その手に握る刀は何のために   作:ユウヤ

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最後の投稿から七年余り。覚えている方はごく少数でしょうが、この間にMHFの終了を発端に色々とありました。ですがライズに触れていこう、自分が持つ和風魂に火がついて色々と調べて再び書くことになりました。良ければ見ていってください


第九話 現れた五人衆 渓流に響く声

今日も今日とてレイナの鍛錬に付き合いつつ何か変化が村長の下を訪れたがそこには人が集まっていた。

 

「あらユウヤさん。お客人ですよ」

指された方向にはキッチリ俺の来ている防具と似た風貌の装備の類を着ているアイルー五人衆がいた。

 

「ようやく追いついたニャ。突然の引っ越しなのはわかるケド、こっちに何も言わないのはどうかと思うニャ」

 

「それについては謝るしかないな」

 

「ニャら、今後とも世話にならせてもらうニャ」

 

「世話・・・ユウヤ、たかられてるの?」

 

「失敬な。我ら五人衆はご主人が駆け出しのころより付き従う精鋭アイルーなのニャ。それよりご主人、こっちに着いて一か月も経つほどにゃ。一か月であのぶっきらぼうが女性を連れているとは」

と、アイル五人衆筆頭のアーノルドが言うや、五人がそれぞれ思いの場所、言うなれば俺の頭や肩、足などにひっついて突っつきまくり始めた。

 

「一応、書置きはしていたんだがな」

 

「そういうのは事前に渡してもらいたいニャ。『後は頼む』とあったおかげであっちに貯めていた素材なんかの保存の手間もあってようやく追いついたところだからニャー」

 

「さて、結構な荷物もあるようだし、とりあえずウチで休んでいくのはどうだ?」

 

「ありがたくお邪魔させてもらうニャ」

そう、この五人のアイルーが持っている荷物はただの旅支度などではなく、行商人が持つぐらいの大きさの荷物だった。

道すがら、ユウヤと五人ののアイルの話を聞いた。

 

「それにしても」

 

アーノルドと呼ばれるアイルーがニヤニヤとユウヤの肩に乗りながら私を見ていた。

「メゼポルタあれだけ色んなハンターから特注の武具を依頼されてほぼ全てを断っていたご主人が、オリジナルを作るとは一体どういう心境の現われか・・・」

確かにそう言われれば気になるところではある。それも数多の狩人がいるというメゼポルタで断り続けた。それが村に来て早々に防具を誂えてくれた。

 

「あぁ、それな。俺は中央の依頼とかで村を出ることだってあり得る。今村のハンターは俺らだけ。ならせめて防具ぐらい揃えとかないと大事になっては遅いからな」

 

「真っ当な意見ニャ、であれがご主人の家かニャ」

確認するやアイルーたちは中へと入り物色していた。

 

「ふむ、特に乱雑したような跡も無し。ある意味生活態度はいい方向に向かっているようニャ」

 

「え、何?荒れてたの?」

と、ちょっと悪戯過ぎただろうか?でもユウヤ本人は全くバツの悪そうな態度ではないように見えた。

 

「何分、あっちじゃ休めるときに休んどかないとなレベルだったからな。それに・・・」

ユウヤがこっちを見た瞬間、その目に狙いを定められた気がした。

 

「少しでも起きるのが遅いと朝食はまだかと乗り込んでくる奴がいてね。おちおち寝てる暇すらない。なんなら早くに起きてのんびり釣り糸垂らすくらいだ」

 

「ほっほう・・・まぁ今後はボクたちがその辺は世話するからご主人はやるべきことに全力を注いでくれニャ」

 

「いつもながら迷惑かけるな」

 

「この程度、造作もないニャ」

ユウヤのアイルーが来て一週間。今までユウヤの面倒を激戦区であるメゼポルタで世話して来たのは伊達ではなく、朝に釣った魚、昨日取れたブルファンゴやケルビの肉。そして村きっての料理人すら難しいと言われるジャギィの肉に野菜を加えたらあら不思議。豪華絢爛な朝食が目の前に現れた。

 

「す、すごい・・・」

 

「この程度、朝飯前ニャ」

 

「この腕前のアイルーとの出会いも気になるところだけど、この頃の異変について調査してほしいって村長が呼んでた」

 

「支度を整えて出るとしよう。皆も腕はなまってはいないだろう?」

 

「当然ニャ」

この頃おかしいことが続いていた。群れで行動するジャギィやジャギィノスたちが数匹で渓流に出没しているのだ。一箇所に集まっているならまだしも、渓流の広範囲に現れているのだ。群れの長であるドスジャギィは連日の調査で確認してないのでジャギィたちの独断だと考えている。一応村には近づいてこないので現状放置が俺とレイナの判断だった。

 

「今日はどうするの?」

 

「今日もまた渓流の調査だろうな。」

 

ジャギィの異常が見られてから既に10日経っていた。だが一向に原因が見つかっていない。西方大陸に生息するジャギィと同じ鳥竜種のランポス種にはこんなことは見られない。ただ単に発達の違いと言って片付けることもできるが、それにしても引っかかるのだ。

 

「じゃぁパタータ、村を頼んだ。」

 

「了解ニャ。旦那たちも気をつけて。」

 

アイルーたちが村に住み始めて二週間が経っていた。自衛団に入る者や村人を手伝う者などみんな村に馴染んでいる様だ。

 

