太陽と焔   作:はたけのなすび

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では。


太陽と焔とチェイテ以下略城の話-3

 

 

 

 

 

 ついに合流したエリザベートと共に、逃げ出すことには成功した。

 ギガントストレージ、とも呼ばれていた街から出て、向かった先は再びの荒野である。

 まずは落ち着いて情報整理となり、エリザベートから話を聴くこととなる。

 少女(キャスター)はエリザベートと語らうマスターとⅡ号機の半歩後ろで、彼らの話に耳を傾けることにした。

 

 カルデアからすれば一日にも満たないエリザベートの行方不明だったが、彼女の視点では何と三年も経っていたらしい。

 

「数時間が三年……随分と大変なことになっていたんですね」

「記憶喪失になって、邪教集団に唆されて歌姫になって、反発して飛び出して、日銭を稼ぎながら歌いまくって今に至る、と。貴族って聞いてたけど、公家とは段違いだな」

「ああ。逞し過ぎんだろ。ロックってのは正直俺にはあんまよくわかんねぇすけど」

「エリちゃんさんの生き方がそのままロックンロールなので、ああいう歌だと思いますよ」

「……ま、梅は梅よりかはわかりやすいんすね」

「はい?梅?」

「ングッ!…………いや、何でもない」

 

 吹き出しかけた口元を押さえて、藤堂平助は目線を逸らした。

 少女(キャスター)はきょとんと首を傾げる。歌のことは、正直よくわからないのだ。梅がどうかしたのか。

 言葉が力を持ち、神への賛歌(ヴェーダ)が尊ばれる場所に生まれたが、誰も教えてくれなかった。恥でもかかせたいのだろうと悟ったあとは、教えを請うのも止めてしまった。

 耳で覚えて聞き集めたものを神に捧げたのは、異聞帯でアグニと別れた時のみだ。

 尊敬の念が持てないまま歌う神への賛歌など不敬の極みであろうから、口にするのはいけないことだと思う。

 あと、別に音痴ではない。

 子守唄で子どもを寝かしつけるのは、生前でもカルデアに来てからもやっている。

 

「あんたはロックンロール好きなのか?」

「よくわからないのですよね。エリザベートさんの歌う歌は、ポップでもロックでも聴いていると凄く眠くなるので」

「安眠できるのか?」

「夢すら見ない、意識不明ぐらいの眠りが欲しいときは最適解です」

「安眠って言わないだろうそれは!」

 

 相変わらずのツッコミの藤堂平助をまぁまぁと原田と二人して宥めつつ、耳半分でエリザベートの話を聞く。

 聞く限り、マスターとエリザベートをこちらに招いた謎のエリザベート、もとい終わりのエリザベートは、エリザベートに対しては優しい【母様】として接していたらしい。

 それに記憶喪失のエリザベートの母を名乗ったのは嘘だが、中身の伴わない嘘ではなかった。

 

 ……というか、普通以上に優しく甘やかし、大切にしていたように聞こえる。

 

 飛び出したエリザベートも、終わりのエリザベートを嫌ってはいないのだ。

 反発した理由も、神を称えるような厳かな歌ばかり歌わせられるのに我慢できなくなったというのが理由である。

 終わりのエリザベートの人柄が、嫌いになったわけではない。怪しすぎる邪教を率いる巫女の立場にいたというのに。

 

「……真面目なお話なのはわかるのですけど、あちらもこちらもエリザベートさんだと頭がこんがらがりそうですね。そもそも、終わりのエリザベートって名前は何なのですか?エリザベート一族の末裔なのか何なのか……」

「しっかりしてくださいよ焔さん。俺、既にエリザベートだらけで頭が混乱してんですから解説頼んますって」

「原田さんは自分で何とかしてくださいよ。情報収集は十八番でしょ。今のカ星には味方に二人、敵に一人、エリザベートがいるってわかれば十分じゃないですか?……いやどこもかしこも変だろこれ!エリザベート一族ってなんだ!!」

「おまえも混乱してんじゃねぇか、平助」

 

 新選組の紅白二人のやり取りも聞きつつ、ふ、と何の気なしにカ星の青くない空を見上げ─────ぞ、と項の毛が逆立った。

 

「全員伏せて!」

「は?」

「速く!」

 

