明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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夏休み気分も吹っ切れた今がチャンス!(`・ω・´)
と思い、勢いで書いてしまった……。



65話 翌朝の出来事

sideアキ

 

 

「おはようございます、アキちゃん」

 

「佐藤さん、おはよう」

 

翌朝、いつも通り佐藤さんと登校途中で出会った。

 

「学園祭どうでしたか? Fクラスはとても繁盛したと聞いたのですが」

 

「うん、とっても忙しかったよ。おかげでクタクタだったけどね……ホール役をやらされて、1日目はチャイナ服着させられて、2日目は水着で接客させられたりで、もう大変だったよ……」

 

疲れたり、恥ずかしいやらで、昨日と一昨日はあんまり思い出したくない学園祭であった。

 

もちろん楽しかった時もあったけどね。

 

「チャイナ服と水着で接客したんですか!? 行けばよかったのに……」

 

「そういえば学園祭で佐藤さんと1度も会ってないね。忙しかったの?」

 

「はい、厨房係だったので……そこまで休んだ覚えはないですね」

 

「そうなんだ……」

 

視察に行った時、あれだけ常に多くの客がいたから、忙しいに決まってるか……。

 

「チャイナ服と水着姿のアキちゃん……見れなかったのが残念です……」

 

肩を落として、しょぼーんと落ち込む佐藤さん。

 

なぜこんなにも残念そうにしているのだろうか。

 

「朝から落ち込まないでよ。そんなに見たいなら、今度見せてあげるから」

 

「本当ですか!?」

 

僕がフォローを入れると、落ち込んでいたはずの佐藤さんは一瞬でパァっと明るくなった。

 

「う、うん、あんまり過激なものとかは控えて欲しいけど……」

 

「わかりました、約束ですよ? アキちゃん」

 

こうして僕と佐藤さんの約束事ができた。

考えてみるとコスプレする機会が日に日に増えている気がする。

 

そんな状況が僕にとっては複雑な気分だった……。

 

「……雄二」

 

「何だ?」

 

「……この前の話、覚えてる?」(※原作小説2巻の5~6ページを参照)

 

「この前? もしかして『如月ハイランド』のことか?」

 

「……そう」

 

「それがどうかしたのか? まさかプレオープンチケットが手に入ったとか……」

 

「……正解、約束通り私と今度行く」

 

「な、どうやって手に入れたんだ!?」

 

「……召喚大会で優勝して手に入れた、優勝景品がこれ」

 

「召喚大会の優勝者ってお前だったんだな……道理で姫路と島田が負ける訳だ」

 

「……そんなことより、今度私と行ってくれる?」

 

「あ~……あの話は気の迷いでなかったことに……」

 

「……最近、格闘技を覚えた」

 

「ぐおぉぉぉっ! 絞め技はやめろぉ……!」

 

「……行ってくれる?」

 

「うぅ……俺はお前とダラダラ遊ぶほど暇じゃないんだよ」

 

「……それなら、約束を破った罰として、この婚姻届に判を押す?」

 

「そ、それは……!」

 

「……行ってくれる?」

 

「…………はい」

 

どこからか、仲のよさそうなカップルみたいな会話が聞こえると思えば、霧島さんと雄二じゃないか。

 

朝から仲がよいことで……。

 

雄二と霧島さんのやり取りに耳を傾けながら、佐藤さんと登校する。

 

 

 

 

~学校~

 

「それじゃあ、またね、佐藤さん」

 

「はい。約束、ちゃんと覚えててくださいよ?」

 

「……覚えておくよ、じゃあね」

 

昇降口付近で、僕と佐藤さんはそれぞれのクラスへ向かう。

 

「さてと……今日は学園祭後でいろいろあるから、頑張らないと」

 

教室へと歩き出したその時、

 

「あの……吉井くん」

 

聞き慣れた声がしたので、声のした方向に目を向ける。

 

「あ、久保くん……おはよう」

 

「おはよう、吉井くん」

 

久保くんがそこにいた。

 

朝から会うことはあまりないので珍しい。

 

「昨日は大丈夫だった? いろいろあったけど……よく眠れた?」

 

「え? あ、うん、おかげさまで……昨日はありがとう」

 

あまり記憶にはないが、迷惑ばかりかけていたのは覚えている。

 

「いや、お礼は昨日貰ったから、もういいさ……それより、聞きたいことがあるんだ」

 

「聞きたいこと?」

 

「吉井くんを家まで送り届けた後なんだけど……あれは、どういうつもりだったのかな……?」

 

「え…………?」

 

久保くんから聞かれた質問に言葉が詰まってしまった。

 

そうだった、どうしよう……。

あれって、つまり……昨日の僕があまりにも寂しかったから、思わず久保くんに抱きついちゃって……うぅ……思い出したら恥ずかしい……。

 

思い出すと、こうして自然とあいさつを交わすことさえおかしい状況だ。

いつも通りに接してしまったことを軽く後悔。

 

…………正直に寂しかったって話したほうがいいかな?

でも、話してしまったら…………。

 

「あの吉井くん? 大丈夫?」

 

こちらの顔を覗き込んでくる久保くん。

 

きっと表情に出てしまっていたかもしれない。

 

「だ、大丈夫だから! うん、大丈夫」

 

「…………?」

 

焦って、変な言葉を返してしまい、久保くんは何か気になった様子でこちらを見つめてくる。

 

「そ、そうかい……あ、話を戻すけど昨日の――」

 

「貴様ら何をしている。遅刻する前にさっさと教室に向かえ」

 

横から、久保くんの言葉を遮るように、西村先生が怒鳴った。

 

もうそんな時間になっていたの?

今日は時間が経つのが早いな。

 

「は、はい。直ちに」

 

久保くんは小走りでその場を去った。

 

「吉井もさっさと行かんか。朝から補習室送りにされたいか?」

 

「い、いえ、それでは!」

 

僕もその場を去り、教室に向かった。

 

…………結局、何も言えなかった。

 

西村先生があの場に来なかったら、僕はなんて答えただろう。

そして久保くんはなんて言うのだろう。

 

複雑な気持ちと感情で、胸が締め付けられるような感覚に陥りながら、学園祭翌日の朝を迎えた。




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