ちなみに前回のアキちゃんの衣装(博麗霊夢の服装)はリクエストによるものです。
リクエストありがとうございます。
衣装やコスプレリクエスト、お待ちしております!
sideアキ
「雄二! 起きて! 目を覚まして!」
「うっ……ん……? 俺は……何を…………?」
「あぁ……よかった……危うく雄二だけ生還できなくなるところだった……」
「やっと坂本も意識を取り戻したのじゃな」
「……無事で何より」
先に目覚めた秀吉とムッツリーニも雄二が目覚めてから安心した表情。
「うおぉッ!? なんでこんな所に巫女が!? 俺は姫路の料理で極楽浄土に……って明久か。驚かせるなよ」
「悪かったね……この衣装を着てて」
まだ姫路さんから貸してもらった……というより貸された巫女服は脱いでいない。
まさか強化合宿初日からこんな姿になるとは思いもしなかった。
「それで、ここはどこなんだ? もう合宿所なのか?」
姫路さん特性のお弁当の効果がまだ続いているのか、腹をさすりながら起き上がる雄二。
「うん。どうやらこの旅館は文月学園が買い取って、合宿所に造り替えたらしいよ」
「買い取った上に造り替えるなんてな……ったく、贅沢な学校だな」
「召喚獣を呼び出せるように改装したんだろうね。そんなことするくらいならFクラスの教室をどうにかしてほしいんだけど……」
「そうだな。ところで、部屋のメンバーはどうなってんだ? 秀吉とムッツリーニならわかるが、お前と同じ部屋で寝泊りする……なんてことはないよな?」
「大丈夫だよ。僕はここの部屋じゃないから」
と僕が言うと「そうか……ならいいが」と雄二はホッとしていた。
「お前との相部屋は俺だぞ。坂本」
「なんだ須川もいたのか……よろしく頼む」
僕が男であったのならばこの部屋で過ごすこととなっただろうが、代わりに須川くんが加わって雄二、秀吉、ムッツリーニ、須川くんの4人構成となっている。
「それじゃあ、僕は別の部屋だから。また後で」
雄二と秀吉とムッツリーニをここに来るまで介護していたので、自分が寝泊りをする部屋にはまだ訪れていない。
僕と同室の生徒は誰なのだろう?
自分の部屋へと向かいながら強化合宿のしおりを確認するが、肝心な部屋のメンバーが記載されていない。
あるのは自分の部屋の場所とその部屋のメンバーの人数だけが書かれているだけだった。
人数は7名か……恐らく姫路さんと美波と僕で3人埋まるはずだから残りは4人……。
Fクラスの女子の数では定員を埋められそうにないので、他のクラスの生徒がくるのだろう。
残りの4人はどのクラスの誰がくるのやら……。
「行ってみないとわからないか……いいメンバーだといいけど……」
★
自分の部屋は…………ここだ。
この強化合宿期間を誰と同じ部屋で過ごすのか、ちょっとだけドキドキしてきた。
「お、おじゃまします」
他人行儀な挨拶で部屋に入る。
「おぉ! アキちゃん、いらっしゃい!」
「アキちゃんと同じ部屋……! これ以上に無い幸運ね!」
「よろしくね! アキちゃん!」
なんとそこにはAクラスに在籍している、仲良し3人組の佐山さんと櫻井さんと浜崎さんがいた。
「アキちゃん、アキちゃん! 私と同じ部屋になれるなんてとっても感激です!」
「佐藤さんまで……!? よ、よろしく」
続いて佐藤さんまで。
なんと残りの4人は佐山さんと櫻井さんと浜崎さんだった。
「アキちゃん、ここでもよろしくお願いしますね」
「うん、よろしく。姫路さん」
「やっと来たわね。坂本たちは大丈夫だったの? 気分が悪そうだったけど……」
「あ、美波。うん、もう目を覚まして特に問題なかったから」
予想通り姫路さんと美波もいる。
「にしても、ビックリだよ……他のクラスの人も混ざることは薄々気付いていたけど」
「ふっふーん、私たちがアキちゃんと一緒の部屋がいいって先生に頼んだら、すんなりOKもらっちゃってね」
胸を張りながら佐山さんは自慢げに言う。
先生に頼んで部屋の人選ができるなんて、どんだけこの学校は自由なんだ……。
それともAクラスの生徒の特権として、自由に選ぶことができる権限でも与えられているのだろうか?
