ゲーム至上主義の世界にゲーム苦手な男が迷い込んでみたら・・・   作:amamamama

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第3話

「ストォップ!」

 

俺はすぐさま胸を隠した。男として真っ先に守る場所はそこではないと突っ込みが入りそうだが何故か体が勝手にそう動いてしまったのだ。

 

「なんですか?どうぞって言ったのは貴方でしょうに?」

 

「いやいやいや・・・性感帯って・・・正気ですか?」

 

ジブリールは笑顔で答えた。

 

「正気で御座います」

 

ウッソだろおい・・・

 

まぁ確かにジブリールみたいなのにその・・・されるなら願ったり叶ったりかもしれないが、急すぎる・・・

 

「ほら、男の子なら覚悟を決めてください、痛くはしませんから~うぇへへ・・・」

 

「ちょ・・・待ってくださいよマジで・・・心の準備がっ!」

 

手をワキワキさせながら近づいてくるジブリールに俺は心の底から恐怖した。必死の抵抗も空しく俺は壁に追いやられてしまった。

 

ボタンを外され露わになった素肌をジブリールの細長い白い手が這い回る。

 

ゾワゾワ・・・と良く分からない感覚が体中を襲う中、ジブリールの手が目的であった場所へと到達した。

 

身体が一瞬痙攣したかと思うとさっきまでの良く分からない感覚がさらに強くなったように思えた。

 

「あ、あの・・・もういいでしょう?これ・・・以上は・・・」

 

「もう少しです」

 

彼女のもう少しと俺のもう少しは大分かけ離れていたようで、その後数十分の拷問?ご褒美?に耐えることとなった。

 

「何か・・・分かりましたか?」

 

心臓がまだバクバクしている中俺は服装を整える。もうこんなことは御免願いたい。

 

「確かに貴方はこの世界の生物ではないようですね・・・」

 

「分かってくれましたか?」

 

「えぇ、貴方の体からは一切の精霊を感知することはできませんでした」

 

「精霊ってモンはそんなに大事な物なんですか?」

 

「えぇ、この世界で生きとし生けるものにはすべて精霊を宿しております。この私も精霊回廊からなる成分が力の源となっておりますので」

 

「へぇ~」

 

「つまりこの世界で貴方は生命として定義されるものではないのですが、こうして私と言葉を交わし、生命活動を維持している以上・・・」

 

「以上?」

 

ジブリールの目が変わった。

 

「"未知"で御座いますっ!未だ知らずと書いて未知、それは新たなる知識の根源!道程崇高なものが御座いますでしょうか!?」

 

目をキラッキラさせながら持論を展開するジブリール、この時点で俺は察した。コイツはアレな人だと・・・

 

「さて、本題に入らせてください。掛けるものはジブリールさんの全権限、こちらは異世界の知識、情報、おまけで俺の全てって事でいいですか?」

 

「えぇ、構いませんよ。貴方の全ての中にはボディチェックも含まれていることをお忘れなきよう」

 

ボディチェックと言う単語に拒否反応を示し始めた俺の体は一瞬ビクッとなる。

 

「え・・・えぇ・・・良いですよ。じゃぁ・・・そうですね、こちらも追加要求しますけど良いですね?」

 

「構いません、どうせ勝てませんので・・・」

 

こうして俺達は地下へと移動した。

 

地下は巨大な書庫になっている。その中心にある卓を挟むようにして座る。

 

そして卓の中心から球体のオブジェクトが現れた。

 

さて、これが俺がこの世界で仕掛ける初めてのゲーム、相手は序列第6位の天翼種。

 

そんな奴らにゲームを挑むなど無謀と誰もが笑うだろうが、俺だって色々考えてはいるんだ。

 

手持ちの資金だっていつかは尽きる、そうなってしまってはジ・エンドである。

 

この世界のゲームと言えば零話ゲームがほとんど、俺はそれが苦手だ。

 

となれば道端でのたれ死ぬのは目に見えて明らか。

 

もしこのゲームに負けたとしても運が良ければ彼女に養ってもらえる。文字通り煮るなり焼くなりされてしまったとしてもそれはそれで遅かれ早かれ訪れる結末だ。

 

数日しか過ごしていないこの世界に未練もヘッタクレもないしな・・・

 

図書館を貸してほしいというお願いから始まったこのゲーム、しかし俺にとってはこの世界での人生を掛けた一世一代の勝負と言うことになる。

 

だったらなぜ彼女なのか・・・それは簡単、彼女が仕掛けてくるゲームが俺の唯一の得意分野だったからだ。

 

『具象化しりとり』のルールは基本的には普通のしりとりと同じである。

 

既出の回答をする

 

30秒経っても答えられない

 

続行不能

 

それに加えて回答したものがこの場に無ければ出現する、あれば消滅する。と言ったものだそうだ。

 

ちなみに実在しないものはノーカン、言語は何でもいいとのこと。

 

「以上が具象化しりとりのルールで御座います」

 

「へー、面白そうですね。じゃぁ早速始めましょうかね・・・」

 

俺とジブリールは片手を上げてゲームの開始を宣言した。

 

「「盟約に誓って(アッシェンテ)!!」」

 

球体が起動する。俺は試にその球体に指を突っ込んでみると指に感覚が返ってくることはなかった。ホログラムみたいなものの様だ。

 

「先行はお譲りします。好きな物をどうぞ」

 

とジブリールが言ってくれたので・・・

 

「はい、じゃあ・・・"トマホーク"」

 

と俺が言ったと同時に天井に白い棒状の大きな物体が出現した。

 

「これは!?」

 

トマホークミサイル、世界の軍隊で多く使用されている巡航ミサイルだ。

 

勿論こんなものがこの世界に有るはずがない、実在するものであれば俺が元居た世界の物でもOKという事が証明された。

 

トマホークミサイルはターボファンエンジンを点火し此方に向かってくる。

 

よく分からないが危険と判断したジブリールが咄嗟に叫んだ。

 

「"九遠第四加護(クー・リ・アンセ)"!」

 

ATフィールドのようなものが俺達の周囲に展開され、それに衝突したトマホークの弾頭が起爆する。

 

バリアの外側は爆炎に包まれた後、周囲のあらゆるものが吹き飛んでいた。巡航ミサイル、恐るべし・・・

 

「今のは"く"から始まる最上封印魔法、九遠第四加護で御座います。初手で自爆なんて・・・私の善意が無ければここで終わってしまう所でした」

 

「そうですね、まさかここに飛んでくるなんて思ってもみませんでしたよ。ははは・・・」

 

ちなみにジブリール自身はバリアの外に居た。にも拘らず無傷って・・・天翼種って丈夫なんだな。

 

「"せ"でしたね、では"精霊回廊"」

 

上空に薄らと見えていた光の線が消えた。と同時にジブリールも何やら落ち着かない表情を浮かべている。

 

「これまた・・・いきなりですね」

 

「まぁ覚えたての単語は早めに出しておかないと、忘れたら勿体ないですからね。他に意味は無いですよ」

 

「どうだか・・・ではシンプルに"馬"」

 

馬が出現した。姿かたちは俺の知っている馬とほぼ同じ、やっぱどこでも似た環境で進化して行ったら同じ見た目になってしまうものなのか。

 

「動物つながりで"マウス"」

 

俺とジブリールの間で繰り広げられる知識の披露大会。

 

楽しい。俺は心の底からそう思った。

 

 

 

 

 

やっぱゲームはこうじゃないとな・・・

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