動いたと言う事実が私を精神的な疲れを感じさせる。
茂みに潜り込んで、異次元倉庫から出した本を読む。
本は何時でも、精神的疲労を私からなくしてくれる。
これだから、読書は辞めれない。
今回はゲームの途中ともあり、『速読』を使って読み進める。
五分もしないうちに精神的疲労は回復し、むしろテンションは上昇していた。
思ったけど、この超体操着、見た目としてはかっこよくていいけど、動くことを考えるともうひと頑張りな評価だ。
チートコードにもっといい防具が無いか後で調べよう。
ここで『索敵スキル』を使ってみた。
『索敵スキル』
使うと任意の範囲内をマップ形式で写してくれるスキル『マップ表示』と掛け合わせて使うことで敵の正確な位置を知ることができる。
私にだけ見えるマップが表示されて、敵の位置を確認する。
一人だけ不自然な場所にとどまっているのを見つけた。
誰かしら。
私の索敵では個人名までしっかりと確認できた。
潮田、彼か。
恐らく彼はクラス内で一番、暗殺の才能がある人。
面白い。
ターゲットは彼に決定。
警戒心がないように見せかけて後ろに回り込む。
わざと音を立てる。
潮田と目が合った。
私は笑う。
絶対に気づかれないと思っていた場所をあっさりと見つけられ、こんなに近くまで接近された気持ちはどう?
お前らが必至扱いて磨いたスキルは私にとってごみくず同然。
そんな意味を込めて笑った。
潮田は私に殺意が無いのを感じ取ったのか、こちらに警戒したまま動かない。
一方、殺す派と殺さない派が最後の攻防に出ていた。
潮田は私に気を取られて、絶好の機会を見逃した。
あ~あ、私ばかりに気を取られて、本命のターゲットを見過ごすとは、やっぱり、中学生か。
この勝負、やる価値もない。
私はそう悟った。
そのまま、烏間先生にリタイヤ宣言をして、ゲームの結果だけを聞いて帰った。
次の日、タコを助ける為に国際宇宙ステーションをハイジャックする事が決まった。
何でそうなる!
たかがタコを助ける為に宇宙に行く?
ホントに馬鹿馬鹿しい。
宇宙なんて行こうと思えば何時でも行けるが、全く行きたいなんて思わない。
クラス内が楽しく準備している間、私の能力は全く手伝える事など皆無なので、夏にプールになっていた所に逃げ隠れて本を読む。
しかし、チートを使ってなかったのが不幸か、見つかって宇宙に関する意見を聞かれた。
応えるのも面倒なのだが、答えなければもっと面倒になりそうだったため、小説に書いてあったものと私の意見を混ぜて答えた。
ゲーム中に無双するかとおもいました?
残念ながらあっけなく終わりです。