明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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長かった夏休み編も無事完結(?)し、やっと2学期編です!
2学期編も張り切っていきましょー!!⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾






2学期編
33話 2学期始まる


sideアキ

 

 

「ふあぁぁ……もう朝か……」

 

僕は身体を起こして周りを見ると、自分以外のメンバーは全員起きていた。

 

「おはよう、吉井くん。早く準備しないと遅れるわよ」

 

「うん、今日は学校だからね……」

 

木下さんに急かされるなり、僕は布団から立ち上がる。

 

まだスースーする。

このパジャマあまり着ない方がいいかも……。

 

罰ゲームで着せられたとはいえ、これはやり過ぎじゃないかと、今更ながらに思っていた。

 

今日は2学期が始まる9月1日。

 

長かった休みも、いざ終わると長かったようで短かったような気がする。

 

まぁおおむね満足しているから、いつ始まってもよかった気はするけどね。

 

「吉井くん、髪がぼさぼさよ」

 

そう言って木下さんはくしを手に取り髪をとかし始める。

 

「いくら元が男子だったとはいえ、今は女の子なんだから身だしなみには気を付けなさい」

 

「う、うん、ありがとう」

 

(それにしても、吉井くんの髪綺麗だわ……こんなにぼさぼさなのに)

 

木下さんにされるがまま、髪をとかし終え、制服に着替える。

 

久しぶりに制服を着ると身が引き締まる気がする。

 

「アキの制服姿を見るのは久しぶりね」

 

「やっぱりアキちゃんは制服が一番可愛いです!」

 

美波と姫路さんとはクラスが一緒なので、1ヶ月以上も制服姿を見てなかったら久々に見た感覚になるだろう。

 

僕も2人の制服を着る姿を見るのは久しぶりのような気がする。

 

「それじゃ、準備も済んだことだし、行こうか」

 

こうして、僕達は学校に向かうのであった。

 

 

★

 

 

「お、吉井か、夏休みが明けてからも相変わらず女のままだな」

 

「西村先生、おはようございます」

 

学校の校門には夏休み明け初日からいつも通り、西村先生が立っていた。

 

夏休み明けだというのに気が抜けてないな、この人は。

 

「今日から2学期が始まることだ、しっかりと学問に励むようにな」

 

「はい、もっと精進します……それでは」

 

自然な会話で終わったが、西村先生は僕が女の子になった環境に慣れてしまったのだろうか……。

 

ありがたい気もするが、少し複雑な気分だった。

 

★

 

 

この後、霧島さんと木下さんと工藤さんと別れると昇降口に向かう。

 

下駄箱を開けると、ラブレターがバサバサ落ちてくる。

 

「……ああ、2学期早々、これか……」

 

「女子になってからというもの、アキはモテモテねぇ……」

 

「アキちゃんは人気者です。嫌いな人は誰一人いませんよ」

 

美並と姫路さんに見つめられて、恥ずかしくなりながらもラブレターを拾い上げて、教室に向かう。

 

その途中、ラブレターの中身を確認する。

 

内容はいつもと変わらないか…………次はなんて返事したらいいかな……。

 

毎度のこと、断る理由をいつも考えている。

 

名前も顔も知らない人から告白されるのだから、そりゃ断るさ。

 

さて、夏休みの間に改装工事でも行われているのかと少しは期待していたが、そんなことは一切なく、むしろ廃墟感が増したFクラスの教室へとたどり着いた。

 

「おはよ~、みんな」

 

ガラッと教室のドアを開ける。

 

「おお、我らの女神アキちゃんが来たぞ!」

 

「よかったまだ男に戻ってないようだな!」

 

「アキちゃん久しぶり! 会えなくて寂しかったよ……」

 

教室のドアの方へと一斉にクラスのみんなが詰め寄る。

 

やっぱり夏休みが明けても、このクラスは変わらないな……。

 

「おー明久、夏休み明けだというのに早いな」

 

「ふふん、夏休みが明けたからと言って僕の気は全く抜けてないよ」

 

そう言いながら席に座り、改めてラブレターの中身読む。

今回は約30枚ほどで、さっきここへ来る時読んだものはまだ一部に過ぎない。

 

いつも貰う度に思うんだけど、だんだん貰う数が増えていると思うのは気のせいだろうか……。

 

「ん? 中には女子生徒からのも……」

 

半分近くほど女子生徒からのラブレターがあった。

 

これはちょっと気になるな。

 

女子生徒から送られてきたものだからか、丁寧に手紙を包んでいる紙を開けて、中身の文章を読んでいく。

 

『アキちゃんが好きです! 同性でも私はアキちゃんが好きです!

