デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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家族増えます!

家族増えます!

 

Side空

 

精神世界で二天龍と聖書の神―――ヤハウェと出会い、黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)の禁手に至った。

それから俺は現実に戻って来た―――――

 

が、起きると琴里がいた。

 

「……何で琴里がここにいるの?」

 

「ここが私達の家だからよ」

 

「……え、家? 俺って二亜と時の庭園にいたんじゃ?」

 

「ええ、そうよ。それであんたが目覚めないから心配になって家に連れて帰ったって訳」

 

「昼寝してただけなのに? 大げさでしょ」

 

まるで俺が何日も寝てたみたいじゃん。

 

「大げさでも何でもないわよ。ほら見てみなさい空達がいなくなってから三日経ってるわ」

 

琴里が指で示した方を見ると、カレンダーがあり、あの日から三日が経ったことが分かった。

 

「……マジか」

 

「これで分かった?」

 

「うん、まあ……」

 

精神世界にいたことがそんなに時間経っていたのか……。

 

俺はそこでふと思い出したことを聞いた。

 

「他の皆は何してるの?」

 

琴里は少し呆れたように答えた。

 

「皆、寝てるわ。時間が時間だしね。後でお礼言っときなさいよ。寝ないで看病してくれたんだから」

 

部屋の時計は夜中の三時を示していた。皆に心配かけちゃったか……。

 

「うん、言っとく。それから――――」

 

「何?」

 

「琴里もありがと。ずっといてくれたんでしょ?」

 

「べ、別に大したことないわよ。こ、このくらい普通よ普通」

 

琴里がそっぽを向いて当たり前とばかりに言ってきた。

ツインテールがピコピコと動いていたのが見えたので、お礼を言われたのが恥ずかしかったらしい。

 

「そっか。それでもありがと」

 

「わ、分かったからさっさと寝なさい! 私はもう寝るから!」

 

そう言い残して部屋を去っていくかと思いきや、立ち止まり―――

 

「……お休み。……それと、おかえりなさい」

 

と言って、出て行った。

 

「うん、お休み……。ただいま」

 

俺の声は自分以外いない部屋に静かに響いた。

 

そんじゃ、寝ますか。

 

 

 

 

 

起きると身動きが取れなかった。

首を左右に向けてみると、何故かフェイトとアリシアがいて抱き枕にされていた。

 

……どうしてこうなった? ていうか何で二人がいるんだ?

 

しばらく考えていたが、さっぱり分からなかった。

まあいいやと思っていたら、この部屋のドアがノックされた。

 

『フェイトちゃん、アリシアちゃん。お昼ご飯が出来ましたよ~』

 

声の主はどうやら美九のようだ。

 

「美九、教えに来てくれてありがと」

 

俺の声を聞いた瞬間、美九がすごい勢いで部屋に突入してきた。

 

「だ、だーりん!? 目が覚めたんですか!?」

 

「うん。……あー、心配かけてごめんね……それから看病ありがと」

 

「ホントに心配したんですからね!」

 

抱き着いて顔を近づけてきた美九は今にも泣きそうな表情だった。

 

って近い! 近いから! あと、数センチで口と口がぶつかりそうだから離れて!

 

「ご、ごめん……それと出来れば、少し離れて欲しいんだけど」

 

「ダメですぅ! 心配かけた罰ですぅ!」

 

ウグッ……そう言われると、何も言い返せない…………いいや、まだ勝機はある!

