明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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さーて、ついに女の子だらけの入浴タイム開幕です。


81話 入浴タイム!

sideアキ

 

 

結局、何も考えずに来ちゃったけど……大丈夫かな?

 

不安で仕方ないまま、僕は女子風呂の脱衣所へ入る。

 

「おぉ~! おかえりー! アキちゃん!!」

 

「待ってたよ! 早く入ろう!」

 

佐山さんと浜崎さんが、はしゃぎながらお出迎え。

 

入浴時間が始まってから少し経っているが、脱衣所には同じ部屋のメンバーと他に木下さんと工藤さんと霧島さんが着替えているだけ。

 

他は……雄二たちの制裁をしていたから、少しばかり遅れているのだろうか?

 

「アキちゃん、早く早く!」

 

急かしてくる佐山さん。

もう既に衣服を脱いでタオルを手に下げており、入浴の準備は完了済みのようだ。

 

「あのー……すぐに着替えるから、先に行っててもらえるかな?」

 

どうせ後で裸になるというのに、なぜここで着替えられないのかは自分でもわからないが、着替えているところを見られることに抵抗を感じていた。

 

「ボサッとしてないで、早く着替えなさいよ。入浴時間も限られているんだし」

 

「早く脱いじゃおうよ~! ほらほら」

 

そう言いながら、木下さんと工藤さんは僕の着ている衣装を脱がしていく。

 

「え……いや……ちょっと……!?」

 

2人の連携プレイにより、一瞬にして下着姿にされる。

 

「あ、この衣装は私が預かっておきますね」

 

脱がされた巫女服を受け取って、大事にしまい込む姫路さん。

 

「待って……! 自分で脱ぐから!」

 

下着姿にされた僕は距離を取ってから、下着を自分で脱ぎ始める。

 

「おぉ……! これは生のお宝映像!」

 

「脱いでいる姿ってロマンを感じるわぁ……」

 

「これは感動もの……!」

 

初めて僕の裸を見る佐山さんと櫻井さん、浜崎さんの3人は好奇心が宿った目で見つめる。

 

「……うぅ……そんなに見ないでよ……」

 

胸と股間を手で隠すが、胸の方は大事な部分しか隠せていない。

 

「アキ……そのポーズはウチに対する嫌味かしらぁ……?」

 

「ち、違うよ! 違うからね!? 美波!」

 

確かに第三者視点から見たら胸を強調するような感じはするだろうけど、決してそういうことではない!

 

とりあえず、タオルを巻いて隠しておこう。

 

「あれれ~? タオルは湯舟に付けたらいけないんだよ~?」

 

「湯舟に付けるまでは着てていいでしょ!」

 

さっそくタオルを脱がしにかかって来た工藤さんをけん制する。

 

これでは先が思いやられる一方だ……。

ゆっくりお風呂に入るなんてことは無理な話かもしれない。

 

 

 

 

おお……ここが僕たちが利用する入浴施設か……。

 

湯気が立ち上る豪華な露天風呂。

旅館なだけあって、思ったよりスケールが大きくて少し驚いた。

 

「どうやらボクたちが一番乗りだったみたいだねぇ」

 

僕ら以外に誰もいないことを確認した工藤さんはそう言った。

 

「まずは身体を洗いましょう。身体を洗ってから入るのが基本なんでしょう?」

 

「日本ではそれがマナーですからね」

 

帰国子女である美波は公共の浴場に慣れていないのか、姫路さんと僕にいちいち聞いてくる。

もしかすると、これが初めてだったりするかもしれない。

 

「確かにいい所だけど、柵の向こう側は男子風呂なんでしょう? 覗いてないか心配ね」

 

「……雄二が覗いていないか心配」

 

警戒しながら洗い場に腰掛ける木下さんと霧島さん。

 

「大丈夫だよ。さっき雄二たちが覗くのを阻止しようと先生が見回っているらしいから」

 

「……吉井……その話、詳しく聞かせて」

 

あっ……言ってしまった。

これは雄二が後で大変なことになるだろうな。

何があっても、自業自得だから僕にとってはどうでもいいけど。

 

