ゲーム至上主義の世界にゲーム苦手な男が迷い込んでみたら・・・ 作:amamamama
ゲームを少しでも齧っていれば
あらゆるゲームのランキングトップに君臨する彼?彼女??はチートをはじめとするあらゆるツールを使っても勝てなかったのだ。
自作チートツール使用説、人工知能説、果ては宇宙人、未来人説などなど・・・『 』の正体に関する様々な噂が飛び交っているが真偽の程は謎のままだ。
そんなゲーム界の
文字通り、一国の王になっていた。
『 』の二人は声高らかに
「へぇ~すげぇな」
噂を聞いて感心する俺、全くの他人事だ。
号外的なビラが配られていたのだが人類語はさっぱりだった。
「そろそろ人類語覚えないとやばいよなぁ・・・」
言葉は通じるのに文字は読めない、どうせなら文字も読めるようにしてくれよなぁ・・・・
なんて某神様に文句を言いつつ図書館を探す。
「図書館ねぇじゃん」
通りのど真ん中でふと声を漏らすと―――
「当たり前よ」
聞き覚えのある声、振り返るとベールの少女、クラミー・ツェルが立っていた。
「クラミーか。国王選定戦、残念だったな」
「全くよ!あんなヤツらにこの国を任せていたらこの国がいくつあっても足りないわ!」
「それより図書館が無いのは当然ってどういう事だ?」
「無いわけではないの。ただ人類種は近付けないだけ」
俺は彼女の意味深な言い方が気になった。
「近付けないって?」
「だって今国立図書館に居座っているのは―――」
「こんちゃー」
さすが国立図書館と言ったところか・・・中々の蔵書量である。
こんだけ広かったらここに居る天翼種にバレねぇんじゃね?
なんて思いつつ歩みを進めていくと・・・
バサッ!
羽音が聞こえた。周囲を見回すと彼女の姿を一瞬捉える。
大きく羽を広げ飛び回る姿。
空を自由に飛び回りたいという長きに渡る人間の欲望を具現化した存在、と思っていたのだが・・・
天使、当たり前の話だが実物を見るのは始めてた。
実物を見てみると・・・うん、なんとも神々しい。
ふわりと着陸した彼女が口を開く。
「ヘ~イ!そこのボーイ?ミーのライブラリーにワァット御用で?」
「えぇ・・・」
イメージとちゃうやんけ!なんてツッコミを心のなかでしてしまう。
その口から飛び出してきたのはル○語だった。
「あぁ、えっとですねぇ・・・」
「サプラァイズするのも無理はありません、これはミーが考えだした先鋭的かつ個性的なラァンゲッジ、イマニティがアンダースタァンド出来ないのは当然です」
「いや、それ俺んとこでは結構前に有名になってソッコーで廃れていったヤツですんで・・・」
すると天翼種の彼女は心底驚いた表情を見せる。
「なぁんと!この言語を既に考えだしていた人がいるのですか!?」
「そうなんです、なので貴方がたが普段そういった話し方をしていないのならやめて欲しいのです」
ウザいし・・・
俺は机と椅子のある部屋へと通された。俺と対面する形で座る彼女、ジブリールは手に何かしらの飲み物を持っている。
「私の図書館を使わせて欲しい?そういいたいのですか?」
「まぁ、ざっくり言うとそういうことになりますねぇ」
まぁ使うくらいなら別に駄目とは言わんでしょうよ・・・
「そうですか・・・」
ジブリールの表情が曇る。あれ、これってもしかして駄目なパティーンかな。
「我々フリューゲルは十の盟約以前、首を集めておりました。しかし殺傷のたぐいを禁じられてからは何より知識を尊ぶ種族でございます」
「存じております」
俺は一言、肯定だけしておく。
「その知識が詰まっている書籍は命と等価であるのです。それを使わせて欲しいというのはいささか虫の良い話ではないでしょうか?」
「そうですね」
先程と同じ、一言だけ返す。
「それにこの図書館はこの国の先代の王からゲームで勝ち取ったもの、それを人類種に使わせるのはゲームの意味がないです」
「じゃぁゲームで勝ったら文句無いですよね?」
「ほぅ?人類種ごときが天翼種たる私にゲームを挑むと?」
さっきまでの雰囲気とは違う、表情からでも分かる。
嘲笑だ。
簡単な事である。位階序列最下位の人類種が6位の天翼種に勝負を挑む、無理も無い話だ。
「我が城に一人で訪れタイマンを挑むその勇敢さを称えて私の全てを捧げましょう。貴方は何を賭けるのですか?」
すげぇ話が大事になってきたな。
なんだよこの俺もそれに等価となる物を賭けないといけないみたいな空気・・・
「じゃぁ俺も全てを賭けるわ煮るなり焼くなり好きにしていいぞ」
ジブリールは鼻で笑う。
「そんな人類種の全てなんて所詮ちっぽけなもの、全然等価ではありま――」
「異世界の知識はどうでしょう?」
「なんですって?」
ジブリールが興味を示した。彼女が欲しているのはありとあらゆる知識、この世界の事は大方知り尽くしているだろう。
だったら異世界の知識なら吊り合うのではなかろうか?
「ご、ご冗談を・・・貴方が異世界の知識を持っているという証拠はどこにあるのでしょう?」
俺は懐からスマホを取り出してジブリールへ放った。
「おっとっと・・・この板は何ですか?」
スマホをまじまじと見回すジブリール。勿論この世界にスマホなんてものはない、彼女がスマホを見るのは初めての筈だ。
「フチについてるボタンを押してみてください」
「ボタン?この突起のことでしょうか?」
ジブリールがスマホの電源ボタンを押すとホーム画面が現れる。
「なんとこれは・・・板に絵が現れました。しかも書かれている文字は私の知らない言語。なっ!?絵が指の動きに合わせて変化します!これは興味深いうぇへへ・・・」
俺は文字通りヨダレを垂らしてスマホを食い入る様に見るジブリールに若干引いていた。
「えっと、信じて頂きましたか?」
「確かに、この板が異世界のものであるということは分かりました」
「じゃぁ俺が異世界から来たってことも信じて・・・・」
「それはないです」
彼女はきっぱりと断言した。
「え?なんでです?」
「人類種でも分かるように説明しますと異世界から生物を召喚するとなるとこの世界に繋ぎ留めておくのに膨大な力が必要となります。仮にオールドデウスの力を持ってしても困難かと思われます」
オールドデウス、なんだか初耳な単語が聞こえたが取り敢えず彼女はまだ俺のことを異世界人だということに疑問を持っているようだ。
「だったらどうすれば信じてもらえます?」
此方から何を言っても無意味だ。なら、向こうが何かしらの提案をしてそれに俺が応えるといった方法を取るのが無難だろう。
「ボディチェックをしてもよろしいですか?」
「そんなことでいいんですか?ならどうぞ」
俺は両腕を天井に上げてバンザイする。
「では失礼して・・・」
ジブリールが俺に手を伸ばす。あんな格好だ。とても目のやり場に困ってしまう。
「ちなみに何処を調べるんです?」
「性感帯でございます」