 

「で、でも、もうご飯でしょ? だから二人起こして食べにいこ?」

 

「……わかりましたぁ。でもあとでたくさんしますからね♪」

 

あ、あとで……か。結局逃げれなかった……。

 

「はぁ……わかったよ。ご飯食べたらね」

 

「はい! じゃあ二人を起こしましょう!」

 

そうして二人を起こして、リビングに向かった。

 

二人は俺が起きたことに騒いでいたけど、それは後で言うということでその場は収まった。

 

行く途中で美九が、

 

「二人に抱き枕にされて鼻の下伸ばしてたので特訓追加ですぅ♪」

 

と言ってきて、今すぐにでも逃げたくなった……。

 

 

 

 

 

リビングに行けば皆揃っていた。プレシアさんやリニス、アルフもだ。

 

『空(君/さん)!?』

 

皆が俺に気が付くと、一斉に名前を呼んだ。

 

おお、何か一斉に注目浴びると恥ずかしい気がする。

 

「もう大丈夫なのか!?」

 

「うん、心配かけてごめんね。もう大丈夫!」

 

それを聞いて皆は安堵の息を吐いていた。余程心配を掛けてしまったらしい。

 

「さ、空の無事も確認できたからご飯にしましょ。その後に空に色々聞くわ」

 

皆は頷いてそれぞれ自分の席に着いた。

 

「そんじゃ、いただきます!」

 

『いただきます!』

 

そう言えば時の庭園に行った時から食べてなかった……。

 

こうして、プレシアさん達も加えて三日ぶりに皆でご飯を食べた。

 

 

 

 

 

ご飯を食べ終わったあと、俺の精神世界であったことを話した。

 

「まさか寝ている間に禁手(バランス・ブレイカー)に至るとは……」

 

「俺もびっくりだったけどね」

 

「しかもいきなり黄昏の聖槍からってチートでしょ……」

 

「アハハ……確かに言えてる」

 

『おまけに二天龍も倒しちゃうなんてねー』

 

「す、すごいです……」

 

「まあ、聖槍の禁手のおかげだけどね」

 

「何はともあれ結果的には良かったわね」

 

「うむ! これで一層修行が捗るな!」

 

十香が修行が捗ることを嬉しそうにしていた。

 

「えっ? 更に厳しくなるの?」

 

冗談、だよね……?

 

「今までは序の口」

 

マジかよ……。

 

俺が軽く絶望していると、おずおずとフェイトが手を上げた。

 

「どうしたの、フェイト」

 

「さっきから皆が話してるバランス・ブレイカーとかトゥルー・ロンギヌスとか二天龍……だっけ? それって何のこと?」

 

「そうね。私達にも良ければ教えてもらえるかしら?」

 

アリシア達も同じ気持ちだったのか同時に頷いた。

 

「あー……、まあいっか。教えますよ。俺の力のついて」

 

「話しても良いのか?」

 

「プレシアさん達だったらダイジョブでしょ」

 

「お主がそう言うのであれば構わないのじゃ」

 

「うん。じゃあこれから説明しまーす!」

 

それから俺は自分の使える力―――十香達精霊についてや神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)のことを簡単に纏めて説明した。

 

「って感じですかね。何か質問はありますか?」

 

聞いてみるとプレシアさんが律儀に手を上げた。

 

「アリシアの蘇生はどうやったのかしら?」

 

「それはこれ―――幽世の聖杯(セフィロト・グラール)ですよ」

 

そう言って俺は幽世の聖杯を出した。

 

「これの力は生命に関する能力があるんですよ。その力で生き返らせました」

 

「そ、そんなのロストロギア並みですよ! しかもそれと同等の力を複数持つなんて……」

 

「ロストロギアっていうのはよく分かんないけど、まあすごい力だよ。例えばプレシアさんの病気だって治せるし。ほいっとな」

 

プレシアさんが突如光に包まれた。

しばらくして光が収まると先程よりも若くなったプレシアさんになっていた。実際にそんな変わった様子はないけど顔つきが良くなり、若干皺が減った……気がする。

 

「全然苦しくない!? 本当に治ってるの!?」

 

自分の体中を触って確かめるプレシアさん。リニスが魔方陣を展開して体中を調べてみたらしいがどこにも異常はみられないそうだ。

 

「しかも若くなっています……」

 

「空って何者……?」

 

「前世が神(笑)だった」

 

