ、ヴァーリ君今の本当なの……?」

 

「ああ」

 

あかりが信じられないものを見るかのような目でヴァーリに尋ねるとヴァーリは肯定した。

 

「そ、そっか……」

 

『……お姉ちゃん(あかり/あかりちゃん)……』

 

それを聞いてから、あかりは誰から見ても落ち込んでいる。

 

「あ、朱乃だけじゃなくてウチらもヴァーリと結婚するにゃ」

 

『はぁあッ!?』

 

「……え……? ……え!?」

 

落ち込んでいたあかりも皆から少し遅れて反応する。

 

「は、はい! この話はややこしくなるのでそこまで!」

 

いきなり変な空気になりだしたので、話を切り上げる。

 

「次は誰かある?」

 

「はい!」

 

手を挙げたのはイリヤだった。

 

「空君はシア達と知り合いなの?」

 

「うん。知り合い……というかなんというか……」

 

「むっ……なんでそんなに曖昧なのかな?」

 

当然と言えば当然なのだが、俺の答えに不満だったようで、訝しむ視線をイリヤは向けてくる。

 

「い、一応婚約者候補……ってところ」

 

「いいえ、違うわよ」

 

「え? リアスどういうこと? もしかして候補から外れたの?」

 

「むしろその逆。―――――――あなたでほぼ決定だそうよ」

 

…………………………………………………………………………………………え?

 

「ま、マジ……?」

 

「マジよ」

 

リアスの顔はいたって真面目で冗談ではないようだ。……それはそれで困るのだが。

 

「シア達は?」

 

「空君なら…………い、嫌じゃないっす……」

 

「私も空様となら……」

 

「ま、空君以外の男の子を知らないっていうのもあるけどね」

 

俺もシア達なら嫌じゃないけど……。

 

「その決定は覆らないの?」

 

「あとは本人達次第だそうよ。あなた達の誰かが断れば破談にはなるでしょうね」

 

「そ、そっか……。俺とシア達は婚約者(仮)になりました! はい! 次!」

 

『(あ、逃げた)』『(逃げたな)』『(逃げましたね)』

 

またまた無理やり会話を終わらせ、次の質問に移らせる。

 

 

 

 

 

やがて質問タイムが終わり、早速各々で遊び始める。

ビーチバレーをするものもいれば、砂で建物を作ったり、海を泳いだり、日陰でビーチチェアに座って寛いだりと様々だった。

そんな中、俺は―――――

 

「空、私の背中に日焼け止めを塗ってほしい」

 

シートの上で黒いビキニのトップスを外して、うつ伏せに倒れている折紙に日焼け止めを塗るのを頼まれたいた。

 

「はいはーい」

 

日焼け止めの液を掌に出し、折紙の背中に触れる。

 

「……っ……………んっ…………」

 

俺が背中で手を動かすたびに折紙の息遣いが聞こえてくる。

 

「大丈夫? くすぐったい?」

 

「……問題ない。むしろもっと激しくても構わない」

 

「でも、もう終わっちゃったけど」

 

「それなら前を――――」

 

「それ以上は言わせないぞ折紙!」

 

「あ、十香」

 

髪の色よりも少し明るめのビキニを着た十香が折紙を遮った。

 

「塗ってもらうのは背中だけというルールであろう!」

 

「そうね。次は四糸乃の番よ」

 

十香の後ろか他の精霊達が現れる。

 

「……わかった」

 

トップスを着けなおし、少しだけふてくれされたように折紙が四糸乃と交替する。

 

「ねぇ、もしかしてだけど全員分俺がやるの?」

 

「ええ、そうよ」

 

むむむ……十人以上を塗るのか……。影分身でまとめてやりたいけど、イリヤ達がいるから使えないか。

 

「頑張らせていただきます……」

 

どうして俺以外の人に頼まないのだろうか、と疑問に思いながらも全員日焼け止めを塗ることにした。

 

美九なら喜んで……あ、それは無理か。

 

「空は私が塗ってあげるからね♪」

 

「ありがと、凛祢」

 

俺の背中に日焼け止めを塗るので小さな戦争が勃発したとかなんとか。本当のことは精霊達のみが知ってる。

 

 

 

 

 

全員分塗り終わった後でビーチバレーをすることにした。

三人一組のチームに分け、合計八チームが参加するトーナメント方式だ。

チーム分けは――――

 

1、なのは、フェイト、愛衣の魔法少女組。

 

2、クロノ、士郎さん(兄さん)、舞衣さんの同世代組。

 

3、雄人、恭也さん、浩一郎さんのお兄さん組。

 

4、白音、ヴィータ、一葉の(身長的に)小っちゃい組。

 