 剣を抜き、多重に防御壁を展開する。

 焔も呪術もあらゆる護りを咄嗟に組み込んだ半球状の壁が全員を覆い、Ⅱ号機がマスターを庇って地面に伏せるとほぼ同時に。

 

 彼方から飛来した矢が、障壁に突き刺さった。

 

「ッ、……!」

 

 鏃と激突した壁が、みるみる削られる。

 太陽に照らされた春の淡雪のように、魔力が凄まじい威力で融けてなくなっていく。

 宝具に次ぐ威力が、ただの一矢に込められているのだ。

 

「相変わらずッ────」

 

 ────ふざけた威力の矢を放つものだ。

 

「あの、遠矢を放つ者(ドゥーラパータ)が……ッ!」

 

 それでも、これは初めて見た威力の矢ではない。

 どれだけの破壊を生むのか、知らないわけではない。

 押し留めるのにどれほどこちらが削られるか、測り間違えてはいない。

 それに。

 

「キャスター!『瞬間強化(ブーステッド)』!」

「はいッ!」

 

 こちらには、(マスター)がいる。

 全身に巡った強化魔術が防壁を支え、矢を跳ね除ける手応えを感じた。

 だが、粟立った肌はそのままだ。

 

 ────まだ、来る。

 

 振り返った少女(キャスター)の目に、Ⅱ号機の背後に迫る人影が映った。

 マスターを庇う無防備な背に、剣が振り上げられる。

 だが。

 

「やらせるわけねぇだろうが!」

 

 原田左之助が滑り込み、五節棍が太刀を弾く。

 火花を散らしながら逸らされた刀の下に、原田が飛び込み、手の中で回転させた槍の石突を襲撃に伸ばすが、人影は軽々と跳んで避けた。

 

 跳び避けたその背後に、薄青の髪の少年の刀が迫る。

 

 振り向いた剣士の太刀と藤堂の打刀が、正面からかち合った。

 

「渡辺、綱ッ……!」

「ん?」

 

 鍔迫り合いながら、藤堂の顔が歪む。

 平安時代の四天王、鬼切りの渡辺綱の実力のほどは、ここにいる全員知っていた。

 

「俺を知る者か。だが、民の安寧秩序のため倒れてもらおう。その顔は、エリザベートに所縁のある者だろう」

「勝手なことを言うな!エリザベートは山ほどいるんだろ!」

 

 渡辺綱は無言で刀を引き、開いた間合いに誘い込まれた藤堂を蹴り飛ばす。だが、脚が腹に当たる直前で後ろに跳んだ藤堂の義手から、弾丸が放たれる。

 眉間に迫った鉛玉を正面から切り捨てつつ、渡辺綱は一歩下がった。

 

「仕込み武器か。それに、そこの術師は神霊に連なる者か?あの一撃を防ぐとはな」

「……初見では、ありませんから。それにしても、不意討ちとは随分な手を使いますね。それでも戦士(クシャトリヤ)ですか?……さて、あなたはどこの誰でしょう?」

「『特攻機関竜殺剣(シグルド)』、業炎のワタナベだ」

「誰だよ!」

「誰よ!!」

「藤堂くんにエリザベートさん!彼は顔が同じそっくりさんです!」

「……!」

 

 宇宙海賊スペーストシゾーが来るよりマシ……いやマシではないか、と少女(キャスター)は剣を握り直した。

 

 姿の見えない射手がもし予想通りであるならば、最悪の布陣だ。

 あの矢からは逃げられる術がなく、そも渡辺綱にしろ業炎のワタナベにしろ逃走を許す戦士ではない。

 彼と交戦しつつ、あの矢を防ぎ切るのは難しい。

 

「マスター、宝具の使用許可を」

「僕にもだ」

 

 同じ結論に至ったらしい藤堂と目が合う。彼の宝具は、消滅に繋がる自爆型の宝具だ。

 一点突破は可能でも、切り抜けた先に藤堂平助当人はついて来られない。

 立香の顔が寸の間歪み、けれど頷いた。

 

「……わかった。二人ともに許可する。キャスターは第三スキルを藤堂くんに回して、皆はキャスターが宝具を撃てるようにカバー!」

「はい」

 

 第三スキル『不毀の魂』の効果は単純だ。致命傷を負おうと、四肢を砕く宝具だろうと、消滅しなくなる。

 尤も精神力で肉体を無理に現世に繋ぎ止めるだけなので、痛みも損傷も治らず、あとから癒す必要がある。

 