「そんなんじゃ説明になるか! 絶対嘘だろ!」

 

うん、全くの嘘です。前世のこと知らないからホントの事なんてわからないけど。

 

「落ち着いきなよ、アルフ」

 

「で、でも……!」

 

フェイトがアルフを宥めるも、アルフは納得がいっていない顔をしていた。

 

「なんでもいいよ! 空は空だもん!」

 

お、アリシア良いこと言うね。俺自身普通の人間じゃない気がしてるけど。

 

「そーゆうことだよ。分かったかね、アルフ君?」

 

先生口調でアルフをバカにしてみた。

 

「むかつく! ……けど、フェイトのことがあったから私もそれで納得するよ……」

 

そんな感じでアルフは渋々納得してくれた。

 

「で、プレシアさん達はこれからどうするんですか?」

 

「そうね……。アリシアの蘇生は済んでしまったからすることはないのよね……。どうしようかしら」

 

「もし良かったら、ここに住みませんか?」

 

「はぁ……絶対に言うと思った。私はOKだけどね」

 

二亜が真っ先に賛成してくれた。

 

何か精霊の皆に呆れられてる!?

 

「で、でもいいの? 迷惑じゃないかしら?」

 

「そんなことないですよ。それにこの家広くて部屋がいっぱい余ってるんで」

 

「私は賛成! ここに住みたい!」

 

アリシアが元気よく手を上げて賛成した。

 

「私も……その、いいかな?」

 

フェイトはおずおずと控えめに手を上げていた。

 

「あたしはフェイトがいいなら何でもいいよ」

 

「私はプレシアに付いて行きます。あなたの使い魔ですから」

 

「って他の皆は言ってますけど?」

 

「……わかったわ。ありがたくここに住まわせてもらうわ」

 

「はい! もちろん皆もいいよね?」

 

精霊達に聞いてみた。何の相談もなしに決めてしまったからちょっと不味いかもてお思ったが杞憂に終わった。

 

「うむ! 問題ないぞ!」

 

「私も賛成、です……ッ!」

 

『よしのんもよー』

 

「ええ、特に反対する理由がありませんもの」

 

「そうね。文句はないわ」

 

「構わない」

 

「むくもいいのじゃ」

 

「かわいい子が来るのは大賛成ですぅ!」

 

「……別に私には聞かなくても全然平気だから」

 

「くく、新たな我が下僕として歓迎しようぞ!」

 

「翻訳。新しい家族が出来て嬉しいけどライバルにならないか不安だそうです」

 

「ちょッ!? 勝手なこと言うな! そんなこと全然思ってないし!」

 

「虚言。嘘は良くないです。ちなみに素直に物事を言う娘が空は好きだと言っていました」

 

「へ? そ、そうなの空?」

 

「え? うーんまあ素直な方が良いとは思うけど……」

 

「けど?」

 

「追求。けど、何ですか?」

 

「ありのままの笑顔でずっと隣にいてくれたらそれだけで十分……かな?」

 

そういったことってあんまり考えてこと無いからよく分からないけど。

って何で皆してメモしてるの!? フェイトとアリシアも!? どっから出した!?

 

「そ、そう。ありがと……」

 

「感謝。ありがとうございます。大変勉強になりました」

 

「え、あ、うん。よく分かんないけど、どういたしまして。あ、そうだ! 今日は夕飯と一緒にプレシアさん達の歓迎会にしよっか!」

 

折角新しい家族が増えたのだからしっかり歓迎してあげたい。

 

「いいんじゃないかしら」

 

皆も賛成してくれた。

 

「早速準備してこー!」

 

俺の掛け声と共に皆で買い出しや準備をした。

 

 

 

 

 

そして、準備が終わって歓迎会を始めた。

 

作ったのはもちろん家事スキルEXを持つこの俺がやりましたとも!