5、アリサ、アリシア、ユーノの金髪組。

 

6、黒歌、美由希さん、忍さんのお姉さん組。

 

7、ザフィーラさん、シグナムさん、リインフォースさんの八神家組。

 

8、俺、ヴァーリ、イリヤの余りもの組。

 

―――――という結果になった。

 

参加しない人たちは審判や応援に回っているか仲良く雑談している。

 

「普通にやっても面白くないから優勝チームは景品でもあげましょうか!」

 

『おおっ!』

 

忍さんの提案に俺達のモチベーションが一層上がる。

 

「これは益々やる気が出てくるね!」

 

「うんっ! 勝とうね、二人とも!」

 

「ああ」

 

第一試合―――魔法少女組vs金髪組。

 

「フェイト、妹だからって手加減しないからね!」

 

「私だって同じだよ、姉さん!」

 

テスタロッサ姉妹が火花を散らしてる……ッ!

 

アリシアはともかく普段大人しいフェイトがあそこまで燃えてるのは珍しいことだ。

 

「準備運動程度に済ませるわよ」

 

「あら、随分と余裕そうね?」

 

アリサと愛衣も視線をぶつけ合い火花を散らしていた。

 

「にゃはは、皆すごい気迫だね。ユーノ君お手柔らかに」

 

「うん、こちらこそ」

 

その一方で、四人を見ていたなのはとユーノは苦笑いしていた。

 

「それでは試合開始です!」

 

審判のリニスが笛を吹いてゲームが始まる。

 

「行くわよ!」

 

アリサがボールを高く上げてステップを踏んでから飛び、最高打点でボールを打つ。

ボールはドライブ回転をしながら、魔法少女組のコートに進む。

 

あれ? アリサってあんなに身体能力高かった?

 

アリサの動きに違和感を覚える。

確かにアリサは勉強だけじゃなく、運動も得意だ。だが、あそこまで高くは飛べないはずだ。

 

「なのは!」

 

「うんっ!」

 

愛衣に呼ばれたなのはが、ボールの落下点に入ってレシーブをする。

ボールはネットよりも少し離れる程度の位置に上がり、セッターの位置にいる愛衣がトスを上げる。

 

ううん? なのはの動きが早い……? 

 

またまた違和感。

 

最後のスリータッチでフェイトが勢いよく跳び上がり、強烈なスパイクを打ち込む。

 

そして、試合が進んでいくうちにようやく違和感の正体に気付く。

 

あいつら――――――魔力強化使ってる!

 

六人は跳ぶ瞬間とボールに触れる瞬間にだけ魔力強化を使ってバレーをしていた。

それによって試合は大接戦で、子供がするようなバレーではなかった。

大接戦の末、魔法少女組が勝利。

決め手はなのはのスパイクだった。

魔力強化のし過ぎで、ボールが桜色になっていた。

 

流石にあれはやりすぎだろ! ディバインバスターでも打つ気か!

 

とツッコミたかったが、誰も気にせずにいたどころか夢中になっていたので何も言えなかった。

 

第二試合―――余りもの組vs同世代組。

 

「ハンデを要求します!」

 

君達二人(空とヴァーリ)がいるんだからむしろこっちが要求するぞ」

 

「おいおいおいおい、クロノ君は年下にハンデもらって恥ずかしくないのかい? んん?」

 

「僕は勝負事にはいつだって全力だ。このクロノ・ハラオウン、容赦せん! たとえ年下だろうとな!」

 

おお……大人気なさがここまでくるといっそ清々しく思える! しかもジョジョネタ挟むのか!

 

いつの間にジョジョを読んだのか知らないが、クロノは大分地球の文化に興味があるようだ。

 

「ま、いっか。二人とも頑張ろうか」

 

「ああ。〈魔力強化を使うのか?〉

 

「うん! お兄ちゃんなんかボッコボコにしてやるんだから!」

 

「その意気だよ、イリヤ。〈クロノに対してだけ使うよ〉」

 

「さあ、俺達の遊び(ビーチバレー)を全力で楽しもうか!」

 

俺達のサーブから始まり、ヴァーリの強烈なジャンプサーブでいきなり先制点を奪う。

 

「……やはり君等にハンデがあるべきだと思う」

 

クロノの呟きは無視して試合続行。

 

「よし! 任せろ!」「任せなさい!」

 

『―――――え?』

 

二度目のサーブが兄さんと舞衣さんの間に行くと、二人とも取りに行こうとしようとしてぶつかる。

 

あちゃー……。

 

ぶつかった結果、兄さんが舞衣さんを押し倒す格好になってる。しかも、あと数cm頭を動かせば互いの唇が触れるくらいの距離だ。

 

『…………』

 

二人は見つめ合ったまま動かない。

 

「おい、二人とも早く起きろ」

 

『――――ッ!?』

 

クロノの声で二人は急いで起き上がり、気まずい空気が二人の間に漂い始める。

 

「さっきは悪かった……」

 

「い、いいわよあれくらい……」

 

二人の空気を見て周囲ではニヤついてる人がチラホラいた。他の人と違い、セラさんの視線はかなり怒気を含んでいたことだけは分かった。

 

はて……? 何か面白い事でもあったのかな?