 心が折れないなら、歩け。

 

 と己に強いた少女(キャスター)のあり様を他人に押し付けるので、正直好きではない。

 とはいえ、強力なのは間違いない。

 少女(キャスター)の眼が藤堂を捉えると、彼の体が淡く蒼く輝き、すぐに光は収まる。

 渡辺綱、もとい業炎のワタナベは、太刀を構え直していた。

 狙いは自分だろうと少女(キャスター)は思う。あの矢を凌げる術者から削るのは合理的だ。

 彼の脚が、極微かに土を踏みしめる。

 

 刹那に、少女(キャスター)は後ろに跳んでいた。

 

 一直線にそれを追撃するワタナベの前に、エリザベート、藤堂、原田が立ち塞がる。

 マスターの護衛に回ったⅡ号機の援護の銃撃を凌ぎながら、ワタナベが三騎のサーヴァントと渡り合う音を聞きながら、少女(キャスター)は戦場に背を向けた。

 

 矢が飛来した方向は、見ていた。

 その方角へ向けて、短弓を構える。魔力の高まりに合わせて、黒の短弓は白の大弓へ転じた。

 引くだけで肩が震えるほどの強弓に、自然と矢がつがえられる。錆びた空の一点へ、少女(キャスター)は蒼く輝く矢を向けた。

 

「────神々よ照覧せよ。『此れなるは、太陽を落とした一矢(アルカニパータ・アストラ)』」

 

 紡がれたのは、静かな宣誓。

 渾身の力を込めた一矢は、空を割いて飛んで行く。()()()も矢を放ったようだが、遅い。

 戸惑ったか躊躇ったか、いずれにしろこちらが先に矢を撃った。

 

 たとえ、空中の矢を矢で撃ち落とす絶技の使い手だろうが、この宝具は先に発動させれば『当たる』。

 

 果たして空の高みで、魔力同士が激突した。蒼の矢と白の矢の鏃同士が拮抗し、魔力が連鎖的に弾けて宙に爆炎を起こす。

 花火の如き爆発を切り裂いて飛び出したのは、少女(キャスター)の宝具の矢。

 遠く離れた岩の高台へ、斬首の一矢は確かに着弾した。

 それと同時にまた現れる、新たな魔力。

 矢を放った方角へは再び背を向けて、少女(キャスター)は鞭のような勢いで振り返った。

 

 渡辺綱に切り払われ、体勢を崩したエリザベートの背後に迫る黒と紅の魔剣。

 魔剣を振り上げるのは、見慣れた姿形の王妃。

 

 怨念渦巻く武器と化した剣がエリザベートの首を落とす寸前で、藤堂が彼女と刃の間に飛び込む。

 刀を構えて小柄な体を屈めた彼から、魔力が放たれた。

 

「一緒には行ってやらないけど、持ってけ────『魁・一番星!!(さきがけ・いちばんぼし!!)』」

 

 斬首の魔剣を携えた王妃の一撃と、藤堂の捨て身の連撃がぶつかり合い、またしても爆発する。

 爆発の渦中から、原田がエリザベートを器用に仕込み武器の鎖で回収して避けるのは見えたが、そこで少女(キャスター)はまた悪寒を覚えた。

 

 空を見上げれば、埋め尽くすほどの、矢。

 

 誰が、などとは考えるまでもない。

 宇宙を隔てようが、根本は変わらなかったようだ。

 彼は、死に体だろうが満身創痍だろうが精神力でこの世に留まり、己のやるべきことを為す頑固者だから。

 

 そう。

 落ちかけの首であろうと、弓を引いて空を矢で埋めるほどの。

 

「その根性を、自分の延命に使ってくださいな馬鹿ーーーーーッ!」

 

 怒鳴りながら、少女(キャスター)は大弓を構えて魔力を励起させた。宝具の使用で回路が熱を持っているが、言ってはいられない。

 一矢一矢に込められた魔力は先ほどの一撃よりは随分と目減りした。だが、矢の量が桁違いだ。

 彼の救国の大英雄、アーラシュに匹敵する矢の雨が襲い来る。

 

 回避は論外。

 対人宝具で迎撃は不可能。

 

