イチャついているカップルを見かけました。 (´◦ω◦`)いいなぁー……
作者もアキちゃんと2人で1つのマフラーを巻いて温まりたいです。(切実)
sideアキ
試召戦争終了後、DクラスとFクラスで戦後対談をすることになった。
「ははっ、まさか俺達が負けるとはね……」
「あの……本当にごめんね」
勝負事とはいえ、流石に申し訳ないというかなんというか……。
「いや、謝らなくていいさ。Fクラスをバカと同性愛者でコスプレ趣味の集団と侮っていたのが悪いんだ」
ちょっと待って、バカと同性愛者とコスプレ趣味の全部は僕に当てはまることだよね……?
う~ん……まぁいいか。
どうせ勝ったことだし。
「よくやったな明久。最後の勝負は見事なものだったぞ」
「ありがとう。ちょっと苦戦していたけどね」
「それでも勝てたからな。おかげでDクラスの協力を得られたからな」
今回の目的はDクラスの協力を貰うことだったからね。
これでAクラス戦に向けてのスタート地点にようやく立てたところだ。
「ところで坂本、例のものはどうするんだ?」
ここで須川くんが雄二に耳打ちをし始めた。
なにを企んでいるつもりなのだろうか?
「ああ、そうだったな、おいムッツリーニ、例のものを渡すんだ」
「……了解」
例のもの……?
もしかして僕の写真集のことなんじゃ……。
あれは冗談じゃなかったんだね……。
ん? 別に泣いてないよ、ただ目から涙という液体が流れているだけだよ……。
いや、それを人間は泣くと呼んでいるのか。
「……Fクラスの勝利に貢献した勇姿を讃え、これを賞す」
ノリツッコミを脳内で繰り広げている間に、ムッツリーニは『アキちゃん真夏のParadise』をFクラス男子生徒の1人ひとりに渡していく。
あ、ご丁寧にパッケージにも僕が載ってるんだね。
「よっしゃあああああ! ついに手に入れたぞ!」
「俺らの努力が実った証だ! これは我が家の家宝にしよう!」
「フッ、Fクラスはあと10年は戦える……!」
Fクラスメンバーは大満足……いや、大の上は超だっけ……?
それくらい満足している。
あの喜びようだと、欲しかったのか……はぁ……流石はFクラス。
僕の写真集ごときで、そんなに喜びを感じれるものなのだろうか……。
「私もこれが欲しかったんです!」
姫路さんも写真集を抱えたまま、小さな子供のように大喜び……うん、姫路さんらしいよ。
「べ、別にこんなもの貰っても嬉しくなんか……ないわよ……」
美波、嬉しくないのならなぜそんなに大事そうに抱えているのかな?
「くそー、羨ましいぜ、Fクラス!」
「タダで貰うなんてズルいぞ!」
「ああ、嫉妬で人が殺せたなら……」
Dクラスは嫉妬の篭った目線でこちらを睨み付ける。
「……そんなに欲しいなら売ってあげてもいい……これは元から売るつもり」
「お! ま、マジか!? 買う買う! 5千円でどうだ!?」
「バカヤロー、そんなら俺は8千円で買うぞ!」
「わ、私は1万円!」
おいおい、諭吉さんが出てきたぞ!?
僕の写真集って、どれだけの価値があるの!?
「……値段は未定だが、特別価格で5千円にする」
「よし! それなら1つ貰えないか!?」
「俺も買う! まだ売り切れてないよな?」
「私も!」
「……まいど」
ああ、次々と『アキちゃん真夏のParadise』が売れていくよ……。
僕はもうお婿……じゃなくてお嫁に行けないよ……。
★
「やっぱりあれはダメだったよ! 勝てたのはいいけど、あれを餌にするのはよくないよ!」
「何を今になって言いやがる……別にいいじゃねーか。勝てたならそれでいい」
呆れた表情で僕を横目で見る雄二。
「僕は納得いかないんだよ!」
「安心しろ。お前以外は全員納得している」
ぬぅ……あの写真集は貰った全員が納得するような仕組みだったのか……。
雄二って、こういう悪知恵だけは働くんだよな……。
「あぁ~もう分かったよ……でも、次は絶対にこんな真似しないでよ!」
「ははっ、どうだかな」
ニヤリと笑う雄二。
絶対にやるつもりでしょ……次はこうならないように気をつけないと……。
「話は変わるが……次の宣戦布告はお前が仮装して行って来い」
「ええッ!? なんで!?」
次も僕が!?
しかも、なぜコスプレしなければいけないのだ!?
「お前が行けば相手は油断するだろう。お前の特技である仮装姿を見せれば、相手を完全に油断させることができる。お前にとっての強力な武器だ」
「その考えはどうかと思うよ……」
「まぁそんなことは置いておいてだ…………次の宣戦布告はお前が仮装して行くんだ」
「えぇ……で、でも……」
「……衣装ならここにある」
ムッツリーニはスッっとコスプレを取り出す。
「私も賛成です! 早速、着替えましょう。アキちゃん!」
「観念することね、アキ」
姫路さんと美波まで…………。
そんな、酷いよ……みんなはついに僕にコスプレを強要するように……。
「アキちゃんよ……わしも一緒に付いて行くから、そんなに落ち込むでない……」
秀吉はポンっと肩を叩いてそう言った。
はぁ……2学期早々、3回も雄二にしてやられたよ……。
夏休み明けとは別で、かなり憂鬱な2学期の始まりだった。
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