どちらにしろ、いろんな意味ですごいよ……。
「Fクラスの生徒だから、私たちが一緒の部屋になったらちょうどいいからって先生が言ってたの」
櫻井さんが経緯を簡潔に説明してくれる。
「なるほど……僕に対してAクラスの優等生を入れてバランスをとった訳だね」
まぁ別にこのメンバーに不満はないし、むしろ知り合い同士だからありがたかった。
他のクラスの人が来ると聞いて、見知らぬ人とだったら気まずくなりそうだと思って不安だったし。
「今日から強化合宿期間なのにアキちゃんはいつもと変わってないね~」
「まさかここでもその衣装なんて……尊敬すら覚えてしまいそうだわ」
案の定、佐山さんと櫻井さんに衣装のことについて言われた。
「ただの巫女服じゃないですね。これは霊夢が着ていた衣装ですね。瑞希ちゃんが着せたんですか?」
と僕を関心しながら見回す佐藤さんは姫路さんに聞く。
「もちろんですよ。身だしなみには気を遣うべきですから」
「姫路さん。身だしなみって言っているけど、これは強化合宿に着てくるようなものじゃないし、普段着るようなものでもないよ……?」
もはや僕のコスプレは制服と変わらないレベルまで来てしまっているのだろうか?
「よくわかんないけど、可愛いからいいじゃない~!」
浜崎さんから抱きつかれる。
「あぁ~ズルい! 私も!」
と佐山さんからも抱きつかれた。
どうでもいいが、この2人に抱きしめられるのは久しぶりな気もする。
ガラッ
「失礼するわ」
2人からの暑苦しい抱擁を受けていると、木下さんが部屋に入ってきた。
「そろそろアタシたちのクラスは入浴時間だけれど…………って、何をしているの?」
部屋に入って早々、僕に佐山さんと浜崎さんが抱き着いている光景を想像できるだろうか?
いいや、できるはずがない。だから木下さんはしかめっ面になっている。
「やっほー優子。アキちゃんと一緒の部屋になる権限はもらったよ」
出会い頭に佐山さんが勝ち誇った笑みを浮かべて、僕に抱き着く力を強めた。
「そうね。でもアタシはそれ以上のことを経験済みだから正直、悔しくもなんともないわ」
「えぇー! 何それ!? どんなこと!?」
浜崎さんまでもが抱き着く力を強める。
そして、暑苦しさ倍増。
「それは内緒よ。まぁ教育者もいるこんなところで、吉井くんとのイベントを期待しない方がいいわね」
イベント?
さっきから3人は何について話しているんだろう?
「ぐぬぬっ……アキちゃんと一緒にいる時間がちょっと違うだけで、こんなに差ができるなんて……!」
「アキちゃん、アキちゃん! 今日は一緒に寝よう! 私の抱き枕になっ……じゃなくて、私と添い寝しよう!」
「2人とも落ち着いて……! 苦しいよ……!」
なんの対抗意識を燃やしたのか、抱き着く力を更に強める。
「もう、そこまでにしなさいよ。吉井くんが苦しがっているわよ」
「ほらほら、朱莉。そんなに焦ってはダメよ。そしてアキちゃんを抱き枕にするのはわたs……じゃなくて、添い寝するのは私だから」
呆れた顔をした木下さんと櫻井さんによって、2人の抱擁という名の戒めから解かれた。
それにしても、浜崎さんも言ってたけど櫻井さんの言う『抱き枕』とはどういう意味なんだろう?
