本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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52 「2時間目 いい気味な時間」

 突然だが私の席の位置は右から4列目、左から3列目の五番目つまり一番後ろの位置だ。

左右を見れば右側に寺坂しかいなかったのだがつい最近右隣に赤羽と言う奴が来た。

どうでもいいけど。

 

 

 

五月に入ってから新しい先生が来た。

イリーナ・イェラビッチと言う暗殺者だ。

一回目と二回目の授業は自習で授業をする気がなくて都合の良い先生だと思ったが、三回目の授業から実践的な会話術を教えてくれる様になった。

まぁ、あんな話なんか聞かず本を読んでいるのだが。

 

 

 

日にちは過ぎ中間テストの時期が来て担任がやる気に満ちている。

分身して生徒一人一人にマンツーマンで苦手な教科や伸ばす教科を教えるらしい、私のハチマキは寺坂と同じでナ○トだった………五教科とも最下位レベルだからか。

少し経つと先生の顔が崩れた。

赤羽が暗殺してそれを避けたらしい、アホらしい。

私は本を取り出して読み始めた。

「にゅ 若麻績さんこっち向いて聞いてください」

私が本を読んでいるのに気が付き私から本を取り上げた。

本を取り上げられた私は元々少なかったやる気が全くなくなったので頬杖をついて目を閉じた。

「目を開けて下さい、若麻績さん!」

勿論無視した、今更勉強しても成績など上がるわけないし

 

 

 

今日の授業が終わると私は気が付いた。

あいつに私の本を奪われたままだと言う事に。

仕方なく教員室に向かうと誰かが中を覗いていた。

潮田渚、先生の弱点をいつもメモしていてこの前自爆テロを実行した奴だ。

いつも本を読んでいる私だが決して読んでいると周りの声を全く聞いてない訳ではない、なので少しならクラスメートの事を知っている。

比較的直ぐに忘れるが…

話を戻そう、私は彼に気づかれないように教員室の中を覗いてみた。

そこにはこの学校の理事長が先生を論破しているように見えた。

さらに知恵の輪で絡まっているなんていい気味だ、私から本を奪ったから罰が起きたのよ。

理事長が出て行こうとしてるのが見え潮田は動いた時に私を見つけビックリしていた。

「若麻績さんいたんだったら声ぐらいかけてよ」

「なんで?かけなきゃいけないの?」

「なんで?って…」

その時、理事長が出てきた。

「やあ!中間テスト期待しているよ頑張りなさい!」

できっこないって分かっているのに期待しているなんて生徒の心境をよく理解しているのね、潮田君なんて前のE組の顔に一緒に変わっているし。

さてやっと教員室に入ってもいい状態になったので早く本を返してもらわないと。

 


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