その手に握る刀は何のために   作:ユウヤ

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第十七話 私の仇と二人の決意

「レイナさん。お話があります」

 

ジンオウガ討伐後の祭りの終わった次の日。私は村長に呼ばれた。ただ村長の顔はあんまり見たことが無い様子であった。

 

「それでお・・・話って?」

 

「先ほど先日討伐されたジンオウガの検分をさせていただいたのですが・・・。今まであなたのご両親が亡くなったときの依頼対象を放したことがありませんでしたね」

 

「・・・」

 

その言葉を聞いて一瞬、相席してもらっていたユウヤの雰囲気が変化した。

 

「先に結果を話します。あなたのご両親が亡くなられたときの討伐対象はジンオウガでした」

 

「ジンオウガ・・・まさか!?」

 

「おそらく、今回討伐されたジンオウガがあなたの仇でほぼ間違いありません」

 

「でも、ユウヤの話じゃ片方の角の歪な成長は縄張り争いだって・・・」

 

すると村長は複数の紙、資料を取り出して見せてくれた。

 

「当時の記録、狩りの前にご両親が行った偵察記録によるとそのジンオウガの角は生えそろっていたと。ただしおびただしいほどの電気をため込んでいたともあります」

 

筆跡は間違いなく両親のもので間違いない。ただ走り書きのように見えるということは相当急いで書いたのだろう。書き直した部分も多々あった。そして村長は一つの欠片を、見せてくれた。

 

「今まで隠していましたが・・・あなたのお母さんが使われていた太刀が唯一見つかった遺品と教えていましたが、その太刀の近くにこれも落ちていました」

 

その破片を村長はユウヤに見せた。

 

「・・・ジンオウガの角の破片」

 

「おそらく、一矢報いてジンオウガの角を折ったのでしょう」

 

「そう・・・ですか・・・」

 

「元々復讐などという悲しき人生の目標を背負わせようなどと思っていません。ですが、このような形で叶ったとなれば・・・」

 

「・・・そう、ですね」

 

少し、というかかなり視界がぼやける。あふれ出るほどの涙。ただ確かなのはユウヤが手を握ってくれていた。

 

「・・・それからユウヤさん。渓流の奥に、此度と同種のジンオウガがいる可能性があるとおっしゃっていましたが・・・今回の依頼は既に達成されています。今後はどうされるのですか?」

 

一瞬、握ってくれていたユウヤの手に力が入った。

 

「依頼は達成されました。数日後にギルドからも返信が届くでしょう。戻ってこいと言われるでしょうが、生憎メゼポルタを発つときにここに骨を埋める覚悟で来ました。そしてこれからはレイナとともに村を守らせてもらいたいと思います」

 

「ユウヤ・・・」

 

「そう・・・お互いの事を思い出した、気づいたということですね」

 

「・・・村長は最初から気づいていたんですよね?」

 

「まぁ・・・その・・・まさか恋焦がれるほど思っていたとは想像していませんでしたので・・・。ですが、そうですね。レイナは人より言葉が強いですが、人としては立派です。親代わりの私が言うのもなんですが、レイナを、村を守ってくださいますか?」

 

「そのつもりです」

 

・・・なんか、話がそれている気がする・・・

 

「してレイナ。今後はどちらの家に住むのですか?」

 

「ゔぇ!?えぇっと・・・そのぉ・・・保留で・・・」

 

「まぁ、焦る必要はないですが、何が起こるかもわかりません。後悔が無いようにね?」

 

「・・・はい」

 

「では、湿っぽい話はこれまでにして、私はこれからいろいろと忙しくなるので、お二人はゆっくりとしていてくださいな」

 

そう言われて話は終わりとなって私たちは村長の家を出た

 

「・・・なんか、蚊帳の外、って感じなんだが」

 

「うん・・・あってると思う」

 

「・・・先急ぎすぎたか?」

 

「うーん」

 

ちょっと口元が緩む気がしたが、仕方がない。

 

「なーんかありそうだけど、その前に聞きたいことがあるなー?って・・・」

 

「・・・そうだな。レイナ。レイナは絶対に俺が守るだから、離れないで、置いてかないでくれよ?」

 

「うん。まだ追い付けないでいるけど、ユウヤは私が守る。だから、置いてかないで」

 

握っていた手を絡めるようにして、私たちは川原でちょっと火照った体を涼めることにした。

 

――――――――――――――

 

二日後、私たちが察知する前に結婚式の準備が完了していた。最初こそ村のしきたり通りに進んだが、いざ食事となったときに飲みなれていないお酒を飲んだ。何せユクモ村の酒は外じゃ強いと言われるほど。それを一杯飲んだだけで私もユウヤも酔いつぶれていた。だからその後の記憶が無い。

 

ただ起きたとき、隣にユウヤがいて、起きるタイミングも一緒だったせいで、少し顔を見るのが恥ずかしかったのは余談である。

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