フカフカのベッドで最高の寝心地
意識が曖昧に覚醒するが気持ち良すぎてまだこのままでいたい。
二度寝をしようとして更に意識が落ちそうになる時それは起きた。
爆発音だ。
人が気持ちよく寝ているのにこの騒音。今、何時だと思っているのかしら?
あ、夜だがまだ夕食の時間も来ていなかったらしい。だが害は害だ。
今度、面倒な時の切り札として取って置こう。先生はこう言うのにはかなり気にする派だから本でも奢ってくれるのではないだろうか?
今は二日目の夜就寝時間にはまだ早い時間帯どころか夕方だ。
今日の朝、起きて朝食を一人食べているとイリーナ先生がやってきて皆の無事を知らせてきた。
あ、そうですか。私には関係ないね。
その後部屋に戻り本を読み始めた。
何冊か読み終わった後再び眠気が襲ってきたので逆らわずそのまま寝て今に至る。
そのまま寝てもいいが爆発音で完全に眠気が覚めたので部屋から出て何処か静かな場所に行って読もうかな。
この気まぐれがいけなかった。
ホテルのデッキは涼しくて波の音が心地良いサウンドになり部屋の無音状態とはまた違った雰囲気が味わえる。
波の音を聞きながら読むのは確かに心を落ち着かせて読める。
直ぐに本の世界に入ったら聞こえなくなるのだがふと現実に戻った時に丁度いい。
本の世界に入っていると違和感が襲ってくる。
その正体を探ろうと現実に意識を戻す。
戻した瞬間違和感の正体に気づいた。
あのタコ先生だ。
顔を私と同じ高さまで下げこちらを向いている。
気づいてないふりをしてそのままページめくる。
「にゅ、少し早すぎませんか?先生まだ読めてないのですが。」
「私が読んでいたので先生にペースをどうこう言われる筋合いはないのですが?」
何を言っているのだろうこのタコは。
先生ならこのくらいの本五秒もかからず読めるはずなのに
「なら仕方がありませんねぇ。内容が気になったので今度貸してください。そして感想を言い合いましょう。」
いや買えよ!なに人の本を借りようとしているのだろうか。しかし感想を言い合うと言うのには少し惹かれる。
そんな感情とは裏腹に冷たく本を読みながら言った。
「それで何の目的があって私の所に来たのですか?こちらとしても暇ではないのですが…」
「せっかく来たのですから楽しい思い出を作れたらと思いまして肝試しをやりたいと思います。一緒に夏の夜を楽しみましょう。」
「嫌です。部屋に戻るので夕食の時間で」
誰が好き好んでこんな事するか!?
前言撤回だやっぱり気まぐれでも部屋に籠るべきだった。