 

皆のことを改めて自己紹介したり、ドンチャン騒いで楽しんだ。

 

途中で折紙がセクハラしてきてそれに気づいた十香とケンカになったり、耶俱矢と夕弦が大食い競争したり、四糸乃と七罪が会話しているのを見て癒されたり、美九にハグされたり、プレシアさんが酔って絡んできたり、フェイトとアリシアが楽しそうにしているのを見て和んだり、狂三に玩具にされた後、琴里にプロレス技を掛けられて六喰に慰められたり、二亜がそれを見て大爆笑していた等々、色々あった。

 

え? リニスやアルフ? リニスは片っ端から掃除をしていて、アルフは途中から床で寝ていたよ。……うん、いつものことだから気にしない気にしない。フェイト達は初めてだけど。

 

そうして楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。

 

 

 

 

 

 

「あーあ、こんなに散らかして……。リニスが掃除してた意味がないじゃん……」

 

他の皆は騒いで疲れたのか先に寝てしまった。

 

「……まあ、皆楽しそうだったからいっか」

 

今日あったことを思い出すと、少しだけ笑ってしまった。

 

「あ、空……まだ起きてたんだ」

 

隣にフェイトがやって来た。

 

「どうしたの? 眠れない?」

 

「うん、なんか目が冴えちゃって。掃除、手伝う?」

 

「ううん、もうじき終わるから大丈夫だよ」

 

それからフェイトと話しながらも手は動かし続けていると片付けはすぐに終わった。

 

「よし! 終わった!」

 

一息つくために二人でソファーに並んで座った。

 

「お疲れさま。ホントは手伝いたかったんだけど……」

 

「いいのいいの。騒いで疲れたでしょ?」

 

「うん、少しね。……初めてあんなにはしゃいだよ」

 

「これからそんなの当たり前になるよ。ここにいれば嫌と言うほどね」

 

「アハハ……確かにそうかも」

 

「もうそろそろ寝よっかって思ったけどまだ眠れそうにない?」

 

「……うん、まだかな」

 

「じゃあ俺の部屋でおしゃべりでもしよっか」

 

「いいの?」

 

「いいもなにも、俺達はもう家族なんだから遠慮しないの。わかった?」

 

「空……うん! わかった!」

 

あの一件があってからフェイトはちょっと変わった気がする。三日前のことで、ほんの些細な変化だろうけど……。でも、きっとそれがいつかフェイトをより大きくするって俺は思ってるし、そう願ってる。

 

 

 

 

 

俺の部屋で俺とフェイトは魔法の事を話していた。

 

どっちかっていうと主に俺が聞いているんだけど……。

 

どうやら俺にはフェイトと同じで魔力というものがあって魔法を使えるらしい。

でも、精霊の十香達にはないと言われた。

 

まあ精霊だからそうだろうね。霊力があるからそれで一応念話は出来るけどね。そう言えば、魔力使ったことないや。知らなかったのもあるけど基本的にずっと戦闘か筋トレだったし。あと勉強。

皆は多分魔力が無いから教えること出来なかったんだろうね。

 

色々考えていたら、隣から静かな寝息が聞こえてきた。

 

「ここで寝ちゃったか……」

 

部屋に運ぶでもいいけど起こすと可哀想だしなぁ……。

 

「しゃーなしってやつだな。俺も寝よっと」

 

べ、別に下心とかは無いからねッ! ちょっと可愛いって思ったくらいだからッ!

 

意味の分からない言い訳を心の中でしてから眠りについた。

 

 

 

 

 

 

翌朝に起こしに来た琴里に二人で寝ていたのがバレて、言い訳をする暇もなく正座で説教されて修行でこってり絞られた。

更には時の庭園であったこともバレていたらしく、余計にボコボコにやられた。その後何故かキスを皆にせがまれた。

 

……その時の皆は目が血走っていてとても怖かった。

 

後日、俺の知らない間に俺と一緒に寝る当番なるものが決まっていたらしく、毎日強制的に誰かと寝る羽目になった。

 

…………何故に?

 

 

 

 

 

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