明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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今年になってから投稿遅れることが多くて本当に申し訳ないです!

体調不良とインフルで寝込みっぱなしで……。
皆様もお気をつけて!


86話 強化合宿2日目終了!

sideアキ

 

 

「アキちゃん、準備はいいですか?」

 

「はーい……もう好きにしてよ……」

 

別の部屋で佐藤さんに着替えさせられることとなり、現在は部屋に戻るところ。

 

今回、佐藤さんが用意した衣装は赤を基調とした半袖の服にミニスカート、そして頭にはナイトキャップみたいなものを被っている。

髪型はサイドテールに縛っている。

 

「フランちゃんコス、似合ってますよ! みなさんも気に入ってくれるに違いありません!」

 

「これ、またキャラの衣装なんだね……」

 

佐藤さんが着せてくる衣装は今後もキャラ衣装に偏るだろうな。

 

「それではお披露目タイムですよ!」

 

佐藤さんが勢いよく部屋のドアを開けて、みんなの視線の標的となる僕。

 

「おぉ! 待ってました! 2日目も初日の衣装より可愛いぃ!」

 

「美穂、グッジョブ!」

 

佐山さんと浜崎さんは大歓喜。

 

「トランプやった甲斐があったわね。提案してくれた美穂に感謝しなきゃ」

 

「目の保養になる吉井クンにも感謝しないとね~」

 

「……吉井……子供みたいで可愛い」

 

木下さんに工藤さんと霧島さんからも大好評。

 

こんなに大人数から見られると恥じらいを感じてしまう。

 

「アキちゃんってロリファッション似合うよね~……昨日の衣装よりこっちがいい」

 

ボソッと浜崎さんがつぶやいた途端、

 

「ちょっと待った! 確かにこっちもロリ体型のアキちゃんに似合うけど、昨日の方がよかったでしょ!?」

 

と佐山さんは浜崎さんのつぶやきに異を唱える。

 

「そうね……私もどっちかというと、巫女服の方が好みかもしれないわ」

 

櫻井さんも同調する。

 

「ボクはこっちの衣装がいいかな~。お嬢様って感じでいいと思う!」

 

「……私は昨日の巫女服。伝統的で綺麗だった」

 

「待ちなさい、ここは冷静に考えて。

まず、昨日の巫女服は清楚感を出しながらトラディショナルに決まってて、なおかつ吉井くんの綺麗な顔と茶髪がとても映えるものだったわ……それに対して今回のロリータなこのファッションは、吉井くんの小柄で幼女っぽさのある体型だからこそ、得られる何かがあるのよ……!!

つまり、アタシの総合的な観点から見ると、今回の衣装が勝っていると言えるわね……!」

 

工藤さんと霧島さんの2人の意見は割れていた。

そして木下さんは早口な口調で論文の一部を抜き取って、それを読んでいるかのように力説していた。

 

木下さんって妙なところで奇怪な行動を起こすから、不思議な人だと度々僕は思っている。

 

「ウチはどっちもカワイイと思ってるから、どっちでもいいわ……」

 

美波は目の前で繰り広げられている不毛な議論(?)を呆れながら眺めていた。

 

「美穂ちゃんの衣装、とっても素敵だと思いますけどね」

 

「瑞樹ちゃんの霊夢の巫女服も素敵でしたよ!」

 

衣装を選んだ当の本人である姫路さんと佐藤さんはどちらも尊重し合って、優劣を決める気は更々ないようだ。

 

その後も、このくだらない議論は長く続いた。

 

 

 

 

結局のところ、僕の衣装についての議論は意見が上がり過ぎてきりがなく、別の日に持ち越されることとなった。

 

たかが僕にどちらの似合うかの議題でここまで続くって、ある意味すごいなと感心しながら聞いていたが、

よく考えると、バカバカしいなとも思った。

 

「とりあえず、この議題については意見が分かれすぎているので、また別の機会に……ということで」

 

「そうだね……もう疲れちゃったよ~……」

 

木下さんの司会者のようなセリフに工藤さんはヘトヘトになりながら同調した。

 

2日目もいろいろあったなぁ……みんなでトランプをして、罰ゲームにキャラクターの衣装を着せられてからみんなのくだらない議論を聞いたり、昼の合同学習でみんなと勉強したり……。

 

…………そういえば、合同学習で思い出したけど、今日の久保くんは変だったな。

僕にだけ態度が違って、避けられているような気がする。

僕って久保くんに何かしたっけな……?

ああぁ! もう! なんでこんな楽しくやってたのに、嫌なこと思い出すんだ……!

