イライラして来た。
主に拘束中に当たる矢田の胸に。
潮田の相談とは「殺せんせーを助けたい」というもの。
半数は同意するが、もう半数は否定する。
潮田と赤羽が殴り合いまで発展するとタコが解決案を出してきた。
赤と青の殺す派と殺さない派で別れて、インクを付けられた奴は死亡扱い。
全滅か降伏、旗を取られた方が負け、勝った方をクラスの総意見とするというもの。
要するに、力でねじ伏せろ、という訳だ。
別に、中立で参加しない意見もあるが、私個人の意見としてはタコを殺すのは決定事項だ。
穏便に赤チーム、殺す派を選ぶ。
いい機会だ。
このクラスにステータススキルだけでどれ位できるか、試させてもうおう。
赤羽をリーダーにして始まった、殺す派の作戦会議
私以外にドンドン指示を出す。
いない子扱いなのかな。
別にそれでも、好きにやるけど。
輪の中から外れて、使えるチートコード探していた私に、作戦を粗方伝え終わった赤羽が話かけてきた。
「若麻績さん」
「何?」
「どれくらい、動けそう?」
「どれくらい?」
「そう、若麻績さん。訓練の時さあ、本気出して無かったでしょ」
「根拠は何?」
「触手を使った暗殺の時さぁ、いきなり使いこなしていたじゃん。身体能力が高くないと出来ないことだよ」
「ハァ・・・。触手はないけど、それに準ずる動きは出来る事を保証するわ」
「オッケー。じゃあ、開始と同時に敵の旗目掛けて突っ込んで」
「捨て駒?酷い」
「陽動作戦だよ。敵が現れたり、攻撃してきたら逃げていいよ」
「分かったわ。作戦に加担してあげる」
「あ!最後に・・・」
なんだか、考えて行動するのが、面倒だったので赤羽の作戦を受けた。
私が無双しても面白くないから、という思いもある。
開始同時に私は敵陣目指して、歩いた。
銃もナイフも装備せずに、ただゆっくり歩く。
敵は何かの作戦かと疑問に思って攻撃してこない。
私に気が逸れている内に赤羽の作戦が敵に襲いかかった。
両チーム死亡者が出たところで、私が旗まで残り三分の一に迫った。
このままだと私の進行はただの陽動じゃなと思ったのか、それともこれ以上進行させてはいけないと思ったのか。
一発の銃弾が私に放たれた。
それを避ける。
今度は何発も放たれる。
無駄だ。
私の動体視力はタコの触手を完全に見切る。
銃弾の軌道を見切って避けることなど、造作もない。
弾を避けるふりをして、茂みに逃げる。
別に、逃げずに旗を取りに行けるけど、疲れた。
『疲労無効』のお陰で体に疲れはでないが、動いたと言う事実が精神的に疲労を起こす。
なんか、グダグダ。
ごめんなさい。