デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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海の神様です!

海の神様です!

 

Side空

 

色んなゲームを皆と満喫して、時刻は十時過ぎ。

欠伸をするものやほとんど意識を落としているものがチラホラいる。悪魔であるリアス達でさえも海ではしゃぎ過ぎたのか眠そうだ。白音や一葉に至っては部屋のベッドで二人仲良く眠っている。

 

「そろそろ寝よっと。でもな……」

 

俺が寝る部屋は行く前に決めてあったのだが、今現在、白音と一葉が使ってしまっているので出ていかざるを得ない。

 

「ヴァーリはどこで寝る?」

 

「朱乃の部屋に行くつもりだ」

 

あら? いつの間に……。朱乃はこうなることを見越して声かけしてたのかね?

 

「年頃の男女が同じ部屋ってどうかと思うんだけど?」

 

「将来を誓い合った仲だもの、これくらい普通よ」

 

「あと数年もすれば口約束なんて忘れると思うな」

 

「そんな関係にすらなれてないあなたが言うと負け惜しみにしか聞こえないわね」

 

ワケは分からないがあかりと朱乃の間に火花が散っている! 二人の笑顔がとても怖いです!

 

二人はいがみ合いを続け、ヴァーリが仲裁に入った結果、ヴァーリ、朱乃、黒歌、あかりの四人が同じ部屋で寝ることになったらしい。

 

俺は十香達のところに…………いや、やめとこ。今は……恥ずかしい。なんか顔を合わせ辛い……。

 

「空は私達と一緒の部屋で寝ようよ!」

 

「アリシアってことは……フェイトやアルフと一緒か」

 

まあ、それが無難なとこか。

 

俺がアリシアの提案に賛成する――――

 

『ちょっと待った!』

 

――――前になのは達が遮ってきた。

 

「……何か用? できれば手短にね? 俺、もう寝たいからさ」

 

欠伸を掻いてなのは達に言う。

 

「空君、私の部屋に来ない?」

 

なのはは確か……愛衣と一緒だったけ?

 

「今なら私が添い寝してあげるわ。どう?」

 

「そ、そんなら私だって空君に添い寝したる!」

 

愛衣だけじゃなくてはやてもー?

 

更にははやてに続いて他の少女達も私も私も! と言ってきた。

 

寝られる場所の候補が増えるのはいいことなんだけど、多すぎると選びにくいなぁ……。

 

「うーん、そんなに言われてもなぁ…………あ。俺、リアスと同じ部屋で寝る」

 

『ッ!?』

 

「あら、私の部屋? 別にいいわよ。でも、どうして?」

 

「パートナーだから……いや、この場合はパートナーだったからかな? ともかくリアスがいいかなって思ったんだ」

 

「パートナー……あ、さっきのゲームでの話ね」

 

俺の理由にリアスはラブラブ半生ゲームのことを思い出し納得した。選んだ理由は簡単なものだが、今はそれぐらいがちょうどよかったと思う。

 

「んじゃ、部屋に案内してね。もう限界で早く寝たいんだ」

 

「私も今日は疲れたわ。早く寝ましょうか。フフ……なのは達がしたがっていた添い寝でもしようかしら」

 

「お好きにどうぞ。皆お休みー」

 

皆に背を向けながら手だけを振り、リアスの案内のもと、部屋に向かう。

 

……あり? よくよく考えると、こういう場面でなのは達が黙ってたかな?

 

部屋を出る直前になのは達の方をちらりと窺うと――――――なのは達が真後ろにいた。

 

「うわッ!? ビックリした……」

 

音も気配も感じなかったので、接近していたことに驚いた。

 

『私も空(君)と同じ部屋で寝る!』

 

「え、あ、うん。俺はいいけど……」

 

「私は構わないわよ」

 

リアスの様子を見ても問題はないようだ。

 

「でも、この人数ベッドに入るの?」

 

リアスの部屋は一人用の部屋だから、当然ベッドは一つしかない。

 

「それはちょっと難しいわね……。私達二人を入れてせいぜい三人がいいところよ」

 

「だってさ。だからあと一人だけしか無理みたい」

 

『せーのっ! 勝っても負けても恨みっこなし! ジャンケン―――――』

 

ピッタリ息を揃えて少女達が己の拳を繰り出す。

 

 

 

 

 

激しい戦闘(ジャンケン)の行く末、リアスの部屋に行くのは俺と――――なのはだ。

 

「えへへ♪ 空君と寝るのってなんだか久しぶりかも」

 

ベッドにリアス、俺、なのはの順で並んで横になっている。

 