と僕も続いて洗い場に腰掛けた時のこと。

 

「アキちゃん、お背中流しますね」

 

「佐藤さん……まぁ佐藤さんならいいかな――」

 

「ああ! 美穂が抜け駆けしてる!」

 

「ズルいよ! フライング禁止! レッドカード!」

 

佐山さんと浜崎さんからのブーングが飛んできた。

 

「風呂に入っている時くらい落ち着きなさいよ…………代わりに私が――」

 

「菜乃葉! 何をしれっと横取りしようとしてるの!」

 

「はい、こっちも反則!」

 

話に割って入る櫻井さんもギャーギャーと非難の嵐。

 

「やっぱり一緒に入った経験のあるボクがいくしかないね」

 

「……私も……身体の洗い方をまた教えてあげる」

 

「それならアタシに譲りなさいよ。吉井くん、さっさとタオルなんか外してこっちに来なさい」

 

いつの間にか僕の身体の取り合い(?)が始まっているけど……。

 

みんなから溢れている危ないオーラに後ずさりしていると、ガラッと脱衣所へ繋がっている扉が開いて……

 

「うわー! すごーい! 露天風呂だ……って、アキちゃんもいる!」

 

「おお! アキちゃんと一緒に裸のお付き合いできるなんて最高!」

 

「わ~……アキちゃんの身体、色っぽ~い」

 

ここで僕たち以外の女子生徒がわんさか入ってきた。

 

「むっ……お邪魔虫が入ってきた……こうなったら強行手段!」

 

「ひゃあっ! ちょっと佐山さん、やめて!」

 

佐山さんからタオルを引っ張られる。

 

まずい、これがなくなったら僕は隠すものがない!

絶対に阻止しなければ!

 

と必死になったものの、佐山さんの力は今の僕よりも圧倒的だった。

 

「ほらほらほら! みんな裸になるんだから気にしないで!」

 

「い、いや……! やめて! いやああああああぁぁぁ……あ、あんっ」

 

「「「あ……」」」

 

あっけなくタオルを奪われ、一糸纏わぬ姿がみんなの視界に晒される。

 

「み、見ちゃった……! アキちゃんの裸を見ちゃった……!///」

 

「今まで見てきた写真集なんかと比べものにならないわ///」

 

「なんて美しいの……私はこれを見るために生まれてきたのね……!」

 

見られた……見られてしまった……。

 

「あうぅぅ……///」

 

僕は胸を腕で隠しながら、その場に座り込んでしまう。

 

「恥ずかしがってないで、早くこっちで洗うよ」

 

「みんなで仲良くアキちゃんを洗いっこしよう! そしたら公平でしょ?」

 

「ま、待ってよ! わかったけど、まだ心の準備が……!」

 

佐山さんと浜崎さんに両方の腕を引っ張られ、再び洗い場まで連れていかれる。

 

それにしても、みんなで仲良く洗いっこするのではなく、僕を洗いっこするってどういうことだ……?

 

「そしたら、アキちゃんを洗っていくよー!」

 

「レッツ、ショータイム!!」

 

「こらこら、私たちも忘れないで頂戴」

 

「アキちゃん、さっきも言った通り背中は任せてください」

 

「ボクも洗う~!」

 

「……私にも任せて」

 

「アタシも隅から隅まで洗ってあげるわよ」

 

「アキ、覚悟はできているわね?」

 

「アキちゃん! ジッとしててくださいね?」

 

逃げたいけど、佐山さんから逃げられないように後ろから抱き着かれて身動きが取れない。

手にボディーソープを付けて、待ち構えているみんなの姿は僕から見たら恐怖の対象でしかなかった。

 

「ひぃっ……! や、優しくしてね……?」

 

「「「!!!///(((ズキューン)))」」」

 

そして、身体のあらゆる場所を撫でられていく。

 

「うわあああ! すごい! すごいよ! すごくスベスベ!」

 

「まるで赤ちゃんみたい! プニプニしてる!」

 

「綺麗な髪ね……洗わなくても綺麗なんじゃない?」

 

