本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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177 「31時間目 この程度の時間」

動いたと言う事実が私を精神的な疲れを感じさせる。

 

茂みに潜り込んで、異次元倉庫から出した本を読む。

 

 

本は何時でも、精神的疲労を私からなくしてくれる。

 

これだから、読書は辞めれない。

 

 

今回はゲームの途中ともあり、『速読』を使って読み進める。

 

五分もしないうちに精神的疲労は回復し、むしろテンションは上昇していた。

 

 

思ったけど、この超体操着、見た目としてはかっこよくていいけど、動くことを考えるともうひと頑張りな評価だ。

 

チートコードにもっといい防具が無いか後で調べよう。

 

 

ここで『索敵スキル』を使ってみた。

 

 

『索敵スキル』

 

使うと任意の範囲内をマップ形式で写してくれるスキル『マップ表示』と掛け合わせて使うことで敵の正確な位置を知ることができる。

 

 

私にだけ見えるマップが表示されて、敵の位置を確認する。

 

一人だけ不自然な場所にとどまっているのを見つけた。

 

 

誰かしら。

 

私の索敵では個人名までしっかりと確認できた。

 

 

潮田、彼か。

 

恐らく彼はクラス内で一番、暗殺の才能がある人。

 

面白い。

 

ターゲットは彼に決定。

 

 

警戒心がないように見せかけて後ろに回り込む。

 

わざと音を立てる。

 

潮田と目が合った。

 

私は笑う。

 

 

絶対に気づかれないと思っていた場所をあっさりと見つけられ、こんなに近くまで接近された気持ちはどう?

 

お前らが必至扱いて磨いたスキルは私にとってごみくず同然。

 

 

そんな意味を込めて笑った。

 

 

潮田は私に殺意が無いのを感じ取ったのか、こちらに警戒したまま動かない。

 

 

一方、殺す派と殺さない派が最後の攻防に出ていた。

 

潮田は私に気を取られて、絶好の機会を見逃した。

 

 

あ~あ、私ばかりに気を取られて、本命のターゲットを見過ごすとは、やっぱり、中学生か。

 

この勝負、やる価値もない。

 

 

私はそう悟った。

 

そのまま、烏間先生にリタイヤ宣言をして、ゲームの結果だけを聞いて帰った。

 

 

次の日、タコを助ける為に国際宇宙ステーションをハイジャックする事が決まった。

 

 

何でそうなる!

 

たかがタコを助ける為に宇宙に行く?

 

ホントに馬鹿馬鹿しい。

 

宇宙なんて行こうと思えば何時でも行けるが、全く行きたいなんて思わない。

 

 

クラス内が楽しく準備している間、私の能力は全く手伝える事など皆無なので、夏にプールになっていた所に逃げ隠れて本を読む。

 

しかし、チートを使ってなかったのが不幸か、見つかって宇宙に関する意見を聞かれた。

 

応えるのも面倒なのだが、答えなければもっと面倒になりそうだったため、小説に書いてあったものと私の意見を混ぜて答えた。

 




ゲーム中に無双するかとおもいました?

残念ながらあっけなく終わりです。


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