そう言われるとそうかもしれないな。三年生になってからジュエルシードに始まり、色んな事件があったせいか誰かと触れ合う時間は……全く変わらないな。普段から誰かと寝てたな、うん。でも、なのはと一緒に寝るのは久々だ。

 

フェイトやアリシア、十香達と違って一緒に暮らしてるわけじゃないので、昔ほど一緒に寝る頻度は減っているのは確かだ。

 

「ねぇ、空君。初めて一緒に寝た時みたいに手を握ってくれる?」

 

「りょーかい」

 

なのはの手を握りしめると、なのはの右手は俺の左手に絡ませる、所謂恋人繋ぎをして、左手はそのまま俺の左腕に抱き着いてくる。

数分もすればなのはの小さな寝息が聞こえてくる。

 

ただでさえ寝付きのいいなのはがあれだけはしゃいだのだから、ベッドに入ってすぐに寝るのも当たり前か……。

 

 

 

「…………空…………く、ん…………どこにもいかないで……。ずっと………………ずっと私と………なのはと…………一緒に、いてね……」

 

 

 

―――――――――――――――――え?

 

不意になのはの口から出た言葉に驚く。

なのはの様子を見てみれば静かに眠っている。今のはただの寝言だったようだ。

 

…………ずっと一緒か…………そうだといいな、そうなるといいな。

 

なのはの頭を撫でていると、やがて俺も微睡に包まれ―――――

 

「…………んっ…………」

 

―――――ることはなかった。

右手にスベスベした何かが触れる。

その正体はすぐに分かった。

なのはが俺の左にいるなら、反対にはリアスしかいない。

恐る恐る右を見てみれば、裸のリアスが俺の右腕に抱き着いていた。

 

な、な、なんで……なにも着てないんだよ!?

 

「お、おい、リアス……! 何で裸なの……!?」

 

なのはを起こさないように出来るだけ声を抑えて聞く。一応、リアスは夜に強い体質だが、疲れているので眠そうに眼をこすりながら答えてくれる。

 

「なんでって……私、裸じゃないと眠れないもの。前に言わなかったかしら?」

 

言ってねぇよッ!

 

しかし、それを今更知ったところでどうしようもない。誰がどんな格好で寝ようが本人の自由だし、折角泊めてくれているリアスの厚意を無下にして出ていくのも憚られる。

ここは俺が我慢するしかないのだ。

 

「……起こしてごめん。俺も寝るよ」

 

若干目が冴えてしまったが、この程度ならすぐに眠ることが出来るだろう。

再び目を瞑って眠ろうとすると、リアスが右腕に抱き着いてきてリアスの肌が俺の腕と触れ合う。

 

「……………………ッ!」

 

文句の一つでも言ってやりたいけど、ここにはなのはもいる。我慢、ガマン―――――――

 

「たまには誰かと寝るのも悪くないわね」

 

「……起きてたの?」

 

「同世代の異性と初めて寝て、少し緊張してるせいかも。……あなたの方はそうでもないみたいだけど?」

 

「そ、そんなことないよ……? 結構、ドキドキしてる」

 

「ホントかしら?」

 

そう言うと、リアスは確かめるために俺の胸に頭を置く。紅い髪が俺の視界いっぱいに広がる。思わず撫でたくなる気がする。

 

「……………あら、ホントね。心臓がバクバク鳴ってるわ」

 

「できればもう離れてほしいな」

 

「もう少しだけ……」

 

リアスは気持ちよさそうにして俺の胸に顔をうずめたままだ。

しばらくするとリアスから寝息が聞こえてきた。

 

え、嘘でしょ!? この体勢で眠ったの!?

 

これでは眠れないと思ったがそうでもなかった。よほど疲れていたのか俺の意識はすんなりと落ちていった。

 

 

 

 

 

『これはどういうことかな?』

 

はい、朝一で説教されてます。

リアスが裸で俺に抱き着いたまま眠ったので、起こしに来た皆に変な誤解されたらしいです。

自分で言うのもあれだけど、今日は誰よりも遅く起きたのは珍しい事だった。

 

「えーっと、これは……そう! 暑かったから!」

 

「この部屋の冷房はつけてたわよ?」

 

折角の言い訳をリアスに台無しにされた。……そもそも皆に俺の言い訳が通じるかどうかはわからないが。

 

「リアスは裸じゃないと眠れないらしいんだ。昨日知って驚いてるよ」

 

『ふーん……』

 

うわっ、どっからどう見ても絶対に信じてない反応だ。

 

「じ、実は昨日、空に無理矢理……」

 

「アハハ、ふざけたこと言うのはこの口かなー? んー?」

 

「い、(いひゃ)い! (いひゃ)いわ、(ひょあ)!」

 

冗談を言うリアスの頬っぺたをこねくり回す。リアスが涙目になってきたので、流石に止めた。

 

「反省した?」

 

「したわよ……十分過ぎるくらいにね」

 

「ならいいさ。じゃ、朝ご飯を食べに行こ――――」

 

『まだ話は終わってないからね?』

 

…………チッ…………逃げられなかったか!