 

「試合を再開します!」

 

三度目のサーブをレシーブされ、舞衣さんがイリヤ目掛けてスパイクを打つ。

 

「きゃっ!」

 

イリヤの細腕にボールは当たったものの、あらぬ方向に行ってしまう。

 

「俺が行く!」

 

ボールに向かって走り、ちょうど目の前にあったヤシの木を利用して跳び、ボールをコートまで蹴り返す。

 

バレーは足が使えるから助かった!

 

「ヴァーリ頼んだ!」

 

「任せろ!」

 

コートに戻るボールを、最後にヴァーリがタイミングを上手く合わせ、相手コートに叩き込む。

 

「嘘だろ……あれを取りに行くなんて……」

 

「小学生だと思って舐めていたわ……」

 

「やっぱりあいつらにはハンデいるだろ」

 

「二人共すごい!」

 

相手チームは苦虫を嚙み潰したような表情で、イリヤはその場でピョンピョン飛び跳ねながら俺達二人を褒めていた。

そこから先はほとんど一方的なゲームとなり、余りもの組が勝った。

 

 

 

 

 

そして、トーナメントを勝ち進んでいき、あっという間に決勝戦となった。

決勝戦の対戦カードは――――余りもの組vs八神家組だ。

 

「やはりお前達が来るか」

 

ピンクのビキニを着たシグナムさんが獰猛な視線を俺達に浴びせる。

 

「お前達が相手なら手加減の必要はないな」

 

獣耳を魔法で隠すザフィーラさんが静かに大人気ないことを言ってくる。

 

「遊びとわかっていても負けるつもりはないぞ」

 

一番強敵だと思われるリインフォースさんがやる気に満ちた瞳でいた。

 

これは勝つのは厳しそうだな……。

 

「さあ、行くぞ!」

 

相手チームのサーブから始まり、シグナムさんにいきなり魔力強化されたボールが打たれる。

 

容赦の“よ”の字もないな!

 

だからと言って諦める理由にはならない。

足を動かし、ボールの真下に入る――――

 

「……半減」

 

――――ことが出来ず、ボールは地面に落ちた。

俺がボールに間に合わなかったのは、リインフォースさんが半減の力を使って遅くしたからだ。

俺達にだけ聞こえるような小声で半減と言っていたのが聞こえた。

 

汚いさすが大人汚い! 魔力強化ならまだしもそこまでやるか普通!?

 

リインフォースさんを睨みつけるも不敵に微笑むだけだった。

 

……完全にプッツンした……。この勝負、何をしてでも勝ってやる!

 

決意を新たに、試合再開。

イリヤや兄さん達にバレないよう認識阻害魔法を使い、禁手(バランス・ブレイカー)や影分身で容赦なくぶつかり合った。

途中ボールが破裂することがあり、魔法を知らない人達が不思議そうにしていたが適当に誤魔化し試合続行。

もはや遊びじゃなくて超次元スポーツと化した。

最終的には―――――

 

 

 

 

 

「―――――か、勝った……ッ!」

 

ものすごい集中力と体力を消費してついに八神家チームに勝った。

 

「お疲れ二人とも~!」

 

色んな人が寄ってきて俺達を労ってくれる。

 

「それにしてもすごい揺れてたなぁ……」

 

試合中は試合に夢中になってたからそんなに目がいかなかったが、思い返すとシグナムさんとリインフォースさんの大きい胸が動くたびに揺れていた。

 

「……なにがすごい揺れてたのか説明しろ」

 

……おっと、今俺が後ろを振り向いたら命はないようだ。

 

「十香、そろそろお昼だから――――――」

 

「他の女の胸がそんなにいいか! このぉ……バカ空ーッ!」

 

「ブゲラッ!?」

 

不機嫌な十香をご飯に誘えば逃げ切れるかと思ったけど全然無理でした。

 

その日の午前中は十香の鉄拳制裁を最後に終えたのだった。

 

 

 

 

 








オリヴィエ「巨乳なんて皆滅んでしまえばいいんです!」

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