「はわわ……アキちゃんの身体を洗えるなんて光栄です……!」

 

「アハハ、吉井クン気持ちよくなってる?」

 

「……痛かったら、ちゃんと言って」

 

「痒いところはないかしら?」

 

「むぅ……この柔らかさ、やっぱりいつ触っても憎めない……!!」

 

「このくびれた腰……羨ましいですぅ……」

 

「ひゃああ!? もっと丁寧に――きゃあああああ!! アハハハハハハハハハ!!///」

 

合計9人から身体をまさぐられる奇妙な事態に発展し、今まで体験したことのないくすぐったさに、笑い声が少々混じった悲鳴を上げる。

 

「ちょ……アハハハハハハハ!/// ひゃあああああああん!/// みんな、やめて――」

 

「そこの女子全員、風呂場で騒がないでください!」

 

身体にタオルを巻いている高橋先生が声を上げた。

 

普段、教師として働いている高橋先生の裸に近い格好はなかなか珍しい光景だ。

 

「あっちゃ~……ここで先生の登場」

 

「もっと優しく洗ってあげればよかったわね……」

 

工藤さんと木下さんに続いて、僕を洗っていた他のメンバーも手を止めていく。

 

「いくら学園が買い取った旅館とはいえ、節度のある行動を心掛けてください」

 

「「「はーい」」」

 

ふぅ……助かった……先生が来てくれなかったら9人からの拷問に近い行為がエスカレートして行って、笑い死ぬところだった。

 

 

 

 

「はふぅ……気持ちい~……」

 

身体を洗い終えた後、湯舟に浸かって温泉のお湯を堪能していた。

風情があって、極楽とはまさにこのこと。

 

「気持ちいよね~。アキちゃんと一緒だから特にね」

 

「アキちゃんと一緒のお湯に浸かれるって、なんかいやらしいね~」

 

「うぅ……佐山さん、浜崎さん暑苦しいからここでは控えてよ……」

 

「裸同士で密着するのも悪くないと思うよ~」

 

「工藤さんまで……まぁいいか……」

 

ようやく落ち着いて入れると思ったのに……ここでも同じか。

 

「ところで……アキちゃんって、ぶっちゃけどこまで行ってるの?」

 

「ほぇ? 何が?」

 

いきなり佐山さんは何を言い出すんだろう?

 

「も~! わかっていることでしょうに~!」

 

「ごめん、本当に何を言っているのかわからないよ……」

 

「久保くんとのことだよ!」

 

「え? うーん……えっ!?」

 

ドキッと胸の内が跳ね上がる。

 

「前々から気になってたんだけど、2人って仲良いよね~!」

 

「そうそう! この前は休日にデートなんかしてんだよね!」

 

佐山さんと浜崎さんがギュッと僕の身体に絡みつく。

 

「もしかして付き合ってるんじゃないかな~と思っててね」

 

「そ、そんなことないよ! 別に久保くんとはただの友達で……」

 

咄嗟のことだが、2人に強く否定する。

 

「久保くんも同じようなこと言ってたねぇ」

 

「それに必死なのが逆に怪しい~!」

 

「ほ、本当だよ! もうこの話はなしで!」

 

話を断ち切って逃げようとするが、2人の体格差と力にはもちろん勝てず、逃げるのは不可能だ。

 

「嫌だよ~。大人しく白状しないとおっぱい揉むよ?」

 

「あんっ……も、もう既に揉んでるじゃん! ひゃあ!?」

 

「ホレホレここが気持ちいのかなぁ?」

 

佐山さんは僕の胸を揉んで、浜崎さんはお尻を撫でる。

 

「わ、わかったから、もうやめてよ……!」

 

「やっとその気になったのね。さぁお姉ちゃんに話してみなさい」

 

「私にも教えて欲しい! 詳しく!」

 

なんで2人はそんなに目を輝かせてるんだ……。

 

「私にも聞かせなさいよ。気になっているのは2人だけじゃないんだから」

 

と続いて櫻井さんまで。

 

「ボクも気になるなぁ。お風呂で恋バナっていいよね!」

 