 

さりげなく話題を逸らしたはずだったが皆には通用しなかった。

結局、こってりO☆HA☆NA☆SIをされてからの朝食となったのだった。

 

 

 

 

 

「今日のお昼は自分達で食材を集めてもらうよ」

 

旅行二日目のお昼前に、いきなりフォーベシイさんからそう告げられた。

 

「この島は自然が豊かだから美味しい魚や野菜、果実などがあるんだ。さあ、いくつかのグループに分かれたら食材集め開始だよ」

 

昨日、山の中に入ったが、確かに食べられそうな植物はあったし、綺麗な海の中には魚がたくさんいた。この人数で協力すればお昼分の食材ぐらいなら集められるだろう。

グループ分けはくじ引きで行い、俺は海側担当のチームの一つに入った。

 

「よろしくっす!」

 

「共に頑張ろう」

 

「よろしく、お願いします……!」

 

『三人ともよろしくねー』

 

俺と一緒に食材集めをするのはシア、リインフォースさん、四糸乃、よしのんだ。

 

昨日のことがあったから四糸乃と少しだけ顔を合わせ辛い……。一応、謝って許してもらったんだけど、胸の中のモヤモヤ(?)みたいなのが消えないままなんだよね。

 

心の中に形容し難いものを抱えながらも、今やるべきことに専念する。

異能を知らない人達に見られないようにして浜辺から少し離れた海の上に魔力を足に回すことで立つ。そして、そこから釣竿を海面に向かって振り下ろす。

 

「きた!」

 

すると、一分もしないうちに浮きに反応が出る。

釣り糸に魔力を通すことで強化しているのでそう簡単には切れないようになっている。

 

「まずは一匹目ゲッ―――――――――――布ッ!?」

 

それは白い布だった。

海水を吸って重くなっていたせいで、てっきり巨大な魚が釣れたのかと勘違いしてしまった自分が恥ずかしい。

 

これはどう考えても食えそうにないよね……。

 

捨てようと思ったが海の中に戻すのもどうかと思い、一旦浜辺に戻って捨てることにした。

気を取り直して釣りを再開。

 

「お、今度も早い!」

 

二度目も一分経たないうちに反応が出た。

しかも、先ほどよりも竿から感じる重さが段違いであった。

 

「今度こそ―――――――…………………え、人?」

 

そっかぁ、海で人が釣れるのかぁ。海って不思議だね! ―――――――んなわけあるか!

 

短い現実逃避に自分でツッコミを入れ、釣った人を絡まった釣り糸から急いで解放し、平らな場所に連れていき寝かせる。連れていくまでの間に三人に連絡をして、呼び集める。

 

「ブレイブ、この人の状態は?」

 

《解析不可能です。この老人は人間ではありません。……そもそも生物と判断していいのかすら微妙なところです》

 

「は?」

 

ブレイブの説明に首を傾げていると、老人が呻き声をあげながらゆっくりと目を開ける。

 

「……んお? なんだ、お主達は……」

 

「えっと……」

 

「ふむふむ……お主達、面白い。特に黒髪の少年」

 

俺が面白い? このおじいさんは見ただけで俺のなにか分かったのかな?

 

「……まあ良いわい。それよりもお主達に聞きたいことがある」

 

「何ですか?」

 

「我のふんどしを知らんか? 白い布なんだが……」

 

ふんどし……白い…………あ!

 

「あります! ありますよ! あなたを釣る前に釣り上げたんです!」

 

捨てようと思っていた白い布はこのおじいさんのふんどしだったようだ。俺は布を返す。

 

「おお! これはまさしく我のふんどし!」

 

事情を聴くと、このおじいさんは洗濯して干していたふんどしが無くなってしまい探していたのだが、岩に頭をぶつけて気絶してしまったらしい。

 

「貴様は何者だ? 海の中で生活しているなど普通ではあるまい?」

 

リインフォースさんが尋ねると、豪快に笑いながら名乗った。

 

「フハハハハハハハハハハハッ! 天にゼウス、冥府にハーデス! 誰が呼んだか、海の帝王! 我こそは海の守り神ポセイドォォォォォォォンッ!」

 

『ポセイドン!?』

 

ポセイドンって言ったら海の神様じゃんか!

