明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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またまた遅れて申し訳ないです……。

気付いたら投稿再開したと言って1ヶ月以上経っていた……。(;´Д`)


71話 初デート4

sideアキ

 

 

映画上映前に僕と久保くんは指定させたスクリーンに入る。

 

「僕たとの席は限定されてたけど、どうしてだろうね?」

 

スクリーンに入った途端、僕は言った。

 

周囲を見て空席が目立っていたことを目にした僕は、受付で座席指定をする時のことを思い出したからだ。

 

「確かに。ペアチケット専用らしいけど、ここまで席が空いているなら制限する必要はないかもね」

 

久保くんも周りを見渡しながら言う。

 

「そんなことより、僕たちが座る座席は……上の辺りみたいだね」

 

指定座席が記された表を確認した久保くんは、僕の手を引いて座席の場所まで向かう。

 

「「…………え?」」

 

指定された座席の場所に着いたその瞬間、僕と久保くんは驚きのあまり硬直した。

 

その座席は2人がけのソファに近く、カップルがいちゃつくために作られたような空間。

 

いわゆる、カップルシートだった。

 

えぇ!? もしかしてここに久保くんと2人で座るの!?

 

そんなの聞いてないよ…………別に久保くんとだったら構わないけど……心の準備が……。

 

「やっぱり、ここで間違いないみたいだ……どうやらペアチケット専用というのはこういう事だったみたいだね」

 

横で僕と同じく、どこか気まずそうにしている久保くん。

 

つまり、指定できる座席が限定されていたのはカップルシート専用のチケットだったから……ってことで間違いない。

 

恋愛映画なのだからカップルで見に来る観客も多くいるはずだ。

だから、その観客のためにあらかじめ作られたのだろう。

 

「と、とにかく座ろう? もうすぐで始まっちゃうし、僕は気にしてないから」

 

と言う僕だが、本当はものすごく気になっていた。

 

「う、うん……座ろうか」

 

僕と久保くんはカップルシートに腰を下ろす。

 

…………。

 

……………………気まずい。

 

ただでさえ座る前から気まずさ全開の雰囲気だったのに、座ると気まずい空気が一層に増した。

 

更には、この席を選んだカップルへの配慮なのか、座ったカップルシートは2人の肩が当たるくらいのスペースだったので、どうしても僕と久保くんはお互いの肩が当たってしまう。

 

「久保くん大丈夫? ここ、狭くない?」

 

「うん、問題ないよ。気にしないで」

 

少しぎこちなさそうな笑みを浮かべてはいるが、そこまで久保くんは気にしていないようだ。

 

もしかして、単に僕が気にしすぎてしまっているだけ……?

でも、こんなに近くで一緒にいるといくらなんでも恥ずかしいよ……。

 

こんなに近距離で一緒に見ることとなると、映画を見るどころではなくなりそうだ。

 

……いやいや、こんなこと気にしたら負けだ。

気にしても仕方ないし、少しの間このことを忘れて、映画で気を紛らわそう。

 

僕がそう考えていた時に、照明が消えて巨大なスクリーンに恋愛映画が映し出される。

 

映画の内容はごく普通の男子高生の主人公と、

ある日、突然主人公の前に姿を現した美少女転校生のヒロインの学園生活を描いたラブストーリーだった。

 

最初に出会った時はただの男女2人の友達のような関係であったが、徐々に物語が進んでいく内に2人は惹かれ合い、やがて好意を寄せ合う関係にまで発展した。

 

しかし、その2人の関係を邪魔するかのように様々な障害や災難が降りかかり、2人の関係が壊れそうになる展開までもが出てくる。

 

あらすじや展開は恋愛映画などでの定番みたいなものなのだが、不思議と引き込まれる内容であった。

 

終盤の場面では映画の主人公とヒロインのキスシーンが出てくる。

 

2人は抱き合いながら、お互いの気持ちとお互いの愛を伝え合う。

 

「……綺麗、だね」

 

すると、横から映画が始まってから一切口を開いていない久保くんがつぶやいた。

 

「……うん、そうだね」

 

僕もそう思っていた。

 

主人公とヒロインの背景には空に広がる夕闇と明かりの灯った街が映っていた。

その背景は精彩を放って、とても幻想的な景色となっている。

 

「……吉井くん?」

 

「ん?」

 

久保くんが映画に見入っていた僕を見つめている。

 

急にどうしたのかな?