「アタシも気になるわね。この前の件もあるから」

 

「とっても気になります! アキちゃんからも聞きたいです!」

 

「……吉井と久保に恋愛疑惑…………?」

 

話を聞いてた工藤さんと木下さんと佐藤さん。

そして、珍しく興味を示している霧島さんまで。

 

「吉井くんと久保くんって前から仲良かったですよね」

 

「へぇ~……アキにも好きな人ができたんだ」

 

姫路さんと美波にまで広がっていた。

 

これじゃあ後に引けないぞ……せっかくのリラックスタイムが……。

 

「それでそれで、2人はどこまで行っているのかな?」

 

「あのね佐山さん……さっきも言ったけど、別にそんなんじゃないから……」

 

「む~口が堅いね~……それならアキちゃんはどう思っているの?」

 

「どう思っているって……?」

 

「久保くんと一緒にいる機会も多いし、それで何も思わないってことは流石にないでしょう? ねぇ?」

 

佐山さんの言葉に他のみんなはウンウンと同調する。

 

「久保くんのことは…………ええっと……」

 

考えている内にこれまでの久保くんとのことがいくつか脳裏をよぎる。

 

「その……久保くんは優しくて頭もいいし、頼れる存在だし、とても信頼してるよ……?///」

 

ちょっと照れを隠すように微笑を浮かべながら、本心を明かした。

 

「ふ~ん……まぁ予想通りの回答ね」

 

「好感度高めだねぇ~」

 

木下さんと工藤さんは納得。

 

「へぇ~……それって、もしかすると久保くんのことが好きって気がついてないんじゃない?」

 

櫻井さんが唐突に変なことを言い始めた。

 

「えぇ!? そ、それはないと思うよ……確かに良い人だし憧れてはいるけど……」

 

今まで助けてもらったし、あの英国紳士にも負けないくらいの紳士的な振る舞いには尊敬している。

それに付き合いも男子のなかでは長い方だし、一緒にいて楽しいと思ったりもする。

 

「そう……アキちゃんが言うならそれでいいかもしれないけど……このままだと久保くんは他の子と付き合っちゃうかもしれないのよ? それでもいいのね?」

 

「え……?」

 

その一言で思わず固まった。

 

「えぇ~なんで? 久保くんって仲のいい女の子なんていたっけ?」

 

これには同じクラスであるが故か佐山さんも驚いていた。

 

「実は久保くんって……この学園の女子に人気あるのよ?」

 

「へ、へぇ……そうなんだ……」

 

久保くんってモテるんだね……。

だけど、あの性格で優等生なんだから、好意を寄せる者がいても不思議なことじゃないか……。

 

久保くんのことが好きな子…………。

 

「どうしたんですか? アキちゃん」

 

横から顔を覗き込んでくる佐藤さん。

 

「ふぇ……!? な、なんでもない……よ」

 

すると、何かを察した浜崎さんはニヤニヤしながら、

 

「アレレ~? もしかして焦っちゃってる? 『このままだと私の久保くんが取られちゃう!』って」

 

「ち、違うよ! ちょっと気になってるだけで……!」

 

必死に否定するけれど、逆にそれが怪しいと言われて何も言えなくなる。

 

「顔が赤いよ~? やっぱり吉井クンって久保クンのことが好きだったりして……」

 

「はぁ……吉井くん……なんで久保くんを選ぶのかしら……」

 

「工藤さん、木下さんも違うからね!?」

 

本当に違うんだ!

誰か僕に弁解の余地をください!

 

「とりあえず、みんなはアキちゃんの恋路を応援しているから、がんばってね!」

 

親指を立てるポーズを取って、佐山さんはもう片方の手で僕の肩をポンッと叩いた。

 

「ねぇ! ちゃんと僕の言い分も聞いてよ! 本当に違うから!///」

 

本当に違うんだってば!

 

顔を真っ赤にしながら反論したものの、みんなからはハイハイと流され続けて、墓穴を掘る形になってしまった。




相変わらず投稿不定期で申し訳ないです……。

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