私と付き合ってください!』

 

『アキちゃんの無垢で可愛い姿に心を奪われました。

もし不満がなければどうか私と付き合ってください』

 

『アキちゃんが好きです、好きで仕方がありません

どうか結婚を前提としたお付き合いを……!』

 

う~ん……どうしたらいいのだろうこの場合。

 

女子が女子に送るラブレターと言う時点でそうだが、内容が特殊すぎる。

思わず、僕は2学期の初日から頭を抱えた。

 

仕方ない、数が多すぎるし返事はまたいつかにしよう。

どう断ればいいか分かないし……。

 

「よし、お前ら席につけ。夏休みはもう終わりだぞ」

 

ちょうどラブレターをすべて読み終わった時、

西村先生が教室に入ってきた。

 

「今日から2学期だ。

いつもでも夏休み気分でいられないよう、初日からみっちりと指導してやるからな」

 

西村先生の指導だと、3日もせず夏休み気分なんて消え去るだろう。

 

「では、後は始業式で終わりだ。終わるまで気を抜くなよ」

 

そう言って、西村先生は教室を出て行く。

 

よし後は、始業式と帰りのホームルームくらいだ。

 

この様子だと今日は午前中に終わりそうだな。

 

「おい、お前ら。ちょっと聞いてくれ」

 

いきなり雄二が教卓の上に立ち、全員をまとめる。

 

「急な話になるが明日、Dクラスに宣戦布告をする」

 

「「「なんだと!?」」」

 

雄二は何を考えているんだ?

2学期早々Dクラスに宣戦布告をするんだ?

 

「お前らは今の設備に不満はないか?」

 

「……いや、確かに設備はひどいが、アキちゃんさえいれば俺は何もいらないのだが?」

 

「それな~、俺もアキちゃんがいれば問題ない」

 

ちょっと待て、誰だ今そんなこと言った奴は?

 

「そう言うと思ったぜ……なら1つ条件を加える」

 

雄二がニヤリとする。

 

それを見て悪寒が走る。

 

なんか……嫌な予感が……。

 

「もしDクラス戦に勝つことができたなら、報酬を与える」

 

報酬? 何を用意してるんだろう?

やる気を出させるほどの報酬とはどんなものだろうか。

 

「報酬の内容をムッツリーニ、頼む」

 

「……任せろ」

 

ムッツリーニが1冊の厚い週刊誌のようなものを取り出す。

 

「……報酬はこの夏休み、アキちゃんのすべてを収録した

『アキちゃん真夏のParadise』だ……!」

 

「「「何ぃぃぃぃ!!??」」」

 

えぇぇ!? 

 

ちょっと待て、この夏休み僕のすべてをって、それは僕の水着姿や浴衣姿も載せられてるってこと!?

 

なんてものを餌にしてるんだ、雄二!!

 

「どうだ? やるか?」

 

「ああ! もちろんやる!」

 

「当たり前だよなぁ!?」

 

「Dクラスに勝って、アキちゃんの豪華写真集が手に入る……こんなに美味しい話はないぞ!」

 

しかも、さっきまでやる気の欠片もなかったみんなはまるで別人のように真逆のことを言い出した。

 

「よし、それなら明日に備えてちゃんと勉強して来いよ!」

 

「「「おー!!!」」」

 

え、ちょっと待って……。

 

そう言いたかったが、こんな状況下で僕は蚊帳の外。

 

くそぅ……2学期早々、雄二にとんでもない仕打ちを貰ったな……。

 

 

★

 

 

「もーなんてことするんだよ、雄二!」

 

「まぁそう怒るな、Fクラスの全員はやる気になってくれたぞ」

 

「それでも納得できないよ!」

 

始業式が終わってからというものの、雄二たちと言い争いながら帰路に着いている。

 

「でも、なんでいきなりDクラスに宣戦布告するの?」

 

「それはワシも気になるのじゃ」

 

「……俺も」

 

その話は置いておいてと、僕と秀吉、ムッツリーニで雄二に事の経緯を聞きだした。

 

「俺の目的はAクラスに勝つことだからな。まずはDクラスからだ」

 

「Aクラスって……前にAクラスへ宣戦布告して大敗したのに……」

 

「だから今回こそは勝ってみせる、次のAクラス戦で1学期の汚名返上だ」

 

「要はリベンジするってことね。まぁ上手く行くといいけど」

 

どうせまた1学期みたいに酷い戦果になるだろうけど……。

 

「とにかく、女の身体になったお前は十分な戦力になる。絶対に勝つぞ」

 

ポンっと僕の肩を叩く雄二。

 

「はいはい、最善を尽くします」

 

気だるい雰囲気を醸し出しながら言った。

 

「ワシも、できるとこまではするのじゃ」

 

「……俺も本気を出す」

 

雄二がそこまで言うなら、止める訳にはいかない秀吉とムッツリーニは気合が入っていた。

 

「よし、それなら宣戦布告は明久と秀吉が行って来い」

 

「ええぇ!? 僕が!?」

 

「そうだ、安心しろ、女であるお前には誰も手出しはしないだろう」

 

そうじゃなくてDクラスには玉野さんがいるんだよ!

僕が行ったらすぐにリ●ちゃん人形の如く、コスプレに着替えさせられちゃうよ!

 

「頑張れ、お前ならやれる」

 

雄二の言葉は応援にはなっているものの、僕にとってはまったく無責任な言葉だった。

 

「うぅ酷いよ……」

 

「アキちゃんよ……ワシも付き合うからそう落ち込むでない」

 

慰めるように、秀吉から頭を撫でられる。

 

僕の気持ちを分かってくれるのは秀吉しかいないよ……。

それにしても、今日は雄二から2回もしてやられたな……もう、雄二の馬鹿!

 

僕の2学期は最悪なスタートを切ってしまった。




2学期早々、試召戦争をすることになりました。
さて、次回は初めての試召戦争ですよ!
いったいどうなるのでしょうね~。

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