「今日も今日とて調査か~。」

 

「しかたないだろ。不自然すぎるんだから。」

 

横で不満を言いながら歩くレイナを軽くあしらいつつ、渓流へと足を運んだ。

 

 

 

「それにしても、ドスジャギィがいないというのにこのジャギィの集まりは多すぎるな・・・。」

 

俺はそうつぶやきながら、双眼鏡を覗きながらエリア6の滝の上の茂みに隠れてジャギィの観察をしていた。

 

「・・・羽ばたきの音・・・?」

 

さっきから静かだったレイナが目を細めて上を見ていた。俺も釣られて上を見てみた。

 

「なるほど、あれが原因か・・・。」

 

それは空からゆっくりと降りてきた。

 

「あれは・・・。」

 

「彩鳥・クルペッコか・・・見落としてたな。」

 

さまざまな鳴き声を操り、他種族のモンスターまでも呼ぶ厄介なモンスターだ。現にドスジャギィの鳴き声を操って、近づいてきたジャギィを遠のかせている。

 

「どうするの?」

 

「どうもこうも、最近のジャギィの大量出没は奴の仕業だろう。」

 

「と、言うことは討伐するのね?」

 

「無論。」

 

俺の言葉を合図に俺たちは背中の鞘から太刀を抜き、左右に分かれて崖を下り、水を飲んでいるクルペッコに接近する。

 

「クゥ・・・?クェ、クェェェェ!!」

 

流石にクルペッコも気づいたようで、威嚇をし、戦闘態勢に入る。そんなことに気もかけず、二人は左右の翼に斬りかかるが、クルペッコが後ろへと飛んだため、二人の太刀は空を切った。

 

「いいな、まず狙うのは翼の火打石だ!!」

 

「わかってる!!」

 

そう、クルペッコの両翼についている火打ち石はかなりの爆炎を発生させるのだ。加えてその動作も速く、避けるのは容易ではない。

 

「せい!!」

 

しかし、ユウヤはクルペッコが飛び退いたのと同時にさらに踏み込んで左翼の火打ち石目掛けて一閃を放つ。流石に完全に破壊することはできなかったが、破片が見えるくらいには破壊できた。

 

「クェェェ!?」

 

まさか追撃があるとは思っていなかったのか、クルペッコは悲鳴を上げる。

 

「私だって」

 

「勇むな!!奴の火打石は鉱物そのものだぞ!!」

だがユウヤの助言も遅く、私の刀は火打石に弾かれて大きな隙を晒してしまった。そして襲い掛かるクルペッコの火打石。怪我の度合い、そして恐怖した。

 

「クァァァァ!?」

だがそんな心配はすぐに横合いからの小さな爆発を受けたクルペッコが大勢を崩したところで持ち直すことができた。

爆発の位置からして周囲を見渡すと、ボウガンと似て非なるような筒を背負ったアイルがいた。

 

「一体何が・・・」

 

「まずは今起きたことより次の一手を考えろ」

 

「わかってる」

とはいえ練気を使えば何とか火打石は壊せるかもしれないけど、継戦能力を考えれば出し惜しみしてしまう。そしてロックラックで学んだ通りならまだ相手には切り札がある。

 

そして当然一瞬でも恐怖を得たのなら生物種別関係なしに最善の手を打とうとする。クルペッコが胴体の鳴き袋を膨らませたのが何よりもの証拠だ。

 

「マズイ・・・何を呼ぶ気なのかはわからないけど、乱入は阻止しないと・・・」

 

「ショット、行けるな」

 

「もちろんニャ」

ショットと呼ばれたアイルーが背中のポーチから小さな小刀のような物を手に取り、そのままクルペッコの鳴き袋めがけて投擲した。

 

「ローラ、準備は万端か?」

 

「次弾装填完了済み、ぶっ放すニャ」

そういった瞬間、担いでいた筒から再び弾丸と思えるものが発射された。そしてクルペッコに着弾すると先ほど以上の爆発を見せた。爆発を受けたクルペッコは余りの出来事に地面に転がってもがいていた。

 

「さて俺たちの出番だ。手加減はするな。これが最後の攻撃だ」

 

「了解」

私は持っている刀に気を集中してこめる。そしてその証に刀は白く光り、私の練気を帯びる。

 

「やぁぁぁ!!」

そのまま肉薄して今放てる最大の一撃をクルペッコの喉元に放った。予想以上の威力に驚いたが、

当のクルペッコはそれが致命傷となったのか、弱弱しい鳴き声を発した後、身動きが止んだ。

 

「勝ったのよね?」

 

「あぁ、その通りだ」

 

「しかしクルペッコなんて初めてだからどこを剥ぎ取ればいいのやら・・・」

 

「着飾る趣味があるのなら翼や尻尾の膜が良いだろう。だがクルペッコの鱗はレイナのレベルで計算すればいい具合の火に対する効果が得られるだろう」

 

「なら鱗にするわ。元々着飾ることもないのだし。それに注文出せば改良してくれるんでしょ?」

 

「・・・まぁま」

とりあえず俺たちはクルペッコの剥ぎ取りを済ませて村長に報告した。原因がクルペッコであるのなら渓流の騒ぎも沈静化するだろう。

そうして俺は今日も朝から釣り糸を垂らしていた。




ご視聴ありがとうございました
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