 ならば、耐えるしかない。

 

「Ⅱ号機さん!」

「わかったわ!」

 

 大弓を構えたまま吠えた少女(キャスター)の意を感じたⅡ号機が、立香を抱えて少女の背後に転がり込む。

 同時に、原田左之助がエリザベートをぶん投げた。

 

「マスターとそいつを頼みます!こっちは何とかしますんで!」

 

 渡辺綱と切り結びながら、原田が腰の刀を抜くのが見えた。

 頷き、少女(キャスター)は魔力を込めて弓を引く。先ほどの様に焔や術を組み上げた障壁を張る余裕は既にない。

 今手の中にあるものを用いて、切り抜けるしかない。

 

 矢のない弓から放たれるのは鳴弦。

 魔を祓うその音を利用して、どうにかする。しなければならない。

 瀬戸際で完成した不可視の護りに、地形を変形せしめる矢の雨が容赦なく振り落ちて行った。

 

 

 

 ■■■■■

 

 

 

「───ス、──と────ター!────キャスター!」

 

 は、と親しんだ少年の声に少女(キャスター)は途切れかけていた意識を咄嗟に繋ぎ合わせた。

 我に返れば、真っ先に目に入ったのは血が染み込んだ赤い土。

 誰の血かは考えるまでもない。己の体に開いた穴や傷から流れ出た血だ。

 傷を認知するや否や、げほ、と咳き込んだ口から赤黒い血が漏れた。

 

 鳴弦の結界だけでは、篠の突く雨のような矢を凌ぎぎれなかった。知っていた。

 急所を避けているとはいえ、五つもの矢を受けてはもう戦えない。

 

 というより。

 

 ────五矢も当てておいて、()()()()とは。

 

「変な、ところで……情、を……見せ、て……馬鹿な、ひ、と……」

「アンタ、しっかりしなさい!マスター、この娘に回復!」

「やってる!だけど、傷が深すぎてすぐには治せない!」

 

 それはそうだろう。神代の人間でも、あれだけの矢を受ければそうすぐに傷は治らない。

 ただ、マスターの声を聴くに彼は護れたらしい。

 頽れかけた人形のような体を地面に突き立てた弓で支えながら、少女(キャスター)は目の前に立ち塞がった魔剣の主に目をやった。

 

 頬と肩、腕に傷を負いながらも凛と大地に立つ女が、そこにいた。

 

「正直驚いたわね。あなた、事もあろうにエリザベート一族に味方をするようになっても変わらないのね」

「……一応、聞き、ます。……あなた、は、どこの、誰ですか?」

 

 血と魔力を失い過ぎて明滅する視界の中、痛みも何もかもが麻痺した体で前を向く。

 

 カルデアで得た友人、王妃クリームヒルト。

 とよく似た気配を持ち、魔剣を携えた彼女は、目を見開いていた。

 

「また記憶でもなくしたのね。『特攻機関竜殺剣(シグルド)』所属、鮮血のウィドウヒルトの名も忘れた?一応言うけれど、あなたとは九百五十年前から同僚よ」

「……九百、五、十年前、私はこの時空に、いません。あなたのことも、知りま、せん。……完全に人違いだと、断言、しま、す」

 

 何をしているのだ、ユニヴァースの己は。

 やむにやまれず自爆でもしたのか。

 サーヴァントのリポップが横行するこちらの世界で、自爆はあまり大した問題にはならないようだがそれでもだ。

 ぽんぽん死なれては、その都度拗らせそうなのがいるだろうに。

 

 このクリームヒルト、ではなくウィドウヒルトもその類だろう。

 

 向ける視線に、呆れと痛々しいものを視るものが混ざっていた。

 

「無事か、鮮血の」

 

 ウィドウヒルトの隣に、業炎のワタナベが並ぶ。

 彼も傷を負っていたが、深手ではない。むしろその返り血は誰のものだろうか。

 

「ええ、こちらはね。約定があるからこの娘は絶対に殺せないけれど、他の者の首は刎ねてお終いにしましょう」

「その弓士を生かすのか?」

「いけない?竜殺剣(シグルド)にあの太陽がいるのだって、元々この娘を見つけるためでしょう。ここで首を刎ねてしまったら、一から探し直しよ。また記憶がないみたいだけど、会わせればどうにかなるわ」