 

神様ならブレイブが解析ができないと言ったことに理解できた。

 

「フハハハハハ! 驚くのも無理はなかろう! だが、それはまた後にしてくれ。今はふんどしのお礼をしなければな!」

 

そこまであのふんどしが大切なのかな?

 

「さあ、なんでも言うがいい! 我にできることなら何でもするぞ!」

 

なんでも……。

 

「はい、三人とも集合」

 

三人を呼び寄せて、円陣を作って緊急会議を開く。

 

「どうする?」

 

『なんでもって言ってるんだし、空君の欲しいものでも頼んじゃえばー?』

 

「空さんの意見なら、なんでもいいです……」

 

「そうだな、元々空が助けたのだ。決める権利は空にある」

 

「あ、海の幸を貰うっていうのはどうすっか? 海の神様であるポセイドン様ならすぐにくれると思うっす」 

 

「お、それいい! ありがと、シア!」

 

シアの名案に賛成し、ポセイドン様に伝える。

 

「ふむ、海の幸をたくさんか……よし、わかった! ポセイドンの名に懸けてその願いを絶対に叶えてみせよう!」

 

声高々に宣言してから、海の中に飛び込む。飛び込んで発生した水柱が体にかかり、気持ちがよかった。

 

 

 

 

 

数十分後、ポセイドンさんに予め指定しておいた場所――――俺達がもといた浜辺に大量の海の幸が山積みになって置かれていた。

 

「これくらいでいいか?」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

「うむ! では、これで我は帰るとする!」

 

ポセイドンさんが再び海に帰るのを見送った後、皆に協力してもらいながら大量の食材を運ぶ。

 

「こ、ここまで食材が集まるとは思ってなかったよ……。一体どうやって集めたんだい?」

 

頬を引き攣らせたフォーベシイさんに尋ねられる。

 

「ポセイドンさんがくれたんです」

 

「ポセイドン!? 四人は海の神ポセイドンに出会ったってのか!?」

 

驚くユーストマさんに俺達は揃って頷く。

 

『これも空の傍に俺達(二天龍)や九喇嘛、聖書の神いることで起きた現象だな』

 

『何時の時代も力は力を引き寄せるからな。当然のことだ』

 

『その分だけ異性も引き寄せるがな』

 

『この先心配です……手遅れな気がしないでもないですが……』

 

『空さんの近くに居ると退屈しませんね!』

 

次第に山の方に行っていたメンバーとも合流し、その度に大量の食材に驚くの皆にも慣れていったところで、何人かで昼食を作り始める。

 

『いただきます!』

 

百人近い人数の食前の挨拶が一人ひとりが結構出しているので重なることでかなりの大音量だ。でも、それだけお腹を空かせていたし、目の前にある絶対に美味しいであろう料理に早く手を付けたいのだろう。

俺も目の前にある料理に手を伸ばし、食べ始めた。

 

 

 

 

 

「みなさーん! 用意はいいですかー!?」

 

『イエーイ!』

 

「それでは、ミュージック……スタート!」

 

食後の片づけをしたあと、いつの間にか美九のライブが始まろうとしていた。

ステージや衣装はどうやって用意したのか気になるところだが、それを今聞くのは野暮というものだ。

ノリノリの皆に混ざり、俺も全力で美九に声援を送った。

 

 

 

『Go☆サマーガール』

 

 

 

歌い終わった美九と目が合って美九はニヤリとほくそ笑んだ……気がした。

 

「続いて、だーりんが歌ってくれまーす!」

 

「んなッ!?」

 

『おおーッ!』

 

周りの視線は俺に集まる。誰もが俺が歌うことを待ってる視線だ。

 

この空気で断れるわけないじゃんか! ……というかだーりんって呼んだだけなのに俺だってことよくわかるね。

 

「そんじゃ、いっちょ歌いますか! 曲は『SUMMER GATE』! いっくよー!」

 

音響がどうなってるのか知らないが、俺が言った曲名の音源がキチンと流れてくる。それに合わせて俺は歌う。

 

 

 

『SUMMER GATE』

 

 

 

「続いて……クロノにでも歌ってもらおうかなー。管理局の皆さんもクロノの歌聴きたくありませんかー?」

 

歌い終わって、たまたま目に入ったクロノを指名する。

 

『イエーイ! クロノ執務官の歌聴きたーい!』

 