 

「アキちゃん? どうしたの? さっきから元気がないけど……」

 

すると、僕の顔色が優れていないように見えたのか、佐山さんが心配そうに話しかけてきた。

 

「ううん、なんでもないよ……佐山さん」

 

「具合でも悪くなったのかしら? 一応、保健委員だから何かあったらすぐに言いなさい」

 

「大丈夫だよ櫻井さん。ちょっと考え事をしてただけだから……」

 

「考え事? 何を考えていたのよ?」

 

「え、ええっと……それは……」

 

どうしよう……こんな時に久保くんを考えてましたなんて言ったら、誤解されるに違いない。

現に昨日の久保くんに対する追求がすごかったから、今回もさらに追及されるだろう。

 

「あ! もしかして、久保くんのこと考えてた、とか?」

 

浜崎さんの言葉に思わず、ギクッという反応をしてしまい、

 

「え、ええっと……あぅぅ……」

 

「あれ? 図星だった?」

 

浜崎さんは冗談で言ったつもりが、まさか当たっているとは思ってもいなかったようで、逆に驚いていた。

 

「こんな時に久保くんのことを考えるなんて、いったい何があったのよ?」

 

そう尋ねてくる木下さんは眉を八の字にしている。

 

「ええっと……その、本当に大したことないことだよ! だから、気にしないで……」

 

なんとか軽くあしらって、済む……と思っていたが、

 

「んんッ!? なんか怪しいし、逆に気になる……! ほら、昨日みたいにお姉ちゃんに話してみて!」

 

逆に興味を煽ることとなってしまい、佐山さんはズイッと顔を近づけてくる。

 

「大したことないなら、話しても構わないわよね? アタシにも話してほしいわ」

 

木下さんも気になって仕方がなない様子……というか、顔が怖い!

 

「アキちゃん、悩みがあるなら遠慮しなくていいんですよ。ここにいるみなさんは笑ったりしませんから、話してみてはいかがでしょうか? あまり1人で抱え込むのはよくないですよ」

 

諭すように言うが、佐藤さんも恐らく気になるのであろう……。

 

「わ、わかったよ……話すから、茶化したりしないでね……?」

 

ウンウンとその場にいる僕以外のみんなはうなずいて、興味津々な目で僕を見つめる。

 

どうせ、嘘をついてもバレるし、逃げられそうにないから、もう僕は諦めている。

恥ずかしさをさらけ出す覚悟をして、僕は口を開いた。

 

「今日の合同学習であったことなんだけど……その時から久保くんのことが気になってて……」

 

「おぉ! ついにアキちゃんも自分の本心に気が付いたの……!?」

 

「そういう意味じゃないよ!」

 

「えぇ……じゃあ、どういう意味で気になってるの……?」

 

困惑気味な佐山さんの質問に答えるように、そのまま続ける。

 

「ええっと……なんというか……久保くんが変なの。いつもの久保くんじゃないというか……」

 

その僕の言葉にみんなは疑問符を頭に浮かべる。

 

「どういうことよ? 今日の久保くんは別に何もなかったじゃない」

 

「ボクも久保クンと話したけど、いつも通りだったよね?」

 

「……久保に異常はなかった……気がする」

 

木下さんと工藤さんと霧島さんから見ればそうだろう。

だって、久保くんがおかしく見えるのは僕だけしかいないだろうから。

 

「私たちはその場にいなかったので、なんとも言えませんね……」

 

佐藤さんの言葉に、美波と姫路さんは同調する。

この3人は久保くんに会ってないので、当然だが。

 

「ん~……私たちも特に変わった様子はなかったと思うけど……」

 

「久保くんのことはよく見てなかったから、なんとも言えない立場ね」

 

「いつも通り、難しいところを教えてもらったよね」

 

佐山さんと櫻井さんと浜崎さんまで。

 

いつも通りの流れで久保くんから勉強を教わっていたのだろうから、当然の反応かもしれない。

 

「その……みんなの前ではそうかもしれないよ……でも、僕の前では久保くんが久保くんらしくないというか……」

 

「それは、どんな感じで久保くんらしくないのかしら?」

 

「僕以外のみんなの前では普通に接しているのに、僕にだけ態度が冷たいというか……他人行儀だし、目も合わせて話してくれようとしないし、僕を避けるようなことまでするし……」

 

「久保くんが? まさか、冗談じゃないわよね……?」

 

「冗談でそんなこと言わないよ……木下さん」

 

「それもそうね……疑って悪かったわ……」

 

木下さんは軽く謝罪した後、みんなとヒソヒソと話し出した。

 

「ちょっと、どうなってるのよ……あの久保くんが吉井くんを避けてるって……」(木下)

 