「……了解した。だが、その太陽のはどうした?」

「この娘の矢で死にかけ。相当強い呪詛が含まれていたようね。さっきのはお得意の根性で放った大技よ。尤もあと少ししたら復活して来るでしょう」

 

 気軽に優雅に、野原で花でも摘むような足取りで魔剣を携えて迫るウィドウヒルトの眼は本気だった。

 本気で、マスター含めて首を刎ねる気でいる。

 気配が薄れている原田は、恐らく今すぐは動けない。

 エリザベートとⅡ号機は動けるようだが、ワタナベとウィドウヒルトを相手に他者を庇いながら逃走するほど戦闘に長けていない。

 否、この状態で瀕死のサーヴァントを三体まで連れて離脱するのは誰であろうが無理だ。

 己も、両腕と片脚の筋を矢で断たれてこれ以上動けない。宝具はもう撃てず、魔力もない。

 

 自分にできることは、もうない。

 策が尽きた。

 

 だけれど、少女(キャスター)は一人ではない。

 

 不意に、少女(キャスター)の首元にひやりと冷たい刃が触れた。

 ぜぇ、と耳元で途切れそうな荒い息が聞こえる。

 文字通りに砕けた体を引き摺って、駆け寄ってきてくれただろう少年は、血で乾いて固まった髪の間から青い瞳をぎらつかせていた。

 

「動くな!動いたら、こいつの首を僕が落とす!」

 

 藤堂平助の声に、少女(キャスター)は目元を緩めた。

 助かった。

 両腕とも筋を矢で断たれていて、剣が持てなくなっていた。

 舌は噛み切ってもすぐには死ねないから、どうしようかと思案していたところだ。 

 

 果たして、ウィドウヒルトもワタナベも足を止めた。

 彼ら二人が刃を振るうより、藤堂が刀を引いて少女(キャスター)の首をかき切るのが遥かに速い。

 しかも藤堂の小柄な体は少女(キャスター)の陰にほぼ隠れ、恐らく弓でも狙えない。

 細い首に刀を当てたまま、藤堂が首を捩じって振り返る。

 

「ぼさっとするな!マスターを連れて早く逃げろ!」

「でも、アンタが────!」

「ほっとけ!僕はもう動けない!あっちでぶっ倒れてる原田さん回収して、兎に角逃げろ!斬られててもあの人ならまだ動ける!」

「……マスター、エリザベート、行くわよ!」

 

 エリザベートとマスターをⅡ号機が促し、走り去る音を背後で聞いた。

 折よく近くにフレッカスが来ていたようで、彼の驚く声がしたあと車の音が混ざる。

 

 小気味いエンジン音が遠ざかるのを聞き届けてから、力尽きた様に藤堂の膝が折れる。

 刀身に罅が走った兼重が少女(キャスター)の首からずるりと離れ、砂埃と共に大地の上に転がった。

 引きずられて少女(キャスター)も地面に膝をつく。弓も手から落ちて、魔力へ融けた。

 

「……やってくれたわね、あなた」

「……」

 

 ウィドウヒルトの一言に、不敵な笑みを返して目を閉じた藤堂を背中に庇い、少女(キャスター)は竜殺しを名乗る二人を見上げてほほ笑んだのだった。

 

 




プリテンダー主人公のスキルは

第一『炎神の加護(真)』(CT 7→5)
味方全体のクリティカル威力アップ(3T/30〜50%)&味方全体のクイック性能アップ(3T/10〜20%)&バスター性能アップ(3T/10〜20%)&HPが少ないほど攻撃力アップ状態を付与(3T/10〜約40%)

第二『神代呪術』(CT 8→6)
自身のNPチャージ(50〜100%)+味方全体に弱体無効を付与(1回/3T)

第三『不毀の魂』(CT 8→6)
味方単体にNPチャージ(20〜30%)&味方単体にガッツ状態を付与&ガッツ発動時に無敵(3T/3回)付与+ガッツ発動時HP1状態で固定【デメリット】

みたいなやつです。攻撃力背水系サーヴァントにしたくて、盛りました。
カルナと組むより、陳宮や土方アシュヴァッターマンと組んだほうがいいかもしれません。

新作オリジナル書いたり仕事だりなんだりで、次の更新は遅れます。
気長にお待ちいただけたら幸いです。
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