「こうなったら皆さんで一緒にアキちゃんと寝ましょう! ここは平等に分けるべきです!」
と佐藤さんは結論じみた提案する。
「いや、この人数でどうやって寝るのよ」
美波がそれに対してツッコむ。
それには僕も同意だ。
「それに関してはそちらでどうにかして頂戴。もうすぐで入浴時間だし、行きましょ」
すると、木下さんのその言葉に目を輝かせる者が。
「お、お風呂!! アキちゃん、一緒に入ろう!」
「ああ! なんで忘れてたの! こんな重大イベントを!」
「アキちゃんと裸のお付き合い……! 強化合宿万歳!」
佐山さんと桜井さんに浜崎さんの3人組は大興奮。
「アキちゃん、お背中お流ししますよ?」
ニコニコしながら佐藤さんは言う。
「ウチはアンタの身体の隅から隅までたっぷりと洗ってあげるわよ」
拳をグッと握る美波。
「洗いっこしましょう! アキちゃん!」
入浴後の着替えとタオルを持って、準備完了済みの姫路さん。
お風呂ね……。
…………どうしよう……とっても不安でしかない。
目の前にいる女子全員を見て、危ない気がしてならない。
裸という無防備な状態で何をされるか……想像したらゾッとした。
女の子と一緒に風呂に入るのはこれが初めてではないが、今までいい思い出……というよりトラウマになるようなことしか記憶になかった。
「あ、あのさ……僕、ちょっとした用事があるから、その間に行っててくれる? すぐに行くから……」
僕がそう言うと、みんなはすんなりと了承してくれた。
僕は何がしたいのかって?
考える時間がほしいんだよ。
時間稼ぎをしてもどうせ無駄だということは、わかりきっている。
だがしかし、最小限に被害を留めることはできるかもしれない。
最善の道を見つけるべく、部屋から出て頭は思考モードへと移り変わっていた。
★
「1人になれたのはいいものの……どうすればいいんだろうな……」
入浴時間。
それは強化合宿では避けられない行事。
大人しく女子のみんなと仲良く入って洗いっこするしか……いいや、そんなことしたら僕は一方的に洗われるに決まっている。主に、同じ部屋のみんなから。
なんで僕はこんなに他の子と入るのを拒んでいるんだろうか……やっぱり、女の子と一緒にお風呂に入って酷い目に遭わされてきたからかな……?
それとも裸を見られるのが嫌だから……?
多くの人数でお風呂に入ったことないからなぁ……。
大勢の前で裸を晒すのは気恥ずかしさというか、いろいろあって不安だ。
まぁそこまで見られることはないだろうけど……ね。
「……あ、そういえば、雄二たちにお礼を言いそびれたな」
考えながら、ただフラフラと歩いていたら、ふと思い出す。
今日の昼に起きた姫路さんのお弁当事件。
考えてみると善意で殺人料理を口にしようとしたのは、我ながら愚行だった。
それを身体を張って助けてくれたのが雄二と秀吉とムッツリーニ。
気を失ってから看病はしたものの、肝心なお礼を言っていなかった。
「せっかくだし、雄二たちのとこにでも行こうかな……」
僕は雄二たちの元へと足を進めた。
★
「雄二たちの部屋は……あそこだ」
通路の奥にある、雄二たちが強化合宿で過ごすこととなっている部屋を見つけた。
そこからやけに騒がしい物音がするけど、どうせバカ騒ぎでもやっているのだろう。
「よーし、おじゃましまーす」
部屋の扉を開けて中に一歩踏み入れた時のことだった。
「え!? な、何があったの!?」
女子生徒がぞろぞろと部屋の中にいた。
あれれ? 部屋を間違えちゃったのかなぁ……!?
「…………浮気は許さない」
「翔子待て! 落ち着ぎゃああああああああああッ!!」
あ、雄二がいる。部屋は間違ってなかった……んんッ!?
雄二の上に霧島さんが乗っかって……って、雄二が言葉じゃ表せないけどすごいことに!?
「…………ッ!!」
「待て! 俺は無実だ! 無実なんd――うぎゃあああああああ!?」
そして、複数の女子生徒がムッツリーニと須川くんを囲んで……なんだあれ?
なんで2人は重石を膝に乗せられているんだろう?
「ワシは何もされんのか……?」
秀吉は……いつも通り。
というか、僕がここへ来る間に何があったんだ!?
ただ僕は呆然とその光景を見つめながら、立ち尽くしていた。
最後に何があったか理解できない方がいるかもしれませんが、次回で話の流れがわかると思います。
作者の原作に従いつつのオリジナル展開をお楽しみください。
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