「ボクもビックリだよ……久保クンはあんな人じゃないのに」(工藤)

 

「……久保にいったい、何が……?」(霧島)

 

「久保くんって、アキちゃんのこと好きだったんだよね……?」(佐山)

 

「そうね……思いを寄せる人への特別な態度ともいえるけれど、アキちゃんの話を聞くからに、あれは思いを寄せる人への態度ではないわ……」(櫻井)

 

「久保くん、どうしちゃったんだろう? もしかして、愛想が尽きてしまったとか……!?」(浜崎)

 

「話がよくわからないのですが……」(姫路)

 

「ウチも何が何だか……」(島田)

 

「瑞樹ちゃんと島田さんには後で説明しますよ!」(佐藤)

 

僕が話をした後にみんなは話し合ってるけど、そこまでして僕のことを考えてくれているのかな……?

失礼ながら、あまり期待はしてなかったんだよねぇ……。

だけど、あれだけ真剣に考えてくれると、期待しなかったのと見くびってしまった罪悪感が……。

 

「考えても仕方ないことね……そろそろ就寝時間が迫っていることだし、アタシたちは部屋に戻るわ」

 

部屋に設置してある時計を見た木下さんは就寝時間が近いことに気づき、立ち上がる。

 

「ん~? もうそんな時間なんだ……いいところだったのに!」

 

「……結局、わからず終い」

 

続いて、工藤さんと霧島さんは立ち上がる。

 

「ごめんね、吉井くん。久保くんに何があったかわからないけど、今度会った時にはアタシから徹底的に聞いておくわ」

 

「ボクも協力するよ! 久保クンと吉井クンはこんな関係じゃダメなんだしね!」

 

「……私も……本人から事情聴取が必要」

 

「ありがとう……それじゃあ、おやすみ」

 

3人は揃って、「おやすみ」と言った後、部屋を出て行った。

 

……………………。

 

「……3人も帰ったことだし、私たちも寝ましょう」

 

「そうだね……あ、今日は誰が一緒にアキちゃんと寝るの? まだ決めてなかったよね」

 

「佐山さん、なんでこの空気の中でそれを言うのかな……?」

 

「えぇ? だって、夜の楽しみだって必要じゃん? 昨日は私が一緒に寝たから、私以外が寝ることになるよね。だから、そっちで好きに決めてて」

 

と佐山さんは布団をさっさと敷いて、寝る準備をしだした。

 

「アキちゃんが誰と寝るかについては、もう既に決めているので…………アキちゃん、今日は私ですよ」

 

「今日は佐藤さんか……えっと、よろしく……?」

 

罰ゲームの命令係に続いて、一緒に寝ることになるとは……今日は佐藤さん絡みのことが多いな。

 

その後、全員分の布団を敷き終わり、佐藤さんと同じ布団の中で寝ることとなる。

 

「……はぁ……今日もいろいろあって疲れたな……」

 

思わずポツリとつぶやいた。

 

……結局、久保くんのことについてはわからなかったな。

 

なんで久保くん1人のことに対してここまで悩むのか意味がわからず、馬鹿馬鹿しくなってきた。

でも、気になって仕方がない。

 

沈んだままの気持ちで眠りにつこうとしていると、

 

「アキちゃん……!」

 

「ん、どうしたの? 佐藤さん」

 

小声でこちらを読んでくる佐藤さん。

 

「私たちはアキちゃんと久保くんに何があったか知りません……ですが、困ったときはもっと私たちを頼ってくれてもいいんですよ?」

 

そう言って、僕の頭を優しくなでながら続ける。

 

「2人の関係に割って入るのは気が引けますけど、アキちゃんが困っているのは私も皆さんも見過ごせないんです。

力になれることがあれば、遠慮なく頼ってください……ね?」

 

「……うん、ありがとう」

 

あまりにもしつこく聞いてくるから仕方なくの理由で悩みを少しだけ吐いただけなのに、ここまで心配されるとは思ってなかった。

 

でも、ここまで心配してくれると申し訳ないというか、ちょっとありがたいというか……。

 

とにかく、一刻も早く久保くんとのことを解決しないと、また心配させてしまう。

 

できればこの強化合宿期間中に解決できればいいんだけど……。

 

「それじゃあ、改めて寝ましょう。アキちゃん」

 

「うん……って、そんなにひっつかないでよ……」

 

「いいじゃないですか! こんな機会、滅多にないんですから!」

 

まぁ心配かけた迷惑代として、抱きしめる程度までは許してあげよう……。

 

そのまま僕と佐藤さんは一緒に眠りについた。




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次回からはできるだけ早く投稿できるように心がけます。
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