 

そう思っていると、ハンカチを取り出して僕の頬を拭う。

なぜ、久保くんがそのような行動を取ったのかはすぐに理解できた。

 

いつの間にか泣いていたからだ。

 

あれ……? おかしいな…………僕ってこんなに、涙脆かったのかな……?

 

「……ありがとう」

 

自分が泣いている事を不思議に思いながら、僕は久保くんからハンカチを受け取り、顔を隠すように涙を拭いた。

 

ここまで泣けるのは女の子の身体だから? それとも今まで感動できるようなものを見たことがなかったから?

 

どちらにせよ、ここまで感動したのは初めての経験かもしれない。

 

雄二にタダで貰っちゃったけど、本当によかったのかな? 恋人である霧島さんと一緒に見ればよかったのに……。

 

霧島さんと見ることができなくて雄二はもったいないことしちゃったな。

こんなに感動もできて恋人と見るのに適した映画なんだから。

 

感動の余韻に浸りながらもそんなことを考えていると、主人公とヒロインのキスシーンの場面になっていた。

 

2人の甘いキスは物語を最初から見ている者にとっては、とても微笑ましい光景だった。

 

そこまではよかったのだ。

 

ん? 2人はいったい、何をしているんだろう?

 

スクリーンの中で主人公がヒロインの制服を脱がして、服をはだけさせて裸になる。

 

…………!!??

 

それを目にした僕は、先程までの感動の涙が一瞬にして引っ込んで、その場が凍り付いた。

 

なんとこれ、普通の恋愛映画と思いきや、内容はとても過激なものだった。

 

露骨な描写や陰部はカメラの位置と編集などで隠されて、ギリギリ年齢制限に引っかからないようになっていた。

 

しかし、いくらカメラワークで避けようが、編集で隠そうが、主人公とヒロインのベットインは誰もが理解できる。

 

えぇ!? この映画ってこんなシーンがあったの!?///

映画の流れからして、あり得ないでしょ!

 

こんなシーンを見せられて、僕は恥ずかしさと気まずさで思考回路が停止しそうになった。

 

横には久保くんまでいるのに!

さっきまで、気まずい雰囲気が少しは改善されたと思っていたのに、最後の最後で形勢逆転しちゃったよ!

 

見なかったことにしようと、スクリーンから目を離そうと試みたが、久保くんが横にいる中でそんなことしたら気まずさは更に増す一方だ。

 

というか、久保くんはこんな映画を見て大丈夫なのかな……?

 

チラッとすぐ横に座っている久保くんの顔をうかがった。

 

久保くんはいつも通りの表情を崩さずに、映画に見入っている。

 

なんでこんな時まで久保くんは冷静に見続けてられるの!?

どこまで優等生スキル発揮してるつもり!?

 

ここまで平常心を保っていられるなんて……羨ましい。

見てるとなんだか、気にしている僕が馬鹿馬鹿しくなってきたよ……。

 

ええい、こうなったら最後まで見てやる。

これはただの恋愛映画なんだから。

 

なので平常心を保って、最後まで見ることにした。

 

映画の主人公がヒロインの豊かな胸を揉んだ。

すると、ヒロインの喘ぎ声と生々しい音が会場に響く。

 

そして、主人公がヒロインを押し倒して行為に発展して、2人のこれ以上に無い愛を見せられた。

 

2人のベットの上で愛し合うシーンはとてもじゃないが、見れたものではなかった。

 

どうやら、このシーンが映画のラストシーンだったらしく、主人公とヒロインの行為が終わったと共に映画も終了した。

 

その時、僕は「やっと終わった……」と心の中でつぶやきながら、平常心を保つ力を抜いた。

 

この映画は付き合ってもない男女2人が見るような映画ではないと、脳内で映画の評価をした。




誤字脱字と感想お待ちしております。

そして活動報告にて、重要なお知らせがあります。
絶対に見てくださいとは言いませんが、確認した方がいい内容ではあります。
念のためにご確認ください。(*・ω・)*_ _)ペコリ
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