「……この空気の中で断るほど僕は石頭じゃないさ。全力で歌わせてもらう―――――空と共にな!」

 

「え、ちょ! 俺、今歌い終わったばっか! やるならユーノとやってよ!」

 

「仕方がないな……ついでにフェレットもど……ユーノ。あとヴァーリと雄人もだ。歌うぞ」

 

名指しされた三人は前に出てきてマイクを手に持つ。

 

結局俺は歌わされるのね……。

 

「何歌うの?」

 

「『Summer Splash!』だ。君達は知ってるだろう?」

 

「お、知ってる曲だよ」

 

「ああ、知ってる」

 

「俺も知ってるぜ!」

 

「僕も何回か聴いたことあるから大丈夫だと思う」

 

全員知ってる曲だったので、そのまま決定。曲が流れてきて俺達は歌い始める。

ラップは念話で雄人に押し付けたら、意外にも雄人のラップが上手かったことに場の雰囲気はさらに盛り上がった。

 

「続いて―――――」

 

俺達五人に引き続き、なのは達や十香達、シア達、皆の親兄弟、ほとんどの人が代わる代わる楽しんで歌った。

皆の盛り上がりも凄く、途中から漫才や手品、特技披露もやっていた。

 

「―――――次で最後にしようか」

 

景色は夕暮れになり、ライブの終わり間近だ。

 

「最後は空君、君に閉めてもらおうか。ここにいる人達が共通で知ってるのは君だからね。君が相応しい」

 

そういえば、俺がこの中一番顔を知られてるのか。

 

「はい! 最後に一曲、全力で歌わせていただきます!」

 

 

 

『STAY』

 

 

 

 

 

「いやー、楽しかった、楽しかったー」

 

風呂上がりに外に出て、昨日と同じく浜辺に座る。ライブのことを思い出すと胸が熱くなってくる。

 

「いい歌声だったわ」

 

後ろに振り向けば、万由里がいた。

 

「あ、万由里! 俺の歌聴いてたんだね……って俺のこと見てるんだから当たり前か」

 

万由里も昨日と同じく俺の隣に座る。互いの肩が触れそうな距離も同じだ。

 

「今日も星が綺麗ね……」

 

「そうだね……」

 

「……そこは“万由里の方が綺麗だよ”って言って欲しかったわ」

 

「え、万由里が星よりも綺麗なのは当たり前じゃんか」

 

「…………そ、そう。ありがとう……」

 

顔を赤くした万由里はそっぽを向いてしまった。そのせいで何故だか気まずい空気が俺達の間に生まれる。

 

あ、そうだ!

 

「万由里、見てて! 今から面白いもの見せてあげる!」

 

「?」

 

「(ドライグ、アルビオン、九喇嘛、ヤハウェ、ブレイブ手伝ってね!)」

 

影分身を五人だして、それぞれに禁手化(バランス・ブレイク)させる。

赤、白、橙、黄金、蒼。

五人の俺が空に浮かび、魔力を天に向かって放出。そして―――――弾けて花のように広がる。

 

「どう? 花火の魔力版」

 

「綺麗ね……とっても」

 

感想を聞くと、万由里の視線は完全に花火に釘付けだった。

時折、二つ以上の色が混ざり合って別の色になる。

十分ほどすると、皆も花火に気が付いたのか外に出てきたり、ベランダから眺めていた。

 

「私は遠くで見てるわ。じゃあね、空」

 

昨日は唇だったが、今日は頬にキスをしてから万由里はその場からいなくなった。

 

~~~~~~~~ッ! ……また心臓がバクバク鳴ってる……。

 

バクバク鳴るのが収まるころには皆に囲まれていた。

 

「綺麗だね」

 

「そうだね」

 

「でも、誰が……?」

 

「さあね。もしかしたらポセイドンさんがやってくれてるのかもよ?」

 

ごめん、イリヤ。ホントは俺なんです。

 

心の中で謝りながら花火を記憶に焼き付ける。

それから五分間、魔力を出し続けた影分身は自然と消えて花火は終わった。

 

「……あ」

 

名残惜しそうな声を誰かが出していた。

 

「また来ればいいさ。来年も再来年も……その次も……ね?」

 

『うん(ああ/はい)!』

 

皆笑って頷く。

こうして旅行二日目の夜は終わ―――――

 

 

 

「空は今日も私の部屋で寝るの?」

 

 

 

―――――らなかった。

リアスの爆弾投下で少女達の戦争が再び勃発したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、俺達の夏はこれからだ!」

 

《マスター、声が震えてますよ》

 

 

 

 

 

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